山の中の一軒家をたずねて、テレビが取材する。当然ながら、登場人物はすべて、「普通の人びと」である。だが、それぞれ家族の状況は違う。でありながら、とんでもないヘンクツな人などいない。
所がそんなセリフを吐く。
同感である。ということは、普通の人がすばらしいということであり、なまじ、名が売れたり、財をなしたり、権力を得たりしたものだけが、すばらしいと思い込んでいるのではないかという疑いが生ずる。
特権を得たものは、なかには、いい人もいるだろうが、そのために、思い違いをしている者もいるのではないか・・・。
山奥に生を受け、そのために、苦しい生活を余儀なくされた人もいるだろう。だが、取材で登場してきた人たちは、むしろ、模範になるような、いい人ばかりではないか。
目からウロコとは、こういうことだろう。テレビ側は取材をするだけで、とんでもないすばらしいドラマを作り出している。これは企画の勝利だろうか、否、こういう人びとに寄り添うことで、思わぬ金鉱を発掘したということではないか。
もはや、環境問題を真剣に考える政治家が死に絶え、狭い視野の金儲け主義のモットモットのよくボケ政治家が、地球をほろぼしかねない状況のなかで、テレビがどんな役割をはたしていくのか、視聴率だけが、視野にあるようでは、さらに、あらたな金鉱をみつけることができるだろうか。頑張ってほしい。