キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

古書を読む愉しみ

2013年08月31日 | Weblog
昭和38年に発売された庄野潤三の「つむぎ唄」を読んでいる。
この頃の庄野潤三は家族ものではなく、サラリーマン、大学教授などを主人公にして書いていた。
しかし、特別なことが書かれているわけではなく、日常のことが長閑な文体で書かれていて、それが何とも云えずゆったりとしていて良い。

近頃、電子書籍が大分普及しているが、昭和の人間としては自分が8歳の時に出版された本に触れているだけで懐かしい。
紙の質も悪く、前の所有者が汚した箇所もあるのだが、若しかしたら半世紀ぶりにページが開かれて読まれているんだと思うだけでも胸が震える。

読書は視覚を多く使う作業で、そこを拡大解釈すれば電子書籍で機能は充分果たすわけだが、本は触覚をも刺激してこちらに迫ってくる。
古来より三所攻めなどといい、快感は一点集中攻撃より分散攻撃の方が増幅する。
紙の本に縋る昭和人は、電子書籍の平成人より、密かに多くの快感に浸っているといえそうだ。

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飲酒と読書の関係

2013年08月30日 | Weblog
昨日までの旅に「新編 熱い読書 冷たい読書」を持っていって読んでいたが余り捗らなかった。
旅の性格上、毎晩遅くまで飲んでいたので、寝る前も朝起きてからも読書が出来ず、新幹線の移動中も睡眠が優先した。

ニコラは当然ワインを飲むが、ウヰスキーがかなり好きだ、竹鶴17年をフランスへ土産に持って帰るほどだ。
最初の晩は鳥伊勢でスーパーニッカのソーダ割りとビールを飲んだ。
次の晩は、居酒屋でビールを飲んだが、二軒目の祇園のバーで銘柄は失念したがスコッチのオンザロックを飲んだ。
そして三日目の晩、久し振りにシャンパーニュと自分の赤ワインを飲んで、やはり馴染みのワインを飲んででホッとしていたようだ。
その後、ホテルのバーでジョニーウォーカー・プラチナのオンザロックを飲んだ。

ニコラに毎晩付き合っていたから、昨夜はすっかり疲れて飲む気がしなかった。
しかし、習慣というものは恐ろしい。
溜まっていた仕事を処理していたら少し遅くなり、軽く何か食べて帰ろうと馴染みの店に寄って、気がついたらハイボールを飲んでいた。

それでまた寝る前に「新編 熱い読書 冷たい読書」を読み進めることが出来なかった。
それでも5時に起きたので6時まで読んだ。

今夜またニコラが羽田に帰ってくるので、蒲田あたりでフェアウェルパーティーとなるだろう。

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名古屋にて

2013年08月29日 | Weblog
今月は二度名古屋観光ホテルに泊まった。
三年前までは毎週泊まっていたが、内装を新しくしたので、その頃とは部屋の感じが随分変わってしまった。
値段も高くなったので、北向の公園の緑が見える広い部屋から南向きの前のビルの裏が見える狭い部屋に変わった。
馴染みのフロントもレストランの女の子もいなくなり寂しい思いをしていたが、バーに顔見知りの女の子がいて二月に入れたウヰスキーのボトルを黙って出してくれた。
ボトルの期限は三ヶ月らしいから随分優遇してくれたものだ。
四年前からバーにいるらしい。

ニコラは快調に仕事をこなし、今朝セントレアから博多へ飛ぶ。
昨夜ワインバーでじっくりとニコラのワイン、ガターニュ2012を飲んだが、果実味が綺麗で奥行きのある味わい。
シャトーヌッフ・ド・パプがシャトー・ヌッフ・ド・ガターニュと正式名称を付けるのに反対したのがうなずける。
その昔、この二つの地域は同じ台地であったが、川に拠って二分され今の地形になったとの事。
したがって土壌は似ていて、大きな石がごろごろしている。
シャトー・ヌッフ・ド・パプより軽快で、若い頃からも楽しめて、10年くらい熟成で良くなりそうなワインで今の時代にマッチしている。
しかも価格が三分の一だから大いなる脅威になるだろう。
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京都にて

2013年08月28日 | Weblog
昨日早めに京都に着いて、三十三間堂と清水寺をニコラに見せた。センチュリーホテルに泊まり、二三時間の京都見物だとこのコースになる。十年ほど前にも同じコースを辿り、中学以来の清水寺に感慨が深かった。

タクシーの運転手によれば、清水寺、嵐山、金閣寺が観光客数のベストスリーとのこと、その運転手に薦められた饂飩屋「おめん」で昼を食したが、葱、茗荷、大根、生姜、キャベツ、きんぴら牛蒡が薬味についているのがここの特色であり、たかが饂飩を立派な昼飯にしてくれた。

