ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [11月23日(金)~11月25日(日)]

2018-11-27 22:09:49 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸24日(土)、シネマート新宿で韓国映画「代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン」を観てきました。1592年壬辰倭乱が勃発して、国王の宣祖は自分は半島北西端の義州までサッサと避難する一方、まだ16歳の庶子の光海(ヨ・ジング)を王世子とし、朝廷を割った<分朝>を任せます。光海と<分朝>一行は、国王に代わって義兵を集めて日本軍に対抗するために半島北部の江界に向かいます。その際護衛兵として連れて行ったのが代立軍、すなわち財物を代価に他人が負うべき軍役を代行して生計を立てている、いわば傭兵。その長を演じているのがイ・ジョンジェ。ドラマ「砂時計」で一気に人気スターになってからもう22、3年か。当時ヨ・ジングはまだ生まれてないゾ・・・。さて、この代立軍というのが実際にあったのか?という疑問がないではないですが、チョン・ユンチョル監督によると「実際にあった」とのことです。(うーむ。) しかし、それはそれとして、最近観た韓国映画の中では上の部類でなかなか楽しめました。この<代立軍>は現在の韓国で問題となっている非正規労働者をダブらせているという見方があるようですが、言われてみればそうかもしれません。それにしても、当時の日本人兵士たちも朝鮮半島の最北端までよく行ったものです。また現地でいくつも城を造ったり、もちろん戦ったり等々。日本国内で名護屋城まで行くのさえキツイのに・・・。そんな戦いがなんで可能だったのですかねー?

▸じわっと近づいてきました。渋谷ユーロスペースで12月8日(土)公開の<映画祭 朝鮮半島と私たち>の記事(作品・日程等)は→コチラ、FACEBOOKは→コチラです。

▸大手メディアでは(たぶん)ほとんど報じられない、マイナーな韓国のドキュメンタリー映画「ソソンリ(韶成里)」の上映会情報は→コチラ。ソソン里は慶尚北道星州郡内の小さな村ですが、THAAD配備用地とされ、2017年4月にそこにあるロッテ系列のゴルフ場にレーダーや発射台等が運び込まれて、それまで平穏だった日々が一変しました。この問題を現地の住民の視点に重点を置いて制作したとのことです。

         ★★★ NAVERの人気順位(11月27日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) 僕のワンダフル・ライフ  9.63(546)
②(1) ボヘミアン・ラプソディ  9.59(22,428)
③(2) ポーランドに行った子供たち(韓国)  9.48(393)
④(4) Burn the Stage : the Movie(韓国)  9.40(1,998)
⑤(3) 出国(韓国)  9.37(2,655)
⑥(6) スタビー軍曹  9.29(56)
⑦(7) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  9.25(12)
⑧(10) ハロー カボット:白亜紀時代(韓国)  9.23(2,059)
⑨(-) 劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~(日本)  9.20(182)
⑩(-) 家の時間(韓国)  9.20(35)

 ①と⑩の2作品が新登場です。
 ①「僕のワンダフル・ライフ」は、日本では9月に公開されています。韓国題は「베일리 어게인」です。
 ⑩「家の時間」は、韓国のドキュメンタリー。ソウルの端にある遁村住公アパートは建て直しの時が迫っています。このアパートで彼らなりの年月を過ごしてきた住民は、それぞれこの住まいに対する愛情を語ります。そして、いつものような風景が静かに映し出されます。ある家のリビングルームからアパート全体、朝から夜まで。撤去される前にさまざまな記憶が呼び起こされ、それが再建への思いにつながっていきます・・・。原題は「집의 시간들」です。

     【記者・評論家による順位】

①(2) エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館  8.50(2)
②(3) ファントム・スレッド  8.22(9)
③(4) シェイプ・オブ・ウォーター  8.18(11)
④(5) 暗数殺人(韓国)  8.14(7)
⑤(-) 希望の灯り  7.75(4)
⑥(-) 生き残った子[最後の息子](韓国)  7.67(9)
⑦(8) バディントン2  7.67(3)
⑧(9) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏)  7.60(5)
⑨(-) タリーと私の秘密の時間  7.60(5)
⑩(10) 悲しみに、こんにちは  7.50(8)

