▸2016年9月の記事を見ると「今日(27日)は久しぶりの青空。家を出ると今シーズン初めてのキンモクセイの香りが漂ってきました。」などと書いています。しかし、今年は9月はホントに蒸し暑い日々が続きました。「<天気の子>、湿度の方もちょっとなんとかならんかね!?」と何度思ったことか・・・。古来、日本家屋が紙と木で造られてきたことがよくわかります。
▸この10日間は映画館に行ってないので、この機会にエンドロール(エンドクレジット)をめぐる日韓の違い等について知るところを書くことにします。
どうもこの頃、ウェブ上でエンドロールについての議論をけっこう見かけるような気がします。たとえば→コチラは<観る派?観ない派??”映画館でのエンドロール”にまつわる微妙なこだわりとは?>と題したまとめ記事。両派の意見を紹介しています。またアンケート結果も載せていますが、その元の<ガジェット通信>のサイト(→コチラ)にもあるように「最後まで観る事が多い=72.5% 最後まで観ない事が多い=27.5%」で、「7割以上が最後まで観る」だそうです。ほぼ同趣旨の→コチラの記事は<at home VOX 調べ>のアンケートを紹介していて、こちらは<男女別>&<年代別>に分けて集計しています。そして全体的には次のようにまとめています。「A.我慢して最後まで観る」という人の方が多数派。「B.すぐに映画館を出る」の数値で目立ったのが40代男性(13.7%)と50代男性(15.3%)。
「なるほど、やっぱりね」です。私ヌルボの場合は次の3つの場合に分かれます。①本編が終わったら直ちにトイレに駆け込む。 ②トイレを我慢して最後まで観る。 ③我慢どころか最後まで熱心に観る。
②と③の場合、なぜ最後まで観るかというと、[1]印象に残った(or曲名等が思い出せない)楽曲の曲名や演奏者を確認する。 [2]撮影場所を確認する。 というのが主目的。しかし、どちらも文字情報が流れて行く時間と自分の読解力との勝負。かろうじて見つかった時、暗がりの中でノートにメモをとる・・・、ということをやったりしてると本編を観てる時より真剣度は高いかも・・・(^^;)
それでわかることもあり、わからずじまいのこともあり、です。
上記のアンケートで比較的上の世代の男性がエンドロールを観ないで席を立つ比率が高いというのもわかります。今の大方の映画ファンの皆さんはご存知ないかも知れませんが、約半世紀前までは長いエンドロールはありませんでした。それが変わったのはジョージ・ルーカス監督の「アメリカン・グラフィティ」(1973)からだそうです。製作費が少なく、俳優やスタッフに十分な報酬を払えなかった代わりに、ということで。(要確認) ということもあって、60年代まではエンドマークが出たら即終わり、で皆席を立つ。いや昔(50年代?)は入れ替えナシだから途中から入った客はまた最初から観てアタマの中でつなぎ合わせるという人もいたなー。あ、それからエンドマークが出るちょっと前にサッと席を立つのが<映画通>ぽいカッコのつけ方だったそうな(笑)。
つまりは、時代相も反映しているようだし、(とくにシネコン出現以降の)映画館の形態も関係ありそうだし、鑑賞マナーの常識もたしかに変化してきてるし・・・ということを考えると、エンドロールを観ないで出て行く人を非難するのも(その逆も)いかがなものかと思います。
▸ここから本論、かな?