午後の仕事は順調で、夜居酒屋で焼酎を呑み、祇園のバーでモヒートとマンハッタンを飲み京都の夜を楽しんだ。

朝飯は「嵐亭」で粥を食べたが、他のホテルの料亭が作る朝飯の質が落ちたなかで、ここは相変わらず美味しかった。京都で和食の質が落ちたら日本中総崩れになる、是非とも未来永劫質の高い料理を作り続けてほしい。

今朝はこれから名古屋へ移動だ。
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すっかり秋めいて

2013年08月27日 | Weblog
昨日はニコラと鳥伊勢でハイボールを飲んで帰った。
家では息子が起きていて一緒にテレビを観ながら話をして、シャワーを浴びて横になったら零時をまわっていた。

今朝は北風が寒くて四時前に起き、窓を閉めてまた寝たが寝付かれず、枕元にあった本を手にとったら丸谷才一の「文章読本」であった。

文章上達の道はただ一つ名文を繰り返し読むこと、これ以外になし、とのことである。
しかるに名文とは、これは素晴らしいと感じ入った文章で各人各々である。
好きな本を色々読んでいれば、その内名文家になれるらしい。

しかしすっかり秋めいてきた。
今日はこれから京都へ行く、灼熱地獄の京都でなさそうなのがありがたい。
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涼しかった日曜日

2013年08月26日 | Weblog
昨日は午後茅ヶ崎まで行き、BOで新藤兼人「ボケ老人の孤独な散歩」新潮文庫 平成8年を購入。

そのあと気温が低かったので軽快に辻堂まで歩き、久し振りに洋行堂に寄り、庄野潤三「紺野機業場」講談社 昭和44年、「つむぎ唄」講談社 昭和38年、「おもちゃ屋」河出書房新社 昭和49年、井伏鱒二「海揚り」新潮社 昭和56年、戸板康二「元禄小袖からミニスカートまで日本のファッション300年絵巻」産経新聞社 昭和47年を買った。

庄野潤三は娘や孫の身内のことを書き出してからはどうも余り面白くない。古いものに良いのがあるので昭和30年40年代のものを選んで買ったが軽く目を通したところやっぱり面白い。
昭和38年の「つむぎ唄」は今朝の東海道線でかなりの所まで読み終えたが、あの時代の長閑な感じと、今とは異なる人間関係が懐かしい。

井伏鱒二の対談集を先週買い面白く読んだのと木山捷平と上林暁のことが書かれていたので「海揚り」を買った。
この二人のところはすぐに読んだ。
文学に真摯に向き合った人のものは時代に関係なく読み継がれるようでファンが多い。

戸板さんの「元禄小袖からミニスカートまで日本のファッション300年絵巻」は三越300周年で記念出版されたもので、三越所有の図版がカラーでたくさん掲載されていて見ていて楽しい本である。

さて、今朝は多少秋めいているので調子に乗って駅まで早足で歩いたら、茅ヶ崎まで汗が収まらなかった。
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心がわり

2013年08月25日 | Weblog
先週、昼に穴子重を食してから集英社文庫で出た「いねむり先生」を買うつもりで、わざわざ芳林堂まで厳しい日差しの中を歩き、結局、辻原登「新編 熱い読書 冷たい読書」ちくま文庫を買った。
こういう事って良くあるんだが、単行本で出たときに文庫で出たら買おうと思って買うのを止めて、文庫本が出たらこれだけ積んであれば近いうちに古本で廉く買えるから、その時買えばいいやという気持ちになった。

伊集院静は読んだこと無いが、色川武大に大いに興味があり、どのように書かれているのだろうかと気になっていた。だから、それほど読むのに急を要さない。そのうちに読んでみればという感じだ。

その晩、利休庵でそば焼酎の蕎麦湯割をしこたま呑んで、大好きな鰊蕎麦を食して帰ったのが22時、サントリーオールゼロを飲んで酔いを醒まし、シャワーを浴びてベッドに横になって少しだけ「新編 熱い読書 冷たい読書」を読んだ。
最初から読むわけでなく気になった所、湯川豊「イワナの夏」、庄野潤三「夕べの雲」、黒井千次「高く手を振る日」の書評を読んだが、そのうち寝てしまったらしい。

翌朝、通勤電車の中で、丸谷才一「文学のレッスン」、高橋のぶ子「トモスイ」、武藤洋二「天職の運命ースターリンの夜を生きた芸術家たち」、田尻祐一郎「江戸の思想史ー人物・方法・連環」、丸谷才一「持ち重りする薔薇の花」、リービ英雄「大陸へ」、伊藤計劃・円城塔「屠者の帝国」、杉田英明「アラビアン・ナイトと日本人」、丸谷才一「輝く日の宮」の部分を読んだが、初めての作家、読んだこと無い本の書評は刺激的だった。

