キュヴェ タカ/cuvee taka 「椿庵酔哲湘南隠居日誌」

湘南気儘な隠居暮し ー散歩に読書、映画、酒、そして時々釣り-

ビオとビオディナミ

2009年03月31日 | Weblog
先日、ホテル・オークラでフランスのオーガニックとビオディナミ農法のワインの試飲会がありました。最も印象的であったメーカーは、中央フランスのムヌトゥー・サロンのドメーヌ・フィリップ・ジルベールでした。ムヌトゥー・サロンなんてところは初めて聞くわけでして、一体なんだろうと思っていたら、サンセールの南西のアペラシオンだよとメーカーの方が地図を広げて親切に教えてくれました。フランス人でもほとんどの人が知らないから恥ずべき事ではないよ、と彼は言っておりましたが、若しもっと人に知られてたら、ワインを売るのにこんなに苦労しないんだがねとも言っておりました。面白いやつでした。

会社で講談社の「世界のワイン事典」を紐解いてみても、このムヌトゥー・サロンからは二種類のワインが輸入されているのみで、情報量も限られております。しかしながら、このフィリップ・ジベールのワインを飲んだ限りでは、とても優れたワイン産地の印象を受けました。2007白は硬質でとてもシャープなソーヴィニョン・ブラン、時間の経過とともにミネラルの風味が表に出てくるのかも知れません。2007赤はピノ・ノワールで、繊細でフィネスがあり、掴む感じが印象的なワインです。まあ、輸出価格から計算して値付けをすると3千円台後半の小売価格になりますから、ある程度のワインでなければいけないわけで、いいなあと感じさせる要素があって当然なのかも知れません。このベーシックな白赤に加えて上級レンジにレ・レナルディエル白赤がありますが、ル・ギダシェット2009を見てたら、まさに試飲した赤2006がクー・ド・カーを取っておりました。しかし、私には強すぎて味わいの奥行きを感じさせる軽さがなく、ベーシックな赤の方が味わいに関しても好ましく、価格に関してもより好ましい印象を受けました。

繊細なワインにお金を払う事が抵抗なく行なわれるようになってきましたので、このワインも何方か輸入され、販売されたら案外成功されるかもしれません。

コメント

ケーキと海舟

2009年03月30日 | Weblog
横浜の今朝は快晴、素晴らしい天気です。しかしながら陽気がかなり締まっており、咲いていなければいけない桜は未だ固く、花見の楽しみは予定より一週間遅れております。咲き始めが既に一週間以上前なので、待たされているうちに何となく盛り上がりに水を注され、予定通り今頃満開を大騒ぎしながら愛でていたほうが精神衛生上も良かったですね。月がが改まり10日には牡丹が咲き始めますから、全てが一気に盛りを迎える今年の春になりそうです。

昨日は二宮から大磯を経由して一気に平塚まで散策をいたしました。不動川、花水川の二つの川を越えて行くのですが、川越えというのがルートを限定させられる要因で、生憎両河川には渡しが無く、橋を越えてゆく事になります。現在ではこの橋も車が通れる事を前提としたものしかなく、丸太橋とか情緒を期待できません。したがって、河川の間で散策ルートは開拓できるものの、渡河によってルートが決定つけられてしまうのが詰まらないですね。昔のように渡し場で旅人が寄り添い、飯を喰ったり酒や茶を飲んだりして、諸国の情報交換など出来たら面白いのでしょうが、今じゃ皆さん車単位での移動ですから、情報は核家族の中で閉鎖的に閉じてしまっているのが実情です。情報量が多いようで実際は、閉塞しているのです。

平塚では、パン工場直売のショップでケーキをラズベリー、レモン、オレンジ、チョコレート、ラムレーズンと5本買い、リュックに背負いましたがかなりの重量に足がもつれました。ケーキといえども馬鹿にしてはいけません。

平塚駅ビルのさくら書店では、このところファンになった角川文庫で「氷川清話」勝海舟を買い求め、昨夜から流し読みしておりますが、この稀有な人の元には自然に魅力的な人が集ってくるようで、人望というようなものはかくあるべきなんだと感心させられております。
コメント

紫木蓮と古書店

2009年03月29日 | Weblog
金曜日の名古屋を散歩していたところ、満開の樹高5メートルほどの見事な紫木蓮に遭遇いたし、しばし見惚れておりました。川沿いを少し歩いては桜が二分咲きだ、来週はパートさん達に花見の会を開いてやらなきゃいけないなあとか、そんなことばかり考えているので社業が一向に上向く兆しがないのかもしれません。まあ世間一般が不況ですから、足並みをそろえて低迷していても余り目立ちませんので、いま少しのんびりとやっているのが日本的でいいかもしれません。

昨日は久し振りに湘南を散策いたしましたが、紫木蓮は開花の具合がまちまちで、品種によって差があるのかもしれません。毎年同じ疑問を書いているようですが、真実はまた来年以降に先送りのような気がいたしますね。