韓国ではエンドロールのことを<엔딩 크레딧(ending credit)>と言います。これは韓国風英語で、実際の英語圏では<closing credits>と言うそうです。
ところが、韓国の映画館ではエンドロールを最後まで全部観るゾッ!と思っても観ることはまずできません。ほとんどの観客は本編が終わるとゾロゾロと出て行き、館内の明かりが点き、その中でまだうっすらとエンドロールが映っていてもおかまいなく掃除のおばさんが入ってくるからです。
理由は、観客の立場では、かなり退屈で、時間の無駄だから。
なぜすぐ場内の照明を点けるかというと、大勢で出て行くのに暗いままだと危険だから。
劇場の立場だと、エンドロールが長いと上映の回転率が落ちる。客が早く出ることを前提に上映時間を組む。
・・・といったように、「エンドロールをきっちり観る客はいない」ということが当然視されているわけです。
しかし、映画製作者の側はそれでもエンドロールを観てもらおうと苦心しているとか。たとえばエンドロールに中に番外映像、続編ネタ等の特別映像(韓国ではクッキー映像という)を入れたりするのもそのひとつで、それなりには興味を持つ観客も出始めている(?)そうです。
なお、少数の独立映画上映館ではエンドロールが終わるまで照明を消したままというところもあります。もちろん映画祭の場合はエンドロールを最後まで観た後拍手をするのがふつうです。
上に書いたことの多くは→ナムウィキの<엔딩 크레딧>の項目に拠っています。私ヌルボ自身は過去10数回韓国で映画を観ましたが、その印象を再確認しました。
エンドロール以外にも館内でのおしゃべりとか、上映開始後に入ってくる人が多いとか日本の映画ファンの尺度では「気にさわる」ことはいろいろありそうですけどね。(たぶんアチラさんからも。)
★★★ NAVERの人気順位(10月1日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(2) 痛いほど愛する(韓国) 9.72(152)
②(5) 主戦場 9.54(962)
③(-) 星の庭園(韓国) 9.54(187)
④(-) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 9.47(103)
⑤(6) 僕のワンダフル・ジャーニー 9.46(537)
⑥(-) アラジン 9.39(26,533)
⑦(7) ディーター・ラムス 9.36(78)
⑧(-) ポーランドに行った子供たち(韓国) 9.33(536)
⑨(1) 明かりの下で(韓国) 9.30(20)
⑩(9) 教会のお兄さん(韓国) 9.27(1,541)
かなり入れ替わりましたが、新登場の作品はありません。
【記者・評論家による順位】
①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国) 9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国) 8.38(13)
③(-) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 7.90(10)
④(-) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 7.60(5)
⑤(4) アド・アストラ 7.38(8)
⑥(5) 主戦場 7.33(6)
⑦(7) EXIT(韓国) 7.23(13)
⑧(8) 動物、園(韓国) 7.20(5)
⑨(9) ユヨルの音楽アルバム(韓国) 7.13(8)
⑩(10) 私の家(韓国) 6.90(10)
③「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が新登場ですが、日本では8月30日から公開されています。韓国題は「원스 어폰 어 타임... 인 할리우드」です。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月27日(金)~9月29日(日) ★★★
朝鮮戦争の中の知られざる物語「長沙里:忘れられた英雄」が1位
