キュヴェ タカ/cuvee taka 「椿庵酔哲湘南日記」

気儘な湘南暮し ー散歩に読書、映画、酒、そして時々釣り-

ボルドーからガスコーニュへ

2008年10月31日 | Weblog
ボルドーからガスコーニュへ移動して、コンドンのホテル ル・ロジス・デ・コルデリエに荷物をおろし、隣のラ・ターブル・デ・コルデリエでタリケのアーミンとレミー兄弟と会いお昼をいただきました。アペリティフでコテ・タリケをクレームブリュレ、キノコを細かく刻んだもの、レンズ豆にフォアグラのムースをかけたもの合わせていただき、テーブルに移りセロリのスープ、人参と春雨の春巻き、鴨のタルタルが一皿目に出てきて、二皿目がホタテの下に三種類の根菜を薄く切って重ねたもの、三皿目は鱸をグリルしたものに蕪の中をくり抜いて細かく刻んだ野菜をつめて蒸したものが出てきました。ここまでの料理にアーミンが合わせたワインはムルソー2004でした。四皿目は仔牛をグリルしたものにセップをグリルしたものが乗っていました。このお皿には、ガスコーニュのヴァンドペイとマディランを合わせました。デザートは名前を失念いたしましたが、この時期が旬だという小さなオレンジのような柑橘を使ったスフレとアイスクリームと焼きプディングでした。珈琲の付け合せは、セップのキャラメル、チョコレート、カヌレの三種類。料理は3をキーに作られており、とても美味しかったですね。食堂もかつて修道院だったところを改装してあり、雰囲気もとても良かったです。最近ミシェランが星をひとつつけたそうです。

食後は腹ごなしをかねタリケのヴィンヤードを一時間掛けて散歩しながら見て回りました。あわせて950haのヴィンヤードは見渡す限り広大に広がり、歩き甲斐がありました。たどり着いたセラーでは、屋外のタンクでアルコール発酵を行っており、地上15m位のところへ登り、タンクの上の口から金属製の釣瓶でワインを掬い取り空中試飲をいたしました。白濁した発酵途中のグロマンサンは葡萄ジュースの炭酸割のようで美味かったですね。ぐるっとワイナリーを見渡せる高さが、味わいを引立たせていたのかも知れません。タリケはほとんどのワインが白ですので、セラーは酸素を如何に遮断するかに配慮が行き届いており、収穫した葡萄を圃場からセラーに運ぶときから密閉式の輸送コンテナに二酸化炭素を充填しており、プレス機も同様に密閉式で二酸化炭素を充填して行われております。

タリケの新ヴィンテージを10種類ばかり試飲いたしましたが、綺麗な造りであることが大きな特徴になっていると思います。30代前半の若い兄弟が管理しているドメーヌだけに、ワインのスタイルに若さと新しさが感じられ、時代がこのワインを要望しているんだなあと思いましたね。
コメント

ボルドーの三日目

2008年10月30日 | Weblog
朝ポムロールのシャトー・ベルグラーヴを訪問して試飲をさせていただきましたが、オーナーのジャン・マリ―・ブルディーさんが好人物で、そのことが特別印象に残りました。ここは有機栽培をしており、ワインつくりの方針はエレガンスとフィネスを追い求めているとの事で、2005はヴィンテージの特徴で強さが残っているものの、2003は軽快な複雑さがワインを楽しめるものにしており、いずれもオーナーの人柄とワイン造りの方針を体現しているもので、ポムロールにしては出しゃばらない価格なところもとても好感が持てました。2005年はパーカーが92点くらいを付けているらしいのですが、あまり関係ないみたいでした。

シャトー・ブルソーでガボリエルさんと、2004、2005、2006を試飲しましたが、フルーティでバランスされた2006がこの段階では思いのほか良いのが印象的でした。発酵途中のメルローとカベルネも試飲しましたが、この段階のワインにはこれから世の中に出てゆく若い人の可能性と同じような、瑞々しさ、意気込み、純粋さを感じ、味覚よりも心に響く部分が多く、いずれの日か瓶詰めされ世間に出てきたときに、あの時のワインかと振り返りながら飲む楽しみが増えることになります。

