ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [4月10日(金)~4月12日(日)]

2015-04-15 12:28:29 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 私事ですが、土曜のお決まりのスケジュールが緩和され、毎月第2土曜日の夜に開かれている<コリアキネマ倶楽部>(→公式サイト)の上映会に参加できる確率が高くなりました。ということで11日(土)「赤錆色の空」を観に文京シビックセンターに足を運びました。この映画のことはそのサイトの記事に譲るとして、何よりも個人的にうれしかったのは主催者のてじょんさんとなんと約20年ぶりに直接話ができたこと! 千石三百人劇場で大規模な韓国映画祭が開かれていて、そこからの帰り喫茶店で話しかけてきた人がてじょんさんでした。同じ韓国映画ファンの上、当時愛用していた小型ワープロ・オアシスポケットを彼も使っているとのことで声をかけてきたようです。話をしてみると同業(公立高校教員)とのことで、また親近感を覚えたものです。ところが以後はお会いする機会もなく、5年ほど前(?)にコリアキネマ倶楽部の上映会に行った時は広い部屋の最後部の方の席で他の観客も多くて声もかけられず、今に至りました。今回の上映会後、やっぱり来ていたSARUさんも含めいろんな方と一緒にいろんな話をすることができました。てじょんさんのみならず早くからの韓国映画ファンの皆さんは同志のような思いがあります。大病を患ったてじょんさんも皆さんもそして私ヌルボも、ずっと健康で映画を楽しみたいものです。(てじょんさんご自身のホームページは→コチラ。)

 この1週間で観た外国映画は、アカデミー賞作「バードマン(以下略)」。「整形するならメグ・ライアンと同じ医者がいいよ」等々楽屋ネタ満載で、他にも単純に笑えるセリフも多く、深みがありそあうな警句もいろいろ。しかし考えてみれば作品自体が映画人・演劇人の内面的葛藤を幻視・幻聴をちりばめて表現した一種の私小説的(?)作品かも・・・と思いました。こういうのもアカデミー賞を受賞するんだなー。蛇足ですが、一部の韓国人からクレームがつけられたという「この花、キムチみたいなイヤな臭い」とかいうセリフは一番初めに出てきました。しかし、これで抗議するとは、ある意味スゴイかも。(笑)
 「毎日新聞」の映画欄で「質は高いのに客の入りは今ひとつか」と残念そうに書かれていた邦画が「ソロモンの偽証」。一昨日前・後篇イッキに観てきました。つつけばいろいろあるでしょうが、よくこれだけまとめあげたと思います。とくに主演の藤野涼子。正面向きのツラがまえヨロシ。え、今春神奈川県立高校に進学だって?

「朝鮮日報」4月10日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「長寿商会」
   カン監督の再開発企画 ★★★☆

 「化粧/火葬」

   消滅する体、尽きぬ欲望 ★★★☆

 「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」

   だいじょぶ そのままで ★★★

 「ラブストーリーズ」

   あなたの愛は安心かな ★★★

 「青春の証言」

   重苦しくて時代錯誤的 ★★☆

 「ジョバンニの島」

   戦争も夢ならよかった ★★★

「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」の韓国題は「結婚しなくても大丈夫だから」。「青春の証言」は第1次大戦に看護婦として戦地に向かったイギリスの作家ヴェラ・ブリテンの自伝小説の映画化。翻弄される青春。詳細は→コチラコチラのブログ記事参照。他の4作品は以下の記事中に説明あり。

           ★★★ Daumの人気順位(4月14日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①ファウルボール(韓国)  9.9(264)
②ポリス・ストーリー2 九龍の眼  9.5(22)
③ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ  9.2(110)
④モダン・タイムス  9.2(91)
⑤ワイルド・スピード SKY MISSION  8.9(514)
⑥ポリス・ストーリー 香港国際警察  8.9(36)
⑦チャイニーズ・ゴースト・ストーリー  8.8(176)
⑧グッド・ライ~いちばん優しい嘘~  8.8(52)
⑨ドラゴン危機一発  8.7(22)
⑩6才のボクが、大人になるまで。  8.7(186)

 ③「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」だけが新登場ですが、いうまでもなく1984年セルジオ・レオーネ監督作品の再上映です。韓国題は「원스 어폰 어 타임 인 아메리카」。

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②リヴァイアサン  8.6(5)
③セッション  8.4(7)
④大統領の料理人  8.0(1)
⑤フォックスキャッチャー  7.8(6)
⑤イーダ  7.8(6)
⑦自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑦ジェラシー  7.7(4)
⑨バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  7.6(6)
⑩フレンチアルプスで起きたこと(ツーリスト)  7.5(4)

 ⑦「ジェラシー」だけが新登場。フィリップ・ガレル監督によるフランス映画で、日本では昨年9月に公開されています。韓国題は「질투(嫉妬)」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[4月10日(金)~4月12日(日)] ★★★