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(25)・・長沙里:忘れられた英雄(韓国)・・9/25・・・・・・・485,168・・・・・・・・689,715 ・・・・・・・・5,499・・・・・・1,090
2(40)・・量子物理学(韓国)・・・・・・・・・・・・9/25・・・・・・・・・275,667・・・・・・・・387,603 ・・・・・・・・3,185 ・・・・・・・799
3(1)・・悪い奴ら:ザ・ムービー(韓国)・・9/11・・・・・・・・・258,626 ・・・・・・4,442,353 ・・・・・・・38,529・・・・・・1,000
4(新)・・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド・・9/25・・123,367・・197,007 ・・・・・・・1,596 ・・・・・・・678
5(2)・・アド・アストラ・・・・・・・・・・・・・・・9/19・・・・・・・・・・49,013・・・・・・・・487,517 ・・・・・・・・4,310 ・・・・・・・493
6(16)・・パーフェクトマン(韓国)・・・・・10/02 ・・・・・・・・・33,377・・・・・・・・・90,086 ・・・・・・・・・・675 ・・・・・・・481
7(3)・・タチャ:ワン・アイド・ジャック(韓国)・・9/11 ・・30,412・・・・・・・2,212,825 ・・・・・・・19,554 ・・・・・・・429
8(38)・・ザ・ルーム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/25 ・・・・・・・・・24,691・・・・・・・・・44,685 ・・・・・・・・・・361 ・・・・・・・163
9(4)・・イエスタディ ・・・・・・・・・・・・・・・・9/18 ・・・・・・・・・20,545・・・・・・・・292,246・・・・・・・・・2,475 ・・・・・・・337
10(新)・・レプリカズ ・・・・・・・・・・・・・・・・9/25 ・・・・・・・・・17,641・・・・・・・・・31,206 ・・・・・・・・・・245 ・・・・・・・339
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今回の新登場は1・2・4・6・8・10位の6作品です。
1位「長沙里:忘れられた英雄」は、韓国の戦争物。長沙(チャンサ)とは朝鮮半島東海岸の日本海に面した集落です。1950年6月25日に38度線を越えて侵攻してきた北朝鮮軍は8月8日には長沙の北の盈徳を陥れ、11日には南の浦項を占領しました。その間、韓国軍第3師団は司令部を長沙に移しましたが、結局アメリカの第8軍司令官は第3師団に海上撤退を指示します。ところがこのことが北朝鮮軍に知れると攻勢が強まるばかりなので、民間人はもちろん軍隊でも中隊長以下には伝えず、あの手この手で北朝鮮軍を防ぎつつ秘密裏に撤収準備を進めます。そして結局はわずかの間に将兵9千人、警察隊や公務員・労務者・避難民等2千余人の計1万人を超える人々がLSTに乗り込み、撤収に成功しました。これが<長沙洞撤収作戦>で、現在長沙の海水浴場の近くには長沙上陸作戦戦跡地が公園として整備され、モニュメント等も造られています。この映画の主人公はイ・ミョンジュン大尉(キム・ミョンミン)。彼が率いる遊撃隊と訓練をたった2週間だけ受けた戦闘経験のない平均17歳の学徒兵772名を乗せたムンサン号は、上記の作戦のために長沙に向かいます。悪天候の中、雨のように降りかかる銃弾を受けながら上陸を試みるのですが・・・。長沙でなんとか持ちこたえようとする部隊に対して、彼らの撤収のため長沙に向かう部隊の側に焦点をあてた作品です。原題は「장사리 : 잊혀진 영웅들(長沙里 : 忘れられた英雄たち)」です。