昼はドルトーニュ川の岸辺のレストラン・ボルドーで、サーモン、牛の尻尾の煮込みをいただき、リレの白を食前酒にいただき、ブルソーとマディランのモンテスを料理に合わせていただきました。ここのレストランは二度目でしたが、川の眺めが雄大で、料理がしつこくなくて美味く、雰囲気が家庭的なところがとても良いです。

サンテミリオンのクロ・ラ・マドレーヌを訪問し2001、2005を試飲しましたが、ここもワインの造りはエレガントでした。畑がサンテミリオンで最小との説明を受けましたが、小さな木桶が二つと小さなステンレスタンク二つでマセラシオンをしており、これだけ小規模だと端から端まで手が廻り、手作りの感じがして私でも片手間に出来そうな感じがし、実際ピジャージュを少しやらせてもらい、いい気分でございました。

アグリが取り扱っているトゥティヤックを訪問しましたが、クロ・ラ・マドレーヌと対極のワインであり。規模の大きさを最新技術でカヴァーしており、小さなミスは量でカヴァーする思想で、赤白合わせて12種類の試飲をさせていただきましたが、品質については赤より白に結果が出るような気がいたしました。この後タリケを訪問いたしましたが、そこでも同様なことを思いました。その理由については思い当たりませんが、真剣に考慮すべき課題だなあと感じております。
コメント

シャトー・スオからシャトー・ラ・ルーヴィエールへ

2008年10月29日 | Weblog
今日でボルドーも三日目です。昨日10月27日は午前中モニクのところで商談をして、昼にボルドーの街に出てきて最近出来たグランドホテルのブラッサリーで食事をいたしました。海老のシーザーサラダ、ロブスターのスパゲティーをいただきましたが、シーザーサラダはサラダの部分とは別に海老の串焼きが三本グラスに刺さって出てきました。海老は甘味があり味わいが深く、最近の日本の海老と比べて数段上の品質でした。3年前にオリビエの家で食べた海老に匹敵する美味さで、過去に食べた海老の最高位にランクされ、近頃の養殖のブラックタイガーは本来の味を失っていることを強く印象付けさせられました。養殖の鯛や平目、ハマチ、鮭など形だけ同じで内容を失った点で同様ですね。ワインはグラーヴをいただきましたが、料理に良く会いました。

午後はシャトー・ラ・ルーヴィエール新しいセラーを見学し、白2006、2007、1982、赤2006、2007、1989を試飲いたしました。82の白が黄金色に耀き果実味を残し深く熟成しているのに感心し、89赤がグラーヴらしいワインに仕上がっているのを堪能いたしました。
エレガント、フィネス、バランスの三要素を兼ね備えたいいワインであることをまたもや認識した次第で、日本のソールエージェントとして、ぼつぼつ飲むだけでなく売ることを真剣に考慮する時期に来ています。

コメント

リヨンからボルドーへ

2008年10月28日 | Weblog
10月26日午後リヨン、サンテグジュベリ空港からボルドーまで一っ飛びし、モニクに拾われてシャトー・スオまで行きました。途中ガロンヌで鰻釣りをしている小父さんを見学し、ちょうど釣りあがった鰻は薄い茶色で、どちらかというと穴子のような感じでした。こいつをぶつ切りにして赤ワインで煮込むとボルドーの有名なくどい料理になるわけです。

夕食はモニクの手料理をいただきました。先週我々が採ったトリュフがオリビエから届いており、トリュフオムレツを再びいただきましたが、オリビエが作ったのより美味かったですね。モニク曰く、卵二個にトリュフ24g、この量が先ずは大切で、次にトリュフの皮を剥いて使うこと、最後にオムレツは湯煎して作ること。卵がふわっとしてトリュフの香りが良く立ち、歯ごたえの具合が抜群でした。ブッフ・ブルギニヨン・ベルナール・ロワソーも美味かったです。牛肉はAOCバザスを使ってあるので肉そのものの味わいがいいのと、レシピが3☆レストランのシェフ、ベルナール・ロワソーのものを忠実に再現したので、
軽い味わいの中に旨味を濃縮した素晴らしく出来の良いものでした。それともっとも大切なことは、モニクが度々日本に来て私の好みの味わいを心得ていることで、たとえばトリュフオムレツにはバターを使わず作ってくれた配慮があったため、大いに楽しい夜を過すことができたんだと思います。