         「ワイルド・スピード SKY MISSION」が連続してトップ

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ワイルド・スピード SKY MISSION・・4/01・・・・・・585,328 ・・・・・・・・・2,129,331・・・・・・・・17,438・・・・・・・・818
2(2)・・二十歳(韓国)・・・・・・・・・・・・・・3/25・・・・・・・・・・・・293,714 ・・・・・・・・・2,714,859・・・・・・・・20,995・・・・・・・・658
3(12)・・長寿商会(韓国) ・・・・・・・・・・4/09 ・・・・・・・・・・・286,282 ・・・・・・・・・・・357,710・・・・・・・・・2,733・・・・・・・・688
4(3)・・キングスマン ・・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・・49,030 ・・・・・・・・・6,016,111・・・・・・・・49,447・・・・・・・・265
       ザ・シークレット・サービス\t
5(30)・・化粧/火葬(韓国) ・・・・・・・・4/09・・・・・・・・・・・・46,057 ・・・・・・・・・・・・66,012・・・・・・・・・・・513・・・・・・・・327
6(4)・・セッション ・・・・・・・・・・・・・・・・・3/12 ・・・・・・・・・・・・35,543 ・・・・・・・・・1,525,806・・・・・・・・12,150・・・・・・・・228
7(31)・・靴職人と魔法のミシン ・・・・4/08 ・・・・・・・・・・・・17,376 ・・・・・・・・・・・・28,415・・・・・・・・・・・222・・・・・・・・250
8(55)・・ザ・リライト ・・・・・・・・・・・・・・・4/08 ・・・・・・・・・・・・16,934 ・・・・・・・・・・・・27,059・・・・・・・・・・・212・・・・・・・・229
9(新)・・神秘世界歴険記・・・・・・・・・・4/09 ・・・・・・・・・・・・15,647 ・・・・・・・・・・・・17,083・・・・・・・・・・・125・・・・・・・・222
10(131)・・ラブストーリーズ・・・・・・・・4/09 ・・・・・・・・・・・・15,612 ・・・・・・・・・・・・21,839・・・・・・・・・・・177・・・・・・・・211
      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は3・5・7・8・9・10位の6作品です。
 3位「長寿商会」は、カン・ジェギュ監督による家族ドラマ。恋愛にはおよそ縁がなかった70歳のソンチル(パク・クンヒョン)。ところが家の前に花屋の女性クムニム(ユン・ヨジョン)が引っ越してくると、彼女の親切さに当惑するというかなんというか・・・。クムニムからの夕食の誘いに心のおののき(?)を隠せないソンチル。そんな2人の「最後の」恋愛を応援するのは、長く仕事をしてきた長寿マート社長チャンス(チョ・ジンウン)。またクムニムの娘ミンジョン(ハン・ジミン)まで知るようになって・・・。そのチャンスの娘の彼氏役としてEXOのチャニョルが出演するそうで、この頃こういう人気アイドルの映画出演が多いようだなー。原題は「장수상회」です。
 5位「化粧/火葬」は原題が「화장」。これが「化粧」とも「火葬」とも読めるのがミソ。監督イム・グォンテク、主演アン・ソンギ。これは往年の黄金コンビではないか! 大手化粧品会社の常務取締役オ・ジョンソク(アン・ソンギ)。彼の妻(キム・ホジョン)は4年間の闘病の末世を去る。駆けつけた娘(チョン・ヘジン)の泣く姿に、彼は癌が再発したという宣告を聞いて泣き叫んだ妻の姿を思い出す。多くの参列者が葬儀場にやってくるが、中には書類決済を求めてくる部下も。そしてオ常務の視線は黒いパンツスーツを着て弔問に来た部下チュ・ウンジュ(キム・ギュリ)に。彼女は彼が長く恋い慕ってきた女性だった・・・。
 7位「靴職人と魔法のミシン」は、アメリカのヒューマン・ファンタジー。家を出ていった父親の遺した店を継いだ靴職人のマックスは、認知症気味の母親と2人暮らし。ある日依頼された靴を修理しようとするがミシンが故障。地下室にあった先祖代々の古い足踏みミシンを使ってみたら、その靴を履けば持ち主ソックリに変身できることに気づきます・・・。韓国題は原題「The Cobbler」のtheを取って「코블러」。日本公開は6月です。
 8位「ザ・リライト」はアメリカのロマンス・コメディ。
昔はアカデミー賞も取った映画脚本家キース(ヒュー・グラント)が15年経った今はすっかり落ちぶれ、預金残高も底をついて小さな町の大学で脚本制作を講義することになります。そこで彼は、2つの仕事をこなしながら授業を受けに来るシングルマザーのホーリー(マリサ・トメイ)と出会います。親しくなっていく2人がそれぞれ新しい未来を踏み出していこうとする、・・・というお話です。韓国題は「한 번 더 해피엔딩(もう一度ハッピーエンディング)」。日本公開は未定のようです。
 9位「神秘世界歴険記」は中国アニメ。<2012中国アニメ年会>という中国内の催しで最優秀長編作品賞に選ばれたのが江蘇省のテレビ局が制作したこの作品。実は韓国では昨年10月この続編「神秘世界歴検記 2」の方が先に上映しました。(→コチラ過去記事参照。) それがなかなか好評だったので今回第1作の公開となったようです。主人公の冒険少女ユゴが森の中で出会った蒸しパンモンスターのララと空のクジラに乗り込んで神秘の雲の島に行って繰り広げる冒険物語です。韓国題は「유고와 라라: 하늘고래와 구름섬 대모험」です。
 10位「ラブストーリーズ」は、「The Disappearance of Eleanor Rigby」という原題のアメリカ映画で、ある夫婦の別居を巡る物語。・・・なのですが、同じストーリーを男性の視点から描いた「Him」と、女性の側から描いた「Her」の2本の映画を通して見せるという趣向の作品で、日本では2月に「ラブストーリーズ コナーの涙」と「ラブストーリーズ エリナーの愛情」のタイトルで公開されました。アメリカでは2013年同時に作られ、その後14年に両者をまとめて編集した「Them」が作られました。韓国ではこれも含め今回3作同時に「엘리노어 릭비:그 남자」と「 〃 : 그자」と「 〃 : 그 남자 그 여자」というタイトルで公開されました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(11)・・化粧/火葬(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・4/09 ・・・・・・・・・・・・46,057 ・・・・・・・・・・・・66,012 ・・・・・・・・・・・513・・・・・・・・327
2(1)・・セッション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/12・・・・・・・・・・・・・35,543・・・・・・・・・・1,525,806・・・・・・・・・12,150 ・・・・・・・228
3(49)・・ラブストーリーズ ・・・・・・・・・・・・・・・・4/09・・・・・・・・・・・・・15,612 ・・・・・・・・・・・・21,839 ・・・・・・・・・・・177・・・・・・・・211
4(2)・・ファウルボール(韓国)・・・・・・・・・・・・・4/02・・・・・・・・・・・・・・3,518・・・・・・・・・・・・・28,423 ・・・・・・・・・・・216・・・・・・・・・32
5(3)・・ジョバンニの島(日本) ・・・・・・・・・・・・・4/09 ・・・・・・・・・・・・・2,866・・・・・・・・・・・・・・3,928・・・・・・・・・・・・・29・・・・・・・・・85