2位「量子物理学」は、韓国の犯罪ドラマ。「思いが現実を作る」という量子物理学的信念を人生のモットーとしている風俗界のイ・チャヌ(パク・ヘス)は、ある日有名芸能人が関わる麻薬パーティー事件を知ります。ジャヌは長いつき合いの犯罪情報課係長パク・ギホン(キム・サンホ)にその情報を流します。単純な事件だと思っていた麻薬パーティーが、芸能界はもちろん、検察や政界まで関わる大きな麻薬スキャンダル事件であることを知ったチャヌは、生きるために巨大な権力と対峙する状況となり、ギホンや業界のクィーンであるソン・ウニョン(ソ・イェジ)たちと共に事件を探りに乗り出しますが・・・。原題は「양자물리학」です。
4位「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は、上述のように日本ではすでに公開されています。
6位「パーフェクトマン」は、韓国のコメディ&ドラマ。パーフェクトな人生を夢見て一発当てたいチンピラのヨンギ(チョ・ジヌン)は、ボスの金7億ウォンをこっそり使い込んで投資しますが詐欺師にだまされ、株券は紙屑になってしまいます。どうしても7億ウォンを作らなければならないヨンギの前にローファーム代表のジャンス(ソル・ギョング)が現れます。2ヵ月という余命宣告を受けているジャンスは、死ぬ前に自分がしたいことをヨンギが手伝ってくれれば自分の生命保険金をヨンギにやるという提案をするのですが・・・。原題は「퍼펙트맨」です。
8位「ザ・ルーム」(仮)は、フランス・ルクセンブルク・ベルギー合作のミステリー&スリラー。今年の富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭で最優秀作品賞にあたるベスト・オブ・プチョンを受賞した作品です。言った通り、願った通りに聞いてくれる<秘密の部屋>があります。お金、ダイヤモンド、最高級シャンパン、ゴッホの傑作、そして必要なら赤ちゃんさえも。ただし、願いは慎重に祈ること! そして規則は必ず守ること! そうしないと・・・。韓国題は「더 룸」です。
10位「レプリカズ」は、キアヌ・リーヴス主演のアメリカのSF。日本ではすでに5月公開されています。韓国題は「레플리카」です。
【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・魔王の娘イリシャ(韓国) ・・・・・・・9/26・・・・・・・・・9,179・・・・・・・・・11,118 ・・・・・・・・・・84 ・・・・・・・・・313
2(1)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・6,234・・・・・・・・106,148 ・・・・・・・・・871 ・・・・・・・・・・56
3(23)・・ミッド・ナインティーズ・・・・・・・・9/25・・・・・・・・・5,630・・・・・・・・・11,238 ・・・・・・・・・・93 ・・・・・・・・・101
4(新)・・ベル・カント とらわれのアリア・・9/19 ・・・・・・・・2,850・・・・・・・・・・4,280 ・・・・・・・・・・21 ・・・・・・・・・・47
5(3)・・100日で100の物事 ・・・・・・・・・・・・・9/12 ・・・・・・・・・2,611・・・・・・・・・23,941 ・・・・・・・・・190 ・・・・・・・・・・33
1・3・4位の3作品が新登場です。
1位「魔王の娘イリシャ」は、韓国のアニメ。魔法により記憶を失ったまま平凡な高校生として暮らしていたイリーシャは友だちのジンソクの奪われた魂を取り戻すために偶然妖精の世界に旅立つことに。そこで秘密のカエル、その他妖精のロビーと出会って、ニセの魔王によって妖精の世界が危機に陥っている事実を知りますが・・・。原題は「마왕의 딸 이리샤」です。
3位「ミッド・ナインティーズ」(仮)は、アメリカのドラマ。舞台は1990年半ばのロサンゼルス。13歳の少年スティーヴィー(サニー・サジック)は、厳しい母親のダブニー(キャサリン・ウォーターストン)とたびたび暴力を振るうゲイの兄イアン(ルーカス・ヘッジズ)に囲まれて過ごす日々に孤独を感じています。そんなある日、街でスケートボードをしていた不良グループに憧れを抱き、やがてその不良グループに入ります。そして彼は少しずつ大人の世界に足を踏み入れていきます。そこは酒、タバコ等がはびこるロサンゼルスの闇の世界。そんな中でのスティーヴィーの成長の物語です。韓国題は「미드 90」。日本公開は未定のようです。