ワインはシャトー・スオ・プレステージ白2004、シャトー・スオ・プレステージ赤2000、シャトー・スオ・キュベ・タカ2005をいただきました。白2004は黄金色に色付き始め、見事な完成を示していました。赤2000はかなり熟成が進んでいるものの、まだまだ発展の可能性を示し、いい年だったんだなと思わせるワインでした。キュヴェ・タカはこのワインを樽発酵させているところに立ち会っており、ついに完成したなあと感慨が深く、ソフトなタンニンのため、今でも飲めるし、寝かせて置くことも出来る優れたボルドーです。
モニクのワインに共通している特徴は、ワインが出しゃばりすぎず、酸が綺麗に効いているため、エレガントなスタイルに出来上がっていることです。

食後に暖炉の前でドンダン1962とカスタレード1979の二種類のバ・アルマニャックをいただきました。アルマニャックは40年くらい過ぎると一定の完成を見るようで、ドンダンの味わいがカスタレードを上回っておりました。
コメント

モルゴンからブーリーへ

2008年10月27日 | Weblog
10月25日10時過ぎにル・ヴィロンへドメーヌ・キャレのヴァンサンが迎えに来てくれ、紅葉のボージョレの葡萄畑の中を彼のドメーヌがあるブーリーまで一時間ちょっとのドライヴをしました。南へ走っているので、風景が何となく温暖になってくるように見えました。同時にボージョレの味わいが果実味を増してくるような印象を受けました。

ドメーヌ・キャレでの新酒の試飲は満足のゆくもので、アグリ用のキュヴェは果実味の外に木質の風味が複雑に感じられ、エレガントでテイスティーなキャレの特徴がはっきりと現われておりました。心配されたマロラクティックも23日にラボラトリーから終了しているとの連絡が入り、安定化をしてボトリングを待つだけです。収穫が9月27日と例年より遅れたので、ヴァンサンも期日に間に合うかが気がかりだったようで、お互いほっといたしました。

昼はヴァンサンの家で彼のお母さんと近所のポール小母さんの手料理をご馳走になりました。トーストとセーブルが乗っかったグリーンサラダ、焼いた豚肉にオレンジジュース、マーマレード、生姜、オレンジピール、たまりを煮詰めたソースを掛けたもの、チーズ、イルフルトンをいただきましたが、どれも家庭の味がして大変美味しくいただきました。

食事中試飲をしながらいただいたワインは、ボージョレ・ロゼ2007、ボージョレ2006、2007、ボージョレ・ぺトラ2007、ボージョレVV2001、ガメイのヴァンムスーでしたが、2006年に比べて2007年はボージョレらしい活き活きとしたワインであったこと、トラディショナル方式のガメイが思いのほか柔らかくて美味いなあと感じました。

ボージョレの伝統的なたらふく料理の後は動くのも辛いくらい満腹でしたが、彼の畑を3時間以上掛けて歩いて回り、どうにか人間らしい状態まで回復させて、夜の大宴会に臨むことになりました。この宴会もガリガンチュアも驚く内容でしたが、最後にヴァンサンのお父さんが仕込んだマール・ド・ボージョレが、アルコールが強いものの甘味を感じる特記すべきものであり、それをグラスに五杯いただいて終了したことのみ書いておくことにいたします。
コメント

ジュブレ・シャンベルタンからモルゴンへ

2008年10月26日 | Weblog
10月24日昼、ジャン・フィリップにジュブレ・シャンベルタン村から、モルゴンの村のホテル、ル・ヴィロンに車で送ってもらいました。早速チェック・インすると、馴染みの女の子が受付にいて笑顔で迎えてくれました。ここ五年間はこのル・ヴィロンを定宿にモリエールを訪ねており、こちらの顔を覚えてくれているようです。しかしながらこのホテルに初めて泊まったのは15年ほど前で、いったい誰がここを取ってくれて、何処へ出かけたのか記憶にありません。以前はムーラン・ナヴァンのドメーヌ・シャンピニヨンと取引がありましたから、そこを訪問した折に止宿したのかもしれません。とても懐かしく感じるホテルで、静かで家族的な雰囲気が気に入っております。周りの色とりどりに紅葉したモルゴンのブドウ畑も魅力です。

