キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

風鈴

2009年07月31日 | Weblog
花火とくれば、つぎは風鈴ですね。数年前に日本橋三越で江戸風鈴の職人としてはもう一人しかいないとの触れ込みで販売されていた、手造りの江戸風鈴をその職人の娘さんから購入いたしました。浅草かどこかそこら辺りに工房があるとのことで、期間限定で三越の中に店を広げていたようです。気をつけていると、その後色々なところでこの風鈴を見ました。靖国神社の庭にある池に風鈴が随分と吊るしてあって涼を競っておりましたが、その風鈴は私が持っているのと色ガラともに一緒でした。手作りにしては随分と出回っているなあと思いましたが、一日ガラスを吹けば100個や200個出来てしまうわけで、一年中やっていれば、手作りとはいえ3000個やそこら軽いものかもしれません。

今年も軒下に吊るし、改めてその風鈴の音を聴いて見ますと、随分と低い音で、金属製の風鈴と較べると2オクターブくらい低いような気がいたします。夏のものはストローハットにしろ、扇子にしろ汗で汚れやすく、秋口には処分をして翌夏にまた新しいのを買い求めるもんですが、さすがにガラス製のこの江戸風鈴は秋風が吹く頃仕舞いこみ、初夏になると埃を払って軒下に吊るし、一夏で処分をする事はありませんから、帽子や扇子に比べると夏限定とはいえ安い買い物でした。

廊下の椅子で夕涼みをしながらブランデーソーダを飲むのが今年の週末の楽しみになっておりますが、このグラスの中でカラカラとなる氷と、江戸風鈴の音は似ておりまして、氷と風鈴の二重奏は実になんとも涼しげであり、かつ楽しげであります。

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花火

2009年07月30日 | Weblog
二宮の海岸が台風で消滅してからというもの、花火を生で観ることがなくなりました。もうこれで3年になるでしょうか、25日には大磯で中村あゆみのコンサートと花火大会が開催されましたが、オールスター第二戦とかぶさっており、おじさんとしては矢張りブランデーソーダを片手にテレヴィ観戦と相成ってしまう訳です。海岸が無くても花火は沖合いの船から上げるので一向に問題は無いのですが、矢張りほとんどの観客が海岸に寝転んで見上げる訳でして、上げるほうに張り合いがないというのが開催されない理由なのかも知れません。

以前は二階にある私の書斎から良く観えて、花火が始まる前から、肴、氷、グラスなどを小まめに二階に運び、グラスにかざして花火を観たりしておりました。それが出来なくなって、とても贅沢な時間であった事を実感しております。
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(E,Z)―2,4-ヘプタジエナール

2009年07月29日 | Weblog
ワインは刺身鮨に合わないと事あるたびに言っておりますが、昨年メルシャンからその科学的裏づけがなされております。こういったデータを海外のワインメーカーは見ているのかと思うようなオファーが相変わらず来ており、先日も“うちの白ワインは、日本食の刺身や鮨にぴったりで、ぜひともお取り扱いを願いたい”との手紙を受け取りました。こういったことを書いてくるメーカーは、勉強不足であり、パートナーとしては不適格なので、取り扱いをしないことにしております。

ワインと魚介類を合わせたときに感じる生臭さは、(E,Z)―2,4-ヘプタジエナールという物質がその臭いの元で、ワインに含まれる鉄分が魚介類に含まれる脂質の酸化を促し、この物質を発生させております。したがって鉄分の含有量の少ないワインは他の味の要素の相性を考慮する必要はあるものの、(E,Z)―2,4-ヘプタジエナールの発生が妨げられ、あの嫌な生臭さを感じないですむ事になります。

国産ワインには鉄分が少ないアドヴァンテージがあるとのことですが、数年前から甲州と和食を合わせるキャンペーンが張られていたのは、実に理にかなった組み合わせであったわけです。甲州をアロマティックな造りにすると香りが邪魔して生魚に合いませんが、昔の甲州の造りだとベストマッチなような気がします。ワインを単独で楽しむのか、料理に合わせて楽しむのかによって目指すスタイルが変るような気がいたします。

