春は入学シーズン。金沢大学でもあす7日に入学式があり、1800人が新たに仲間入りする。この時期、彼らを手ぐすね引いて待っているのが部活の部員だろう。食堂にいると、「新勧(しんかん)」(新入生勧誘)という言葉があちこちから聞こえてきた。「あすは全員で入学式会場前で新勧のビラ配り」「新勧活動費に一人○○円かかる。大変よ」
耳を澄まして聞いていると、ある文化系サークルは新勧のために一人5000円の臨時徴収があった。現在部員が60人なので新勧対策費はざっと30万円ということになる。面白いのは勧誘の仕方。直接部活動について語るのではなく、まず「履修の仕方を教えてあげるよ」とランチや喫茶に誘う。そして「花見をするから来ないか」と自宅や携帯電話の番号などの連絡先を聞きだす。押しの強い体育会系などはその日の夕方にはもう自宅を訪問するそうだ。
そして生協食堂へと通じる廊下や階段には所狭しと立て看板が並ぶ。その中からビジュアル的に面白いものをいくつか紹介する。目立ったのが、ズバリ馬をかたどった看板。馬術部だ。この部は現在16人(2年-4年)の部員、そして馬が14頭。貼り付けてあるチラシには「家に一人でいるとさみしくても、厩舎(馬がいるところ)に来ると馬があたたかく迎えてくれ、とても癒されます」と。写真ではサロンパスを貼った馬のようにも見え、ちょっとユーモラスだ。
こんな部あったのか、というのが「スポーツチャンバラ部」。護身術を学ぶクラブで、「武道にありがちな厳しい制約もなく、ルールもシンプル」という。日本には競技人口15万人、世界には5万人もいると看板でアピールしている。
こちらは「間違えたで賞」かもしれない。ほんらい「ライフル」と書くところを「アイフル」と書いてしまった。仕上げて気がついて朱で×をつけてラと書き直した。元のままでは消費者金融の看板になってしまう。この看板は確かに目立つ。だからわざと気を引くように書いたのかと思ったりもした。
大学キャンパスで、新勧の熱い春が始まるー。
⇒6日(木)夜・金沢の天気 はれ