ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (12)

2015-08-22 11:09:32 | S氏の慶熙大学校10週間留学記
<ヌルボより> 民族楽器タンソの魅力にはまったS氏ですが、たまたま8月25日(火)夜に韓国文化院でタンソ公演があることを知り、一緒に聴きに行くことにしました。私ヌルボも合奏では聴いたことがあったかもしれませんが、独奏の演奏会は初めてです。
 さて今回は最初に利川まで1泊の吟行。いろいろ観光地を巡るのはいいとしても、短い間に5句とか3句とか作れというのはヌルボにはムリ(^^;)。
 あいかわらずオジサンたちや若いクラスメートたちと飲んだり食べたりしてます。とくに40歳も年の離れた若者とフツーにつき合ってるのはいいですね。

◎5月30日(土)
 今日は利川(イチョン)まで1泊吟行の日。朝8時45分に鐘閣(チョンガク)に集合し、観光バスで現地に向かう。
 参加者は20代後半から85歳まで20名。85歳のおじいさんはほんとに元気だ。韓国の人と結婚し大阪に住んでいたが2、3年前に韓国に引っ越したらしい。韓国語は全くしゃべれない。長生きの秘訣は俳句だそうだ。余裕をもって朝7時前には起きたが、持っていくのを忘れないようにと昨日買ってわざわざ玄関に置いておいた差し入れ用のマッコリを置き忘れてしまう。地下鉄に乗ってから気がついたが時すでに遅し。
 あいにくの小雨模様で少し肌寒い。ハイウェイを走る車窓から見える緑の山並みが美しい。日本でも見慣れた光景だ。田植えを終えたばかりの水田も懐かしい光景だ。1時間45分ほど走り、世宗大王陵を見学。実に広い敷地に松の木が周囲にたくさん植えられ、芝生がきれいに刈られている。ここは世界遺産に登録されている。大きな土饅頭のお墓が偉大な業績を物語っている。この地は陶芸だけでなく利川米というブランド米の生産地でもあるらしい。次は海剛(ヘガン)陶磁美術館でホットモットの弁当をいただく。昼食後美術館の敷地にある登り窯を見物していると、いつの間にか館長のユ・グァンヨル(柳光烈)氏が出てきて窯の説明をしてくれた。丸顔で小太りの童顔の面影の残るおじいさんだ。この人は陶磁器の作家、収集家、研究家として日本でも名前が知られているらしい。収集の苦労話を日本語で愉しそうに話していた。館内にも11~12世紀頃の陶磁器が展示されているほか自身の手による現代作品も展示してある。相当高価なものも多数あるらしい。財産を切り売りして収集したらしく、「もうお金がなくなってきた。個人で継続するのは本当に大変だ」と話していた。そのあと雪峰(ソルボン)公園を散策。雨も降っていてとくに見るものもなかった。
 3時ごろ公園発。やっと日がさしてきた。場所を移して句会に入る。5句詠まなくてはいけない。なかなか大変だ。5時半から夕食。
 食後ホテルにチェックイン。利川で一番料金の高いホテルでミランダという。7時半からホテル内の幹事部屋で2次会。ここでも酔いが回ったところで1人3句の課題。12時過ぎに散会。

◎5月31日(日)
 朝7時朝食。7時半から早朝句会。
 9時にホテルを後に後にする。私はここで一人離れ市外バスに乗ってソウルに戻る。句会の皆さんとはここでしばしの別れとなる。2ヵ月間だがすっかり皆さんにお世話になった。俳句の面白さを教えてもらった。やっと親しくなった人もいた。もう2度と会えない人がほとんどだ。一行はこれから陶器作りと句会に向かう。「もう1日一緒に行きましょう」と誘われたが、宿題もあり期末試験も近いので後ろ髪を引かれる思いで1人利川を後にした。
 バスターミナルはホテルから近いので助かった。10時半にはソウルに到着。トウミにプレゼントでもあげようと思い清涼里で下車。ロッテデパートでネクタイを購入。

◎6月1日(月)
 今日はクラスメートのアラブ系の2人と昼食を共にする。以前ご馳走になった10代の若者に対するお礼と、もう1人ホットドックをご馳走になった2人への謝礼をかねて、前から今度はお返しに寿司でも食べようと企画していたが、結局タッカンマリを食べることになった。明日も一緒に食べようということになった。
 夕方カンさんから連絡があった。「今日は機械が壊れて6時間かけても直らなかった。仕事にならず疲れたので一緒に飲みましょう」との誘いだった。8時に回基(フェギ)で待ち合わせ。同じ商店街でかばん店を経営している友だちを連れてきて近所のシクタンで一緒に食事をする。
 この食事はカンさんがご馳走してくれた。最近割り勘にしようといっても受け取ってくれない。いつかまとめてお返しをしなければならない。食事の後に、家に来て一緒に飲もうと話があり、ついついお邪魔してしまうことになった。駅から徒歩3、4分のところにあるマンション群の中の17階建てマンションの17階。奥さんが出迎えてくれる。お子さんも挨拶してくれた。美味しい刺身を用意していてくれた。美味しかった。日本と同じで大根のツマの上に盛られていてツマを食べようとしたら「それは食べないほうがよい」といわれた。韓国のひとはツマは食べないらしい。それにしても家は広いし、眺めもいい。この家を手放したのはもったいないと思う。新しい家はやはりマンションで、1階になるらしい。職場には今より3駅近くなるらしい。また今より少し狭くなるという。
 夜も更けてきたのでお暇する。駅までカンさんが送ってくれた。電車に乗ったが何駅か手前の駅が終着だった。駅員に次の電車は?と訊くと「もう今日は終わりました」と告げられた。やむを得ずタクシーに乗車。