 ⑤と⑨の2作品が新登場です。
 ⑤「希望の灯り」はドイツのドラマ。舞台は旧東ドイツ・ライプツィヒ近郊の巨大スーパー(卸売市場)です。主人公は、27歳の青年クリスティアン(フランツ・ロゴフスキ)。建設現場の仕事をやめて、そのスーパーの在庫係として働き始めます。口下手な彼の面倒を見てくれたのは上司のブルーノ(ペーター・カース)でした。また製菓コーナーでは同じ新入りの女性マリオン(ザンドラ・ヒュラー)とはコーヒー自販機の前で話をするようになります。クリスティアンは彼女に一目惚れしますが、実は彼女はワケアリの人妻でした・・・。そんな深夜のスーパーで働く人々の日常を穏やかに、ときにユーモラスに描いた作品です。韓国題は英題「In the Aisles」そのままで「인 디 아일」。日本公開は来年4月5日で、もう予告編(→コチラ)も公開されています。
 ⑨「タリーと私の秘密の時間」は、日本ではすでに8月公開されています。韓国題は「툴리」です。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月23日(金)~11月25日(日) ★★★

         「ボヘミアン・ラプソディ」の勢い衰えず、1位に上昇

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・ボヘミアン・ラプソディ ・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・955,457 ・・・・・・4,644,510・・・・・・・40,967・・・・・・1,136
2(5)・・怒れる牡牛(韓国)・・・・・・・・・・・・11/22 ・・・・・・・・・700,740・・・・・・・・920,977 ・・・・・・・・7,961 ・・・・・1,008
3(1)・・ファンタスティック・ビーストと・・11/14・・・・・・358,033 ・・・・・・2,165,613・・・・・・・18,833 ・・・・・・・842
       黒い魔法使いの誕生
4(3)・・完璧な他人(韓国)・・・・・・・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・266,982・・・・・・・4,889,990・・・・・・・41,139・・・・・・・730
5(52)・・僕のワンダフル・ライフ ・・・・・11/22 ・・・・・・・・・・36,290・・・・・・・・・45,254 ・・・・・・・・・400 ・・・・・・・170
6(4)・・Burn the Stage : the Movie(韓国)・・11/15・・・・・・・・・29,345 ・・・・・・・・298,408・・・・・・・・2,533 ・・・・・・・136
7(6)・・パウロ 愛と赦しの物語 ・・・・・10/31 ・・・・・・・・・・20,264・・・・・・・・201,760・・・・・・・・1,599 ・・・・・・・145
8(85)・・キャプテン・シャーキー ・・・・・11/22 ・・・・・・・・・・・9,384・・・・・・・・・11,057・・・・・・・・・・・82 ・・・・・・・174
9(7)・・出国(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/14 ・・・・・・・・・・・8,844・・・・・・・・・71,407・・・・・・・・・・568 ・・・・・・・・67
10(新)・・タリーと私の秘密の時間 ・・・11/22 ・・・・・・・・・・・8,139・・・・・・・・・24,325・・・・・・・・・・207 ・・・・・・・138
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は5・8・10位の3作品です。
 5位「僕のワンダフル・ライフ」は、上述のように日本では9月に公開されています。
 8位「キャプテン・シャーキー」は、ドイツのアニメ。元々はドイツの男の子に大人気の絵本(未翻訳)で、キャプテン・シャーキーのキャラクター・グッズは多岐にわたって作られているようです。自分が世界で最も恐ろしい海賊だと信じている少年シャーキーは、羅針盤と船員を求めてホームポート島に向かいます。一方、たまたまシャーキーのいたずらで追われる身となったマイキーと家出少女のボニーが険しい旅に合流することになり、ボニーが海賊に拉致されたと誤解した海軍提督と、報奨金を狙う無慈悲な海賊たちがシャーキーと友人たちの後を追い始めます。果たして、少年シャーキーは友人たちを無事に守って、真の船長になるでしょうか・・・。韓国題は「캡틴 샤키」。日本公開は未定のようです。
 10位「タリーと私の秘密の時間」も、上述のように日本では8月公開されています。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・パウロ 愛と赦しの物語・・・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・20,264・・・・・・・・201,760 ・・・・・・・・1,599・・・・・・・・・145
2(8)・・ヨンジュ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・11/22 ・・・・・・・・・・6,946・・・・・・・・・・9,647・・・・・・・・・・・78・・・・・・・・・・98
3(新)・・28歳未成年・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/21・・・・・・・・・・3,310・・・・・・・・・・9,436・・・・・・・・・・・78・・・・・・・・・123
4(15)・・ビューティフル・デイズ(韓国)・・・11/21・・・・・・・・・・1,185・・・・・・・・・・5,148・・・・・・・・・・・39・・・・・・・・・107
5(24)・・夜明けの約束 ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/22 ・・・・・・・・・・・782・・・・・・・・・・1,619・・・・・・・・・・・14・・・・・・・・・・18

