キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

フライジン

2011年05月31日 | Weblog
どうも今回の原発事故であわてて母国へ帰っていた外人をフライジンと呼ぶようです。
これは元米国国務副長官のリチャード・アーミテージの読売新聞寄記事から知りえた事で、氏のよればFLYと外人の合成語だそうです。
我が同胞米人はフライジンにならず、日本に踏み留まった事を誇りに思うとともに、ともだち作戦をも遂行できた事を更なる誇りに思うと書いてありました。

先日、久し振りに野毛のカレー屋にフライジンとなったインドカレー料理人は、フライバックジンになったのだろうかと昼を食べに行きました。
残念ながらフライジン3人はフライバックジンになっておりませんでしたが、新たなインド人が調理場に入って忙しく働いていました。

何時もは13:00過ぎに行き、のんびりとナンを契りながら店の人と話などしているので、よく店がやっていけるなあと心配などしていたのですが、この日12:50に覗いたらフルハウスで、店員が戦時のようにきびきびと働いているので、人気店であることを認識いたしました。
これじゃあフライジンの帰還を心待ちにしているんだろうなあと思いましたが、安全だから早く帰ってきてくれとの根拠の無い呼びかけでなく、具体的な安全に向けて、政府は一私企業の問題とは考えず、一日も早い収束に全精力を傾けて欲しいですね。

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熱帯低気圧に

2011年05月30日 | Weblog
台風がやってきて、まだ海水温が低いためか洋上で熱帯低気圧になった模様です。
今朝は雨も止み風もそれほど強くなく予想した荒れ模様よりずっといい状態です。
時差と疲労でずっと調子が優れませんでしたが、雨で仕方なくベッドに横になって読書をしていたのがよかったのか、新玉葱で作ったスープが功を奏したのか知りませんが、気力体力が蘇ってきました。

坪内祐三さんの「書中日記」を二日ばかり読み続けておりましたが、今一番活きがいい物書きですね。
常盤新平さんもオーラが見えると「銀座日記」に書いておられましたが、よく飲むし、よく書物を読んでいて当代随一の書評家でしょう。
数年前に福田和也さんと共著の本を有隣堂で見かけて買い求めたのがきっかけで、今入手できるもので目に付いたものは目を通すようにしておりますが、1958年生まれと年齢が近い事、尾崎一雄、川崎長太郎、小沼丹などの渋い私小説作家が好きな事、吉行淳之介を高く評価している事など好みに共通点があって読んでいて楽しいですね。

「書中日記」の中でも上野千鶴子批判が二箇所ありましたが、そのうち一つは上野さんの吉行淳之介に対する無理解を槍玉に挙げていました。
そんなの読んでると、何はともあれ痛快で梅雨の事など忘れますね。

さて天気も回復して来ましたし、気力体力も回復してきました。今日は思いっきり仕事をしてみましょうか。





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梅雨のようです

2011年05月29日 | Weblog
どうも本格的に梅雨に入ってしまったようですね。
今朝も一昨日からの継続的な雨が降っていて、梅雨である事を認めざるを得ないようなどんよりした空気です。
体調のほうは、時差がようやく抜けたようではあるのですが、疲れが内臓に来てどうも消化器系が優れずきりっとしません。
ワイン業者にとって消化器系は命、飲んで喰えなきゃ仕事になりません。
早く治さなきゃいけません。

それでも昨日は合羽姿で雨中散策に出かけ、紫陽花の様子など見て回りました。
人間同様、思いのほか早い入梅に開花している個体は少なく、ようやく咲き始めた花がある程度で、植物も結構慌てているのではないでしょうか。
この近所ですと鎌倉、箱根、大井町に紫陽花の名所がありますが、来週辺りから楽しめそうです。

今日も一日雨が降り続きそうですが、雨垂れを聴きながら読書に精を出し、午後小止みになった隙に合羽姿で大磯平塚くらいまでは早足で行きたいですね。
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愛しのブリジッド

2011年05月28日 | Weblog
ブリジッドといっても、シャトー・ダレムの現オーナーのブリジッドのことですが、我々団塊世代の下のしらけ世代にとって、ブリジッドといったらバルドーのことで、若い頃の彼女は小悪魔的でそれは魅力的な女性でした。
当時日本で人気を二分したフランス女優のカトリーヌ・ドヌーヴが知的な美しさであるとすれば、BBはセクシーシンボルでした。
そのBBも年をとったら怖いオバサンになってしまいましたが、我らがブリジッド・ルーリエ・ルセールは相変わらず魅力的で、今月送られてきたWINE SPECTATORの表紙に写真が出ていて、何時もの笑顔を振り撒いています。

英語が苦手なので、内容も見ないで本棚へ直行する事が多い雑誌ですが、中を見てみると55ページにVALUES Across Bordeauxの特集に更に大きな彼女の写真と共にシャトーの説明とレイティングが出ています。
ド・ラ・ウストはお母さんの家族が持っていたシャトーで同じセラーで製造しています。
ダレムが木樽熟成100%に対して50%の樽熟成です。