夜は「東京旅行記」と「東京文芸散歩」を併読して東京の空想散策を楽しんでおります。本来地元の湘南、小田原辺りの散策記を読んでいればいいのですが、圧倒的に東京に関する小説随筆が多く、おのずからレベルの高いものもそこに集中してしまいます。川崎長太郎と尾崎一雄に質の高いこの辺り身辺雑記があるのですが、何しろ量が少ないのと現在入手しにくい不便を抱えております。今日の散歩は、まだ早い桜と盛りの紫木蓮を楽しみながら、道すがらの古書店をまわってみることにいたします。


コメント

たまには違うワインを

2009年03月28日 | Weblog
今朝の湘南は曇りがちで決して良い天気とはいえませんが、長患いの風邪とそれが原因の体調不良からようやく開放され、久々にに気分の良い朝を迎えております。当然体調不良は書くものを淡白な傾向にし、飲み食いのことなど避けがちになっておりましたが、今日は思いつくままに書いてみることにいたしましょう。

ブレッサンの赤に関しては、スキオペティーノが最も個性的で完成度が高く、このワインを理解するために随分長い間飲み続けておりました。先日たまたまカベルネ・クラウン・ドメインス2001を飲む機会があり、じっくりと味わってみました。元来は重たいワインと思われ、フルヴィオは瓶詰めしてリリースするまで長い熟成期間を取って、少しでもその鈍重さを軽減させワインをバランスさせようと試みているようです。香りはココアやコーヒーのような煙った感じと、タンニンを連想させるグリップのある香り、揮発性の熟成された香りが交じり合い、幽玄の境地に誘います。含むとワインは既にやわらかく奥行きを持っていて、幾層にも絡む襞の裏側から異なった味わいが滲み出て来るようです。しかしながらこのカベルネという品種が持っている特性なのか、このワインの性格なのか、もっこりとした重みと苦味のような抵抗があり、好きな人にはたまらない、嫌いな人にもたまらないワインの底のようなものを感じます。

何れにしろ重層的な香りと味わいを楽しむには、ほんの一口含み、たっぷりと時間をかけて味わうことになります。こちらに時間と精神の余裕、鋭敏な感度を要求してくるワインです。メンチカツにとんかつソースをたっぷりかけ、炊き立ての飯をかっ込むのを最大の悦楽とする若者には不向きなワインです。そういう若者のためにはワインが無いのかって、とんでもない、それこそが健康な欲望というもので、ワインはほとんどそのような人向けに造られているわけでして、アナケナ・カルムネールなんていかがでしょう。できればシングルヴィンヤードのほう、メンチカツの油っぽい美味さと、とんかつソースの甘みにしっくり来ること請け合いです。

コメント

再びの人形町

2009年03月27日 | Weblog
今朝の名古屋は雨、春雨です。こちらは桜がかなり咲いており、花にとっては憎たらしい雨ですが、喉が痛い私にとっては恵みの雨となっております。長かった闘病生活とも早いとこおさらばしたいもので、この雨を境に全快といたしたいものです。

さて、現在東京で江戸を一番感じられる街といえば、多くの方が人形町を挙げられることでしょう。実際多くの作家や随筆家、散歩者、居酒屋研究家、食い物評論家がこの街のことを書いておられます。先日購入して目を通している「東京旅行記」にも出てきます。嵐山さんはキラクのビーフカツレツを食することならず、すぐさま芳味亭でビーフシチュー、コロッケ、チキンライス、ランチ、カツサンドを胃の腑に収めておりますが、この二つの洋食屋の間にある鍬焼の日山、今半、鰻の大和田にも首を突っ込みそうな勢い、美人姉妹実は他人の快生軒で珈琲を飲んで腹ごなしをし、隣の来福亭、玉ひでの前を通り谷崎潤一郎の生家跡へすすみ、その後も笹新開店の5時まで時間を潰しながらの散歩の後、いよいよ本鮪、鰹の刺身、鯵の唐揚、茗荷味噌、松茸豆腐、もずく、環八照り焼きを食されております。いや、この位喰えるようでないと食のエッセイなど物にしてはいけません。

先日人形町に事務所を持つ方からお昼のお誘いがあり、食い意地が張っているため吸い寄せられるように出かけたのはいうまでもありませんが、思いの他早く着き、25年前に良く通った芳味亭は、はてどこであったかとそのありかを訊ねてみました。この四半世紀の間洋食より和食が好みとなり、芳味亭の海老ホタテのグラタン、ビーフシチュー、チキンライス、オムライスからは遠ざかっておりました。しかし当時芳味亭を奢ってくれた先輩のお年は今の私より上、世間で成功なさる方は喰う物から違います。ここは一つ人生最後にかけて、当分の間芳味亭、日本橋のたいめいけんなどの老舗西洋料理屋へ通って味と油が濃いものをいただいてみることにいたしましょうか。しかしまあなんとなく、名を挙げることなく、せめてコルステロール値と中性脂肪の値を上げるくらいで、早死にするだけのような予感がします。凡人は静かに消え行くのみの運命のようです。
コメント