◎6月2日(火)
 今日の文法の授業は代役の先生だった。担任は急に体調を崩し今日は休みとのことだった。授業の内容は昨日からパンマル(ぞんざい語)の授業。なかなかややっこしい。
 授業のあと、アラブ系の二人と一緒に学校のそばにあるインド料理を食べに行った。今日は中国人のクラスメートとその友だちも一緒だった。アラブ人の友だちが食事代を支払ってくれた。昨日は自分が支払ったがそれよりか高い。自分が一番年上なので払うと言ったが受け取らない。また借りができてしまった。
 夕方トウミからメールが入る。今学校にいるので後で会って食事をしようという内容。6時に会ったが、昼ごはんが効いてまだお腹が減らない。喫茶店に行き勉強の手助けをしてもらう。1時間ほどいて食事に行く。
 俳句会の人からメールが入り、「観光するのにすごくいい場所がある。帰国前に一度行ってみたほうがいいです」との内容。先日の句会のときにそんな話を聞いていたがそのままにしていた。交通手段が詳しく記載されていた。中央線の九里という駅からバスで15分くらい行ったところにある東九陵という王陵墓がある広大な公園らしい。時間がなくなってきた。いつ行こうか。

◎6月3日(水)
 今日もパンマルの授業。意外と複雑でよくわからなくなった。このままでは試験に出てきてもわけがわからない。そろそろまとめなければ理解できなくなってきた。
 帰りがけに中級クラスの中国人の女の子に会う。文法のテキストを見せてももらったがやはり難しそうだ。日本へ帰って勉強するため校内の書店に行くといったら一緒につき合ってくれた。「このテキストの中身はいいよ」というので買おうとしたら、色刷りの教科書で「高いからやめた方がよい、単色だが鐘閣の本屋に行けば安く売っている」とのこと。ちなみに買おうとした本は2700ウォン。言われたことに従うことにした。金曜日に鐘閣へ行く予定があるので、カンさんへのプレゼントとあわせて買いに行くことに決める。

◎6月4日(木)
 朝から気温が高い。完全な夏だ。授業前に、今学期が終わった後いったん帰国する生徒に、「マーズの件で家族が次学期に韓国に来ることを反対されたら必ず連絡するように」とのこと。やはりマーズの影響は大きいようだ。
 今日で授業は終わりとなった。なんとなく寂しい気がする。明日からは試験が始まる。進級する必要がないので気は楽だ。
 明日は会話の試験と筆記の試験。午後トウミと会って筆記の手伝いをしてもらった。手紙とネットショッピングで買った商品のクレームをネットで行うという想定。書くには書いたが、ほとんど書き直された。明日の気が重たくなりそう。
 今日、以前勤めていた会社の女性が彼氏と一緒に韓国に着いたとの連絡が入った。明日は一緒に食事をすることになっていたが、その打ち合わせのメールのやり取りで時間がかかり、明日の試験勉強はおろそかになった。また、一時帰国していた西江大のおじさんからも連絡があり土曜日に会いましょうとの連絡があり、カンさんとは日曜日に釣りに行くことになっている。まあ試験よりは楽しむことにするしかない。せっかくなので外大の留学生に明日一緒に付き合わないかと探りを入れてみた。やはり課題があって忙しそうだが、頑張ってみますと連絡があった。

<ヌルボより> いろんな人(とくに学生)におごってもらったS氏、「今度はお返しを・・・」と常に気にかけているのは「日本人らしい」ところなのでしょうね。おごってもらっても全然無頓着なのもどうかと思いますが、あまり気にしすぎるのも<韓国標準>からはちょっとはみ出ちゃうかも・・・。

 いろいろ観光地が出てきましたが、過去私ヌルボが行った所は皆無! 以下はそれぞれについてのメモ。
 世宗大王陵(英陵)は京畿道驪州(ヨジュ)市にあるユネスコ世界文化遺産です。詳しくは<韓国観光公社>の記事(→コチラ)や<京畿道>公式サイトの記事(→コチラ)参照。
 海剛陶磁美術館も私ヌルボ、行ったことがないどころか知りませんでした、はい。これも詳しくは<コネスト>の記事(→コチラ)を参照されたし。そこの初代館長(柳光烈氏の父)の海剛・柳根(ユ・グニョン)氏(1894~1993)のことは→コチラに記されています。高麗青磁の技術を復活させた陶芸家とのことです。
 雪峰(ソルボン)公園については<コネスト>の記事(→コチラ)参照。また→コチラの記事はこの公園で<利川陶磁器祭り>が催されている時の旅行記ですが、路上オブジェがおもしろそう。
 東九陵は九里市にある韓国内最大規模の朝鮮王陵です。詳しくは<ソウルナビ>の記事(→コチラ)参照。私ヌルボはここも行ったことナシ。これに続く規模の西五陵(→コチラ)は以前行ったんですけどねー。


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