キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

ワインとは関わり無いこと「ドストエフスキー」

2008年06月30日 | Weblog
東京のスペイン料理のレストランでのディナーの席で、最近モスクワ詣でをするサプライヤーが矢鱈多く、実際相当な売り上げをして大いに潤っているようだとの話題から、アグリにはロシア語が堪能な社員がいるのでいっそのことモスクワ支店を開設して、ロシア語に不自由しているフランス・イタリア・スペインのサプライヤーの出先機関として機能させる価値があるんじゃないかとの話になりました。またそんな話をしているうちに、昨年光文社から発売された亀山郁夫さんの新約「カラマーゾフの兄弟」が契機となって、ここのところ日本ではドストエフスキーがブームになってるなあとの話題から、ついには「罪と罰」「白痴」などまで話が広がりました。

残念ながら私は、「水道管の水垢理論」を信奉しており、確かに「罪と罰」「白痴」などを読んでいるのですが、登場人物、粗筋などほとんど覚えておりませんので、具体的な物語の細部の話は拝聴するのみで、皆さん大したもんだなあと感嘆するばかりでした。

ドストエフスキーに関して、ひとつだけ印象深い事柄で、多少曖昧ではありますが強く記憶に残っていることがあります。30年前まではドストエフスキーというと、人生の重大問題を眉間にしわを寄せて、その著作から読み取らなければいけないんだというような雰囲気が強かったのですが、文化人類学者の山口昌男が、バフチンなどのロシア・フォルマリストの紹介を日本にして、それを受けた大江健三郎が「小説の方法」の中で“異化”という文化人類学の理論を小説に敷衍して、「罪と罰」は祝祭空間や哄笑によって異化作用が働いているんだと、硬直した小説の解釈方法ををまさに異化した事でした。私としては「罪と罰」を哄笑の文学として楽しく読んだ記憶があり、シリアスな内容を一切忘れてしまっております。

品種がどうだ、土壌がどうだとかの話題も重要ではありますが、硬直したワイン業界の異化作用として、ヴァルフォルモサというスペインのカバのディナーで、ドストエフスキーを話せたことがとても面白かったですね。なぜ、ジョージ・オーウェルで無いんだとおっしゃる方もおいででしょうが、そこはまあ。次回9月のカスターニョのディナーでは、正統的にセルバンテスの「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」などを話題にして一夕を過ごせたら面白いでしょうね。そのためには細部をすっかり忘れてしまっているので密かに再読をしておかないといけません。“スペインワインやるのにドン・キホーテは基本中の基本だよ”と日頃から社員に公言しており、事実何名かは葦編三絶の打ち込みようですからね。


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ワインとは関わり無いこと「青春歌謡グラフティ」

2008年06月29日 | Weblog
今日の湘南は雨、梅雨らしい天気です。先週は札幌、東京、広島、神戸、大阪と雨にあわずに過ごしたので、梅雨であることを一瞬失念しておりました。

さて、今回のヴァルフォルモサ・ウイークでワインとは関わりないことで、感じ入ったことが三つあります。一つ目は札幌の行き帰りのANAで聞いた「青春歌謡グラフティ」雨の特集でした。二つ目は東京のディナーパーティで話題としてでた「ドストエフスキー」。三つ目は、薄暮に散歩した「神戸北野の街の風情」です。今日から三日に渡ってこのことを書いてみたいと思います。

ANAの「青春歌謡グラフティー」6月は雨の特集で、“長崎は今日も雨だった”中ノ島ブルースの終点は長崎でしたかねえ。“雨のバラード”、これは湯原昌明のではなくザ・スイング・ウエストのやつでした。“雨がやんだら”朝丘雪路さんお若いときのヒット曲です。“雨の御堂筋”ベンチャーズ作曲でしたね。“雨の銀座”この頃はムード歌謡というカテゴリーが存在したんです。“悲しき雨音”これカスケーズのやつです。当時随分流行りました。“冷たい雨”荒井由実作詞作曲でハイファイセットが歌っているやつです。“雨やどり”半村良さんに同名の短編小説がありますが、さだまさしさんの楽曲です。“雨”ジリオラ・チンクエッティ、“雨にぬれても”BJトーマス、二曲とも私が高校時代の頃から雨特集には欠かせない曲でした。“雨の日と月曜日は”カーペンターズは日本では大変受けたグループです。“雨のステイション”荒井由実、結婚前のユーミンの曲が二つも入っているところが、オジサンの胸を打ちます。東京・千歳の往復の飛行の間に四回も繰り返して聴いてしまいました。

