ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [1月4日(金)~1月6日(日)]

2019-01-08 23:52:53 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸昨日(7日)ブルク13で観た「アリー/ スター誕生」が今年の映画初鑑賞。音楽がメインの作品はIMAXが当たり前になりそうです。その音楽ですが、私ヌルボとしては一番ズズンときた曲はレディ・ガガではなく、冒頭のブラッドリー・クーパーの歌&ギターでした。(→YouTube) 彼の演ずるジャクソン・メイ同様、ヌルボの音楽的感性も数十年前で止まってるかも(笑)。

▸「アリー/ スター誕生」同様、昨年中に見逃した「人生フルーツ」は今韓国で地味ながらもヒット中。今年に入り各地でリバイバル上映。(→コチラ参照。) 近所のシネマ・ジャック&ベティでも上映というのはウレシイ。
 そのシネマ・ジャック&ベティの上映予定作で観る予定なのが韓国でも評価が高かった「家(うち)へ帰ろう」(韓国題:私の最後のスーツ」)。あと、やっと観られる「私はあなたのニグロではない」。その他「バスキア、10代最後のとき」等。

▸今シネマート新宿等で上映中の韓国映画をチェック。「それだけが、僕の世界」(原題:그것만이 내세상)「死体が消えた夜」(사라진 밤[消えた夜])は一応観ておくかといったところ。そしてぜひ観ようと思っているのはソル・ギョング主演(パク・ヘイルもか)の「22年目の記憶」(나의 독재자[私の独裁者])。また「いつか家族に」(原題:허삼관[許三観])も原題と全然違うので要注意。これは2014年韓国文化院で観て、<オクスス(トウモロコシ)の別称(←ちょっとギモンあり)は?>という記事も書きました。(→コチラ。) 中国人作家・余華の原作小説「血を売る男(許三観売血記)」も、とてもおもしろかったです。

▸今週の【記者・評論家による順位】の中で、昨年のカンヌ映画祭で上映されたロシア映画「Leto/夏」は諸情報を興味深く読みました。ロシアのロックのパイオニアというべき主人公ヴィクトル・ツォイ(→ウィキペディア)は高麗人、つまり旧ソ連内の朝鮮人ということで韓国で注目されているようです。曾祖父が現・北朝鮮の金策出身でウラジオストクに移住した後1937年カザフスタンに強制移住させられ、母方の祖父の代にレニングラードに移ったとか。ただツォイ自身は朝鮮系ロシア人という認識で、朝鮮族としての民族意識はなかったとのことです。韓国サイトでは彼の名を<ビクトル・チェ(빅토르 최)>と表記しています。チェ(최)は漢字だと<崔>。韓国でよくある姓ですが、<최>の英語表記は<Choi>であり、ロシアではchの発音がむずかしいのでツォイとなったそうです。そんな歴史と政治と文化がこの作品に交錯しているのです。

         ★★★ NAVERの人気順位(1月8日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(4) 大人になれば(韓国)  9.53(92)
②(2) ボヘミアン・ラプソディ  9.48(36,173)
③(3) バブル・ファミリー(韓国)  9.46(24)
④(6) ポーランドに行った子供たち(韓国)  9.42(479)
⑤(5) ハンター・キラー  9.41(2,148)
⑥(1) Dying/死ぬこと  9.38(24)
⑦(7) イツァーク  9.29(85)
⑧(9) スパイダーマン:スパイダーバース  9.24(4,020)
⑨(-) パウロ 愛と赦しの物語  9.17(1,811)
⑩(8) チョンバギ 韓半島の恐竜2 : 新しい楽園(韓国)  9.17(1,352)

 今回新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ROMA/ローマ  8.80(5)
②(3) スパイダーマン:スパイダーバース  8.25(8)
③(5) 希望の灯り  7.75(4)
④(6) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  7.60(5)
⑤(7) アリー/ スター誕生  7.43(7)
⑥(-) シュガー・ラッシュ:オンライン  7.25(4)
⑦(8) カメラを止めるな!(日本)  7.14(7)
⑦(-) Leto/夏  7.14(7)
⑨(9) 群山:ガチョウを歌う(韓国)  7.00(6)
⑩(-) 劇場版ポケットモンスター みんなの物語(日本)  7.00(2)