ダレム      2009 87-90  2008 90  2007 88 
ド・ラ・ウスト   2009 89-92  2008 86  2007 87

2003年にお父さんのミッシェルからシャトーを引き継いで、色々と品質向上のための施策を行い年々評価が上がってきていて喜ばしい事なのですが、最近横浜ワインコレクションではほとんど売ってません。
最後に逢ったのが昨年の香港ヴィネスポでワインの販売が好調と聞きました。
知り合ってから22年になりますが、私よりお姉さんなので何時も弟に対するように親切に面倒を見てくれたました。
それを思うと、少しでもワインを売ってあげなきゃ義理が立たないんですがね。

さて湘南は昨日から入梅とのこと、昨日からうっとうしい雨が降り続いています。
こんなに早い入梅ってあったかなあと思い出そうとしてみても記憶力不如意でままなりませんが、気象庁に早とちりで、後で訂正するなんて事になったら嬉しいな。










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スペインの理髪師

2011年05月27日 | Weblog
5月14日(土)イエクラに滞在していた時に町の理髪店に行き、髪を切りました。
現在二週間が経とうとしておりますが、大分伸びてきて丁度いい感じになってきております。
最初は鋏でチョキンやっておりましたが、終わり近くになって俄かに電気バリカンを取り出し、サイドを刈り上げました。
全体のバランスをとるため結果的にかなり短い髪になっていたようです。

この理髪店はサインポールが無く、小さな部屋に椅子が一客置いてあり、前に鏡があるのは日本の床屋と同じようなものでした。
鏡の右手にテレヴィが置いてあり、仕事より先にオヤジが歌を選び、一緒に口ずさんでおりました。
散髪中、私も知っている歌が二曲あり、べサメ・ムーチョとエル・コンドル・パサ、身体を揺すりながら陽気に鋏をチョッキンやってました。
スペイン情緒たっぷりのいい床屋でした。

髪を切って、ブラシで切った髪を払って一丁上がり、その間約20分、お代はたったの8ユーロ。
昨年イタリアのローマ近郊でお世話になった床屋のお代が18ユーロ、今年初めフランスのモンペリエでは洗髪してもらって22ユーロでしたから、スペインのイエクラは格別に安かったと思います。
腕前も悪くはなく、仕上がりの髪型もちょっと変わっていて気に入っています。

しかし相対的に見て日本の理髪師のレヴェルは圧倒的に高いと思います。
若い男性は髪を切るのに美容院を利用する事が多くなってきていますが、それが原因なのか、理髪師を目指す人が激減していると聞いています。
理容師には顔剃りと刈り上げの技術がありません。
技術の継承は一度途切れるとそれっきりですから、是非若い人達に町の床屋の魅力に目覚めていただき通ってもらいたいものです。
床屋のほうも髪を切りながら時代遅れの話をしていないで、演歌でも唸るぐらいのこたあしなきゃいけません。


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オリビエ・トリコンに逢って

2011年05月26日 | Weblog
シャブリが忘れ去られようとしています。
好く造られたものは、熟成させると実に美味しいのですが、世間全体が若飲みの傾向となり、フレッシュアンドフルーティーを標榜したワインが主流になると、他の産地のシャルドネとの差が見えにくくなります。
造るほうも若のみを念頭においていますので、その傾向に拍車をかけます。加えて産地が限定されておりますので、価格尾乱高下が激しく、実際横浜ワインコレクションでも産地の出し値が5ユーロを超えた段階で積極的に販売する意味を失いました。
以来数年が過ぎ、ワインリストにはあるものの、ただ存在するのみとなっております。

かつて店頭で980円で多量に販売した事がありますが、その販売方法はワインの性格と産地の規模を考えた場合、適当なものではなく、あの時代の一過性のものだったと思います。
現在、プティシャブリなどの産地が広がる傾向があるようですが、産地としても全体のワインの質を上げることに注力したほうが将来があると思います。
いっそ、特級、一級、シャブリの最低品質ラインを上げ、生産量を少なくして、他とははっきりと違うワインを高価格で販売するべき時が来ていると思います。

昨日、オリビエ・トリコンと久し振りに会食をいたしましたが、15年以上の付き合いにも拘らず、彼のシャブリが定着しなかったことについての反省として、今朝こんなことを考えました。
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でたらめ委員長

2011年05月25日 | Weblog
今朝の読売新聞の編集手帳で、斑目春樹原子力安全委員長を揶揄した国民新党の亀井静香代表の命名のたらめ委員長のことが俎上に上がっていました。
今回の原発事故の対応は実にいい加減で頭に来ておりましたが、亀井さんのこの命名に喝采をしたいですね、多少なりとも溜飲が下がった思いがいたします。