 2~5位の4作品が新登場です。
 2位「ヨンジュ」は、韓国のドラマ。交通事故で両親を失い、突然一家を支えなければならない立場になったヨンジュ(キム・ヒャンギ)は、自分の学業をあきらめてでも弟のヨンイン(タン・ジュンサン)に対してだけは責任を持とうとします。ところがヨンインは困ったことばかりやって、現実は過酷になるばかり。そのヨンインの事故で家までも売らなければならない状況に追い込まれたヨンジュは、両親を死なせた当事者に会いに行くのですが・・・。キャッチコピーの「悪くて、良い人に会った」というのはその人のことなのかな? 原題は「영주」です。
 3位「28歳未成年」は、中国のラブロマンス、というよりラブコメのようですね。チャン・モー(張末)監督は、あのチャン・イーモウ(張芸謀)監督の長女で、本作で監督デビューとのことです。同名の小説の映画化作品。主人公は28歳の女性、凉夏[リャンシア]。恋愛に失敗して落ち込んでいた彼女がたまたま魔法のチョコレートを間違って食べ、外見はそのままで5時間の間17歳の心と能力が取り戻せるようになります。その17歳の凉夏は地下鉄で出会った青年・巌岩[ヤンヤン]に一目惚れし、短いながらもデートを続けるようになります。しかし17歳と28歳の凉夏の二重生活は変調をきたしていきます・・・。韓国題は「28세 미성년」です。
 4位「ビューティフル・デイズ」は、韓国のドラマ。今年9月開催の第23回釜山国際映画祭の開幕作であり、イ・ナヨンの6年ぶりの映画復帰作という点でも話題を呼んだ作品です。中国朝鮮族の大学生ジェンチェン(チャン・ドンユン)は、病気になった父の頼みで自分たちを捨てて家を出て行った母(イ・ナヨン)を探しに韓国にやって来ます。居酒屋を営みながら韓国人の男と住んでいた母はジェンチェンを失望させ、14年ぶりに再会した息子に意外なほど無関心なようすを見せます。この短い母との再会の後中国に帰ったジェンチェンは、そこで母の驚くべき過去を知ることになります・・・。原題は「뷰티풀 데이즈」です。あ、私ヌルボ、この「驚くべき過去」が読めたゾ。観た人たちのコメントで確認したら合ってました。この作品は日本でも公開してほしいです。
 5位「夜明けの約束」は、フランス・ベルギー合作のドラマ。このタイトルは、ゴンクール賞を2度受賞した唯一のフランスの小説家で、映画監督、外交官でもあったロマン・ガリの自伝の書名でもあります。(翻訳書あり。) 1914年ロシア帝国領ヴィリア(現リトアニアの首都ビリニュス)に生まれ、1980年パリの自宅で拳銃自殺を遂げたという人物です。この映画は、貧困の中でも息子の成功のために献身する、相当な教育ママというべき母ニーナ・カツェフ(シャルロット・ゲンズブール)と、彼女の犠牲に報いるために懸命に作品を書き続けるロマン・ガリ(ピエール・ニネ)の物語です。母親は、何としても息子に自身が憧れるフランスで一旗あげてほしくて、彼が14歳の時ニースに移住します。息子は小説を書き続けますが、やがて第2次大戦がはじまって空軍のパイロットとなり、その後イギリスに逃れて自由フランスのレジスタンス戦士として活躍することに・・・と、波乱万丈の生涯を綴った原作をかなり忠実になぞった作品のようです。韓国題は「새벽의 약속」です。日本公開は、えっ、未定なの? ※ゲンズブール家もロシア系ユダヤ人で、シャルロットは「祖母のなまりを思い出しながら演じた」とか。

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