4位「ベル・カント とらわれのアリア」は、アメリカのドラマ&スリラー。1996年にペルーで起きた日本大使公邸占拠事件に着想を得たアン・パチェット原作のベストセラー小説「ベル・カント」(早川書房)の映画化作品です。南米のある小国の副大統領官邸で、工場誘致関連の日本人実業家ホソカワ(渡辺謙)の誕生パーティが開かれていました。ところが突然収監中の同志の解放を求めるテロリストたちに占拠され、邸内は真っ暗になります。各国の要人たちなど出席者は人質となり、その中にはオペラ好きの主賓のために招ばれたソプラノ歌手ロクサーヌ・コス(ジュリアン・ムーア)もいました。幽閉生活が続くうち、人々は奇妙な安らぎを覚えていきます。金と名誉を求めるばかりが人生ではないと気づいたのです。貧しい家に育ったテロリストたちも知的な大人たちと接して初めてこの世には美しい世界があることを知ります。やがてロクサーヌの歌をきっかけに人質とテロリストは心を通わせていきます。しかし、この平穏な日々が永遠に続くはずはありません・・・。韓国題は「벨 칸토」。日本公開は11月15日です。
▸この10日間は映画館に行ってないので、この機会にエンドロール(エンドクレジット)をめぐる日韓の違い等について知るところを書くことにします。
どうもこの頃、ウェブ上でエンドロールについての議論をけっこう見かけるような気がします。たとえば→コチラは<観る派?観ない派??”映画館でのエンドロール”にまつわる微妙なこだわりとは?>と題したまとめ記事。両派の意見を紹介しています。またアンケート結果も載せていますが、その元の<ガジェット通信>のサイト(→コチラ)にもあるように「最後まで観る事が多い=72.5% 最後まで観ない事が多い=27.5%」で、「7割以上が最後まで観る」だそうです。ほぼ同趣旨の→コチラの記事は<at home VOX 調べ>のアンケートを紹介していて、こちらは<男女別>&<年代別>に分けて集計しています。そして全体的には次のようにまとめています。「A.我慢して最後まで観る」という人の方が多数派。「B.すぐに映画館を出る」の数値で目立ったのが40代男性(13.7%)と50代男性(15.3%)。
「なるほど、やっぱりね」です。私ヌルボの場合は次の3つの場合に分かれます。①本編が終わったら直ちにトイレに駆け込む。 ②トイレを我慢して最後まで観る。 ③我慢どころか最後まで熱心に観る。
②と③の場合、なぜ最後まで観るかというと、[1]印象に残った(or曲名等が思い出せない)楽曲の曲名や演奏者を確認する。 [2]撮影場所を確認する。 というのが主目的。しかし、どちらも文字情報が流れて行く時間と自分の読解力との勝負。かろうじて見つかった時、暗がりの中でノートにメモをとる・・・、ということをやったりしてると本編を観てる時より真剣度は高いかも・・・(^^;)
それでわかることもあり、わからずじまいのこともあり、です。
上記のアンケートで比較的上の世代の男性がエンドロールを観ないで席を立つ比率が高いというのもわかります。今の大方の映画ファンの皆さんはご存知ないかも知れませんが、約半世紀前までは長いエンドロールはありませんでした。それが変わったのはジョージ・ルーカス監督の「アメリカン・グラフィティ」(1973)からだそうです。製作費が少なく、俳優やスタッフに十分な報酬を払えなかった代わりに、ということで。(要確認) ということもあって、60年代まではエンドマークが出たら即終わり、で皆席を立つ。いや昔(50年代?)は入れ替えナシだから途中から入った客はまた最初から観てアタマの中でつなぎ合わせるという人もいたなー。あ、それからエンドマークが出るちょっと前にサッと席を立つのが<映画通>ぽいカッコのつけ方だったそうな(笑)。
つまりは、時代相も反映しているようだし、(とくにシネコン出現以降の)映画館の形態も関係ありそうだし、鑑賞マナーの常識もたしかに変化してきてるし・・・ということを考えると、エンドロールを観ないで出て行く人を非難するのも(その逆も)いかがなものかと思います。
▸ここから本論、かな?