若いころ聴いた歌は一生引きずります。勉強もせず一日中ラジオとカセットを手放さなかったお陰で、偉い人間にはなれませんでしたが、少なくともこれから死ぬまでの間、退屈せずに過ごす事が出来そうです。



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ヴァルフォルモサ大阪

2008年06月28日 | Weblog
今朝は二宮の自宅の書斎でのんびりとしておりますが、昨日ヴァルフォルモサ・ウイーク最後の訪問地大阪でランチディナーを行い長い一週間が終わりました。

窓から川向こうの中ノ島公会堂が望めるエルポニエンテが会場でしたが、早めに到着して、マネジャーの市原さんと神戸の武内さんのところの料理がすごくよかったと話しましたら、今神戸ではエルラコーデン・タケウチがNO1だとの事で、道理でやけに美味かったはずです。

このランチにはジョナサンも香港からやってきて参加いたしましたが、陽気で何時も五月蝿い彼は、上司のいるところでは賃貸猫としてやけに大人しくしております。そのことを「今日はやけに静かじゃないか」とからかったら、この四週間ずっと上司と一緒で後二日でそれから開放されるんだと、うんざりした様子でした。三週間前の香港ヴィネスポの時にオリオールの親父とラファエルが一緒でしたから、おえらさんと一緒に随分気を使ってアジアのビジネストリップをしたんだと思います。1m90cmの大男が賃貸猫になっている姿はなんとも愛嬌と悲哀があっていいものです。

広島でも評価の高かったロゼが大阪でも評価されました。色が濃くたっぷりした味の大作りのロゼですが、スペイン国内でこのスタイルが好まれるとの事ですが、西日本でもどうやら受け入れられるスタイルのようです。

最後に食後酒を色々試し、薬草を添加したものや甘口のものも飲んでみましたが、正統的な辛口のオルーホがやっぱり一番良かったですね。強い食後酒のせいか、窓から中ノ島公会堂が朧に見えておりました。今回のヴァルフォルモサ・ウイークは、札幌の中ノ島公園で始まり、ここ大阪の中ノ島公園で終わりますが、さて、中ノ島ブルースでは、はたして終わりは何処だったかなあと、虚ろな頭で必死に考えておりました。



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ヴァルフォルモサ神戸

2008年06月27日 | Weblog
神戸のお取引先が繁華街にあり、ホテルもTOR ROADに位置し、目の前がステーキグリル青山、そのお隣あたりがスペイン料理のタケウチがあり、昼と夜に夫々用を足しました。神戸ビーフはオリオールが逢ったときから騒いでおり、昨年アナケナのアンドレスを神戸につれてきたとき同様で、海外までその名をとどろかせており、アグリのサプライヤーでこれを知らないものはおりません。ビールを飲ませ、マッサージをしていることが誰にも驚異的に感じるのでしょう。確かに日本的な余りにも日本的な飼育方法で、他の追随を許さない考え方です。

個人的には国産和牛のグレードの高い肉は脂肪分が多すぎて余り好ましいものではなく、こんな機会ぐらいにしかいただきませんが、赤身の旨味のあるところを炭焼きにしたものの方が良いですね。ちょうど質さえ良ければトロより赤身の鮪が好ましいのに似ています。はたしてトロより赤身が良くなったのは何時の頃からだったのでしょうか、加齢による内蔵機能の衰えと、味覚の経験が、味わいの繊細さを了解するのにることは間違いありません。ランチのセットメニューでいただいたため、割安になっていたのでしょう、肉のグレードがそう高くなく、脂質の含有率が低かったため、それほどギトギトにならずにいただくことが出来ました。オリオールはサーロインを選んだため、私のヒレより脂質が多かったと思いますが、とても美味そうに完食して、満足げにタバコをふかしておりました。

バルセロナは魚介類が豊富なところで、彼も繊細な舌を持っておりますが、それでも肉食の遺伝子の影響を強く持っていることは疑いようがなく、広島の夜に飲んだクロス・マセットの濃厚さは、この遺伝子のために用意されていると云っても良いようです。

エルラコーデン・タケウチのオーナーの武内さんはバルセロナで料理の修業をなさったかたで、カタロニア人のオリオールにとってはかなり好ましいディナーの選択であったことは間違いなく、武内さんの計らいでカタロニア語でのメニューが作られていたことも感激に値することであったようです。各地で皆さん温かく迎えていただき日本人であることを実に誇らしく思います。ここでもヴァルフォルモサを大いに飲みましたが、カスターニョのドミニオ・エスピナル赤を皆さんの肉料理に合わせました。この低価格の赤がもっている能力の高さは、驚くべきものであると再認識いたしました。

