ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [3月25日(金)~3月27日(日)]と作品紹介 ▶初登場1位「熱い血」はチョン・ミョンガン作家の監督デビュー作 原作の著者キム・オンス作家にも注目!

2022-04-01 14:15:11 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事で注目の韓国作品は、初登場でランキング1位となった「熱い血」です。
 90年代の釜山を舞台にした犯罪&ドラマということで、いつも利用している→wowKoreaの最新の韓国映画を見ると案の定のヤクザ映画。90年代のフンイキが残るロケ地をあちこち探したようです。あらすじ等は後述の記事を見ていただくとして、時代背景としては1990年の盧泰愚政権による「犯罪との戦争」があったとのことです。チェ・ミンシク、ハ・ジョンウ等が共演した「犯罪との戦争:悪いやつらの全盛時代」(2012)もその政策を下敷きにした作品原題も「犯罪との戦争」だけでした。
 さて、本作の内容とは別にとくに私ヌルボが着目したのは監督がチョン・ミョングァンということと、原作がキム・オンス作家の同名小説ということです。チョン・ミョングァン監督も作家で「鯨」という小説が晶文社から刊行されています。(→愚銀のブログ参照。) 私ヌルボも読みましたがホントに<途方もない物語>です。キム・オンス作家の小説も「設計者たち」(クオン)と「キャビネット」(論創社)の2作品が翻訳されています。(「設計者たち」については→コチラと→コチラの過去記事参照。「キャビネット」についてはこれも→愚銀のブログ参照。)
 チョン・ミョングァン監督は今作が最初の作品とか。「鯨」は韓国でも好評でしたが(→コチラ)、「もともと映画監督を夢見ていた」そうです。また釜山出身のキム・オンス作家とは酒場で聞いた昔の町や幼い時の話がとても面白かったので、「そんなことを小説で書いてみたらどうか」と提案したら、本人は「そんなのが小説になるのか」と言うので、私は「それが本当の生きている物語だよ」と積極的に勧めた」と伝えたというエピソードもあるそうです。(→コチラ。自動翻訳)
 ・・・ということで、私ヌルボとしてはこのところずっとスマホに時間を費やしたり映画鑑賞の本数が増えたり等で読書量が減っていることを痛感し反省する次第であります・・・。
      
【 「鯨」日本版(左)と、「熱い血」の原作本 】

  ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月25日(金)~3月27日(日) ★★★
          初登場の韓国映画「熱い血」が1位に

