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尾身茂氏と内村祐之『わが歩みし精神医学の道』

2020-05-13 | 『増鏡』の作者と成立年代(2020)
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2020年 5月13日(水)11時25分31秒

ツイッターでコロナ対策専門家の尾身茂氏と立憲民主党幹事長・福山哲郎のやり取りがちょっと話題になっていて、私も動画を見たのですが、福山のあまりの無知と専門家に対する傲岸なふるまいにちょっとびっくりしました。

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京都新聞2020年5月13日
立憲民主党の福山幹事長、詰問口調を釈明「申し訳ない」 新型コロナの参院予算委

 福山氏は11日の予算委で、感染者総数は政府の報告よりも潜在的に多いという推測について尾身氏に3回にわたり認識をただした。最後の質疑で尾身氏が東京都の陽性率を引き合いにして説明を加えようとしたところ、途中で「私が言っていることについて答えてください」「短くしてください」と言葉を挟んだ。尾身氏が説明を終えると「全く答えていただけませんでした。残念です」と述べた。
 会見では、京都新聞社が政治家同士のやりとりではなく、専門家の立場にある尾身氏への態度としてどう思うかを聞いた。福山氏は質疑の冒頭で尾身氏の尽力に敬意を述べたとした上で「予算委は時間の制約がある。私の質問にストレートに答えていただけなかったので」などと説明した。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/245347

ま、それはともかく、尾身茂氏は自治医大の第一期生とのことで、進学の経緯もちょっと珍しい方ですね。
去年8月に放送されたTBSラジオでの久米宏とのやり取りの記録に、

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尾身さんは慶應義塾大学法学部に進みますが、当時の大学は権力を敵視する学生であふれていましたから、外交官志望だった尾身さんは「この仕事は権力の手先なんだろうか…」と悩んでしまいました。学生運動で授業はほとんどなく、本屋で哲学や人生論の本を立ち読みをする毎日。そんなとき、たまたま手にしたのが精神科医・内村祐之(うちむらゆうし)が書いた『わが歩みし精神医学の道』という本。それまで微塵も考えたことがなかった「医師」という仕事が、尾身さんの胸に強烈に刻まれました。
「悩みを系決してくれる救世主のような感じで、『これだ!』と思っちゃった。すぐに退学届けを出して。父親は激怒です(笑)」(尾身さん)
1冊の本との出会いが尾身さんの人生を変えたのです。ちなみに内村祐之という人は内村鑑三の長男で、東京帝国大学教授から国立精神衛生研究所の所長となった人物。1960年代にはプロ野球のコミッショナーも務め、プロ野球の発展にも大きく貢献したのです。

https://www.tbsradio.jp/400744

とあります。
内村祐之はスポーツ万能、性格は明朗で、父親とは微妙な関係を保ち、信仰は引き継がなかったようですね。
「精神医学」の研究対象として、父親はなかなか興味深い存在だったのではないかと思われます。

内村祐之(1897-1980)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E6%9D%91%E7%A5%90%E4%B9%8B

>筆綾丸さん
井上日召をカルタにしたら、やはり「一人一殺 井上日召」ですかね。
ただ、私の曖昧な記憶では、確か井上の父親は熊本かどこかの出身で、維新後の混乱の中で川場村に流れてきて、医者もどきをやっていたようですね。

井上日召(1886-1967)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%95%E4%B8%8A%E6%97%A5%E5%8F%AC

ついでに「資本論初訳 高畠素之」などを加えると「ブラック上毛かるた」が出来そうです。
こちらは前橋藩士の家系ですね。

高畠素之(1886-1928)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E7%95%A0%E7%B4%A0%E4%B9%8B
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