この中で気になった読みたい作家を買うとなると、既に積読になっているものに上屋を積み重ねることになりマズイ、しかし本を読みたくなるように書くのが書評の本来の意義だから、これはたいへんな名著だ。
書店で心変わりをして「新編 熱い読書 冷たい読書」を買って良かったと思う。

さて昨日だが、午後平塚まで行きパン屋のオネエサンから、餡パン、粒と濾し各1、メロンパン、ベーコン、胡桃、三色パンを買った。
いつものように大まけにまけてくれた、大丈夫なのだろうか。

BOでは、辻静雄「ワインの本」新潮文庫 昭和57年発行 平成16年23刷、キュルノンスキー/ガストン・ドリース「美食の歓び」中公文庫 2003年を買った。








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さて今日はお休みです

2013年08月24日 | Weblog
ウヰスキーのストレートが美味くなるのは9月25日くらいで、この頃からチョコレートの輸送が出来るようになる。
ワイン業者の前はチョコレート&ハードリカー業者であったから、こんなことを覚えている。
ワインもチョコレートも中間的な温度を好むので、保管や輸送時の温度には気を使う。

今年の夏から海外からのワインの輸送には全てリーファーコンテナを使うことにした。
価格訴求が限界まで来て利益が出にくい状況になり、低価格ワインといえども品質訴求に切り替えたためだ。

価格訴求が強くなると製造、管理、輸送の生産性が最大になって行き、人件費をいかに削るかという問題に直面する。
賃金を搾り、少ない人数で同じ役務が出来ればそれだけコストが削減されるわけだ。
就労者にとっては堪ったものではないが、反面消費者としてはありがたい。
このパターンがデフレスパイラルだが、これを阻止するために商品単価を上げ、物価を上昇させると、それが給与に跳ね返ってくるのであろうか。

企業は引き続きコストの削減を行い、人が行なっていた役務をロボットやコンピューターで代替する。
仮に利益が出てもそれを分配する雇用員の絶対数は少なくなっているわけだから、就業者の平均給与は上がっても生産総額に対する総支給額の比率は減っていることになる。

世界の人口は増えているわけであるから、この恩恵に浴さない人の比率は増えており、その人たちが貧困に直面すれば公的資金が投下される。
しかしその原資は縮小しているわけだから、成功した企業とその社員の負担が増えることになる。
これはトータルしてみると生産効率を上げることが世の中を貧しくしていることになるバカバカしい話なのだ。

じゃ、どうすりゃいいのかって、そんなこと分かるくらいならとっくの昔に総理大臣にでもなって、皆さんの暮らしが楽になるように働いてますよ。
でも一つだけいえるのは、企業も人も儲けすぎないことですね。



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十六夜

2013年08月23日 | Weblog
夕方になると雨が降るが、いわゆる夕立というやつで、通常ならば温度が下がって好ましいいのだが、ここの所の酷暑でむっとする湿気が辺り一面に漂うだけだ。
雨が止んだあとも湿度が足元から這い上がってくるだけで、清々しい宵を迎えることは無い。
それでも月は煌々と冴え渡り地上の熱気をよそに涼しげに輝いている。

虫の声も日に日に大きくなっているが、虫にとってこの暑さはどうってこと無いようだ、どちらかといえば寒さに弱く、確か10月末になるとほとんど声が聞こえなくなる。
毎年のことなので、虫の音が絶える時を覚えておいたらいいのだが、いかにも寂しいのでそんな気になれない。
ちなみに湘南では虫が鳴き出すのは8月10日ごろである。
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秋の月

2013年08月22日 | Weblog
昨夜の満月は綺麗だった。

福家でスーパーニッカのハイボールを飲み、しらす奴、赤貝、鯵なめろう、鰌汁、鰌柳川、奈良漬けを肴にした。
少し飲みすぎた、その酔眼で眺めても綺麗だったのだからよっぽど綺麗だったのだろう。。

今週は毎晩飲んでいるが、三日とも月が綺麗に見えた。
すっかり秋の月だ。
駅からの帰り道虫の音を聴きながら眺める月は南中して高いが、空がすんでいて冴え渡っている。
これが次の満月にさらに冴え渡り、中秋として誰もが愛でることになる。

今夜の十六夜は健康を思えば素面で眺めたいが、人生健康だけが目的でもない。
そう思うと四日目も南中した月を眺めることになるのだろうか。
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