ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [6月4日(金)~6月6日(日)]と人気順位 ▶「鬼滅の刃」 20週連続5位以内という画期的な記録 ▶キェシロフスキ監督の「デカローグ」、やみつきになる?

2021-06-10 07:32:16 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」が1月第4週の初登場(2位)以来20週連続5位以内を続けています。こういう記録がこれまであったかはわかりませんが、少なくとも当ブログの開設以降12年間にはなかったと思います。(あとで正確に確認してみます。)

▶この1週間で観た映画は次の4本です。
 ・「アメリカン・ユートピア」★★★★ (元トーキング・ヘッズのフロントマン、デヴィッド・バーンによるブロードウェイ・ショーをのスパイク・リー監督が映画化したということなんですが、各映画サイトでも週刊文春シネマチャートでもすこぶる高評価。それも「音楽の素晴らしさに酔いしれる」「すごいもん見た」等々の最大級の賛辞が一杯です。ジツは私ヌルボ、トーキング・ヘッズもデヴィッド・バーンもこれまで知りませんでした。70年代後半~80年代は仕事に専念・没頭していたため(??)映画も音楽も長~い空白期間だったので。しかし、ヌルボ同様何も知らん人たちもずいぶん感動してるようなので迷うことなく観に行く。・・・と冒頭ステージ上に置かれた机とイス。そこにほぼ白髪のオジサンが1人、なんと脳味噌の模型を持って座り、脳の働きなんぞについて語る、って何なんだ、これは? ・・・というのがデヴィッド・バーン氏との初の出会いで、知的な人(or知的な話題を好む人)ということはわかりました。それから人数が増えていって計11人の楽器奏者やダンサーが登場。近年のポップグループ等の見慣れた振付とはまるっきり違うインベーダーの前進を思わせる(たとえがすご~く古い!)、いや楽隊風というべきか。その打楽器のシンプルなリズムがむしろ斬新かも、とも思いました。劇場内の雰囲気は親和的で、すぐ後ろの座席の女性などは最初のあたりからデヴィッド・バーン氏のちょっとしたジョークにも小さく声を上げて笑ってました。私ヌルボはというと、ここまでの書きぶりからたぶん察しがつくと思いますが、今ひとつ入り込めず。音楽の魅力は音楽それ自体にあり!です。美しい(印象的な)メロディ、伸びのある声、楽器演奏に込められた奏者の感性と技量等々。それらがあまり感じられなかったような・・・。後半になるにつれリベラルな政治色が強くなっていきます。私ヌルボの政治的立場も一応リベラルの方だと思ってはいますが、やっぱり音楽を扱った映画はたとえばトランプ支持・不支持に関わらず楽しめるものを観たいと思います。デヴィッド・バーン氏は69歳とか。声もよく出てるし身体もよく動くものです。)
 ・「アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン」★★★★★ (1972年ロサンゼルスのバプティスト教会でアルパム収録のため撮影されたアレサのライブが約半世紀経って初めて公開を収録したドキュメンタリー。上記の<空白期間>に入る以前だし、「小さな願い(I Say a Little Prayer)」(→YouTube)はよく憶えてます。・・・という記憶も関係があるのか、コチラのドキュメンタリーは彼女が最初に「Wholly Holy」を歌い始めた瞬間にその声に魅了されてしまいました。また聖歌隊も聴衆も盛り上がって・・・という教会の雰囲気に触れられたのもよかった。)
 ・「デカローグ/1.ある運命に関する物語」★★★★★
 ・「デカローグ/2.ある選択に関する物語」★★★★☆ (以前から気にはなっていたポーランドのキェシロフスキ監督の「デカローグ」(1988)ですが、全10話ということで二の足を踏んできました。それがこの4月デジタルリマスター版が公開され、近所の横浜シネマリンでの上映が始まったのを機にまず最初の2作品を観に行きました。ポーランドに限らず北方の人々は総じて無表情で口数も少ない印象があります。(国内でも「北へ帰る人の群れは 誰も無口で~」という歌がありましたが。) しかし、そのような外見の奥に深い思弁や芸術的感性が秘められていることが2作品を通じて強くかんじられました。本来はTV用でどれも60分の短い作品ですが1・2とも密度が濃く、その中に生と死、科学と信仰、偶然の及ぼす幸不幸といった人生の根底に関わる問題が緊張感をはらんだストーリー展開と共に提示されていきます・・・。2作観て気に入らなければあとの8作品はパスというつもりだったのが、やみつきになりそうな予感がします。1と2の★の差は、1の方はWindows以前のコンピューターを操作していた子役の少年がいかにも利発そうだったのと、展開がドラマチックでドキドキしたからです。)