ホテルへブルーノとイザベルの夫婦が迎えに来てくれて、幾つも丘を越えた標高の高いモリエールまで車で20分ほど走り、早速今年の新酒を試すことにいたしました。途中紅葉した葡萄の丘が幾つも連なり、コート・ドールの美しさが日本では膾炙しておりますが、こちらの風景のほうが上だなあと毎年同じように感激しております。さて問題の新酒ですが、四種類の異なったキュヴェを試飲いたしましたが、何時ものモリエールの鮮烈な酸と生き生きした果実が感じられ、ああ今年も良いなあと安心いたしました。私にとっては、今年も高品質な特徴のあるボージュレ・ヴィラージュ・ヌーボーを供給していただけることにたいへん満足なんですが、彼らにとっての大問題は8月7日の雹で生産量が例年の半分になってしまったことで、それでなくても厳しいボージョレのワインメーカに大きな負担となっていることです。それでも根が明るいイザベルがあっけらかんとした調子で、シャルドネなんてこれしかないのよ、とタンクの底の方をさして笑っている明るさに救われます。
今年も随分と多くの農家がワイン造りを止めたようです。

セラーから彼らの家に移動して、庭のテーブルでシャルドネ2007、サン・ヴェラン2007、ムーラン・ナヴァン1998を試飲がてら食前酒にいただきました。シャルドネは高い標高のため線が細いシャープなもので、モリエールの特徴を反映したものでした。サン・ヴェランは葡萄を買ってブルーノが造ったものでしたが、奥行きのあるきりっとしたもので、葡萄が持つ特徴が反映されているものの、ブルーノの個性が表現されたいいワインでした。ムーラン・ナヴァンはここのドメーヌのワインの熟成の可能性を示すもので、醤油っぽい風味と果実と酸がシャープな奥行きを構成していて、中々のものでした。

昼はここ4年間全く同じメニューの、レタスのサラダ、ソーセージ、茹でたジャガイモ、チーズをご馳走になりました。街のレストランでさんざん色々なものをいただいた後に、この標高の高い山のレストラン・イザベルにたどり着いていただくこの定食は絶品です。
レタスはこの近辺の村のもので、ソーセージはモルゴン村の肉屋で購入している、直径5cm長さ25cm程度のものです。ジャガイモは近くで採れる有機栽培のもので、色が黄色くて味わいが濃厚です。この三点セットの取り合わせが実に絶妙で、来年も同じメニューでよろしくとお願いして、暇を告げた次第です。
コメント

ジャン・フィリップとフィリップ

2008年10月25日 | Weblog
ピエール・ブレの訪問が終わったら5時を回っており、慌ててジャン・フィリップにB&Bに今歩いて向かっているからと電話を掛けたら、間をおかずボルドーのシャトーのオーナーであるフィリップと一緒にセラーから車でやってきました。フィリップは昨年のボージョレ・ヌーボーのときにジャン・フィリップと何故か一緒にやって来て、彼と一緒にワインの販促をしてくれたのですが、元来うちとは取引の無いボルドーのシャトーの所有者で、釣り大好きなおじさんです。前日にジャン・フィリップから私がジュブレ・シャンベルタンにいることを電話で聞いて、翌日の朝のフライトでボルドーからリヨンに飛び、レンタカーでジュブレ・シャンベルタンまでやって来たというわけです。昨年一緒に鎌倉へ行って神社仏閣を観て、燗酒を飲みながら鰻を食べて、夜はボージョレ・ヌーボーのパーティーに出て、その後の野毛のRでのディナーに参加し、翌日は名古屋の栄地下のプリュスでボージョレ・ヌーボーの試飲販売に立ち、実に良くボージョレの販売に協力してくれたのですが、そのことが嬉しかったようで、今回の急な旅を思いついたようです。思いもかけぬ人が急に現われて驚きましたが、私には分厚いボルドーのシャトーの本を土産に下げて来てくれるは、佐和さんにはボルドーの葡萄品種で作ったジェリーのセットを持ってきてくれるはで、随分と散財を掛けてしまったようです。さらにボーヌでディナーをした後にリヨンまで帰って行ったのにはぶったまげました。