 ⑥と、⑦「Leto/夏」の2作品が今回の新登場です。
 ⑥「シュガー・ラッシュ:オンライン」は、日本でも12月21日公開されています。韓国題は原題の「RALPH BREAKS THE INTERNET:WRECK-IT RALPH 2」に近く「주먹왕 랄프 2: 인터넷 속으로(拳骨王ラルフ 2: インターネットの中へ)」です。
 ⑦「Leto/夏」(仮)はロシアのドラマ。<Leto>(正確には<Лето>)はロシア語で<夏>のこと。18年の第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映された作品です。物語の舞台は1981年夏、ソ連のレニングラード(現サンクトペテルブルク)。そこでは西欧の影響を受けてアンダーグラウンド・ロックがようやく開花します。新しい音楽を前に、演奏会場は熱気に包まれますが、当局の監視の目も光り、観客は座ったまま聴いています。後にロシアン・ロックのパイオニアとなった伝説のロック歌手、ヴィクトル・ツォイもバンドを結成して音楽活動し始めます。そして彼が出会ったミュージシャンのマイクはヴィクトルの師匠格になります。マイクには美貌の恋人(後に妻)ナターシャがいました。この2人の男性の間でナターシャの心は揺れます・・・。本作ではデヴィッド・ボウイやルー・リード等の当時の西側のヒット曲が流されます。そしてタイトルの「LETO」はヴィクトル・ツォイが率いたバンドKINOの曲名。実はYouTubeで聴くことができます。(→コチラ。) やっぱりロシア・テイストのロックですね(笑)。なお、ヴィクトルも政治的な主張をするミュージシャンではなく、本作も政治的な作品ではないようです。しかしロック自体に反抗的な要素は元々あるから監視対象にされるわけだし、また本作の撮影中の17年セレブレンニコフ監督が当局に横領罪の容疑で身柄を拘束された(→カンヌにも行けなかった)というのも、なんらかの政治的意図があるのではとの憶測もあるとか。そういえばヴィクトルが1990年交通事故により28歳で早世したのも、単なる事故ではないのでは?という見方もあるそうです。韓国題は「레토(レト)」。日本公開は未定のようですが、ぜひ公開してほしいものです。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績1月4日(金)~1月6日(日) ★★★