ひじょうに初期の段階で検出された放射性物質からメルトダウンの可能性を指摘していた科学者は多数いらっしゃいます。
NHKの水野解説委員などもこのことをご存知だったのではないかと思います。真実を言うに言えない、実に辛そうに解説をなさってました。
総じて東大系の技術者は口を閉ざし、京大、名大系の技術者は発表された少ない情報から真実を嗅ぎ出そうとした傾向があったように思います。

事故後今後の展開について推理いたしましたが、真実を隠して発表するのは大本営発表と寸分違いが無く、無能な指揮官を有能な現場従業員が補う姿も第二次世界大戦中の日本軍と変わりがありません。
“一億層玉砕”、“贅沢は敵だ”のプロパガンダは、“頑張ろう日本”や”行事の自粛”に姿を変えて70年振りに復活してきております。
委員長も出鱈目なら、政府もインチキ、今こそ自分自身の頭で考え行動する事を求められております。




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夜、野毛へ繰り出して

2011年05月24日 | Weblog
昨夜からの雨が今朝残りました。日本へ帰ってから初夏の暑さが続きましたが、雨が降るとぐっと季節が戻ります。

昨日は久し振りに横浜の町を堪能いたしました。
昼に駒でちらしをいただき、その足で芳林堂まで行き、3冊ばかり文庫本を買い求めました。
日本を離れた間に買うべき本が随分と出版されており、目録を見るとまだ興味を引くものがあり嬉しいですね。

夜、福屋の隣の名前を知らない焼き鳥屋で菊正宗を燗で飲み始め、隣の福屋へ寄らないわけにはいかず、そこで蕨なぞを摘みながら福寿の純米吟醸を冷でいただき、昼、駒の若い衆に紹介されたクラクラへ出かけて銀杏を肴に、大震災を生き抜いた伯楽星純米吟醸を冷で飲み、最後に久し振りだからと万里で紹興酒を1本入れてオンザロックにし、堅焼ソバ、麻婆豆腐、タン麺をいただき帰って参りました。

久し振りの野毛ですから、ぐるっと回らないと日本へ帰ってきた気がしないのがいけません。
福屋の大女将も元気でした。
クラクラの若いコンビも初めて持った自分の店をどうにかしていこうと意欲に燃えていました。
万里のお運びの中国人の娘さんが何時ものように無愛想で好かったです。
雨のせいもあり、アルコールが体の芯のほうに澱んだ感じがしていて、この感じがなんとも云えず、また好いものです。
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こだわりを捨てると見えてくるもの

2011年05月23日 | Weblog
昨日は病院から大磯駅まで歩き平塚のさくら書店へ行って、久々に本屋をゆっくりと眺めました。
二週間留守にしていると文庫と新書が随分出ていて10冊ばかり気になるのを買い求めました。

時差解消もあって、22:00から「煙突のある場所」を見ておりましたが、50年代は映画の黄金期でもあり、実にいい映画でした。
この映画の主題になっている、今は無きお化け煙突は、火力発電所のものだったんですが、半世紀以上が過ぎ、今では原子力発電所が過去のものになりつつあります。

映画を観終わり00:20には床に就いたのですが、03:20には起きてしまい、やむなく前日買い求めた子安大輔さんの「ラー油とハイボール」を読み始め、夜が明けるころには大方読了してしまいました。
文中「こだわりというエゴを押しつけるべきではない」との商品開発、店舗開発の時の警句が書かれており、人間というものはひそかに個人のこだわりを何かに表現したいもので、俺も随分これで失敗してきたなあと、自家製チャーシュー、伯父作の新たまねぎ、絹さやで、ちょっとこだわった焼飯をほおばりながら昔を思っておりました。






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バレンシアオレンジ

2011年05月22日 | Weblog
学生時代柑橘類の研究をしておりまして、何処へ行っても柑橘を観ると大きな興味を感じます。
スペインでもワインメーカーにバレンシア地方を車で案内されて、道路の周りに広がる果樹園にオレンジや桃などを見かけると、車を降りて傍へ寄って観て触ってみたくなりました。
海の近くにあるオレンジ畑が敵地でしたが、標高450メートル辺りのぶどう園を見学したときに、そこにあったバレンシアオレンジを5個ばかり捥ぐことが出来ました。



ワインメーカーの説明によると、他の国の新産地に押されてオレンジの価格が下がり、栽培を放棄する畑も多くなっているとのことで、新興産地の台頭はワインに限った事ではありません。
日本の蜜柑も収穫を放棄した畑が出だしたのはもう古く、輸送の発達とともにハイコストで生産しているところが消滅して行くのは資本主義の基本原理に至って忠実な現象です。

入手した5個のバレンシアオレンジも収穫を放棄された樹からいただいたものでしたが、食べてみると水分量が少なく、実の充実も無く、二級から三級品でした。
元祖バレンシアオレンジも今は名のみ存在するだけで実質が伴っていないようです。
適地はもう少し標高の低いところである事を差しいひいて考えても、これでは観光客にジュースとして出すのが精一杯のところのようです。

バレンシアワインがオレンジと同じ運命をたどらない事を祈りたいですね。




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