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星野光多とその一族

2020-05-12 | 『増鏡』の作者と成立年代(2020)
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2020年 5月12日(火)10時54分8秒

三月末から課題としている後鳥羽院宮内卿や、公名を「宮内卿」とした善鸞については、今の状況ではちょっと手が出せないので、せめて鎌倉時代の上杉氏だけでも少しまとめておこうかと思ったのですが、やはり気になることが多くて、なかなか筆が、というかキーボードの打ち込みが進みません。
別に論文を書いている訳ではありませんが、それでもある程度の水準は確保したいと思っているので、あの本を見ればきちんと確認できるはず、といった事項をそのままに書き進めるのは抵抗があります。

>筆綾丸さん
>馬主は三栄商事株式会社(高崎市)会長の星野壽市という人

その馬主さんが星野姓である点、単なる偶然かもしれませんが、ちょっと気になります。
というのは、プロテスタントの世界では、星野家はけっこうな名門なんですね。
群馬県沼田出身の星野光多という人が横浜でジェームス・ハミルトン・バラ(1832-1920)から受洗し、牧師となって、家族・親戚の多くがプロテスタントになります。

星野光多(1860-1932)

光多の年の離れた妹には津田塾大学の第二代学長になった星野あい(1884-1972)がいますし、南原繁の最初の妻、星野百合子は姪ですね。
星野百合子の兄、鉄男と南原繁は共に内村鑑三門下で仲が良く、その縁で百合子と南原繁は結婚したそうです。

星野鉄男(1890-1931)

また、東条英機内閣の書記官長だった星野直樹(1892-1978)は光多の長男ですね。

内閣書記官長・星野直樹

深井英五(1871-1945)も『回顧七十年』において、

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第三章 人生観、基督教、新島先生

 郷里に在りし幼少の時に於て、私の心境の発育に最大の影響を与へたのは、父景忠の外には、堤辰二先生であつた。【中略】
 又堤先生は、自ら英語に通ぜざるを遺憾とし、私には是非之を学べと勧めた。私はその勧めに従つて星野光多先生の教を受けるやうになつたが、更らに之を機縁として一たび基督教を信じたことは私の一生に於ける大事実の一である。星野先生は矢張群馬県の沼田より出て、横浜に於て米国宣教師と交はり、其の教を受けた。さうして私の従兄弟菅谷正樹(前掲清允の子)の知人たりしことを後から知つた。先生から伝へられた所の基督教は、狭く統一せられたる米国風の教理と先生自身の宗教的体験に立脚するものであつた。私が洗礼を受けたのは多分十四歳の時であつたと思ふ。当時信仰の友として最も親密であつたのは、同藩士にして同齢の長坂鑑次郎である。彼は後に同志社神学校に学び、組合教会の牧師となり、敬虔熱情を以て教化に力を効しつゝある。


と書いていますね。
数年前、私は星野あいの自伝に出ていた星野一族の古い写真だけを手掛かりに、光多が生まれた戸鹿野村(現沼田市)を車でグルグル回ってみたことがありますが、生家の所在も分かりませんでした。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

馬の名前ーバフンベルト・エーコ  2020/05/11(月) 12:16:54
https://db.sp.netkeiba.com/owner/265006/
数年前から、競馬のテレビ中継(土日)を録画して欠かさず観賞していますが、とりわけ、馬の名前に興味があります。
① ヘイワノツカイ(♂ 15戦2勝) ←平和の使い 新島襄
②ライトカラカゼ(♂ 19戦1勝)←雷と空風 義理人情
③ココロノトウダイ(♂ 5戦2勝) ←心の燈台 内村鑑三
馬主は三栄商事株式会社(高崎市)会長の星野壽市という人で、敬虔なクリスチャンというわけではなく、たんに「上毛かるた」の愛好家なのでしょうね。

『ヨハネの黙示録』には四騎士が乗る馬の話があって、白い馬、赤い馬、黒い馬、青白い馬の四頭のうち、青白い馬に乗った騎士は疫病のメタファなので、現在では、さしづめ、コロナウイルスになるのでしょうね。

内村鑑三のデスマスク(国際基督教大学所蔵)の写真を見ると、因業爺のような風貌で、どうも好きになれず、間違って弟子になったとしても、イスカリオテのユダのように、どこかで裏切ると思います。
パリ郊外シュヴルーズにあるポール・ロワイヤル修道院跡の記念館で見たパスカルのデスマスクは端正で、美しいなあ、と思ったことがあります。ジャンセニスムに興味はないのですが。
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