エルラコーデン・タケウチは一見バールのように見えましたが、その料理の質の高さに驚かされました。私はホワイト・アスパラガスとヌードルのパエリヤをいただきましたが、軽くて味わいが深くカバにうってつけの繊細な味わいでした。武内さん曰く、翌日の味噌汁とご飯の朝飯がきっちり取れるような料理を心がけている。翌朝を珈琲だけで済ますヨーロッパの人達とは異なる生活習慣を持った日本に、如何にスペイン料理をアジャストするかに心血を注いでおられる姿が眩しく感じられました。
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ヴァルフォルモサ広島

2008年06月26日 | Weblog
昨日まで使っておりましたヴァルファルモサは、品川から広島への新幹線でオリオールに正確な発音を問いましたところ、どっちでも良いんだけど“たいしたもんさ、ヴァルフォルモサ”のほうが正解に近いとの事で、本日から急にヴァルフォルモサと表記しております。

広島では宿を新幹線駅前のグランヴィアにとりましたが、車中広島の牡蠣は美味いだとか、それを広島の地酒でやると絶品だとか、同じ発音の柿ももみじ饅頭なんて俗なものに比べたら、天使の味がするだとか話しておりましたら、一同異様に腹が減り、チェックインするや否や和食の「瀬戸内」に飛び込み、魚づくしの膳と瑞心とか云う地酒を二本燗につけてもらい、昼食といたしました。駅前ホテルはこのように腹が減ったときには大変功を奏します。

核廃絶の賛同者として母国に帰っていただき、できればその悲惨さを伝えていただくため、広島へお連れした海外のサプラーヤーには平和記念資料館を一緒に見学してもらうことにしております。私自身はもう何度もここへ来ておりますが、ローティーンの女子学生や男子中学生が、勤労奉仕で市内に出てきて、被爆して亡くなっている資料や遺品、遺髪を見るのが辛いですね。被爆後最後の力を振り絞り自宅へ戻って亡くなっていたり、両親が探しに来て、うまく子供を見つけ、家に連れて帰ることが出来たものの亡くなっていたり、遺体が瓦礫の中から発見できれば良い方で、中身が炭化した弁当箱や、鞄などの遺品だけが戻ったケースも多く、これからという人達が馬鹿な大人に殺されたようなもので、私には特に痛ましく感じられます。

夜は一般のワイン愛好家30名のディナーで、何時ものようにブリュットナチュレ、ブリュット、セミセコ、ロゼに加えて、カベルネ・ソーヴィニョン100%のクロス・マセット2003をいただきました。この最後のワインは、この夜のディナーの共催者のKさんが二年前に予約輸入していただいて、ようやくこの春から飲めるようになった、ヴァルフォルモサのスティルワイン最高峰の赤です。2003年の特徴の煮えるようなまでの果実の濃縮、その濃縮液のかなり奥のほうに、タンニンと酸が隠れ、それがフィニッシュのところでようやく感じられるワインで、このフィニッシュで感じられるタンニンと酸が、アタックのところで感じられるようになると、完全な飲み頃ですが、この春からこのワインを売り出して、既に30本程人の胃の府に流し込まれた可能性が高く、残りは90本程のはずで、はたして完全な飲み頃になるまで在庫としてあるかどうかは怪しいものです。オリオールもこの2003は既に完売しており、昨夜のディナーでこのワインに遭遇し、飲む機会を得たことをやけに喜んでおり、想定したとおりにワインが発展しつつあることを誇らしげに語っておりました。
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ヴァルファルモサ東京

2008年06月25日 | Weblog
札幌からの帰り、やはり北海道は違うなあと思わせる出来事があり、とても印象的でした。午前中一件レストランを訪れ、ヴァルファルモサのご案内をさせていただき、鉄板焼きのレストランで、昼飯を喰ったのですが、セラーを見るとボルドーの1級などの高級ワインがあり、時間がないのについつい売込みをしてしまい、あわてて札幌駅へ着いたら二分後出発の電車に乗らなければ帰りのフライトに間に合いません。その旨駅員に言うと、切符など買ってる暇がないので、そのまま改札を通って電車に乗ってくれとのことで、改札を大きな荷物を抱えて突破し、ひーひー言いながら階段を登り電車に乗り込みました。指定車両の乗務員に尋ねたらとりあえず座っておいてくださいと、非常に鷹揚で優しい対応。新札幌でお客が乗ってくる可能性があるから、その後で乗車券と指定券を発売しますとのこと。本当に長閑で心の広さを感じ、北の大地のルールというのは人間に優しく出来ているんだなあと酷く感心いたしました。

