自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★猛烈な台風接近、北の漁船は

2019年10月08日 | ⇒ニュース走査

   能登半島沖の日本のEEZ(排他的経済水域)できのう(7日)、水産庁の漁業取締船と北朝鮮の漁船が衝突した事故で、沈没した漁船の乗組員60人が救助され、別の北朝鮮の船に引き取られた。これで一件落着なのだろうか。事故の原因は、取締船が北の漁船に放水して退去するよう警告したところ、漁船が急旋回して取締船の左側から衝突してきたと報じられている(8日付・NHKニュースWeb版)。通常、船同士がぶつかりそうな場合、左側の船が衝突をよけるルールとなっているが、避けることなく衝突し沈没した。

   日本側への威嚇による故意の事故なのか、単なる操縦ミスなのか、伝えられていない。水産庁が撮影しているであろう衝突映像を国際社会に公開すべきだ。衝突が単なる事故なのか、故意に衝突した「事件」なのか。それにしても不可解なのは、なぜ、救助した60人全員を帰すことになったのか、だ。本来ならば北の船長や機関士らから事情聴取すべきだろう。水産庁の目的は違法操業をさせないことで事故原因の調査ではないとするならば、海上保安庁にバトンタッチすべきだろう。

   日本海のスルメイカの漁期は6月から12月だ。これからの日本海は荒れやすい。大型で猛烈な台風19号も接近している。能登半島や金沢の海岸線に打ち上げれた北の漂着船をこれまで何度か目撃した。2018年1月10日朝、金沢市下安原海岸に北朝鮮の漁船が漂着し、船内から7人の遺体が見つかった。現場に足を運んだ。船の中には、ハングル文字で書かれた菓子袋などが散乱し、迷彩服もあった。ひょっとして軍人が乗っていたのではないかと勘繰った。小型船で日本海の大和堆に繰り出して漁をする。荒れる日本海に命がけで、なぜそこまでしてイカ漁に固執する必要があったのだろうか。上からの命令なのか。

      海上保安庁によると、昨年1年で北朝鮮からとみられる木造船の漂着は201件で前年の2倍。問題はこうした漂着船の解体処分や遺体の火葬をするのは自治体だ。石川県に漂着した木造船などの処分費用21件880万円。最終的に国が全額負担している。猛烈な台風19号の接近で難破する北の漁船も増えるだろう。無謀で不合理な光景がまた繰り返されるのか。(※写真・上は水産庁の取締船と北朝鮮の漁船の衝突を報じる石川県の地元紙、写真・下は2018年1月に金沢市下安原海岸に漂着した北朝鮮の漁船)

⇒8日(火)朝・金沢の天気      あめ

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