全体的になかなか良いリストだと思います。予測していたのは、DVDがなかったり入手困難な昔の映画はほとんど選ばれないだろうな、ということ。公開年の古い順は①「迷夢」(1936)←桑畑優香さん・佐藤結さん、これは意外! ②「族譜」(1979)←なるほど、の兼若先生。 ③「キルソドム」(1985)←前田真彦さん、「離散家族の生の韓国語を聞くことができ、それだけで感動的」。「チルスとマンス」(1988)←桑畑さん、これはすご~く意外!!(私ヌルボ、<アジア映画劇場>の録画ビデオ持ってます。) ・・・といった例外もチラホラありますが、やっぱり予測通りでした。
ところで、皆さんどれだけ<韓国語学習者に見てほしい>という点を意識されたのかな? そうした条件に直結する説明もたしかにありましたが、歴史・社会・文化等の理解を重視されている方もいらっしゃるのはむしろ当然かも。
この作品をよく選んでくれました、と共感を覚えたのは「ワンドゥギ」←李承珉さん、「彼とわたしの漂流日記」←藤田麗子さん。そう、「チャジャンミョン愛」ですね(笑)。
で、私ヌルボがもし選ぶとしたら、「風の丘を越えて 西便制<ソピョンジェ>」「僕が9歳だったころ」「息もできない」の3作品なのですが、どれも選ばれてなかったですね(笑)。「僕が9歳~」では初めて慶尚道方言の抑揚が少し理解できたし、「息もできない」に出てくる韓国語の多彩な侮蔑語については<映画「息もできない」に頻出する韓国語のスラング等>と題した記事(→コチラ)を書く時にいろいろ知識を得ました。あ、それ以前に3作とも(ヌルボにとっては)リクツ抜きの感動作なんですけどね。
▸5月2~4日にチェッコリで「무녀도(巫女図)(1972年)、「카인의 후예(カインの後裔)(1968年)、「나그네는 길에서도 쉬지 않는다(旅人は道でも休まない)の3作品を観たのは大収穫でした。なるべく早く記事にします。
「朝鮮日報」5月4日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。) | ||
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와인도 사랑도 시간이 필요해 | 《週末の劇場街》で紹介 「私たちをつなぐもの」 ワインも愛も時間が必要 「アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~」 これを手で造ったとは ★★★☆ 「グッド・マナーズ」 ラストが光る残酷童話 ★★★ 「ワンダーストラック」 きれいだがやや間延び ★★★ 「マジックビーン」 可愛いがビーンは一等 ★★☆ | |
「グッド・マナーズ」(英題)はブラジル・フランス合作のファンタジー&ホラー。 妊娠したアナに産まれてくる子の乳母として雇われたまはサンパウロのスラム出身のクララ。アナはだんだんクララに依存するようになっていきます。そして満月の夜、アナの叫びが響き渡ります。なんと赤ん坊は・・・。続きは→コチラで。他の作品については以下の記事の中で紹介しています。 |
★★★ NAVERの人気順位(5月8日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
①(2) ダンガル きっと、つよくなる 9.62(601)
②(3) トック(韓国) 9.50(1,834)
③(4) 特別版 Free!-Take Your Marks-(日本) 9.43(67)
④(1) 無門関(韓国) 9.42(59)
⑤(5) ポンゲマンと神秘の島(韓国) 9.41(222)
⑥(6) ワンダー 君は太陽 9.40(1,949)
⑦(7) グレイテスト・ショーマン 9.38(12,602)
⑧(8) バナナソングの奇跡(韓国・インド) 9.35(57)
⑨(-) 巨大な梨の信じられないような物語 9.32(117)
⑩(-) ギリシャへのケンカ旅行 9.29(14)
⑨と⑩の2作品が今回の新登場です。
⑨「巨大な梨の信じられないような物語」(仮)については後述します。
