ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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「ソウル」は漢字で書けない? では中国人はどう書くの? 「京城」はダメ?

2011-01-08 23:54:55 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 3連休の初日。海外旅行に行くわけでもないのに、羽田空港の国際線ターミナルに行く人がこんなにも多いとは・・・。(私ヌルボもその1人なんだけど。)
 5日だったら堀北真希も来てたのかー。
 食堂とかも客が一杯で、お値段も高いようなので、ヌルボは5F展望デッキで缶コーヒー飲んだだけ。


        【展望デッキも大勢の人出。】 

 話には聞いてましたが、3Fの出発ロビー等々、広くて明るくて、前とはぜ~んぜん段違い。


      【もっとお手頃な軽食屋がいくつかあればいいんだけどねー。

 で、なんとなく発着便の電光掲示板を見ていて、ふと思ったことは・・・。
この掲示板、各便の到着時間と、出発地が表示されるのですが、10秒ごとくらいで2つのパターンが切り替わります。
最初が日本語(漢字・カタカナ)と英語、次のパターンが中国語(簡体字)とハングルの表示です。(下写真)

  
      【クイズのような中国語の読みはカタカナと照らし合わせて。

 ヌルボが注目したのは中国語。
 <火奴鲁鲁>とは何だ? ・・・と思っているうちに画面が切り替わって<ホノルル>だということがわかります。しかし、奴隷の奴に魯鈍の魯とは! ハワイの人たちは抗議してもいいと思います。
ホノルルのハングル表記はというと<호놀룰루>ホノ、言いにくそう・・・。
※後で調べたら、香港や台湾ではホノルルを<檀香山>と表記しています。台湾のチャイナエアラインはコチラを使ってるのでしょうか?

 ここから本題。ソウルを漢字でどう書くか? 韓国語を勉強したての頃は「ソウルは固有語で、漢字表記はない」、「京城は日本の植民地時代の書き方だから、今用いるのはよろしくない」、とテキストに書いてあったり、先生から教わったりしました。

 しかし中国語の場合、カタカナでソウルと書くようなわけにいきません。そこで上の写真にもあるように<首尔>という漢字をあてているんですね。発音は<シオアル>に近いようです。なおこれは簡体字で、香港や台湾では繁体字の<首爾>という字になります。

 ソウルの中国語表記が首尔(首爾)になったのはごく最近の2005年で、それまでは<漢城>でした。
ソウルは歴史的にいろんな漢字で表記されてきましたが、漢城もその1つで、たとえば安達謙蔵が1895年創刊した新聞は「漢城新報」です。
 このようなソウルの名称・表記の変遷についてはウィキペディアにかなり詳しく記載されています。

 これに関連して、「京城」という言葉が、「日本の植民地時代につけられた差別的な言葉だ」という言説について。
 上記ウィキの説明文中に「独立後の韓国では、反日・克日的な意識の強まりと共に「京城」は日本によって植民地時代に強制的に変えさせられた名称と見なされて、そのため「改正」されるべき呼称として認識された」とあります。
 「韓国・北朝鮮の嘘を見破る」(文春新書)という、なんともまああられのないタイトルの本の中で、原田環広島大教授が「「京城は差別語だ」と言われたら」と題して書いているところによると、日本でも「京城は差別語」という認識は、往年の朝鮮・韓国研究者梶村秀樹氏が「朝鮮人差別とことば」(明石書店.1986)に書いた「『京城』ということば」に依拠しているとのことです。
 梶村氏は「京城」を差別用語とした理由として、①ソウルは固有語なのでハングルでしか表記できない。②「京城」は日本の造語である。③1876年以降、朝鮮人が自発的に「京城」を用いた例は少ない。④朝鮮人は解放(1945年)直後、まっさきに「京城府」を「ソウル特別市」に改めた。
 ・・・等々、6点をあげていますが、原田教授はそれぞれに具体的な反証をあげて否定しています。
 そして、「京城」という言葉は古くからあり、それが「ソウル」と読まれたという事例もあげています。
 この原田教授の論考は説得力があると思いました。
 現在の韓国をみると、「モダンボーイ、京城をぶらつく」という本もあるそうです。
 そういえば、韓国KBSのドラマ「京城スキャンダル」は韓国題が「경성 스캔달(キョンソン・スケンダル)」
 「英雄時代」でも、登場人物は「キョンソン」と言ってましたね。
 今は、ソウルのことを「けいじょう」と言ったり、「京城」と書いたら間違い、というくらいで、とくに問題にならなくなってきているのかなあ?

※「歴史と国家」雑考というサイトに、このテーマに関して<「京城」は差別語ではない>という詳しい記事がありました。

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