異国のフランスでこのような人が待っていてくれるというのは有り難いもので、実に嬉しい出来事でした。

マルシャンのところではフィリップも一緒に試飲をいたしました。樽からの白ワインをテーマに、サン・ロマン2008、サヴィニー・レ・ボーヌ2008、サヴィニー・レ・ボーヌ・ピノ・ブラン2008、ピノ・ノワール白2008、ムルソー2008、シャサーニュ・モンラッシュ2008、コルトン・シャルルマーニュ2008、コルトン・シャルルマーニュ2007を試しましたが、強い赤を造るマルシャンのスタイルには共感を抱きませんが、これが白となると中々のもので、好みの造り手に変身するところが面白いなあとかねてより思っておりましたが、こうやって白にテーマを絞って試してみると、やはりそれが事実であることを再確認いたしました。

続いて今回のもっとも重要な用件であるボージョレ・ヌーボーの試飲をいたしました。マルシャンがあらかじめ選んだ、ロゼを2サンプル、ボージョレを2サンプル、ボージョレ・ヴィラージュの2サンプルを試飲して、夫々のワインの最終混合比を決めました。今年は酸が強いことが特徴であると思いますが、かなり良いキュヴェを選んで夫々のワインを造り上げましたので、はっきり他社のものと違いが出ると思います。かなり期待をしていただいていいと思います。

ディナーはボーヌのCaveau des Archesでジャン・フィリップ、フィリップ、佐和さん私の四人でいただきました。ボージョレの試飲の後、フィリップが持ってきたフォアグラをつまみに四人で高いワインのレンジの試飲を行った後なので、軽めのものを頼むことになり、料理はミックスサラダ、海老のリゾット、クレープのグラン・マニエソースをいただき、ワインはコント・ラフォンのマコン・ヴィラージュ2006、ドメーヌ・コンビエのクローズ・ド・エルミタージュ2005をいただきました。隣の金持ち風のインド人からドメーヌ・ラモネのバタール・モンラッシュ2004がグラスでパスされてきたので、このワインに人気が集中してしまいましたが、マコン・ヴィラージュはここのドメーヌの特徴が出たものでいいワインでした。コンビエのワインは確かに優れていると思いましたが、やはり私には強すぎ、ジャン・フィリップ好みの味わいでした。ラモネは海老のリゾットととても美味しくいただくことが出来、好みのワインに素敵な料理がある幸せを感じました。最後に大好きなマール・ド・ブルゴーニュをいただいて一日を締めたことは言うまでもありません。
コメント

ピエール・ブレを訪問

2008年10月24日 | Weblog
昨日10月23日はジュブレ・シャンベルタンのドメーヌ二軒を訪問試いたしました。午前中に村の畑の中を歩き回り、街道沿いのピエール・ブレに着いたのが11時、ジャン・クリフトフにシャンボル・ミジュニーのセラーへ連れて行ってもらって、プレスをしているところを見学いたしました。小さな解放式の木桶で赤ワインの発酵が行われ、終盤を向かえた桶からフリーランを抜いて、残ったステムと果皮をバケツに掬いプレス機に放り込んでプレスジュースを取るわけですが、今年は収穫が遅かったおかげでその作業を見ることができました。近頃ではアルコール発酵は自動温度調節付きのステンレスタンクで行われることがほとんどで、このように人間が多く絡んだ作業を見ることは稀です。随行の佐和さんにとっては始めてみる光景で、人間とワインの密着した関係に感じ入るところがあったようです。

白は樽からムルソー、シャサ-ニュ・モンラッシュ、バタール・モンラッシュ、赤は桶からシャンベルタンなどの試飲をさせていただきましたが、ここの特徴のフィネス・エレガンスが既にこの段階から感じられ、ここまでの工程の中に彼らのワインの特徴を決定付ける要因が隠されているようです。

