自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆ごついおっさん

2006年04月11日 | ⇒トピック往来

  きょう(11日)朝、北陸鉄道バスの「泉一丁目」のバス亭から金沢大学行きのバスに乗った。次のバス亭が近くなると、バスの運転手の野太い声が聞こえてきた。降車の客一人ひとりに「はい、いってらっしゃい」「はい、いってらっしゃい」と声をかけている。気の利いた言葉だなとの好印象だ。さらに次のバス亭でも「いってらしゃい」は繰り返された。義務感ではなく、言葉に気持ちがこもっていた。

  バスが金沢大学に近づくとハプニングが起きた。乗っていた男子学生の一人が「このバスは北陸大学へ行かないんですか」と慌てた様子で運転手に話しかけた。おそらく新入生なのだろう、乗り間違えたようだ。バス亭で運転手は「まっすぐ歩いてスポーツジムの近くのバス亭で乗ると北陸大学に行くことができるよ」と教え、「でも、ここまでの料金はちゃんと払ってよ」と念を押したところで他の乗客からかすかな笑いが漏れた。

  一連の会話を聞いていて、後方に乗っていた私は運転手の顔のかたち、とくに顎(あご)の骨格が見たくなった。声の幅(太さ)、声の音質からして、民主党の新しい代表、小沢一郎氏と似ているのではないかと想像したのだ。それを確認するチャンスが訪れた。金沢大学中央のバス亭で下りるときの一瞬のタイミングで、その運転手の横顔をしかと見させてもらった。予想はピタリと的中した。左耳から下の太くアールを描いた顎線、肉付き…。目つきは小沢氏より優しい感じだが、全体にごつい感じがした。

  私は時折り、声を聞き、顎のかたちをイメージする。逆も推測したりする。だから、聞き覚えのある声が遠くから聞こえると、名前と同時に顎のかたちが浮かぶ。趣味というわけではない…。

  ところで、その小沢氏はきのう(10日)のNHK番組「クローズアップ現代」に出演していた。言っていたことは「選挙に勝って、政権を取る」それだけだった。実に分かりやすい。が、おそらく小沢氏の戦略には、民主党の独自色といった概念はないのではないか。自民党の候補者よりドブ板選挙を徹底して選挙に勝つこと、それが政権構想そのものだと言っているようにも聞こえた。

  その選挙手法はかつての自民党そのものだ。去年9月の郵政民営化を問う総選挙のように、政策の違いがはっきり理解できなければ有権者は戸惑い、しらける。その点で、民主党への期待や支持率はさほど上がらないのではないか。

  (※写真:バチカン宮殿「ラフェエロの間」の「アテネの学堂」。画像と文章の関連性はない)

⇒11日(火)朝・金沢の天気   あめ

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