ところで疑問なのですが、先回の試飲会の四回のディナーパーティーで、ベストマリアージュに輝いた、ブレッサンのスキオペッティーノとミミ烏賊墨のリゾットですが、これはまさに鉄分の多いワインと魚介類の組み合わせ、(E,Z)―2,4-ヘプタジエナールの発生は多量であった事と思いますが、実に美味しくいただけました。香水の調香師のかたは悪臭も組み合わせによって芳しき香りに変る事を熟知しておられますが、奥行きや厚みのある素晴らしい香りには、悪臭が必要となってくる事が、マリアージュを複雑怪奇なものにしているようです。

我がイナリヤト食文研のワインとビールはこちらからご覧になれます

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トマトについて

2009年07月28日 | Weblog
トマト業界の常識として、生食用トマトはピンクでなければならない、ヘタが付いていなければならないという、一般人から見たら変な常識があります。真っ赤なトマトは生食用にほとんど抵抗無く受け入れられているように見受けられます。例えばレッド系のミニトマトなど甘味といい味わいの深さといい、へたなピンク系トマトよりずっと美味しいと思います。へたについては慣れの問題だと思いますが、私の場合、鮮度を見る目安となっておりますので、無いと少し困ります。しかし、レッド系トマトは保存性に優れているので、鮮度がそれほど問題にならないのかもしれません。へた無しトマトが一般化すると、収穫に関わる手間が激減しますし、流通にも利便性が高くなると思われ、コストが低く抑えられます。

高級メロンにはツルがついておりますが、廉いメロンにはついておりません。そんな事がトマトのへたにも影響して、へた付き高級、へた無し低級というイメージがあるのかも知れません。スイカのように高額品が無い場合は、全てつる無しで売られております。

トマトを使ったお酒で直ぐに思い浮かぶのがブラディーマリーです。ウォッカと混ぜて、好みでウースターソース、黒胡椒、塩、タバスコ、セロリー、レモンなどで味付けをしいただきます。ウォッカの代わりにジンを使うと、ブラディーサム、アクアビットだとデニッシュマリー、テキーラだとまったく変わってストローハットになります。吉行淳之介さんが銀座を徘徊していた頃飲んでいらしたのが、ビールで割るレッドアイ、レモンを少し加えると味が引き立ちます。これにウォッカを入れると、レッドバードになります。

さてトマトジュースを使った一番簡単なカクテルとなると、グラスに氷を入れてトマトジュースを注いでステアするだけ、ヴァージンマリーの出来上がりです。
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ソーヴィニョンソーダ

2009年07月27日 | Weblog
金曜日にボルドーからサプライヤーの方がご夫婦で横浜オフィスにお見えになりました。旦那様の方は今年一月に開催した「横浜ワインコレクション2009冬の試飲会」に参加いただき、実に楽しく過ごされたそうです。特に最後の那覇の夜、打ち上げで参加メンバー全員でカラオケで歌ったこと、生憎私は沖縄のオーガナイザーの方と取引先回りをするため中座し最高潮のところをご一緒できませんでしたが、翌日昼に牧志の公設市場を見学し、上の食堂でてびちなどを肴に泡盛で迎い酒、みんなでわいわいそーきそばなどを喰いながらお昼をした事が忘れられないと仰っておりました。庶民が集う廉くて汚い食堂でしたが、そういったところはエヨランゼには中々入りにくいもので、お気に召したようです。

ソーヴィニヨン・ブランのアロマ豊かなトゥティヤックというボルドー・ブランと、サミュエル・シャンプランという二年ほど前に新しく認証されたVDPアトランティックのシャルドネとカベルネ・ソーヴィニョンを取り扱っております。特に白ワインの品質が優れていると思います。

今の時期このスタイルの白ワインをきりっと冷やしてアペリティフに一杯いただくというのは、素敵な飲み方だと思うのですが、まだまだ世間に浸透していないようで、もう少しアピールしないといけません。しかしこのソーヴォニョンブランに炭酸を入れて飲んでみたらどうでしょうかね。アリゴテにカシスを入れて飲むキールがOKならばこれなんか全然問題無さそうに思うのですが、名前が無いのが問題なのかもしれません。それなら安易ではありますが、単純にソーヴィニョンソーダなんか如何なもんでしょう。リースリングソーダ、カベルネソーダなんかも語呂が良く、結構飲めそうに思われますが。
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ミント

2009年07月26日 | Weblog
先日、近所を散歩しておりましたら、六所神社の裏の公園にミントが群生しているのを発見いたしました。すかさず新芽と思しき部分をハーブティーにするのに十分なだけ摘み取り、リュックに入れて持ち帰りました。家に帰ってから見ると緑が瑞々しく、熱湯をかけて飲んでしまうには忍びない美しさ、グラスに挿して姿を楽しむ事にいたしました。そのまま置いておくと、やがて根が出てきて繁茂するほど強い生命力を持つ元は雑草、将来が期待できるわけです。