今年ピエール・ブレでは行動の向かい側に、軽食を取りながら試飲が出来るラ・テーブル・ド・ピエール・ブレをオープンしましたが、昼はそこで軽食をいただきながら6種類のワインを試飲いたしました。料理はパセリ入りのハム、牛の赤ワイン煮ブルゴーニュ風、チーズ4種、フルーツサラダ、珈琲のセットメニュー一つだけで、通常のお客様ですと、それに試飲するワインの種類と本数により価格がセットされております。チョイスが出来るのがワインのほうで、料理は付属になっているわけです。ジャン・クリストフのお父さんが同席され、四人で試飲をしながら食事をすすめました。食事はジャン・クリストフの娘さんのジャンヌがサービスしてくれました。三代に渡る接客をしていただいたわけです。ワインはブルゴーニュ白2006、ボーヌ1級レ・エペノット2006、クロ・デ・ラ・ジャスティス2004、一級レ・シャンボー2002、一級カズティエ2000、シャルム・シャンベルタン2001、シャンボル・ミュジニ97、最後にマール・ド・ブルゴーニュ35年物をいただきました。ボーヌ、シャンボー、シャンボル・ミジュニーが初めての畑で、他はヴィンテージ違いを飲んだことがあるワインでしたが、今までのここのワインを飲んだ経験を総合して、2001,2002というヴィンテージが今飲むのにいいヴィンテージだなあということと、カズティエの隣の畑のシャンボーという畑が随分と異なるワインで、酸化して官能的な表情を見せているように感じ興味を持ちました。

試飲の後ジャン・クリストフがシャンボーの畑を見せてくれましたが、周りを土手に囲まれた非常に狭い区画で、年産450本程度とのことです。北側の石垣のところに食事等に使われた狭い地下室があり、とても印象的な畑でした。

最後にジュブレ・シャンベルタンのセラーのほうで、樽からの試飲をいたしました。白は2007年で、オークセイ・デュレス、ペルノ・ベルジュレス、シャサーニュ・モンラッシュ、シャサーニュ・モンラッシュ・モルジェ、ムルソー・シャルム、コルトンシャルルマーニュ、バタール・モンラッシュ。赤は2006年で、ヴィルネイ、アロースコルトン、サヴィニー・レ・ボ-ヌ、マジ・シャャンベルタン、エシェゾー。2007年で、ジュブレ・シャンベルタン、クロデラジャスティスの二種類のキュヴェ、カズティエ、シャンベルタンでしたが、個々のワインのコメントは長くなるので控えますが、この中で特にマジ・シャンベルタンに強い印象を受けました。また、すべてのワインがこの蔵の特徴を示しており、アルコール度数を高くしないことでアロマの広がりを失わないようにしていること、テロワールを表現すること、フィネスがあり、エレガントなワインであることというドメーヌの方針が見事に反映されていると思います。日本でもマニュアル人間が未だ幅を聞かせているものの、自分の舌でワインを評価できる人が増えてきているので、このスタイルが広く日本に受け入れられることは間違いなく、多くの日本人がここのワインを楽しんでくれると良いなあと思います。
コメント

シャブリからディジョンへ

2008年10月23日 | Weblog
10月22日朝(フランス時間)これから電車でディジョンへ向かいます。一時間ちょっとのローカル線の旅ですが、毎年この時期この電車に乗って過ぎ行くフランスの秋の風景を楽しんでおります。もっとも今日は初めてシャブリからディジョンへ向けて電車に乗ります。何時もはディジョンからシャブリへ向けて乗っているのですが、降車駅のトネールがシャブリから少し外れており、プラットホームも無い無人駅で、駅名も日本のように判りやすく出ておりません。車内放送もあるんだか無いんだか分からず、時間を頼りにこの辺だなあと外を見ていると、何時も笑顔のオリビエの顔に出くわすわけで、ひじょうに悠長な電車の旅でした。今日は降車駅がディジョンですから、降りる駅を見間違うはずも無く、お付の佐和さんはその辺確かな人ですから、こちらはぼんやり車窓の風景を眺めたり、居眠りをしていれば言い訳で、ローカル線の悦楽に完全に浸ることが出来ます。旅はやはりゆっくりと行くのがいいですね。

11時前にオリビエがホテルに迎えに来てくれて、トネールに送ってくれましたが、無人駅と思っていた駅には切符売り場におばさんが居て、ディジョンまでの切符17,2ユーロを購入し、乗り場へ向かってみると低いながらもプラットホームがあり、記憶というのは不確かなものだなあと何時ものごとく感じ、やがてやってきた電車は前回乗ったときとは大いに異なり、ブルゴーニュのマークを冠したモダンな車両で、かなり進歩した跡が見られました。ディジョンまでの車窓の風景のほとんどは、フランスが大農業国であることを感じさせる牧草地帯で、昔学校で習った三圃式農業のような気がいたしますが、牛がのんびりと草を食んでおりました。小さな村をいくつも通過いたしましたが、必ず立派なカテドラルがあり、村人が村に立派なカテドラルを建てることを何よりも大切に思っていた、信仰心が強かった時代があったことを思い出させます。