⑩「ギリシャへのケンカ旅行」(仮)はフランスのコメディ。原題は「Eyjafjallajokull(エイヤフィヤトラヨークトル)」で、これはアイスランドにある氷河に覆われた火山の名。それが2010年4月14日噴火して火山灰がヨーロッパ大陸上空に拡散・滞留し、ヨーロッパの航空路は欠航が相次ぐなど大混乱。18日には約30ヵ国で空港が閉鎖されたりしたそうで、約1週間後ようやく平常に戻りました。この作品もこの出来事が下敷きになっています。アラン(ダニー・ブーン)とヴァレリー(ヴァレリー・ボネトン)は元夫婦。2人の感情は、相手を嫌うどころか憎悪といったレベルにまでなっています。そんな2人が一人娘の結婚式のためギリシャ行きの飛行機に乗り合わせます。ところが上記のアイスランドの火山噴火のため飛行機の運航がストップしていまいます。なんとしても結婚式に出席したい2人は、車など他の交通手段でギリシャに行けることに気づき、やむなく<呉越同舟>の旅を始めることに・・・。原題そのままだとほとんどの人がわからないのは日韓共通。韓国題は「배틀트립 투 그리스(パトル・トゥ・グリース)」ですが、それを和訳して仮題としておきました。
【記者・評論家による順位】
①(1) フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 8.50(10)
②(2) レディ・プレイヤー1 8.36(11)
③(3) ファントム・スレッド 8.22(9)
④(4) パターソン 8.20(10)
⑤(6) シェイプ・オブ・ウォーター 8.18(11)
⑥(7) レディ・バード 7.82(11)
⑦(8) 君の名前で僕を呼んで 7.80(10)
⑧(9) 共同正犯(韓国) 7.67(9)
⑨(10) ナチュラルウーマン 7.67(6)
⑩(-) まぶた(韓国) 7.60(5)
⑩「まぶた」が今回の新登場です。済州島4.3事件を題材にした「チスル」のオ・ミョル監督によるドラマです。死者が最後に立ち寄ると言われている弥勒島に、この世に残された者たちの心を伝える餅を作る老人(ムン・ソッポム)がいます。ある日、暴風が海に吹き荒れる中、先生と生徒たちが島にやってきます。 しかし、米を搗く臼は壊れ、井戸の水は腐って、これ以上餅を作ることができなくのってしまいます・・・。原題は「눈꺼풀」です。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月4日(金)~5月6日(日) ★★★
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」 あっという間に800万人超え
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・アベンジャーズ・・・・・・・・・・・・・・4/25・・・・・・・・1,977,962・・・・・・・8,496,698 ・・・・・・・75,309・・・・・・・2,224
/インフィニティ・ウォー
2(新)・・チャンピオン(韓国) ・・・・・・・・・5/01 ・・・・・・・・・440,690 ・・・・・・・・701,251 ・・・・・・・・5,904 ・・・・・・・・839
3(51)・・アーリーマン・・・・・・・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・60,701 ・・・・・・・・・69,246 ・・・・・・・・・537・・・・・・・・・597
~ダグと仲間のキックオフ!~
4(新)・・巨大な梨の信じられないような物語・・5/03 ・・・38,781 ・・・・・・・・・41,937 ・・・・・・・・・333・・・・・・・・・347
5(新)・・マジックビーン・・・・・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・35,096 ・・・・・・・・・38,804 ・・・・・・・・・300・・・・・・・・・534
6(5)・・レオナルド・ダ・ビンチ・・・・・・・・4/26 ・・・・・・・・・・22,145 ・・・・・・・・・51,220 ・・・・・・・・・404・・・・・・・・・207
7(145)・・レスラー(韓国) ・・・・・・・・・・・・5/09 ・・・・・・・・・・21,541 ・・・・・・・・・32,701 ・・・・・・・・・288・・・・・・・・・151
8(2)・・その日、海(韓国) ・・・・・・・・・・・・・4/12 ・・・・・・・・・・16,099 ・・・・・・・・519,403 ・・・・・・・・4,282 ・・・・・・・・209
9(70)・・ワンダーストラック・・・・・・・・・5/03 ・・・・・・・・・・・9,111 ・・・・・・・・・13,988 ・・・・・・・・・120・・・・・・・・・111