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・熱い血(韓国)・・・・・・・・・・・・・・3/23 ・・・・156,444・・・・・・・・218,023 ・・・・・・2,117・・・・1,279
2(2)・・不思議の国の数学者(韓国) ・・3/09・・・・・・56,728・・・・・・・・470,147 ・・・・・・4,477・・・・・・816
3(5)・・劇場版 呪術廻戦 0(日本)・・・・2/17・・・・・・33,216・・・・・・・・540,546 ・・・・・・5,351・・・・・・536
4(3)・・THE BATMAN ・・・・・・・・・・・・・3/01・・・・・・32,164 ・・・・・・・873,338 ・・・・・・9,035・・・・・・652
       -ザ・バットマン-
5(1)・・ムーンフォール・・・・・・・・・・・・・3/16 ・・・・・26,086 ・・・・・・・182,912 ・・・・・・1,864・・・・・・721
6(4)・・スペンサー ダイアナの決意・・2/23・・・・・・11,275・・・・・・・・・67,151 ・・・・・・・・644・・・・・・406
7(37)・・ベルファスト ・・・・・・・・・・・・・3/23・・・・・・・4,385・・・・・・・・・・8,603・・・・・・・・・・79・・・・・・272
8(新)・・BanG Dream!・・・・・・・・・・・・・3/24・・・・・・・3,521・・・・・・・・・・4,965・・・・・・・・・・49・・・・・・105
       ぽっぴん’どりーむ!(日本)
9(23)・・ドリームプラン ・・・・・・・・・・・3/24・・・・・・・3,519・・・・・・・・・・4,919・・・・・・・・・・49・・・・・・156
10(新)・・エッフェル・・・・・・・・・・・・・・・3/23・・・・・・・2,031・・・・・・・・・・6,213・・・・・・・・・・57・・・・・・182
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
 1・7・8・9・10位の5作品が新登場です。
 1位「熱い血」は韓国の犯罪&ドラマ。1993年、釜山港の外れのうらぶれた街クアム。ヒス(チョンウ)はそこの絶対的な主人ソン旦那(キム・ガプス)の下で長年彼の手足となって働いてきました。しかし、40代になる今まで何ひとつ成し遂げたこともなく、大金にも1度も触れることなく繰り返してきたヤクザ稼業にウンザリした気持ちも起こってきます。
 一方、90年代に入り盧泰愚政権による<犯罪との戦争>以来、新しい区域に活路を求めて物色中の影島[ヨンド]派のヤクザたちは誰も関心を持たないクアムに目をつけ、影島派のエースでヒスの長年の友人でもあるチョルジン(チ・スンヒョン)がヒスに秘密裏に接近してきます。新しい人生を始めようとしていたヒスは悩みますが・・・。平穏だったクアムをめぐって一番下っ端のヤクザたちの激しい生存戦が始まります・・・。原題は「뜨거운 피」です。ネチズンの評点があまり高くなく15人に1人は1/10の最低点。コメントを見ると釜山方言がよく聞き取れない人が多いようで「字幕が必要!」との声もありました。
 7位「ベルファスト」については→1つ前の記事で書いたので説明は省略します。韓国題は「벨파스트」です。
 8位「BanG Dream! ぽっぴん’どりーむ!」は、例によって私ヌルボ、観たこともなく、よく知らないアニメなので語る資格ナシです。昨年6月「BanG Dream! Episode of Roselia I:約束」の韓国公開の時の記事の中でも書きましたが、それまで全然知らなかったことを調べて初めて知った等々を知人に話したところ「それって知らなくていいことじゃないですか?」と言われてちょっと目が覚めたと書きました。ということで、本作についてのコメントはスルーします。韓国題は「뱅드림! 팝핀' 드림!」です。
 9位「ドリームプラン」は日本でも2月23日から公開されているので説明は省略します。アカデミー賞授賞式での<ウィル・スミス平手打ち事件>が話題になっていますねー。私ヌルボの意見は、一言で言うと・・・「難しい」です。本作の原題は「King Richard」で韓国題も原題のまま「킹 리차드(キング・リチャード)」です。ビーナス&セリーナのウィリアムズ姉妹に強権的な(?)テニス教育を施した父親リチャード・ウィリアムズを15世紀イングランドのヨーク朝最後の王リチャード3世になぞらえたものと思われます。いやシェイクスピアの「リチャード3世」かな? 本作では描かれていませんが、その後姉妹の父親リチャード氏は妻と離婚して別の女性と結婚し、またその女性とも別れて連絡が取れなかったとのことです。
 10位「エッフェル」については「ベルファスト」同様1つ前の記事で書いたので説明は省略します。韓国題は「에펠」です。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・スペンサー ダイアナの決意・・・・2/23・・・・・・・・11,275・・・・・・・・67,151 ・・・・・・・・・・644 ・・・・・406
2(新)・・エッフェル・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/23・・・・・・・・・2,031・・・・・・・・・6,213・・・・・・・・・・・・57・・・・・・182
3(2)・・空の青さを知る人よ(日本)・・・・・3/16・・・・・・・・・1,280・・・・・・・・11,164 ・・・・・・・・・・100・・・・・・・38
4(再)・・さらば、わが愛/覇王別姫・・2017/3/30・・・・・・・・993 ・・・・・・113,139・・・・・・・・・1,040・・・・・・・・1
5(再)・・ブエノスアイレス・・・・・・1998/8/22・・・・・・・・・・・836・・・・・・・・36,760 ・・・・・・・・・・336・・・・・・・20

 2位「エッフェル」が新登場ですが、この作品については上述しました。
 4位「さらば、わが愛/覇王別姫」は1993年の中国映画の名作韓国題は「패왕별희 디 오리지널」です。
 5位「ブエノスアイレス」は1997年の香港映画。ウォン・カーウァイ監督作品です。韓国題は英題そのままで「해피 투게더(Happy Together)」です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 韓国で公開中の映画 <NAVER... | トップ | 韓国で公開中の映画 <NAVER... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

韓国内の映画の人気ランク&興行成績」カテゴリの最新記事