ディジョンではジャン・フィリップが息子のジュリアンと一緒に迎えに来てくれていて、1お昼を回っていたので、町の中心にある老舗のイタリアンと思われるル・グリル・ラウルで昼食をとりました。メニューにミックスサラダを見つけたので迷わず前菜にそれを頼み、メインは肉にしようかと迷ったのですが、海老のフリカッセをとりました。ワインはジャン・フィリップがブシャ―ル・サン・ヴェラン2007、サン・ロマン赤2006を頼みました。サン・ロマンの造り手は失念しましたが、24年前にジャン・フィリップが一緒にワイン造りを習った級友のものだとの事で、軽くて、ピノ・ノワールの掴む感じが出ていて好感を持ちました。ミックスサラダはトマトがどーんと真ん中に載っていて、生野菜を食べているんだと感じさせる存在感のあるものでした。海老のフリカッセは、タリアテッレが下敷きになっており、これに海老の味が浸み込んでいて、海老そのものの味わいは大したことがありませんでしたが、パスタのほうがほっとさせる味わいで結構なものでした。ミックスサラダが4,5ユーロ、海老のフリカッセが22ユーロでしたから、野菜は安いが魚介類は高いというフランスの経済を反映しており、しかも野菜は美味いが魚介類の感心するものに出会ったことがありませんから、この国へ来たら野菜をたらふく喰っていることが理にかなっているようです。しかしながら、昨夜のスープと同じでミックスサラダは誰でも家庭で作れますから、レストランではお金が取れず敬遠されがちで、メニューに見つけることが出来にくい一品です。日本のように家で料理をするのは大変だから、外で済まそうという思想ではなく、あくまで外食は晴れの食事ですから、プロの料理人しか作れないものを求めるわけで、どう見ても日本の調子で外食を繰り返していたら私のようなプアーな人間は破産してしまいます。

食事の後、ひとまずジャン・フィリップのB&Bに荷を解き、少し休んでから雨のジュブレ・シャンベルタンの畑を歩き回ってみようかと思っております。

ジュブレ・シャンベルタン村を歩き回る計画は、突然襲ってきた睡魔のためにあえなく潰え、ジャン・フィリップとのディナーの約束の時間まで夢の中をさ迷うだけとなりました。ディナーをしたレストランの名前を失念いたしましたが、ジュブレ・シャンベルタン村から国道をディジョンに向かって走った右側で、道に面しております。ディジョンで魚料理のレストランとして名を馳せているとのことで、毎年この時期に訪れるとジャン・フィリップがチョイスする、私にも馴染みのレストランです。前菜にグリーンサラダをいただき、メインはオマール海老にリゾットを添えたものをいただきました。オマール海老は中が生の状態で甘味があり美味かったですね、リゾットはパルメザンチーズを絡ませたやつで、強い味わいがオマールとコントラストをなしていて全体としてバランスされておりました。ワインはパスカル・ジョリヴェのサンセール2006、ジャン・リュック・コロンボのコート・デュ・ローヌ2006をいただきました。ジャン・フィリップも白を頼むときにサンセールを選ぶことが多く、僚友のオリビエも魚にはサンセールを良く合わせます。ブルゴーニュの人は、シャルドネ以外の白を試したいときに、ソーヴィニョン・ブランを選び、しかも上流ロワールのワインを選ぶことが多いようです。ジャン・フィリップはコート・デュ・ローヌの赤が好きで、よく頼みますが、この高名なジャン・リュック・コロンボのコート・デュ・ローヌは、ボージョレと見間違うほど軽く、イチゴの香りが鼻に抜けエレガントで好ましいワインでした。しかし、ジャン・フィリップの好みのローヌワインとは、多分異なったスタイルであったと思います。