そして一週間、一向に根が出てきません。こんなことならあの時お茶にして飲んじゃえば良かったとも思いましたが、今からモヒートにして飲んでも良いわけで、焦る事はないと思い返し、もう少し様子を見ることにいたしました。さて二週間目に入るとひげ根が無数に出ているのが観察され、庭に移して植えることにいたしました。二週間もたてばぼっさぼさになって10杯分のモヒートが出来るのではないかと大いに期待しております。

ところが昨日六所神社を散歩しておりまして、くだんのミントを見ると花が咲いております。ミントは短日植物であることが改めて認識され、挿し芽をした我が家のミントも成長点が花芽分化しだしたらモヒートどころではありません。しかし、挿し芽の場合は栄養成長を優先するホルモンが分泌され、当方に都合よく推移するかもしれません。また経過を観察することになりそうです。

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冷夏の予想

2009年07月25日 | Weblog
梅雨のぶり返しでしょうか、やけに雨が続きます。太陽がギラギラするのもイヤですが、蒸し暑いのもたまりません。こんなはっきりしない季節にはさっぱりとしたものが好ましく、相変わらずブランデーソーダや手に入る柑橘類を搾って焼酎ソーダを飲んでいます。

カヴァなんかも良さそうなのですが、一杯目は実に美味いのですが、杯を進めて行くうちにだるくなってくるのが欠点です。それでも我慢して美味いと言って飲み続けるのがワイン業者なんでしょうが、私共ではタリケのアルマニャック、ジャン・フィリップ・マルシャンのマール・ド・ブルゴーニュやフィーヌ・ド・ブルゴーニュも取り扱っておりますので、秋から冬はストレートで夜長の無聊を慰めるとしても、夏には氷とソーダ水で爽やかにやりたいものです。

実際はこの三点とも高価でもあり、造り手が時間を掛けて愛情を込めた製品なので、氷とソーダをぶち込んで飲むわけにも行かず、安物のブランデー、ジン、甲類焼酎を買って飲んでいるわけですが、詰まらない言い訳をせず、時と場所にあったアルコールを飲む事がひいてはワインの売上にもつながってゆく訳で、ひたすら飲酒をする事が理にかなったワイン道というものです。まあ、そういったものがあると想定しての話ですがね。

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本屋とバー

2009年07月24日 | Weblog
昨年松坂屋伊勢佐木町店が閉店となり、伊勢佐木町が随分と寂しくなりましたが、今度は有隣堂文具館が閉鎖し、書籍館の地下一階に併合になります。松坂屋が休みの日には来店客数が激減し、若し閉店になったら立ち行かなくなって仕舞うのではとの心配が現実になりました。商店街というのは連なって街を形成しているところに魅力と吸引力があるので、一つ欠けるとそれだけ魅力が減じてしまうものです。シャッター通りは侘しさを感じるには良いですが、華やかさとは縁遠いものです。

有隣堂本丸の伊勢佐木町店は撤退戦を余儀なくされておりますが、少し明るい話題として出城に当たる藤沢店の拡張があります。ここは駅そばの古いビルの中に店を構えているのですが、増床してリニューアルしたそうです。私は残念ながら見ておりませんが、ご覧になったかたが気分が晴れたと仰ってました。

藤沢駅には、昔からやっている五人座ると一杯になってしまうすごく小さなバーがあり、有隣堂で気に入った本を入手し、そこで乾杯をして帰った事が思い出されます。この時期は美味い生ビールを飲ませてくれます。ビール一杯だけ、さっと飲んで汗にならないうちに東海道線に乗って家に帰っちゃう。そんな飲み方を粋としておりますが、中々そうならないんですね現実は。


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夕涼み

2009年07月23日 | Weblog
昨日は名古屋に居たために日食を見る事が出来ませんでした。横浜では僅かに見えたらしいのですが、余り興味が無かったので大きな失望はありませんでした。夜、テレヴィのニュースで観ると、皆さん随分嬉しそうに観測をなさっていて、取り組み方によっては楽しめるんだなあと、惜しいことをしたかもしれないと思ったりしておりました。

