ここのところ何日か晩飯の後二階の書斎で音楽を聴きながら本を読むことが多いが、一昨日の晩、何気なく両袖の左側の一番下の大きな引き出しを開けたら、便箋や千代紙などの間に古い日記があった。
読んでみると、大学時代に惚れていた女性とのことが書いてあり、2年前に日記を整理した時に、ここの期間が欠落していたが、こんなところに紛れ込んでいた。
以前ここからは49万円入った封筒が出てきて大喜びしたが、今回はカネではなく大切な日記が出て来たわけだ。
カネに替えることが出来ない、大切な当時のことが色々と分かった。
鎌倉の近代美術館でムンクの叫びを観た記憶があるが、一人で観たと思っていたら、北鎌倉でその女性と待ち合わせて一緒に観たのだった。
その後天気があまり良くなかったので、僕の家に来たとあった。
全く覚えていないが、そうだったのかと感慨深い。
その女性とは夏に知り合って、その年が終わるまでに別れてしまったと思っていたが、2月に酒を呑んだ時に喧嘩して、その後ギクシャクしながら、3月末までやり取りしていたことも分かって驚いた。
また、中学時代の恋人Nと高校時代の友人の3人で金時山に登ったが、それが1973年の5月5日であったことも分かった。
中学高校と6年間も思っていたのに、その気持ちを表現していいか分からず、全然ダメだった。
若い頃って惚れちゃうと、固くなって緊張し何をすればいいのか分からなくて上手く行かないものだ。
日記には、彼女の友人で僕のことを好きだった女性Kと会って、Nに高校の時に僕と同姓の男から電話があり、僕だと思って出たら違う人で、それでも3か月付き合って別れたという話を聞いたとあった。
この話数年前にKに会って初めて聞いたと思っていたが、1978年に聞いていたとはね。
Kは背が高くて少し浅黒いが面長の美人で、平塚の本屋や小田原のブティックで買い物をするのを付き合ったり、お茶を飲んだりした。
Nに惚れていなかったら間違いなく恋仲になっていた。