韓国ではエンドロールのことを<엔딩 크레딧(ending credit)>と言います。これは韓国風英語で、実際の英語圏では<closing credits>と言うそうです。
ところが、韓国の映画館ではエンドロールを最後まで全部観るゾッ!と思っても観ることはまずできません。ほとんどの観客は本編が終わるとゾロゾロと出て行き、館内の明かりが点き、その中でまだうっすらとエンドロールが映っていてもおかまいなく掃除のおばさんが入ってくるからです。
理由は、観客の立場では、かなり退屈で、時間の無駄だから。
なぜすぐ場内の照明を点けるかというと、大勢で出て行くのに暗いままだと危険だから。
劇場の立場だと、エンドロールが長いと上映の回転率が落ちる。客が早く出ることを前提に上映時間を組む。
・・・といったように、「エンドロールをきっちり観る客はいない」ということが当然視されているわけです。
しかし、映画製作者の側はそれでもエンドロールを観てもらおうと苦心しているとか。たとえばエンドロールに中に番外映像、続編ネタ等の特別映像(韓国ではクッキー映像という)を入れたりするのもそのひとつで、それなりには興味を持つ観客も出始めている(?)そうです。
なお、少数の独立映画上映館ではエンドロールが終わるまで照明を消したままというところもあります。もちろん映画祭の場合はエンドロールを最後まで観た後拍手をするのがふつうです。
上に書いたことの多くは→ナムウィキの<엔딩 크레딧>の項目に拠っています。私ヌルボ自身は過去10数回韓国で映画を観ましたが、その印象を再確認しました。
エンドロール以外にも館内でのおしゃべりとか、上映開始後に入ってくる人が多いとか日本の映画ファンの尺度では「気にさわる」ことはいろいろありそうですけどね。(たぶんアチラさんからも。)
★★★ NAVERの人気順位(10月1日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(2) 痛いほど愛する(韓国) 9.72(152)
②(5) 主戦場 9.54(962)
③(-) 星の庭園(韓国) 9.54(187)
④(-) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 9.47(103)
⑤(6) 僕のワンダフル・ジャーニー 9.46(537)
⑥(-) アラジン 9.39(26,533)
⑦(7) ディーター・ラムス 9.36(78)
⑧(-) ポーランドに行った子供たち(韓国) 9.33(536)
⑨(1) 明かりの下で(韓国) 9.30(20)
⑩(9) 教会のお兄さん(韓国) 9.27(1,541)
かなり入れ替わりましたが、新登場の作品はありません。
【記者・評論家による順位】
①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国) 9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国) 8.38(13)
③(-) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 7.90(10)
④(-) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 7.60(5)
⑤(4) アド・アストラ 7.38(8)
⑥(5) 主戦場 7.33(6)
⑦(7) EXIT(韓国) 7.23(13)
⑧(8) 動物、園(韓国) 7.20(5)
⑨(9) ユヨルの音楽アルバム(韓国) 7.13(8)
⑩(10) 私の家(韓国) 6.90(10)
③「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が新登場ですが、日本では8月30日から公開されています。韓国題は「원스 어폰 어 타임... 인 할리우드」です。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月27日(金)~9月29日(日) ★★★
朝鮮戦争の中の知られざる物語「長沙里:忘れられた英雄」が1位
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(25)・・長沙里:忘れられた英雄(韓国)・・9/25・・・・・・・485,168・・・・・・・・689,715 ・・・・・・・・5,499・・・・・・1,090
2(40)・・量子物理学(韓国)・・・・・・・・・・・・9/25・・・・・・・・・275,667・・・・・・・・387,603 ・・・・・・・・3,185 ・・・・・・・799