夏の楽しみに夕涼みがありますが、一風呂浴びてさっぱりとし、出来れば浴衣などを着て廊下の椅子に座り、日が翳るのが早くなった庭を眺めながらコニャックソーダを一杯やるのは中々良いものです。しかし、余りにも気分が良いのでついつい杯がすすみ、全身汗だくとなって、果ては眼鏡が曇り、庭がぼんやりと見えてくるようでは、夕涼みに仇を取られた感じです。

今年はサントリーのおかげでウイスキーソーダが大流行り、どこの店でも炭酸水が買えるようになり便利になりました。昨年一昨年とモヒートの研究で炭酸を買いあさりましたが、売っている店が限られていて不便をしました。今年は不況のせいも手伝って、皆さん家庭で氷に角を注いで、炭酸水で割る作業を行い、奥様の顔を見ながらの晩酌となっているケースが多いそうです。ウイスキー復活は、炭酸水の手を借りました。サントリーの企画室には現実を冷静に見つめる優れたプランナーがいらしたようです。焼酎もレモンやグレープフルーツなどを炭酸で割ったものが大流行、要は今年のウイスキーブームは、ウイスキーを売ったわけではなく炭酸を売ったわけです。おかげで他のビールメーカーも炭酸の売上が伸びてウハウハしているらしいです。

もっともワイン業界を振り返ってみても、ここ数年泡物の売上は好調でした。日本人は泡物が好きなのでしょうか、ビールも日本に入ってから瞬く間にアルコールの王者に君臨してしまいましたしね。ここの所まったく売れなくなってしまったコニャックやアルマニャックを復活させるには、炭酸を使えばすんなりと行くのかもしれません。

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糠味噌漬け

2009年07月22日 | Weblog
今年は初夏から糠床を作って糠味噌漬けの研究をしております。まあ、私自身が胡瓜の糠漬が異様に好きなこともあるのですが、名古屋にあるプリュスという小売店で、漬物が割りと売れていて、どうにか漬物で売上を劇的に伸ばせないかと考えてもいるのです。現在は、国内のメーカーから仕入れていて販売しているので独自性がありません。

社員の女性で天才的に漬物が上手な方がいて、大根の甘酢漬けが抜群に美味いのですが、その方に手造りの漬物を店で販売したら面白いなあと思っております。私自身、好きなものはかなりの所まで突き詰められるのではないかと思いがあり、糠床を引っ掻き回している毎日です。

糠床の塩分量は9%~13%迄諸説ありますが、野菜を漬けて味わっているうちに自ずと経験則で確定してくるもので、実際の私の糠床の濃度は分かりません。しかし、日々変動はあるにしろ、この範囲内なのでしょう。また好ましい菌である乳酸菌が好気性菌であることから、毎日糠床を底から混ぜて空気に触れさせる事が肝要であるといわれており、私もそのようにしておりますが、かき混ぜてはいけないとの説もあるようです。

旨味成分は、昆布、椎茸、煮干、鮭のあら、鰹節、大豆などを糠に入れて、漬物に吸収させているようですが、腐敗の可能性もあり、私は管理がしやすい昆布のみにしております。また、唐辛子はカプサイシンが糠の脂肪分の酸化を防ぎ、防腐作用もあるようです。山椒の実も防腐作用があるようです。ビールや酒などを入れるのは、旨味を増す意味と乳酸菌などの活性化に効果的なようです。パンを入れて酵母を補給する人もおりますが、効果は薄いと考えている人のほうが多いですね。動物性乳酸菌の宝庫のヨーグルトを入れると良いとの説は、この乳酸が乳糖のみを栄養としているので無駄だとの意見のほうが優勢なようです。

漬物についても色々ありますが、私の一番好きな胡瓜を取ってみても、両端を少し切って塩でもんで、出て来たアクと塩を良く洗い流してから、良く拭いて漬け込むのが良いという方もいれば、塩で揉んだら、塩を落とさず漬け込むんだという方もいらっしゃいますし、私のように水洗いして雑菌を良く落とし布巾で拭いて漬け込んでいるものもおります。

夫々の家庭に夫々の味があり、夫々うちの糠漬けは世界一だといいながら賞味しているわけで、どれが最も良いかとの結論は出し難いですねえ。そんなわけでやればやるほど、調べれば調べるほど分からなくなってくるのが漬物の世界で、人様にこれでいかがと思い切れるには尚試行錯誤の時間が必要なようです。
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