10(6)・・ダンガル きっと、つよくなる・・4/25 ・・・・・・・・・7,984 ・・・・・・・・・60,166 ・・・・・・・・・497・・・・・・・・・・68
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」が早くも800万人を超え、この先どこまで伸びるか注目。しかし、その上映スクリーン独占のあおりで上映機会を奪われた作品がどんなに多いことか・・・。少なくとも、こうした状況をみると韓国の上映方式が全面的に日本より優っているともいいきれません。
5月5日は韓国でも<어린이날(こどもの日)>。アニメが多いのはそのためでしょう。
今回の新登場は2・3・4・5・7・9位の6作品です。
2位「チャンピオン」は韓国のドラマ。かつては腕相撲の世界チャンピオンを夢見ていたマーク(マ・ドンソク)は、今はロサンジェルスのクラブで働いています。そこに自称<最高のスポーツエージェント>のジンギ(クォン・ユル)がやってきて、その説得でマークは韓国に帰ってきます。そしてジンギから帰国プレゼント(?)として受け取ったのは、ずっと以前に生き別れた母の住所でした。それを頼りに訪ねていくと、そこにいたのは母ではなく初めて会った妹のスジン(ハン・イェリ)と2人の子供(兄妹)。・・・結局、彼らのために、マークは「俺には腕相撲しかなかった。信じてくれ!」と、再び挑戦を始めます・・・。原題は「챔피언」です。
3位「アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~」は、「ウォレスとグルミット」や「ひつじのショーン」等の制作で知られるイギリスのアードマンによる新作アニメ。遠~い昔のある日、空から巨大な隕石が降ってきて多くの動物が死に絶えましたが、人類は生き残りました。その後ボールのような形に焼け残った隕石の核を蹴って遊ぶようになったのがサッカーのはじまりです。(・・・ってホンマかいな?) さらに長~い年月が過ぎて、といってもまだマンモスがいた時代。原始部族の少年ダグはボブナー長老が率いるユーモラスな仲間たちと共に小さな谷間の石器村で平和に暮らしていました。ところがある日、暴君ヌースの率いる青銅器王国の軍が攻めてきて石器村は彼の手に落ちてしまいます。村を取り戻すため、タグたちは青銅器王国とのサッカー対決に挑むことに・・・。周りから隔離された場所にあったため発展から取り残されていた石器村は、はたして青銅器王国に勝てるでしょうか? 韓国題は「얼리맨」。日本公開は7月です。
4位「巨大な梨の信じられないような物語」(仮)は、デンマークのアニメ。いつも日差しが明るく、住民皆が幸せな都市サニータウン。ところがある日、市民の良い友だちでもあるJB市長が突然消えてしまいます。少し後、釣りをしていたネコのミチョは手紙が入ったビンを釣り上げます。友だちのゾウのセバスチャンと手紙を読むと、なんと「<神秘の島>に自分を救いに来てくれ」という市長の手紙でした。そして一緒に入っていた種はなんと一晩で巨大な洋梨に育ちました。緊急呼び出しを受けたグルコース博士は梨を新しい家にしてくれましたが、突然現れたトウィッグ副市長が言いがかりをつけて梨は海にドボンと落ちてしまいます。サニータウンの市長の地位をねらうトウィッグ副市長を抑えて市長を救うために、ミチョとセバスチャンは、グルコース博士と一緒に大きな梨に乗って神秘の島に向かいますが・・・。韓国語では梨も船も同じ배(ペ)なのでややこしいな(笑)。韓国題は「커다랗고 커다랗고 커다란 배(大きくて大きくて、大きな梨)」ですが、英題「The Incredible Story of the Giant Pear」を和訳して仮題としました。日本公開は未定のようです。
5位「マジックビーン」は中国のアニメ。伝説的な師の教えに沿って、山で絶対魔法を修練する<豆族>たち。しかし、過酷な修練の繰り返しに疲れて、1人2人と脱落し、結局最後に残ったのは豆福(ビーン)だけ。そんなある日、村に絶対魔法禁止令が出され、さらに悪いことに泥棒たちが群がっている山の上に連れて行かれます。はたしてビーンはそんな苦境を生き抜いて村を守るスーパービーンになれるでしょうか・・・。実は→コチラの中国ドラマファンという方のブログ記事に詳しく紹介されています。韓国題は「매직빈」。日本公開はなさそう?