 1・3・5位の3作品が新登場です。
 1位「化粧/火葬」、3位「ラブストーリーズ」については上述しました。
 5位「ジョバンニの島」、このアニメの日本国内での認知度はどの程度だったでしょうか? 実は私ヌルボ知りませんでした。色丹島で暮らしていた10歳と7歳の兄弟が主人公です。1945年戦争が終わってソ連の戦艦がやってきて兵士が上陸し、島民の財産は没収され、ソ連の子どもたちも島の学校にやってきて・・・という話。<DAUM映画>の評点欄(→コチラ)を見るとネチズン14人中9人は10点満点をつけていますが、3人は0点。「日本の右傾化宣伝漫画のようだ」「自らやったことを棚に上げて被害者のように描いている」といった理由が記されています。ヌルボとしては「やっぱりなー」といった感じ。むしろ満点がこんなに多いのは作品の力か、もしかしたら歴史的・政治的なこと等を考えないで観たからか? 
韓国題が「은하철도의 꿈(銀河鉄道の夢)」というのもいかがなものか? 原題だと全然意味不明というのはわかりますが・・・。

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2 コメント

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化粧/火葬 (のんき)
2015-04-16 13:07:42
3月末にソウルへ行ったので、(いつものことなのですが)教保文庫に寄り、平積みされている書籍をざざざっと20冊程買ってきたのですが、その中に『化粧/火葬』の原作本がありました。
レジで会計を済ませると、その本を買った人へのプレゼントだと、映画のチケットを2枚いただきました。
抽選で、というのでもなく1冊につき2枚を配るなんて!
残念ながら観には行けないので友人に譲って帰りましたが、驚きました。
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韓国ではよくあることなのでしょうか?? (ヌルボ)
2015-04-16 20:52:12
そういうプレゼントがあるとは知りませんでした。この映画以外でもあるのかどうか?
日本では割引券というのはあるにしても(といっても原作本のオマケではないでしょうが)、特別の上映会でもない映画のタダ券を何かのサービスでくれることはまずないですよね。今度韓国に行ったら訊いてみます。
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