学問空間

『承久記』『五代帝王物語』『とはずがたり』『増鏡』『太平記』『梅松論』等を素材として中世史と中世文学を研究しています。

孤独なアザラシの彷徨と咆哮

2015-10-28 | 石川健治「7月クーデター説」の論理

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年10月28日(水)12時43分16秒

少し前に出た『現代思想』臨時増刊号「総特集◎安保法案を問う」をパラパラめくってみましたが、奥田愛基氏へのインタビュー記事を読むと、プロテスタントの牧師だという父親は子供から見てもちょっと変わった人だったとか、中学時代に不登校になり、八重山諸島の孤島の中学校に転校したとか、東日本大震災の後は岩手県大槌町の吉里吉里地区に行って、地元の人にここで暮らさないかと言われたとか、それなりにユニークな経歴の方のようですね。
孤島や海岸が好きなのは、いかにも若きアザラシたちのリーダーにふさわしい資質です。
私も井上ひさしが小説のタイトルに使った吉里吉里という奇妙な地名に惹かれて、震災後、吉里吉里地区に何度か行ったことがありますが、奥田氏のような騒々しい人が暮らすのはちょっと無理のような感じもします。
ま、語彙が貧弱で、抽象的な思考が苦手らしい点は気になりましたが、これだけ話題になるのですから、それらの欠点をカバーする何らかの特異な才能を持った人ではあるのでしょうね。

検索したら、佐高信氏の「学校教育に洗脳されなかった シールズ奥田愛基の野生」という記事が出てきましたが、『現代思想』のインタビューと同じような内容ですね。

http://diamond.jp/articles/-/78953

また、「樋口陽一」&「シールズ」で検索してみたら色々ヒットしましたが、樋口氏もすっかりお年寄りになり、三十数年前、東北大学から東大に来られた頃の颯爽たる雰囲気は全く消えて、いささかアザラシっぽいお顔になられたようですね。

>筆綾丸さん
>アメリカ海軍の特殊部隊
危険な任務だからこそ、アザラシにかけたユーモラスな名前にしたんでしょうね。
万人に通じるユーモア感覚とは言いがたいところはありますが。
以前、筆綾丸さんが紹介されていた映画『アメリカン・スナイパー』の主人公はシールズの人でしたし、また、20年間の輝かしい軍歴の後、47歳にして性転換手術を受けたクリスティン・ベック氏のような人もいて、スーパーエリート軍人にも実に様々な人生がありますね。

映画『アメリカン・スナイパー』 (筆綾丸さん)
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/7703
二人のクリス
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/b45d1d29f0442a91c3d066ebaca2953a
米国のプリンセス戦士と大英帝国の司馬遼子
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/0d2d6612a1bb988ae6d277cc5e2402bb

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

陸海空のためのデモクラシー 2015/10/27(火) 11:41:43
小太郎さん
https://ja.wikipedia.org/wiki/Navy_SEALs
シールズはアメリカ海軍の特殊部隊を意識したのかな、と思っていました。Sea, Air and Land のための Democracy 。日本のシールズに相応しい標語は、Ready to Lead(先導する準備は出来ている)か、the Only Easy Day Was Yesterday(楽できたのは昨日まで)か。

https://de.wikipedia.org/wiki/Tatenokai
盾の会の独訳は Schildgesellschaft なんですね。英訳の Shield Society や仏訳の Société du bouclier に比べて強そうです。

https://www.shinchosha.co.jp/book/128377/
http://www.yokufuukai.or.jp/history/
『原爆投下―黙殺された極秘情報―』の冒頭に、陸軍特種情報部が置かれた浴風会のことが出てきますが、こういう建築がまだ残っているのですね。
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 東京都杉並区高井戸。
 京王井の頭線の高井戸駅のすぐ南。日々多くの車が行き交う環状八号線の喧騒もほとんど届かない、静かで落ち着いた住宅街。
 この物語の舞台となる洋館は、その閑静な住宅街の一角で、鬱蒼と茂る木々に隠れるように、ひっそりと建っていた。そこだけ、時の流れから取り残されたかのような空間。スクラッチタイル貼りの鉄筋コンクリート二階建て(一部三階建て)。中央に塔が配置された威風堂々たる建築は、周囲の近代的な家並みとはずいぶん異質な空気をまとっていた。それもそのはず、この建物は大正時代に建てられたもの。東京大学の安田講堂を手がけた内田祥三氏による設計で、東京都の歴史的建造物にも選ばれている。(18頁)
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http://www.kadokawagakugei.com/topics/special/20080409_01/
http://www.yurindo.co.jp/yurin/4042
http://www.yamakawa.co.jp/product/detail/2436/
五味文彦氏の執筆欲は旺盛ですね。
コメント
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