ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国ドラマ「英雄時代」を読み解く[15]  大地主の息子テホ(こと李秉・サムスンG創業者)

2010-09-02 19:46:32 | 韓国ドラマ
 ドラマ「英雄時代」の副主人公クク・テホ(국대호.国大虎)のモデルは、もちろんサムスングループを創業した李秉(イ・ビョンチョル.이병철)です。

 彼の生涯は1910~87年。ということは、今年がちょうど生誕100年。誕生日の2月12日前後には、生地慶尚南道宜寧郡やソウル、三星紹介開業の地大邱などでさまざまな催しが開かれました。

   
  【今年2月12日、生家で開かれた李秉生誕100年記念の儀式。】

 またサムスンの<御用新聞(過去?)>の「中央日報」はもちろん、各紙・各メディアで特集が組まれました。

 彼について、あるいはサムスン・グループについて書こうとすると、記事の本数が数十本になってしまうので、とりあえずドラマ「英雄時代」に直結する事項に絞って2本ばかり記します。

 両班とはいっても決して裕福ではなかったテサンに比べ、テホは地方の資産家の息子です。これは十分ドラマから読みとれますね。若いのに料亭の常連で、妓生の総上げなんかやっちゃったりして・・・。早稲田に留学した、というのも李秉の経歴そのまま。(健康上の理由で中退するのですが・・・。) その後1936年父からもらった300石の農地を元手に馬山で精米所を始めて事業に乗り出し、さらに運輸業も兼ねて儲けた金に、銀行から借りた資金を上乗せして661haの農地を集積したものの、日中戦争勃発による銀行の貸金回収圧力で大失敗するのも李秉の実体験。
 それでもテホは(李秉も)朝鮮各地だけでなく中国各地にまで足を運んで事業の構想を練ったりするわけですから、まさに「財力の余裕」=「心の余裕」といった感じでうらやましいかぎりです。(おっと、ホンネが・・・。)

 さて、前述のように慶尚南道宜寧郡にある李秉の生家ですが、2007年11月彼の20周忌に合わせて一般開放されるようになりました。

 彼の家柄は<청석꾼(チョンソックン)>、つまり千石取りの大地主だけあって、家屋敷もすごいです。来客用のサランチエ(사랑채)と母屋のアンチェ(안채)が別棟になっていて、敷地は1884㎡。

  
  【少年時代に毎朝20分の道を通った書堂(祖父が建てた)も保存されている。】

 今年1月に生家を探訪した人の記事を読むと、「定型的な背山臨水」という風水学上の理想的な所だとか、近隣に<富豪岩>といって、そこに座った道人が富豪の出現を予言したとか、もうとっくに伝説が生まれているようです。
 その岩から8㎞以内には、李秉の生家以外にも、LGグループの創業者具仁会(구인회.ク・イネ)、暁星(ヒョソン)グループの創業者趙洪済(조홍제.チョ・ホンジェ)の生家もあるそうです。どれも社名に星の字が入っています。
※LGはウィキによればLuckyのLとGOLDSTARのGを組み合わせたもの。私ヌルボは、Gは以前の社名<ラッキー金星>の金星=geumseongの頭文字かな、となんとなく思ってましたが、違うんですね。

 続きは、李秉の知日・克日(・親日?)についてです。

※関連サイト→宜寧郡のサイト中の<世界的な人物>

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« [朝鮮時代の絵画] 卞相璧(ピ... | トップ | 韓国ドラマ「英雄時代」を読... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

韓国ドラマ」カテゴリの最新記事