コメント

シャブリの夜

2008年10月22日 | Weblog
今回のシャブリでの滞在は、当地の常宿とも言えるオステリエ・デ・クロですが、シャブリを始めて訪れたのは20年ほど前になり、当時はこの近くにシャトーを持っていたため、そこから日帰りで当時の取引メーカーのジャン・コレを訪ねていました。現在の取引先のオリビエ・トリコンとは15年ほど前からの付き合いで、その頃はシャトーを売却していたので、このオステリエ・デ・クロに投宿したわけです。初めてここに宿を求めたときには、一人で最初の夜の食事をここのレストランで取り、シャブリのワインリストの多さに感激して古いものをいくつか試した記憶があります。シャブリに限らずワインの中心地の、しかも唯一ともいえるオステリエにはほとんどすべての生産者のワインと、古いヴィンテージのストックがあり、一週間も投宿してワインを飲み続ければ、その産地のワインの目ぼしいところが縦横に制覇でき、しかもソムリエがおのおののメーカーの評判を心得ているので、いっぱしのワイン通になれるとの錯覚を起こします。仮に十分な資金があれば、たとえばここでも一週間ワインを飲み続けて、料理をいただき、部屋代を払ったとしても産地ならでの驚くべき安い価格のワインのせいで、支払が日本円にして六桁まで到達する事などありませんから、短期間で俄かシャブリ通になるにはうってつけの方法であるわけです。

オリビエ・トリコンの家は、このオステリエから80メートルほどのところで、21日の夜は家で夕食の招待に与りました。現在サラーとアシェルの愛娘二人は家を出ているので、オリビエは愛妻のヴァレリーと二人仲良く暮らしております。料理はオリビエが多少協力しておりましたが、主にヴァレリーの手になるものでした。食前酒にドメーヌ・ド・ヴォロー・モンマン・2006をいただきました。オリビエのところを最初に訪れたときに連れて行かれた畑のワインで、当時を懐かしく思い出しました。テーブルについてからは、セロリーのスープ、キャロットのスープと二種類の味のスープをいただきました。現在フランスでスープをいただけるのは家庭に招かれたときだけで、レストランでスープを発見するのは大変困難です。疲れた胃にとても優しく、レストランでの食事が続いた後の野菜のスープは本当にほっといたします。ヴァレリーがこの造り手は良いという、イランシーのウイリアム・シャリア2002のマグナムをあわせましたが、消え入るようなピノ・ノワールの色合いで、驚くほど軽く、イチゴの風味とピノ・ノワールが枯れたときに出る風味が渾然と混ざり合い、とてもチャーミングなワインでした。ヴァレリーと佐和さんが好んで何杯も飲んでおりました。私もこのスタイルのワインはことのほか好みで、やはりかなりいただきました。残念ながらこの手のワイン日本ではまったくと言っていいほど売れません。高額で軽いものが売れるようになるにはいま少し時間が必要になるのかもしれませんが、ここのところ客先で造り手にとらわれずシャンボルミジュニーが好調との傾向は、いずれイランシーまで行き着くことを示していると思います。

オリビエが台所に立ちこの日の午後収穫したトリュフでオムレツを作ってくれましたが、卵料理とワインというのは相性が悪いとの思い込みを持っておりまして、オリビエのアルコールコレクションの中から、月桂冠大吟醸酒を選び合わせることにいたしました。結果は、実に良かったですね。蟹玉を作るときに清酒が隠し味の決め手になると思っているのですが、トリュフオムレツにもに隠し味に清酒を使っていたら味わいに奥行きが出来たのではないかと思ったくらいです。

サラダをいただき、これは是非にとオリビエに要望しておいたのですが、久しぶりの大量の生野菜が実に嬉しかったですね。最後のチーズが三種類出てきましたが、エポワスに月桂冠が抜群でした。ヴァレリーもチーズには清酒が合うんだと心得ており、四人で大方四合瓶を開けてしまいました。

食後酒は、アルマニャックのシャトー・ド・ポム・ペベレーズ1950、お祖父さんの代に造ったという可也アルコール度数の高いマールをいただきました。アルマニャックの古酒は可也飲んでいるのですが、このシャトー・ド・ポム・ペベレーズ1950は特別良かったですね。鮮烈なフルーツの風味に、古酒独特の熟成香が襞のように混じり、香りが鼻へ抜けてゆくときの悦楽といったら格別でした。

コメント