ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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鎮海・ヨイド・慶州など- 韓国でも桜の季節だが、複雑な事情も・・・

2011-04-08 23:57:38 | 韓国の街ネタ、観光ポイント、店・施設等
 昨日観た映画「さくら、さくら〜サムライ化学者・高峰譲吉の生涯〜」の最後の方で、高峰譲吉がアメリカに寄贈する桜を植木屋に3000株注文する場面がありました。ポトマック河畔の桜は1912年に東京市長の尾崎行雄と彼によって寄贈されたものだそうです。当地では3月26日から恒例の桜祭りが開かれ、桜が満開を迎えた今月3日には石灯籠の点灯式があって、藤崎一郎駐米大使は東日本大震災の支援にお礼を述べたとの報道がありました。

 そして韓国。
 ソウル市内の桜の名所汝矣島(ヨイド)では今日<春の花祭り(봄꽃축제>が開幕しました。)
 1968年、通りに沿って約1440本が植えられて形成されたという桜並木は全長5.7キロ。<コネストの記事>には「汝矣西路(ヨイソロ)の1.7kmの区間に、済州島原産の桜の木1641本を始め、チンダルレ(ツツジ)やケナリ(レンギョウ)など、13種87859本もの花たちが咲き乱れます」とあります。だから「桜祭り」ではなく「花祭り」なんでしょう。
 桜の本数だけとっても、上野公園の桜が1200本だそうですから、ずいぶん多いですね。19日までの祭り期間中には、アンデスの民俗音楽公演や国楽、テコンドーやダンのスパフォーマンス、騎馬隊のパレード、ロックフェスティバル等々の各種イベントも行われ、最終日には花火大会も催されるそうです。コネストの過去の写真を見てもたくさんの人出でにぎわっているようすです。

 昨日7日の韓国は福島原発の事故発生後、初めての本格的な雨天で、放射能雨を懸念した京畿道の一部の幼稚園・小中学校126ヵ所で校長の裁量により休園・休校措置がとられたとの新聞報道がありました。雨は夜のうちにあがって今日は晴れだったようですが、人出はどうだったかな?
※えっ、今日は<中国から放射性物質が混じった黄砂が飛来>だって!?

 さて、韓国内で桜の名所といえば何といっても鎮海。4月1~10日軍港祭が開かれています。
 ※2010年7月1日に鎮海市は馬山市とともに合併されて、現在は昌原市鎮海区になっています。

 鎮海の町全体での桜の本数はぬわんと約34万4千本! 3万本とも(5万本とも)いわれる吉野山の桜の10倍とは!!
 国内外から200万人以上の観光客が訪れるそうです。
 この祭りのようすもコネストで紹介されています。
 その説明文中に、次のようなことが記されています。
 かつて日本統治時代に軍事都市として開発された鎮海には、日本を象徴する桜が至る所に植えられました。解放後、忌々しい歴史を思い出させる桜の木は、市民の手でほぼ全て切り倒されましたが、60年代に入り鎮海に多かった桜の品種、王桜(ワンポッコンナム)の原産地が済州島であることが判明。朴正煕大統領が桜の植樹を指示した(1974年4月)ことも追い風となり、以後本格的な植樹がスタート。かくして、現在のような「桜の都」となったのです。
 先の汝矣島の桜の記事でも済州島原産の桜の木」とありました。事情をご存知ない日本人は「えっ!?」と驚くかもしれませんが、これはコネストが韓国の会社の記事だからそのように書いているんですね。

 ウィキの「ソメイヨシノ」の項目には、起源についての諸説中の1つとして「韓国起源説」を挙げ、次のように説明しています。
 1939年に、小泉源一が韓国の済州島に自生する王桜とソメイヨシノを比較し、同一種であるとして済州島を起源とする説を唱えたが、搾葉標本が残されておらず当初から疑問視されていた。また、ソメイヨシノはオオシマザクラの遺伝子的特徴を持つが、オオシマザクラは伊豆諸島原産であることも否定的要因だった。その後、アメリカのDNA検査でこれら2種は全くの別種である事が確認されたが、韓国では現在も誤ってこれらを混同してソメイヨシノの起源を主張し、春の風物詩となっている。
 ・・・「春の風物詩」とはねー。
 また、どこのどなたが書いたかわかりませんが、<ソメイヨシノの起源について>と題したすごく詳しく書かれた記事がありました。(韓国の専門家の所見を聞きたいものです。)

 日本の軍国主義の象徴として切り倒し、しかし花は美しいので愛でたいし、そこで「韓国起源であると知って」納得し、心安らかに楽む・・・。
 なんとまあ、自らの歴史観にガンジガラメにからめとられ、自縄自縛に陥っているような韓国人・・・。全員ではないでしょうが、何割くらいいるのでしょうか?
 2008年の韓国<ノーカットニュース>のサイト中に、ポトマック河畔の桜についての複雑な心情を綴った、「ワシントンのポトマック川に桜が満開した理由は?」と題するいかにも韓国人記者らしい記事がありました。
 →機械翻訳
 この記事中には、タフトの夫人の名前が出てきます。
 1905年の乙巳保護条約の直前、アメリカと日本がそれぞれフィリピンと韓国の保護権を認める内容で締結した桂・タフト協定の当事者が陸軍長官だったタフトです。
 「夫人は1907年に日本を訪問した時桜の花に感心し、タフトが大統領となった1912年に日本から協定締結の感謝の印として3020本の桜を渡すことになった」とあります。また<ほんの寝間着で>というサイトには「アメリカのタフト大統領夫人の希望により、東京市長の尾崎行雄がプレゼントしたようだ。タフト大統領夫人はエリザ・シドモアという作家から、さくらを知ったようである。シドモアは、向島のさくらに魅了された」と書かれています。
 このあたりの細かな史実は確認できませんでした。
 しかし、たとえ「桂・タフト協定のお礼」という意味があったとしても、またそれが不当なものだったと認識しても、たいていの日本人にとってそれは歴史の範疇であるのに対し、多くの(?)韓国人の場合は1世紀も前のことに今も心が揺さぶられるとは・・・。まさに自縄自縛。その底にエスノセントリズムとか、民族的優越感&劣等感とかの前時代的残滓が潜んでいることに気づいてほしいものです。(日本人の中にも同じような人たちはいるか・・・。)

※他の実にさまざまな事柄についての「韓国起源説(한국기원설)」については日本のウィキにいろいろ記されています。韓国ウィキにはありません。韓国では「한국원조론(韓国元祖論)」という方が一般的なようで、HistoryWikiには比較的冷静に(?)説明されています。
→機械翻訳はコチラ。(「元祖」が「援助」と訳されていたりするので注意!)

※この韓国起源説については、今回は深入りは避けますが、ウィキの「韓国起源説」の説明は、韓国人の大多数が思っている事例と、ごく少数が唱える奇説が混同しているようで、また書き方に悪意・嘲笑が感じられるのも問題あり。(「イギリス人の起源が韓国人」(!)とか「漢字の起源」「サッカーの起源」も韓国なんて本気で信じてる韓国人がどれくらいいるの?)

古都慶州も2万5千本の桜があるという名所で、4月9日には「第20回桜マラソン大会」が開催されます。
コメント (2)
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