伝統の日本海縦貫線を行く寝台特急日本海もいよいよ終焉を迎える/新疋田
皆様あけましておめでとうございます。本年もEXPRESS DIARYを筆頭にメインターミナル、喫茶エクスプレスをどうぞよろしくお願い申し上げます。激動の2011年が幕を閉じ新しい年2012年が始まりました。月並みですが、本年の鉄道の展望をしてみたいと思います。
JR西日本。昨年の動向は年末にまとめた通りだが、本年も昨年に続き、年初は近郊型では225系、特急形では287系が増備されるものと思われる。3月17日にはダイヤ改正が予定されており、既報の通り寝台特急日本海と夜行急行きたぐにが廃止となる。これによりJR西日本管内からブルートレインと急行列車が姿を消すことになる。夜行列車はサンライズとトワイライトが残存する為、完全廃止にはなっていないが、国鉄時代からの伝統的な夜行列車は日本海、きたぐにの廃止をもって関西地区からは姿を消す。
3月改正では昨年に引き続きアーバンネットワークのダイヤ変更が行われる。相変わらず減量ダイヤが目立ち、環状線ではデータイムのゆめ咲線直通電車がなくなり、その補完として関空紀州路快速、大和路快速の福島停車が実施される。
車両面では昨年末の阪和線、きのくに線に引き続き、225系増備によりJR宝塚・福知山線から113系が姿を消す。朝夜のみの運転ではあったが、福知山線事故で運用が復活して以降活躍を続けていた113系が漸く置き換わることになる。225系は運用範囲をJR宝塚線、福知山線にも広げていく見通しだが、今のところ配置が宮原となるのか、網干となるのかはわからない。225系投入により113系・103系の淘汰が目立ってきており、しばらく安泰と思われた両形式もいよいよ終焉を迎える体制に入ってきたかのようだ。
優等列車では287系が紀勢線特急にも投入される。3月改正以降増備を続けていく模様で、昨年の山陰線特急と同じような形態で夏頃までに381系を置き換えていく模様だ。昨年の段階では381系を福知山に転属させて183系を廃車にするという話もあったが、これが本当であれば、485系改造の183系が終焉を迎えることになる。ファンとしては381系くろしおを追う必要もあるが、原色に近い塗装を持つ183系を今のうちに追いかけておく必要があるのではなかろうか。
阪急。昨年行われると思っていた宝塚線のATS更新だが、結局行われなかったので、本年に実施されるものと思われる。同時にダイヤ改正を行うのかどうかはわからないが、幾分でもスピードアップはされるだろうからダイヤ改正を伴うものと思っても構わないだろう。データイムの運行体系はこれ以上触ることはない形で収まっているので、運行体系の大幅変更はあるとすれば朝夕ラッシュ時のほうだろうか。宝塚線、神戸線では9000系の増備が続くものと思われ、本線から3000系の淘汰が行われ、支線区に残る非表示幕車を置き換えるものと思われる。本年の早いうちに非表示幕車は引退するかもしれない。京都線はここ2年ほど立て続けにダイヤ改正を行っているので、本年は動きはないものと思われる。但し、臨時列車の見直しは行われるかもしれない。
京阪。京阪も昨年ダイヤ変更を行っているので、本年はダイヤ面では特に変化はないと思われる。新塗装への移行が進んでおり、そろそろ京阪オリジナル塗装が姿を消しつつある。新型車13000系の導入も決定しており、京阪オリジナル塗装については本年以降貴重な存在となることは間違いないだろう。
近鉄。2012年3月には例年通りダイヤ改定が行われる見通しだ。今のところ何も発表されていないが、1月中旬あたりにはその概要が発表されるだろう。昨年噂があったリストラダイヤとなるのかどうか注目されるところだ。2013年春には新型特急車をデビューさせるが、この春はそのような明るい話題は今のところ聞かれない。阪神なんば線絡みの改善についても今のところ車両に全く動きがないことから増発等はないものと思われる。こちらもおそらく阪神三宮駅改良が完工する2013年に動きがあるのだろう。阪神関係で言えば有料特急の阪神あるいは山陽乗り入れも注目されるところだが、この点も今のところ大きな動きはなく、団体臨時レベルでの実現がいつになるかといったところだろうか。本年での実現は厳しい感じがする。
阪神。先にも書いたように近鉄と直通する阪神なんば線は改善して欲しいところはたくさんありそうだが、今のところ何も動きはない。最近阪神のダイヤ改正は阪急、山陽と合わせて行う傾向があるが、阪急神戸線は今以上ダイヤを変えるところはなさそうなので、次回改正は近鉄と阪神、山陽での3社での改正となりそうだ。時期的には2012年よりも三宮駅改良が完成する2013年が濃厚だろう。その準備として2012年にどのような動きがあるかで、2013年の改正の動向が読み取れるだろう。
ラピートαの復活が噂される南海の空港特急/萩ノ茶屋
南海。本線ではラピートαの復活が注目される。LCCの就航に合わせてラピートαを復活させ、所要時分も短縮されるという発表が新聞紙上であったが、それ以降具体的な動きはない。実現すれば久々に関空輸送のテコ入れが行われることになり、久々に明るい話題となりそうだ。
大阪市交。大阪市長選などの影響がどこまで出るのか政治的な面でも注目される大阪の地下鉄だが、黒字化を背景に車両の入替なども徐々に行われるようになってきている。御堂筋線に31000系が投入され、10系を淘汰していくなど、車両更新で対応してきたものを新車に置き換える施策になってきている点は明るい話題と言える。千日前線、長堀鶴見緑地線ではホームドアの設置が行われており、これが完了すると他線にも波及するものと思われる。千日前線ではホームドア設置に際して車両の更新も行われているが、できればワンマン運転も実施して欲しいところだ。