ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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日本と韓国の梅の話(2)朝鮮梅のことなど

2010-02-27 18:42:35 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 <日本と韓国の梅の話(1)梅干しのことなど>の続きです。

【朝鮮使節が梅を見て作った漢詩】

 高校の頃国語の授業で、平安時代前期頃までは和歌等で花といえば桜ではなく梅のことだと教わりました。
 梅を愛でて漢詩に詠むという中国の趣向も、古くから朝鮮・日本の文人貴族に共通していたでしょうから、その気で探せばいろいろあろうかと思います。

 室町時代(1419年)に日本を訪れた朝鮮使節宋希璟が室津(兵庫県たつの市)で梅を見て漢詩を詠んだことが彼の旅行記「老松堂日本行録」(岩波文庫)中に載っています。
 「讀賣新聞」のサイトによると、室津には後年シーボルトも来たそうです。写真を見るとなかなか風光明媚なところのようです。

※竜野市には<一目2万本>といわれる綾部山梅林や、300種類を超える梅を集めた<世界の梅公園>があります。

※宋希璟が詠んだ漢詩はネット検索してもないようなので、ここで紹介しておきます。
  詠阿彌陀寺庭中梅樹々數圍陰滿庭中
    庭中梅樹轉清奇
    老幹成陰鬱萬枝
    先後一般五千里
    恨予不及正花時

  阿弥陀寺庭中の梅樹を詠ず 樹数囲して陰は庭中に満つ
    庭中の梅樹転(うた)た清奇なり
    老幹陰を成し万枝を鬱す
    先後一般すれば五千里
    恨むは予の正花の時に及ばざりしこと

【朝鮮梅】

 仙台市の西公園にある臥竜梅(がりゅうばい)は「朝鮮梅」ともよばれています。
 伊達政宗が文禄の役の際に朝鮮から持ち帰って若林城(現宮城刑務所)に植え、1875(明治8)年に西公園に分植されたとのことです。

    
        【仙台市・西公園の臥竜梅(朝鮮梅)】

※西公園には、1929年東北産業博覧会に際して朝鮮式建物の<朝鮮館>が建てられ、その後も市が管理していたが、永久保存の声もむなしく、修復予算がないとの理由で取り壊された。現在は建物の土台に使われた御影石が残るのみ。

若林城の臥龍梅は国指定天然記念物でリンク先の写真を見るとさすがに立派すが、非公開のようです。(刑務所内ではねー。)

<花の公園・俳句>というサイトに、朝鮮梅についてのとてもくわしい記事がありました。

※<朝鮮梅>という語は、伊達正宗が朝鮮からもたらした(特定の)梅の意と、品種を示す言葉の両義がある、ということのようです。

※植物関係では、他にチョウセンアサガオチョウセンアザミチョウセンレンギョウ等々チョウセンが付く植物がいろいろあるようです。同じ(に見える)植物でも、国や地方によって微妙に違うということでしょうか?


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1 コメント

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Unknown (rocky)
2010-02-27 19:04:51
ご紹介いただき、ありがとうございます。
記事はいろいろなところを参照したものですが、写真は私のオリジナル。
お褒めをいただいて嬉しい限りです。
日あたりがよくて、きれいに撮れたようです。

府中郷土の森は梅の品種も豊富で、なかなか
いい公園です。
ちょっと遠いですけどね。
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