▶「アメリカン・ユートピア」で、デヴィッド・バーンが人の名前を次々にコールする場面がありました。「エリック・ガーナー、トレイボン・マーティン、ボッサム・シェム・ジーン、フレディ・グレイ、アタティアナ・ジェファーソン、サンドラ・ブランド、ショーン・ベル、マリエル・フランコ(ブラジル人女性・人権派市議)、エメット・ティル・・・」
 BLM運動関係の流れなのでおよその見当はつきますが、私ヌルボ、具体的にどんな人たちなのか1人もわかりませんでした。皆さんもぜひググってみてください。とくにボッサム・シェム・ジーン、アタティアナ・ジェファーソン、エメット・ティルの3人。このブログではこれなで何度か全体像を俯瞰するマクロ的視点と共に、個々を具体的に見るミクロ的視点の重要性を書いたりもしてきましたが、この問題もその好例でしたね。(今まで知らなかったことが恥ずかしい。)

         ★★★ NAVERの人気順位(6月8日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 学校に行く道(韓国)  9.66(125)
②(3) クルエラ  9.39(3,658)
③(-) 再び出会った日々(韓国)  9.36(171)
④(新) SNS 少女たちの10日間  9.33 (15)
⑤(-) 復活: その証拠(韓国)  9.31(416)
⑥(6) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.29(12,288)
⑦(7) 子供たちは楽しい(韓国)  9.29(198)
⑧(4) 草間彌生∞INFINITY  9.24(17)
⑨(8) オクトノーツと火のリング  9.18(40)
⑩(9) 私のお姉さんチョン・ジヒョンと私(韓国)  9.14(178)

 ④「SNS 少女たちの10日間」が新登場です。チェコのドキュメンタリー。日本ではすでに4月23日公開されています。韓国題は英題「#WeWatchYou」そのままの「#위왓치유」です。