3(1)・・悪い奴ら:ザ・ムービー(韓国)・・9/11・・・・・・・・・258,626 ・・・・・・4,442,353 ・・・・・・・38,529・・・・・・1,000
4(新)・・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド・・9/25・・123,367・・197,007 ・・・・・・・1,596 ・・・・・・・678
5(2)・・アド・アストラ・・・・・・・・・・・・・・・9/19・・・・・・・・・・49,013・・・・・・・・487,517 ・・・・・・・・4,310 ・・・・・・・493
6(16)・・パーフェクトマン(韓国)・・・・・10/02 ・・・・・・・・・33,377・・・・・・・・・90,086 ・・・・・・・・・・675 ・・・・・・・481
7(3)・・タチャ:ワン・アイド・ジャック(韓国)・・9/11 ・・30,412・・・・・・・2,212,825 ・・・・・・・19,554 ・・・・・・・429
8(38)・・ザ・ルーム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/25 ・・・・・・・・・24,691・・・・・・・・・44,685 ・・・・・・・・・・361 ・・・・・・・163
9(4)・・イエスタディ ・・・・・・・・・・・・・・・・9/18 ・・・・・・・・・20,545・・・・・・・・292,246・・・・・・・・・2,475 ・・・・・・・337
10(新)・・レプリカズ ・・・・・・・・・・・・・・・・9/25 ・・・・・・・・・17,641・・・・・・・・・31,206 ・・・・・・・・・・245 ・・・・・・・339
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今回の新登場は1・2・4・6・8・10位の6作品です。
1位「長沙里:忘れられた英雄」は、韓国の戦争物。長沙(チャンサ)とは朝鮮半島東海岸の日本海に面した集落です。1950年6月25日に38度線を越えて侵攻してきた北朝鮮軍は8月8日には長沙の北の盈徳を陥れ、11日には南の浦項を占領しました。その間、韓国軍第3師団は司令部を長沙に移しましたが、結局アメリカの第8軍司令官は第3師団に海上撤退を指示します。ところがこのことが北朝鮮軍に知れると攻勢が強まるばかりなので、民間人はもちろん軍隊でも中隊長以下には伝えず、あの手この手で北朝鮮軍を防ぎつつ秘密裏に撤収準備を進めます。そして結局はわずかの間に将兵9千人、警察隊や公務員・労務者・避難民等2千余人の計1万人を超える人々がLSTに乗り込み、撤収に成功しました。これが<長沙洞撤収作戦>で、現在長沙の海水浴場の近くには長沙上陸作戦戦跡地が公園として整備され、モニュメント等も造られています。この映画の主人公はイ・ミョンジュン大尉(キム・ミョンミン)。彼が率いる遊撃隊と訓練をたった2週間だけ受けた戦闘経験のない平均17歳の学徒兵772名を乗せたムンサン号は、上記の作戦のために長沙に向かいます。悪天候の中、雨のように降りかかる銃弾を受けながら上陸を試みるのですが・・・。長沙でなんとか持ちこたえようとする部隊に対して、彼らの撤収のため長沙に向かう部隊の側に焦点をあてた作品です。原題は「장사리 : 잊혀진 영웅들(長沙里 : 忘れられた英雄たち)」です。
2位「量子物理学」は、韓国の犯罪ドラマ。「思いが現実を作る」という量子物理学的信念を人生のモットーとしている風俗界のイ・チャヌ(パク・ヘス)は、ある日有名芸能人が関わる麻薬パーティー事件を知ります。ジャヌは長いつき合いの犯罪情報課係長パク・ギホン(キム・サンホ)にその情報を流します。単純な事件だと思っていた麻薬パーティーが、芸能界はもちろん、検察や政界まで関わる大きな麻薬スキャンダル事件であることを知ったチャヌは、生きるために巨大な権力と対峙する状況となり、ギホンや業界のクィーンであるソン・ウニョン(ソ・イェジ)たちと共に事件を探りに乗り出しますが・・・。原題は「양자물리학」です。
4位「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は、上述のように日本ではすでに公開されています。