昨夜は青山でプレスのかたとレストラン・サプライヤーのかたをお招きして、14人程でディナーパーティーをいたしました。オリオールの長広舌にもかかわらず、皆さんお話を傾聴いただき、やつはますます機嫌を良くし、最後まで様々な質問に答えておりました。

ワインの順番は、ブルットナチュレ、セミセコ、ブリュット、ロゼ、ブリュットナチュレ、食後種はJPマルシャンのフィーヌ・ド・ブルゴーニュでした。料理は家庭料理のようなスタイルで、こってりしたソースもなく米料理があったので実に胃に快調に食することが出来ました。皆さん結構満足してお帰りになったのではないかと思います。ワインを飲んで気分が良くならなかったら、肝臓を傷めるだけ馬鹿馬鹿しいですものね。

さて今日は、高輪のグランド・プリンス・ホテルをボツボツ出て、品川駅で新幹線に乗り広島に向けて出発いたします。
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ヴァルファルモサ札幌

2008年06月24日 | Weblog
札幌でヴァルファルモサウイークの幕が切って落とされました。羽田でオリオールをピックアップして、昼の札幌に着き、早々やつが好きな鮪のトロを空海にいただきにあがり、先ずは三年越しのアプローチでようやく取扱いを始めてくれた、ブリュットナチュレで乾杯し、トロ、海老、ホタテ、つぶ貝、ほっき貝、平目、蝦蛄、雲丹、鮭、烏賊と思いつくまま握ってもらい喰いまくりました。カバはいつの間にか終わり、男山の燗酒を終わってみれば三本空にしておりました。ちなみに札幌ではつぶ貝がなんと言っても出色です。

そのままホテルへ直行してシエスタと行きたいところではありましたが、気持ちを強く持って、ヴァルファルモサの取扱店のワインショップを二箇所と料飲店を一箇所回り、いよいよ札幌の夜を迎えました。

例の中之島ブルースで世間に知られている、中之島公園のパークホテル内”ピアレ“で軽いセミナーを行いながら、ここのソムリエールの I さんが練りに練った料理とワインの絡み合いで食事をいたしました。カヴァの順番は、セミセコ、ブリュット、ブリュットナチュレ、ロゼ、セミセコと円環構造の神話型になっており、セミセコのウエルカムドリンク、これは女性陣に受けましたね。女性にはやはり最初は甘く行かないといけませんようで。

ブリュットに変わり、料理は有機野菜のダッチオーブン焼き、桜鯛のカルパッチョ、根室の雲丹、これは北海道の魚野菜好きの私としては格別に好ましかったです。

次のブルットナチュレには、帆立貝と手長海老にコブミカンのブールブラン、このソースがなんともいえずミカンでして、柑橘の味わいをブリュットナチュレ2006の中に嗅ぎつけて合わせたところに面白さがありました。ちなみに I さんが大切に保管していた、旧ラベルの懐かしい2002年を開けて比較試飲いたしましたが、パンを焼いているときの酵母の香りや、ナッツなどの木質系の香りに熟成しておりました。良くぞこんなものを持っていたと感涙に咽び、持つべきものはオールドフレンドだなあと、北の地の旧友に感謝いたしました。こんなことを書くと I さん随分なお年寄りに思われるかも知れませんが、いまだうら若き女性ですので誤解のなきよう、ええ。

ロゼには函館男爵黒豚、真狩村のホワイトアスパラとリンゴが添えられておりましたが、北海道はやはり豚です。実に美味い豚でした。北海道というところ、素材が良すぎて料理が育たない欠陥がありますが、こんな大地の地味を直接感じさせるような豚肉を味わっておりますと、フライパンに油を引いて焼いただけで何の不足があるのだろうかと思うのが当たり前で、その先のことなんぞ考える必要を感じません。

I ソムリエールの発想の極みは最後のデザートにありました。マンゴのジェラードとヴァルファルモサのマリアージュとメニュウに謳ってありますが、グラスに入れられたマンゴ・ジェラードにセミセコを注いで完結する料理で、カヴァが持っている苦味がデザートの甘さを中和して、辛口専門の男を唸らせる一品でした。女性陣にも好評でしたが、中年小父様連が完食した姿が何よりもこの演出が当たったことを物語っておりました。
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札幌の鮪とフレンチ

2008年06月23日 | Weblog
今朝はこれから羽田へ向かいオリオールを掴まえて、札幌まで連れて行かないといけません。やつは鮪がやけに好きなので、札幌では美味い鮪を喰わせてやろうと、寿司屋の親方に特別お願いして昼にヴァルファルモサを飲みながら刺身が摘めるように手配をしておきました。夜はお客様をご招待して、フレンチにブルット・ナチュレ、ブルット、セミセコ、ロゼを合わせていただくことになっておりますが、シェフがすでにワインとの相性を見極めてメニューしていただいているので、こちらのほうも楽しみです。

以前から札幌のフレンチを皆さんにお勧めしておりますが、素材が良いために、ソースの量が少なく、いわゆるコンテンポラリー・キュイジーンが、この言葉が使われだす前から実践されていたところです。品質と価格を考慮した場合、札幌がフレンチでは世界一だと考えております。この最先端の札幌に、どのタイプのワインが合うのか、今後のフレンチがこの方向で進むとすれば、将来のワインの方向性を見極めるのに最重要の都市であることは間違いありません。

大間の鮪がもてはやされており、確かに秋口から冬の大間は最高品質最高値です。少し前までは札幌の鮪は大した事がありませんでした。大間はそのほとんどが築地へ送られてしまいますし、北海道側で水揚げされる津軽海峡の鮪もやはり高値がつく市場へ送られるのは市場原理というもの、しかしここの所札幌の鮪に変化が現れてきており、津軽海峡および近海のものが、直接札幌へ回ってきている場合があるようです。先回5月にいただいた鮪は実に大したものでした。今日の昼、果たして美味い鮪が喰えるかどうかは、オリオールが持っている運次第ですね。



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枇杷とカバ

2008年06月22日 | Weblog
この週末の湘南の天気はどうもいけません。それでも何時間か雨が上がってくれていると、多少の散歩ができるので、部屋で陰鬱に過ごす時間が少なくなり救われます。昨夕は雨がなかなか止みませんでしたが、それでも小降りのところを見計らい、裏山の公園へ枇杷の収穫に行きました。以前、子供たちとこの公園の枇杷の木から熟れた実を捥いでは食べたのですが、今回雨中の収穫に行ってみたところ、当時の数倍の大樹になっており、あれから随分と時が過ぎていることを思い知らされました。ここのところ昔のことを思い出しては懐かしむばかりですが、懐かしむ場所や事柄があるのは実に幸せなことだなあと思いますね。若いころ読んだ小説で、天涯孤独で楽しみも何もない老婆が一人寂しく生きているのですが、思い出があるから彼女は幸せだ、見たいなことを作者が書いている件がありました。今の私はその老婆の心境が実によくわかりますね。

剪定もされず、施肥もされずほぼ放置されている枇杷ですから、実は小さく傷があり、硬くて酸っぱいのですが、採りたての果物というのは実に美味いものです。果物でも野菜でもその本来の味を知るためには、採りたてをいきなり喰ってみるのが良いですね。

さて明日からは、ヴァルファルモサ・ウイークが始まります。札幌、東京、広島、神戸、大阪でセミナー、ディナーパーティー、試飲会を行いますが、社長のオリオールがもうすぐ羽田東急に到着するころです。せっかくこの季節にプロモーションをするのですから、捥ぎたての枇杷をチューリップグラスに入れ、そこにセミセコでも注いで飲んでみたらどうでしょうね、今ふっとそんな事を思いました。

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梅雨の盛り

2008年06月21日 | Weblog
今朝の湘南は雨でしたが、昼に向かい雨が上がり雲の向こうからの熱気が地上のまで貫いて蒸し暑い陽気となっております。梅雨時の一番嫌な陽気です。日陰の枇杷も完全に熟し、紫陽花、夏椿も盛りです。もうすぐ夏至を向かえますが、それを過ぎると日の暮れが早くなり、一抹の寂しさを感じますので、今が夏の盛りと考えても良いのかもしれません。

昨日名古屋からの帰り、帰宅拒否症の軽度なものを患っているのでしょうか、二宮の伊勢治書店に寄って本を眺めておりましたが、坂口安吾の「信長」を見かけ、時代小説も書いていたんだと少し驚き、すぐさま買い求めました。この人はミステリーの「不連続殺人事件」も書いていて、こちらのほうは世評も高く知っておりましたが、多才ですね。

さて家に帰ってすぐさまこれを読み始めるかといえばそんなことはなく、最近積読用に白川静「孔子伝」宮下規久朗「刺青とヌードの美術史」等々買い込んでおりますので、読み始めるのがいつになることやらまったく予想がつきません。昨夜は、帰りの新幹線で深い眠りについたため読めなかったデュマ「三銃士」下巻を、ベッドに持ち込み読んでおりましたが、いつの間にやら寝てしまい、雨だれに気がついて目覚めたら朝になっておりました。暁を覚えないのは夏ではなかったはずですが、春からずーっとこんな状態がつづいております。



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