         韓国でも「シュガー・ラッシュ:オンライン」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(20)・・シュガー・ラッシュ:オンライン・・1/03・・・・・・・・627,907 ・・・・・・・758,354・・・・・・・・6,151・・・・・・1,453
2(1)・・アクアマン ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・・481,927・・・・・・4,544,450・・・・・・・39,845・・・・・・1,123
3(4)・・ボヘミアン・ラプソディ ・・・・・・10/31・・・・・・・・・・176,089・・・・・・9,610,398・・・・・・・83,450 ・・・・・・・708
4(2)・・PMC:ザ・バンカー(韓国)・・・・・12/26・・・・・・・・・・147,984・・・・・・1,607,694・・・・・・・13,488 ・・・・・・・741
5(3)・・バンブルビー ・・・・・・・・・・・・・・・12/25・・・・・・・・・・129,439・・・・・・1,490,101・・・・・・・12,508 ・・・・・・・678
6(18)・・マルモイ[言葉集め](韓国) ・・・・1/09・・・・・・・・・・・92,930・・・・・・・・152,181・・・・・・・・1,173 ・・・・・・・449
7(72)・・オンニ[お姉さん](韓国) ・・・・・・1/01・・・・・・・・・・・62,339・・・・・・・・172,340・・・・・・・・1,541 ・・・・・・・510
8(5)・・スウィング・キッズ(韓国) ・・・・・12/19 ・・・・・・・・・・60,895 ・・・・・・1,428,019・・・・・・・11,747 ・・・・・・・525
9(6)・・チョンバギ 韓半島の恐竜2・・・・12/25・・・・・・・・・・・50,651・・・・・・・・521,058・・・・・・・・4,083 ・・・・・・・413
       :新しい楽園
10(9)・・映画クレヨンしんちゃん ・・・・12/19・・・・・・・・・・・19,877・・・・・・・・341,069・・・・・・・・2,646 ・・・・・・・160
       爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・6・7位の3作品です。
 1位「シュガー・ラッシュ:オンライン」は、上述のように日本ではすでに12月21日に公開されています。
 6位「マルモイ[言葉集め]」は韓国のドラマ。1940年代、朝鮮語がだんだん消えつつある京城。劇場を解雇されたキム・パンス(ユ・ヘジン)は、息子の学費のためにカバン泥棒をしようとして失敗します。その後パンス(ユ・ヘジン)が面接試験を受けに朝鮮語学会に行くと、その代表はよりによって盗もうとしたカバンの持ち主リュ・ジョンファン(ユン・ゲサン)でした。辞典を作るのに、前科もある上に読み書きもできないとは! しかしパンスを歓迎する会員たちに推されてジョンファンは読み書きができるようになることを条件にパンスを受け入れます。金でもなし、なんで<言葉集め>?と思ったパンスは生まれて初めて文字を読み、自国語の大切さに目を開きます。ジョンファンもまた全国の<言葉集め>に熱心に取り組むパンスを通して<われわれ>の大切さに気づきます。作業時間も残り少なくなった頃されていない時間の中、一段と厳しくなる日本帝国の監視から逃れて<言葉集め>を終わらせなければならないのですが・・・。原題は「말모이」です。 ※日本の統治時代の言語政策も日韓間の<歴史認識>関係のイシューの1つです。少なくとも、日常生活まで日本語を強制するというのは事実ではなく、また不可能なことです。→コチラのブログ記事と、→ハンギョレの記事
の双方を批判的に読んでほしいと思います。
 7位「オンニ[お姉さん]」は、韓国のアクション。ただ平凡に暮らしたいと思っていた女性パク・イネ(イ・シヨン)。以前はボディガードでしたが、過剰警護で前科者となり、ようやく出所します。ところがまもなく妹のウネ(パク・セワン)がいなくなってしまいます。妹は不良学生の金もうけの手段として利用され、拉致されたって? 姉妹の跡を追う謎の男は市会議員パク・ヨンチュン(チェ・ジノ)の部下ハン・ジョンウ(イ・ジュニョク)。そして拉致に関係ありそうな金融業者チョン社長(キム・ウォネ)。パク・ヨンチュンは、過去イネとの間に<悪縁>があった? なんかわかりにくそうですが、実はわかりやすい復讐物アクションのようです。原題は「언니」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(18)・・Leto/夏・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/03 ・・・・・・・・・・6,619・・・・・・・・・10,336 ・・・・・・・・・・・91 ・・・・・・・・108
2(2)・・人生フルーツ(日本) ・・・・・・・・・・・・12/06 ・・・・・・・・・・3,604・・・・・・・・・42,328 ・・・・・・・・・・325 ・・・・・・・・・33
3(1)・・老人と銃・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/27 ・・・・・・・・・・3,259・・・・・・・・・15,767 ・・・・・・・・・・133 ・・・・・・・・・40
4(4)・・シンプル・フェイバー・・・・・・・・・・・12/12 ・・・・・・・・・・1,263・・・・・・・・117,921・・・・・・・・・1,019 ・・・・・・・・・22
5(5)・・イツァーク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/20 ・・・・・・・・・・1,232・・・・・・・・・10,658 ・・・・・・・・・・・81 ・・・・・・・・・17

 1位「Leto/夏」(仮)が今回の新登場です。この作品については上述しました。

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