     【記者・評論家による順位】

①(2) 恐怖分子  8.22(9)
②(3) ノマドランド  8.00(8)
③(-) 水を抱く女  8.00(6)
④(5) アイダよ、何処へ?  7.67(3)
④(5) イントロダクション(韓国)  7.67(3)
⑥(7) ミナリ  7.58(12)
⑦(8) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑧(9) ファーザー  7.13(8)
⑨(10) レ・ミゼラブル  7.00(6)
⑩(-) いい光、いい空気(韓国)  7.00(2)
⑩(-) クルードさんちの新時代  7.00(2)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績6月4日(金)~6月6日(日) ★★★
         アメリカの人気ホラー「死霊館」シリーズの新作が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・死霊館 悪魔のせいなら、無罪・・6/03・・・294,516 ・・・・・・・345,757 ・・・・・・3,481 ・・・・1,133
2(2)・・クルエラ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・247,610 ・・・・・・・664,315・・・・・・・6,307 ・・・・1,186
3(1)・・ワイルド・スピード・・・・・・・・・・・5/19 ・・・・173,140 ・・・・・2,049,944・・・・・19,754・・・・・1,161
       /ジェットブレイク
4(5)・・劇場版「鬼滅の刃」・・・・・・・・・・・・1/27 ・・・・・24,948 ・・・・・2,099,131 ・・・・・20,221 ・・・・・・274
       無限列車編(日本)
5(3)・・パイプライン(韓国) ・・・・・・・・・・5/26・・・・・13,136・・・・・・・・124,003 ・・・・・・1,090・・・・・・・434
6(33)・・博士と狂人・・・・・・・・・・・・・・・・・6/02 ・・・・・・5,856・・・・・・・・・13,103 ・・・・・・・・114・・・・・・・282
7(新)・・BanG Dream! Episode of Roselia I・・6/03・・5,401 ・・・・・・・7,351 ・・・・・・・・・67・・・・・・・141
       :約束(日本)
8(7)・・えんとつ町のプペル(日本) ・・・5/26・・・・・・・4,964・・・・・・・・・20,577 ・・・・・・・・177・・・・・・・167
9(6)・・STAND BY ME ドラえもん2(日本)・・5/19・・・・4,790 ・・・・・・79,332・・・・・・・・・690 ・・・・・・165
10(新)・・振り逃げ(韓国)・・・・・・・・・・・・6/03 ・・・・・・3,608 ・・・・・・・・・・5,774 ・・・・・・・・・49・・・・・・・184
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 記事冒頭に書いたように、「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」が20週連続5位以内を続けています。いつまで続くかという点ですが、ヌルボの予測ではもうそろそろ6位以下になるかな?といったところかと・・・。
 1・6・7・10位の4作品が新登場です。
 1位「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」は2013年に始まるアメリカの人気ホラーシリーズの新作です。すべてのことは悪魔の仕業だった!? 1981年、アメリカで歴史上初めて残酷な殺人事件の容疑者が、悪魔が殺させたと主張する事態が起こりました。そして事件の背後には、悪魔に憑依された少年がいたというのですが・・・。超自然現象の研究がウォーレン夫妻の事件ファイルの中にまだ謎のまま残っているという実話! 真実か、あるいは嘘か?殺人事件の犯人は、人間か悪魔か・・・。韓国題は「컨저링3: 악마가 시켰다」。日本公開は今秋とのことです。
 6位「博士と狂人」はイギリス・アイルランド・フランス・フランス・アイスランド合作のドラマ。全米でベストセラーとなったノンフィクションのサイモン・ウィンチェスター「博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話」(ハヤカワ文庫)の映画化作品。日本ではすでに昨年10月に公開されています。韓国題は原題「THE PROFESSOR AND THE MADMAN」ほぼそのままの「프로페서 앤 매드맨」です。
 7位「BanG Dream! Episode of Roselia I:約束」は、私ヌルボの疎い日本アニメ。いや、ジャンルによっては観るんですけどね。とくに中高年以上のオジサンの中での認知度はどんなものでしょうか? 去年だったか、それまで全然知らなかったことを調べて初めて知ったことの感想等を知人に話したところ、「Sちゃんセンセ(←ヌルボのこと)、それって知らなくていいことじゃないですか?」と言われ、ちょっと目が覚めたので、本作についても深入りはしません。日本では4月23日公開で現在も全国で公開中。韓国題は「뱅드림! 로젤리아 에피소드Ⅰ: 약속」です。
 10位「振り逃げ」は韓国のドラマ。グァンホ(チョン・ジェグァン)は野球部の特待生として高校に入学したものの、目立った実績もありませんでした。ところが高3の夏、鳳凰大旗全国高校野球大会の決勝戦で決勝打の主人公になります。ところが、うまくいきそうだった新人ドラフトから脱落してしまいます。野球を続けるためには金が必要だと考えたグァンホは、友人に違法ガソリンを売る仕事を紹介され、がつがつとお金を貯め始めます。しかし、何ひとつう思い通りにいかず、結局グァンホは友人に危険な提案をするのですが・・・。原題は「낫아웃(NOT OUT)」です。※日韓の高校野球の違いは大きく、韓国で野球部のある学校は全国で84校。日本の場合夏の全国高等学校野球選手権大会の参加校は2019年で3730校あり、はるかに少ないです。その数少ない野球部員はプロ志向でほとんど野球オンリーの毎日。代表的な大会には朝鮮日報主催の青龍旗全国高校野球選手権大会、東亜日報主催の黄金獅子旗全国高校野球大会、中央日報主催の大統領杯全国高校野球大会、そして韓国日報主催の鳳凰大旗全国高校野球大会の4大大会があります。韓国の高校生等が甲子園の高校野球を見るとその盛り上がりぶりに驚き、また部員たちが他の生徒と同様ふつうにいろんな授業を受けていると聞いて驚くとのことです。
 
【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(7)・・博士と狂人 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/02 ・・・・・・5,856・・・・・・・・・13,103 ・・・・・・・・・114・・・・・・・282
2(2)・・(500)日のサマー・・・・・・・・2010/1/21 ・・・・・・・・982・・・・・・・・297,174・・・・・・・・2,359 ・・・・・・・33
3(5)・・復活: その証拠(韓国) ・・2020/10/08 ・・・・・・・・698 ・・・・・・・・・48,057・・・・・・・・・・398・・・・・・・・13
4(1)・・アップル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・・・・・696 ・・・・・・・・・・6,155・・・・・・・・・・・・・4 ・・・・・・・40
5(4)・・学校に行く道(韓国)・・・・・・・・・・・5/05・・・・・・・・・684 ・・・・・・・・・18,917 ・・・・・・・・・145・・・・・・・・・8

 1位「博士と狂人」が新登場ですが、この作品は上述の通りすでに日本で公開されています。

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2 コメント

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お問い合わせ (崔榮黙)
2021-06-15 18:59:58
以前、韓国の本を注文したことがありましたけど、去年は見たらやめたように見えたもんで。
今は韓国の本注文できますか。
返信する
何かのお間違いでは? (ヌルボ)
2021-06-17 23:47:29
 私はブログ記事を趣味で書いている者で、韓国書の販売等はしておりません。韓国書を販売している書店や、通販をしているサイトは次の記事で紹介しましたが・・・。
https://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/e/dba1097ff22e98c682f6ff616bad1e4d
https://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/e/b45b82e003ffbccaab5f5bb8081fc05a
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