6位「パーフェクトマン」は、韓国のコメディ&ドラマ。パーフェクトな人生を夢見て一発当てたいチンピラのヨンギ(チョ・ジヌン)は、ボスの金7億ウォンをこっそり使い込んで投資しますが詐欺師にだまされ、株券は紙屑になってしまいます。どうしても7億ウォンを作らなければならないヨンギの前にローファーム代表のジャンス(ソル・ギョング)が現れます。2ヵ月という余命宣告を受けているジャンスは、死ぬ前に自分がしたいことをヨンギが手伝ってくれれば自分の生命保険金をヨンギにやるという提案をするのですが・・・。原題は「퍼펙트맨」です。
8位「ザ・ルーム」(仮)は、フランス・ルクセンブルク・ベルギー合作のミステリー&スリラー。今年の富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭で最優秀作品賞にあたるベスト・オブ・プチョンを受賞した作品です。言った通り、願った通りに聞いてくれる<秘密の部屋>があります。お金、ダイヤモンド、最高級シャンパン、ゴッホの傑作、そして必要なら赤ちゃんさえも。ただし、願いは慎重に祈ること! そして規則は必ず守ること! そうしないと・・・。韓国題は「더 룸」です。
10位「レプリカズ」は、キアヌ・リーヴス主演のアメリカのSF。日本ではすでに5月公開されています。韓国題は「레플리카」です。
【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・魔王の娘イリシャ(韓国) ・・・・・・・9/26・・・・・・・・・9,179・・・・・・・・・11,118 ・・・・・・・・・・84 ・・・・・・・・・313
2(1)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・6,234・・・・・・・・106,148 ・・・・・・・・・871 ・・・・・・・・・・56
3(23)・・ミッド・ナインティーズ・・・・・・・・9/25・・・・・・・・・5,630・・・・・・・・・11,238 ・・・・・・・・・・93 ・・・・・・・・・101
4(新)・・ベル・カント とらわれのアリア・・9/19 ・・・・・・・・2,850・・・・・・・・・・4,280 ・・・・・・・・・・21 ・・・・・・・・・・47
5(3)・・100日で100の物事 ・・・・・・・・・・・・・9/12 ・・・・・・・・・2,611・・・・・・・・・23,941 ・・・・・・・・・190 ・・・・・・・・・・33
1・3・4位の3作品が新登場です。
1位「魔王の娘イリシャ」は、韓国のアニメ。魔法により記憶を失ったまま平凡な高校生として暮らしていたイリーシャは友だちのジンソクの奪われた魂を取り戻すために偶然妖精の世界に旅立つことに。そこで秘密のカエル、その他妖精のロビーと出会って、ニセの魔王によって妖精の世界が危機に陥っている事実を知りますが・・・。原題は「마왕의 딸 이리샤」です。
3位「ミッド・ナインティーズ」(仮)は、アメリカのドラマ。舞台は1990年半ばのロサンゼルス。13歳の少年スティーヴィー(サニー・サジック)は、厳しい母親のダブニー(キャサリン・ウォーターストン)とたびたび暴力を振るうゲイの兄イアン(ルーカス・ヘッジズ)に囲まれて過ごす日々に孤独を感じています。そんなある日、街でスケートボードをしていた不良グループに憧れを抱き、やがてその不良グループに入ります。そして彼は少しずつ大人の世界に足を踏み入れていきます。そこは酒、タバコ等がはびこるロサンゼルスの闇の世界。そんな中でのスティーヴィーの成長の物語です。韓国題は「미드 90」。日本公開は未定のようです。
4位「ベル・カント とらわれのアリア」は、アメリカのドラマ&スリラー。1996年にペルーで起きた日本大使公邸占拠事件に着想を得たアン・パチェット原作のベストセラー小説「ベル・カント」(早川書房)の映画化作品です。南米のある小国の副大統領官邸で、工場誘致関連の日本人実業家ホソカワ(渡辺謙)の誕生パーティが開かれていました。ところが突然収監中の同志の解放を求めるテロリストたちに占拠され、邸内は真っ暗になります。各国の要人たちなど出席者は人質となり、その中にはオペラ好きの主賓のために招ばれたソプラノ歌手ロクサーヌ・コス(ジュリアン・ムーア)もいました。幽閉生活が続くうち、人々は奇妙な安らぎを覚えていきます。金と名誉を求めるばかりが人生ではないと気づいたのです。貧しい家に育ったテロリストたちも知的な大人たちと接して初めてこの世には美しい世界があることを知ります。やがてロクサーヌの歌をきっかけに人質とテロリストは心を通わせていきます。しかし、この平穏な日々が永遠に続くはずはありません・・・。韓国題は「벨 칸토」。日本公開は11月15日です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます