キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

割烹の魚が

2009年02月28日 | Weblog
不景気のせいですかねえ、久し振りに名古屋本社の近所の割烹へ行って、刺身をいただきましたが、その古いこと。鰹があるとのことで、生かと聞いたら、敲きにしたとの返事、せっかく女将が薦めるのでいただいたら、これが喰える代物ではなく大失敗、本来の赤い身が灰色ぽくなっておりました。生が売れずに敲きにして、その敲きも売れずあのような体たらくとなったのでしょうが、迷わず売ることをあきらめて欲しいものです。〆鯖も漬きすぎており、喰えなくは無いものの美味くありませんでした。

この割烹料理屋昨年の夏までは結構珍しい新鮮な魚を出していたので、この半年での変わりように驚きました。見ればお客も疎らで活気に乏しく、女将の顔も心なしか引きつっておりました。名古屋を襲った不況の波がこんな片田舎の割烹料理屋まで巻き込んでしまったのでしょうか。

思えば今回の不況は自動車産業を襲い、トヨタはそれをまともに受けて息も絶え絶え、半年前までは史上最高の利益を記録し、わが世の春を謳歌していたのに。名古屋はそのトヨタの影響をもろに受け、今では盛り場の錦も閑古鳥が鳴いているとか、こんなとき錦へ出かけたらもてるでしょうねえ、うふふ。まあ、錦のことはともかく、近所で一万円以内という気軽な価格で美味い魚を喰えた店が無くなってしまったのは大いにショックです。養殖の冷凍を出しているお店は数あるものの、喰えたものではありませんし、一人身の名古屋では魚屋で肴を仕入れて捌いていただくわけにもゆきません。ホテルのある伏見は流石に中心地で実に良い寿司屋があるのですが、二万円を用意しないと安心して飲み食いできません。手頃な店が消えてゆくのを見るのは実に悲しいことです。

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春の貝

2009年02月27日 | Weblog
今日の名古屋は生憎の曇り空、どんよりとした陽気は冬に逆戻りの感じです。三寒四温と申しますが、物事の変化というのは見えないところから始まっていて、一気に変わるものでは無いと、徒然草にもありますように、春と冬の行ったり来たりを繰り返しております

先日二宮に海岸があればそこを歩きたかったのですが、生憎海岸が無いので大磯寄りの海岸を歩きました。しかしながら、本来あるべき海岸が無く隣の街まで出かけるのは馬鹿気た事です。一体何時になったら国土交通省は二宮に海岸を再生する手立てを打つのでしょうか。もともと海岸線に道路を造る事自体がいかんのです。景観は悪くなるし、植物、魚の生態系は変ってしまうし、子供の頃の二宮海岸とは大きく様変わりしておりました。さらに現在は砂浜が無くなり、波消しブロックが延々と海岸に積み上げられており、まったくひどいものです。車社会ですから仕方がないといえばそれまでですが。

しかし海岸を歩いておりますと、貝殻が波に打たれて丸くなったものが波打ち際の砂利に混ざって散見され、二年前まではこの時期手造りの金属製の貝取り用籠を盛んに投げている小父さんたちがいた事を思い出しました。ロープの先に籠をつけてハンマー投げの要領でなるべく遠くまで投げ、海底の砂利ごと貝を引っ張り上げる原始的なやり方ですが、あれは身体にとても良かったらしく、中高年の間でとても流行しておりました。

さて、魚屋に暮れから出ている千葉の青柳が、この時期になると大分大きくなって、味わいもしっかりとしてきます。茹でた甘い葱と一緒に酢味噌なんぞでいただくと美味しいですね。これから蜆が旬を迎え、やがて浅利がそれに続き、春の貝の全盛を迎えます。貝の旨味成分はアデニル酸であると言われますが、酒に含まれる旨味成分であるコハク酸も含まれており、それゆえ貝料理には酒がめっぽう合い、ほとんどワインの出番が見当たらないのが残念です。特に雛祭りに付き物の蛤にはコハク酸が多く含まれており、ぬる燗といただく潮汁は格別です。


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ジャケ売り

2009年02月26日 | Weblog
本日は朝小田原から名古屋へやって来ましたが、新幹線で浜松あたりからお日様が出て、名古屋も割りと良いお天気です。多分横浜は曇って寒いでしょうから、得したなあととても良い気分でおります。最近余り良い事が無かったので、せめてお天気でも愛でないと愛でるものがありません。

今日はジャケ売りについてですが、聴きなれない言葉です。私も先日のテレヴィで初めて聞きました。以前から各文庫の活字が大きくなり、とても読みやすく歓迎している旨を再三書いてきましたが、このテレヴィの特集で出ていた新潮文庫の担当者の言では、私の読みどおり当初は高年齢者の読者の開拓を狙っていたようですが、結果は若い人から読みやすいと支持されて、その層の読者の開拓にも大いに貢献したようです。角川文庫を書店で眺めておりますと、奇抜な表紙に遭遇したりしますが、関内の書店を何時も一緒に徘徊している読書仲間の佐和さんなどは“気持ち悪りい”などと仰って嫌っておりましたが、あにはからんやこの表紙で売上を8倍に伸ばしたタイトルもあるそうです。この“気持ち悪りい”ジャケットを駆使して販売増を狙うやり方を称してジャケ売りと言うのです。人気イラストレーターのイラストや人気俳優のポートレイトが表紙になっていて、私にはそう気持ち悪くも感じられませんが、若い人たちにとっては、表紙への興味が機縁となって内容に到達するわけですから、可也良い試みだと思います。

そういえば昨年夏、藤沢の有隣堂で伊藤左千夫の「野菊の墓」を買い求めましたが、表紙とグラビアページに可愛いおねえちゃんの写真と写真集が付いていましたっけ。あれは確かにおねえちゃんに釣られて買い求めました。また、巨乳のおねえさんの胸の谷間が写ってたり、弁天様の刺青の背中なんかが表紙にあると手に取らないまでもちらっと視線を注ぎますものね、そこからお買い求めまでの距離は近いですから、若い人だけでなくおじさんにも確かな効果があります。

週刊誌や写真集では常識的なジャケ売りが文庫本の世界に押し寄せてきたようです。ジャンルによっては常識的な手法が、隣のジャンルでは行われていない事って多いですよね。ワインの売り方も、100年前から変らぬ考えに縛られていないで、どこか成功しているジャンルの手法を取り入れてみなくてはいけません。何せ100年一日の如く、香りがどうの味わいがどうのといっているこちらが飽き飽きしてますもんね。

昨日関内の芳林堂で書籍を何時もの如く眺めていたら、角川が寺山修司を売り出すのに新しいジャケットを使っておりました。まさしくジャケ売りですね。良い物を出せば売れるという自己満足の時代は終わり、良いものを如何に売り出すかに腐心しなければいけない時代になっております。若い人達がこれを契機に寺山修司を読むようになったら、こんないいこと無いですね。ジャケ売り大いに賛成です。
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春にロゼ

2009年02月25日 | Weblog
本日の横浜は昨日に引き続いての春雨。何か色っぽい椿事でも起きそうな雰囲気はありありですが、濡れて行こうてな事には今のところなっておりません。

昨日、伊勢佐木町の行きつけの菓子屋「みのや本店」へ切り山椒を買い求めに寄りましたら、雛祭り用のお菓子が大量に並んでおりまして、ゼリーの菱餅、練り物の桃が余りにも可愛くてつい手を出してしまいました。これは娘が小さかった頃、その喜ぶ顔が観たいばかりに見境無くこういったものを買い求めた癖の名残でして、既に大きくなった娘にこういったものを買って帰ったとしても往事の喜びようは期待できません。しかしながら、このようなピンクや黄色などの華やいだ色の菓子を眺めていると心も華やぎ中々良いものです。

春は心うきうきさせる季節ですが、ワインでいえばロゼが季節にいちばん合っているような気がします。雛祭りにあわせ、どうにかしてロゼを売ろうと随分以前から考えておりましたが、まだ実利を得ておりません。ヨーロッパではヴァカンスとロゼが結びついて、夏に冷やして飲むワインとしてのイメージが定着していますが、日本ではその夏の湿度が高すぎてワインを飲む気になれません。やはり飲むならビールという事になり、そのアルコール度数の低さ、炭酸と苦味の爽やかさが日本の夏を捕えております。

ヨーロッパの実情を真似てステレオタイプにヴァカンスのワインとして売り込む事は諦め、雛祭り、桜の花見のイメージとロゼを強引に結びつけえれば、ムードに左右される人種である日本人を巧く捕らえる事が出来そうです。雛祭りの場合は子供にアルコールを飲ませるわけには行きませんから、やはりそのご両親祖父母という事になり、味わいは大人向けであるべきです。桜の花見のターゲットは大人男女、花見の宴で一番の問題は地面からの寒さが厳しいことです。我が身を省みても、冷たい酒より燗酒がいただきたくなるところではないでしょうか。そうなりますと、少なくとも冷やさないで美味しいロゼが要望されるわけです。

見えてきましたねえ、春のロゼの姿が。外見はあくまで華やか、味わいは大人向けにドライであるべき、比較的高い温度で美味しいコクのあるタイプ。


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ソーヴィニョン・ブラン

2009年02月24日 | Weblog
昨日都内でブルゴーニュの試飲会があり、30社以上のメーカーが参加しておりました。私としては日本に輸入代理店の無いメーカーのものにしか興味ありませんから、その中の幾つかのメーカーを試飲して廻りましたが、ひじょうに印象に残ったワインの一つは、ドメーヌ・ソリン・ド・フランスが造るソーヴィニョン・ドゥ・サン・ブリでした。ブルーゴーニュでソービニョン・ブランが飲めるというのが珍しい上に、ワインは香り豊かで味わいに奥行きと襞があり、何しろ酸が素晴らしく鮮やかで美味いなあと思いました。ドメーヌはオクセールの近くといってましたから、同市に床屋と薬屋の愛人を持つオリビエ・トリコン君のことを直に思い浮かべ、同時に石灰岩を含んだ土壌からワインに風味と奥行きが生まれ、冷涼な気候から鮮やかな酸が生まれることを類推いたしました。

昨夜、ソーヴィニョン・ブランつながりで、サンセール・クロ・ド・ショドネイ2006を賞味いたしました。取り扱いを始めてもう15年くらいになるでしょうか、この小さなクロのサンセールは味わいが七変化する事で大変気に入っておりますが、昨夜は寒く三変化くらいしか楽しめなかったものの、昼のサン・ブリに較べて柔らかくまた異なった美味さを堪能出来ました。廉くて美味しいワインを求めるのは人情ですが、それでもたまには財布が軽くなる事を恐れず気に入ったワインを飲んでみるのも悪くないものです。
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冬の終わりの海豚

2009年02月23日 | Weblog
横浜は雨、私にとっては久し振りの雨ですが、横浜を留守にする事が多いので居ない間に降っているのかも知れません。しかしながら陽気は暖かく、氷雨ではなく春雨が似つかわしい雨です。イタリアで風邪をこじらせてから、喉の具合がずっと悪く、このお湿りが一気に具合を好転させてくれるとありがたいですね。

冬が終わりかけようとしているこの週末、冬の味覚の海豚がこの冬初めて近所のスーパーマーケットに出ておりましたので、すかさず買い求め調理をいたし賞味いたしました。赤身の肉、脂身、皮の三つのパートに分かれますが、何れも一口サイズに切り、まずは酒と水で強火で煮て、これほどでるのかというあくを綺麗に掬います。何の料理でも一緒ですが、素材から出るあくを綺麗に掬いきる事が一番肝要です。次に生姜のかけらを放り込み、酒を足して中火でよく煮込みます。肉が好みの硬さになるまで煮込み、砂糖を好みで加え煮含ませます。甘味が入った頃を見計らい醤油、好みで味噌を加え煮込みます。最後に味醂を加え照りを出して完成ですが、肉を取り出し、煮汁を煮詰めて肉にふり掛けても良いですし、そのまま器に煮汁と共に漬け込んでも良く、お好み次第です。粗熱が取れた頃出来立てを賞味し、良く冷やしてから肉が締まったところを賞味して、夫々の美味さを楽しむ事が出来ます。

海豚を食した事のない人にその美味さを吹聴すると、どんな味がするのかと良く聞かれますが、獣の味と答えますと、もっと具体的にといわれ、トドの味に似てると答えるのですが、トドを食べた方もとても限られるため、海豚そのものに当たっていただくしかありません。近い将来食べられなくなる可能性がある食材です。調理法は詳細してありますので、海豚を見かけたらお買い求めいただき、賞味される事をお薦めいたします。
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バローロ

2009年02月22日 | Weblog
今日の湘南は朝から快晴、昨日に続き穏やかな春の日です。好天につられて昨日は近所を散策いたしましたが、陽だまりの梅は終わり、日陰の梅が盛りとなっておりました。沈丁花の良い香りが盛期となっており、梅の香とともに楽しい春の香りですね。名前のごとく椿も盛期を迎えており、様々な品種の花が目を楽しませてくれます。また、ミモザが盛期を迎え、鮮やかな黄色を誇っております。南仏やトスカーナで眺めたミモザを思い出しましたが、此花は湘南の強い春の日差しにも良く似合います。さて、今日はピエモンテのブドウ品種の最高峰であるネッビオーロについてです。

バローロというものは良く分かりませんが、先回ベッペに連れられて行ったバローロのメーカー、カシーナ・アデレイドでの試飲およびその後の会食、先日横浜の事務所に来たバローロの造り手であるブオン・パドレのクラウディオ君の話を総合してみると、僅かではありますが見えてくる部分があります。あの丘が連なった土地は地形だけでなく土壌も錯綜していて、小さなパーセルで性質が変わり、同じネッビオーロからタイプの違うワインができるようです。また、このネッビオーロという品種もかなり難しい品種のようで、限られた土地でしか品種特性が発揮されないようです。

カシーナ・アデレイドのものしか飲んでおりませんが、ベッペの話を参考にしてその特徴を纏めて見ますと、このバローロというワインあるいはネッビオーロという品種は、時間が経つと劇的に変るタイプのワインで、若い頃は酸とタンニンが表に出て、深みや複雑さが内向しているように思われます。ひとたび開きだすとバラけたワインになりやすいので、若い頃はかなり節度を持ったワインであるべきで、開いたときに全開とならずに、内側を向いた花弁が香りを含み、味わいの多層性を持つ事が良いバローロであるような気がいたしました。強さが衰えるときとその風味が最高潮に達するときの時間はクロスするべきで、そこのところのタイミングを調整する事が重要な造りの要素になると思われ、造り手の腕が問われるような気がいたします。

何れにしろこのワインは収穫年から最低でも3,4年、もう少し辛抱が出来る人であれば5,6年という時間が必要であり、バローロの造り手は造り手としてそのことを忠実に守っており、他のワイン生産地域のような消費者の“待てない”というニーズを考慮する事が少ないように感じますし、それが消費者に対する誠意と考えてもいるようです。しからばこのワインをもう少し知るには最低でも3,4年、さらに辛抱できれば5,6年という年月が必要になるのは止むを得ない事で、じっくり腰を据えて付き合う事にいたしましょう。

ベッペはカシーナ・アデレイドのバローロを心から楽しんだようで、セラーでの試飲では畑名付きのバローロを次々出されたにもかかわらず、最初から最後まで2004年のバローロを言葉すくなに味わい続け、俺はこれで充分だと悦楽の表情を浮かべておりました。自分でもネッビオーロを造っているにもかかわらず、俺は実に楽しんで満足したとわざわざ話すくらいですから、やはり彼の地においてもバローロというものは特別なワインであり、心静かにゆっくりと味わうべきもののようです。
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モスカート・ダスティー

2009年02月21日 | Weblog
今日の湘南は気持ちよく晴れた春の好日ですが、北海道は春の嵐で荒れているようです。今日のような天気図はこの時期ままあり、私も札幌出張の折時々これに遭遇し不便をこうむります。季節が冬から春に変わるときには避けられない現象ですが、大きな事故が起こらないことを祈ります。さて、昨日まではプーリアのブドウ品種について書きましたが今日明日とピエモンテのブドウ品種について書いてみます。

アスティーの街にはモスカートを造っているカンティーナがたくさんあります。甘くてアルコール度数が低いこのワインは、地元でよりも国外で好まれているようで、この当りのほとんどのメーカーが取り扱っているようですが、専門の造り手となるとそうは多くないようです。数年前から良いモスカート・ダスティーを捜しており、機会があるたびに試飲を重ねてきたのですが、新たなものを飲むたびにどれが良いのかわからなくなっておりました。それでも昨年四月ヴィニタリーのベッペのブースで飲んだ彼の友人のモスカート・ダスティーは格別の味わいで、あのクラスのものがまだまだ色々存在するのではないかと思い、ベッペに彼の眼鏡にかなったメーカーとのアポを頼んでおいたところ、三社を選んでおいてくれました。しかし驚いた事にベッペが選んだ三社の中に彼の友達は入っておらず、より高い品質を求めてモスカート・ダスティー専門メーカーを選んでおいてくれたようでした。実際訪ねて試飲したところ、三社が三社とも素敵なモスカートを造っており“その土地のことはその土地のやつに聞け”がここでも証明されました。プーリアでも地元のソムリエのアントニオとミケーレが広い地域にも関わらず、ほとんどのプーリアワインを知っていて、詳しくその特徴と優れた造り手を教えてくれました。

産地と生産者を実際に回ってみることはそこのワインを理解するのにとても重要ですね。モスカートという品種は、標高の高いところのもののほうが、多くの酸が得られるので、デリケートで切れの良いワインになる事がおぼろげに分ってきました。雪の中を標高500メートルまで登り、そこにあったデジオルジスというメーカーのシングルヴィンヤードを飲んでみたら、他では感じる事が無かったシャープな鮮烈さが見事で、その繊細さは出来の良いフルーティーなスタイルのモスカートを完全に凌駕し、これを選ぶしかないという説得力を持っておりました。

確かに価格はかなり高いのですが、これほどはっきりとその品質の差を知らされると、このワインに決めるというのではなく、導かれるという感じがいたしました。このワインは必ず日本でもファンが付くでしょうから、販売の努力などという必要は無く、自然に売れてゆくなんて事になりそうです。

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ネロ・ディ・トロイア

2009年02月20日 | Weblog
本日は名古屋におりますが、生憎の雨です。横浜も雨かもしれませんので、名古屋に居て損したということではありませんが、眺めるにはいいものの歩くには不都合なものです。

昨日のオッタビアネーロという名前もかわっておりましたが、昨年4月にヴィニタリーに行ったときにプーリアのブースで初めて聞いた品種の名称で、ネロ・ディ・トロイアという歴史の香りを感じさせるのもありました。これはソムリエのアント二オ君の個人講義をプーリアワインが揃ったバーの前で30分ほど受けた折、押さえて置くべきワイン品種、プリミティーヴォ、ネグロアマーロと共に教わったものです。

このネロ・ディ・トロイアのプーリア№1ワインは、カステル・デル・モンテのマルモ・マリアが造る“ヴァンダーロ”であると、そいつを試飲させてくれました。さらに、親切な彼はわざわざ我々をマルモ・マリアのブースまで連れて行ってくれ紹介してくれました。今回のワークショップでも彼らはブースを持っていて、あなた方はアントニオに連れられて来たね、とヴィニタリーでの事をよく憶えていて、旧知の友達の如く歓迎してくれました。前回は日本向けに既に出荷していて出せないとのことでしたが、あれから大分経っているし大した量でもなかったから今回は出しても良いよとのことで、それならばと少しいただくことにいたしました。個人的に良いなと思うのは、アントニオ君の一押しの“ヴァンダーロ”ではなくロザートで、序に言わせてもらえばヴァージンオリーブオイルが抜群です。

“ヴァンダーロ”はすごく濃縮されたワインで、私には強すぎます。但しこれを飲んで感動する若い方が多くおられるはずで、当然これも輸入いたしますが、この下のランクのワインもお薦めです。ロゼと白、オリーブオイルも纏めて輸入いたしますので、桜の花が散る頃には皆さんにお楽しみいただける事になるでしょう。


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オッタビアネーロ

2009年02月19日 | Weblog
旅の神様かと思われるようなひょうきんな名前ですが、これはワインの品種の名称です。先日のプーリアでのワークショップで、彼の地のソムリエであるアントニオとミケーレがやけに進めてくれたワインの一つで、風采の上がらないラベルと味わいにやけに感銘を受けました。ワークショップが終わりホテルに帰ってロビーで休んでいたら、オーガナイザーのおねえさんがメーカーの人があなたにといって、見覚えのある風采の上がらないボトルを届けてくれました。日本までスーツケースを壊されながらも、ビンは壊される事無く持ち帰り、先日社内で試飲をいたしました。

プーリアで試飲したときにはやけに濃い味わいに思いましたが、日本で落ち着いて飲んでみますと、梅酒のような風味があり、味わいにも甘さと軽さがあって印象が大分違うもんだなあと感じました。あの日は20人くらいの方と会って忙しく商談をしたので、メーカーの方にこのワインの製法を詳しく聞いておりませんが、多分葡萄を干してから醸造しているのではないかと思われます。ふと、甘くて苦い猪の生肝と合わせたら美味いだろうなあと感じました。甘さの要素で合うかと思った手元にあったヴァレンタインの残りのチョコレートとは合いませんでした。

メーカーの方の説明では、オッタビアネーロというのはフランスのサンソーと同じか近縁であるとのことでしたが、フランスのサンソーからは類推し得ない味わいで、今までに飲んだ事が無い味といっても良く、こういったものは直に日本に輸入して、訳知り顔のワイン仲間に自慢しないといけないと思いましたね。


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