7位「レスラー」は、韓国のコメディ。かつてはレスリング代表だったクィボ(ユ・ヘジン)でしたが、今はぐうたらの<プロ生活者>(?)で、趣味は息子自慢、残ったのは手あれだけ。彼の唯一の夢は、レスラーとして嘱望されている息子ソンウン(キム・ミンジェ)が金メダリストになること。今日も息子には温かい朝食を用意し、自分は残飯を食べて、レスリング体育館でおばさんたちに楽しくエアロビクスを教えていたクィボでしたが、国家代表選抜戦を前に、訓練に出ないというソンウンの青天の霹靂のような話を聞きます。突然の息子の反抗に慌てたクィボですが、さらに悪いことにクィボの母(ナ・ムニ)の小言はさらに激しくなり、隣家に住むソンウンの幼なじみのガヨン(イ・ソンギョン)はクィボにとんでもない告白をぶちまけます。そこに合コンで会った女医のドナ(ファンウ・スレ)の無謀ダッシュまで重なって、 平和だったクィボの日常はあっという間に反転してめちゃめちゃになっていきます・・・。原題は「레슬러」です。
9位「ワンダーストラック」は、アメリカのドラマ。日本ではすでに4月6日公開されています。韓国題は「원더스트럭」です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・巨大な梨の信じられないような物語・・5/03・・・・・38,781・・・・・・・・・・・・41,937・・・・・・・・・・・333・・・・・・・・・347
2(新)・・マジックビーン・・・・・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・35,096・・・・・・・・・・・・38,804・・・・・・・・・・・300・・・・・・・・・534
3(25)・・ワンダーストラック・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・9,111・・・・・・・・・・・・13,988・・・・・・・・・・・120・・・・・・・・・111
4(23)・・私たちをつなぐもの・・・・・・・・・・・5/03・・・・・・・・・・・7,212・・・・・・・・・・・・・9,865・・・・・・・・・・・・87・・・・・・・・・・45
5(4)・・無門関(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/19・・・・・・・・・・・1,356 ・・・・・・・・・・・・13,757・・・・・・・・・・・109・・・・・・・・・・18
1~4位の4作品が新登場です。うち、1~3位の各作品については上述しました。
4位「私たちをつなぐもの」(仮)は、フランスのドラマ。父危篤の知らせを受けて、ジャン(ピオ・マルマイ)はオーストラリアからブルゴーニュの実家に帰ってきます。父親に反抗してワイン造りの実家を飛び出してから10年ぶり。ワイナリーの運営を引き継いでいる妹のジュリエット(アンナ・ジラルド)は再会を喜びますが、末っ子のジェレミー(フランソワ・シビル)は「どこで何してたんだ?」等々兄に対して感情を露わにします。ジャンの帰りを待っていたかのように父親が亡くなった後、3人は今後の家業をめぐって論議することになります。相続税を払うためブドウ畑の一部か、家を売るか? そもそも3人は家業を継いでいけるのか? 実はジャンはオーストラリアに妻子がいてブドウ畑を待っている等々、3人それぞれに事情があり、話し合いがケンカになることも1度2度ではない・・・。やがて季節が変わっていき、ブドウの収穫が始まりますが、はたしてワイン作りは・・・。韓国題は「부르고뉴, 와인에서 찾은 인생(ブルゴーニュ、ワインから探す人生)」。日本公開は未定のようです。
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