久し振りに横浜

2009年03月26日 | Weblog
昨日は具合が優れないものの、オリオールがやってくるので関内の事務所へ行き、行ったからには鮨を食いたいなと、駒で握りをいただき、その足で伊勢佐木町までそぞろ歩き、随分久し振りに感じる有隣堂で本を眺めることにいたしました。嵐山光三郎「東京旅行記」坂崎重盛「東京文芸散歩」加地伸行「論語再説」永井荷風「濹東綺譚」の四冊を買い求め、かなり良い気分で伊勢佐木町を闊歩しておりました。

嵐山さんと坂崎さんはこの頃連れ立って歩いており、御二人とも東京散歩がお好きです。「東京旅行記」は1991バブル崩壊期に初版が出ておりますが、バブル期に東京旅行をした様子が書かれている今となっては貴重な資料です。「東京文芸散歩」は樋口一葉と東京について書かれたのが元になり、複数の作家の東京を舞台とした小説のゆかりの地が出てまいります。「濹東綺譚」は木村荘八の挿絵がある角川版、昭和22年の初版が今回改版されたので買い求めておきました。「論語再説」は近頃論語に凝っており、論語に関する参考書は全て買い求めることにしております。

夜は宇田川でオリオール、ジョナサン、佐和さんと会食したため、読書に十分な時間が取れませんでしたが、これから数日は楽しみな時間が約束されたようなものです。ちなみに昨夜の宇田川、焼きたけのこ、桜海老、蕗の塔、白魚と菜の花の卵とじが春っぽくてよかったですね。この時期和食は見た目から既に楽しいですね。ワインはジョナサンもお気に入りのベッペのアルネイズをいただきましたが、オリオールも日本の市場では繊細で洗練されたワインでないとだめだということが、納得されたように思われました。いいことです。
コメント

インフルエンザの猛威

2009年03月25日 | Weblog
一昨日昨日とインフルエンザで完全にダウンしブログをお休みさせていただき、大変失礼いたしました。症状は酷かったのですが、寝室にテレヴィをセットしていただきWBCを観ながら病魔と闘うことで本当に勇気付けられました。イチローも言っていたじゃないですか、僕らの活躍で日本の皆さんが少しでも勇気付けられれば、と。熱と喉関節の痛みで暗い気持ちになっているときに心の底から気分がスカッとする出来事にぶつかると、少なくてもメンタルな部分で大きな力になっている事は間違いなく、メンタルの部分がフィジカルな部分にホルモンを通じて影響をしてゆけば、体というのは全体性のバランスですから、一気に回復と相成るわけです。しかしながら一気の回復のためには老生少々加齢が進んでおりますようで、本日は背中と目の奥の痛みをこらえながらの出社と相成りました。

今夕ヴァルフォルモサの社長オリオールが事務所に訪ねてきます。二ヶ月前から今日の面会を調整していたので中々キャンセルし難く、いっそこちらがはかなくなってしまっていれば、お悔やみに来社となるのでしょうが、まだかろうじて横浜の夜をこれからも楽しもうなんて了見を持っている有様で、仕事となると死にそうなのですが遊びとなるとかなり元気が残っている始末におえない状態。

この世界同時不況に今年のワインの価格を上げてきたのが世界広しといえどもこのヴァルフォルモサ一社、お前なんか来なくていいから、その分の経費を浮かせて値上げ幅を圧縮しろと、来日を拒んだのでありますが、値上げは予定通りするは、来日はするわで、状況判断という言葉そのものが存在しない会社であります。今夕逢ったならば、コモンセンスについて少し話し合う必要を感じております。
コメント

吉田邸燃える

2009年03月22日 | Weblog
今朝大磯在住の佐和さんより吉田邸が燃えているとの一報が入り、つい先ほど全焼して鎮火したとの事です。最近NHKで白洲次郎をやっていましたが、二回に渡り大磯の吉田邸の場面が出たため、若い人が随分と訪れておりました。今回の火事はそれに関係した火付けの可能性が多いんじゃないかと思います。あまりにも近くにあるため何時でも観られるとの思いでがあり、実はまだ訪れたことがありませんでした。人生というのはこのての後悔ばかりですが、根本的な反省も無く同様なことを繰り返しております。

昨日からインフルエンザの病に臥せっておりますが、24時間床に就いていると読書も随分出来、インフルエンザも捨てたもんじゃありません。こんな病気の効能を昔山口昌男が日常と非日常理論を使って紐解いていました。

大した仕事もしておりませんが、移動の連続で体が相当疲れているようです。この15年ほど風邪を引いたことが無かったのに、1月のイタリア、そして今回と短期間に二度もやられてしまいました。近いうちに纏まった休みを取って体の手入れをする必要がありますね。

コメント

病に伏せる

2009年03月21日 | Weblog
たぶんインフルエンザにやられて、ぽかぽか陽気にもかかわらず、ベッドで横になっております。このような好天の春日を散歩もせずに過ごすのは犯罪のような気がいたしますが、何せ熱でふらふらしておりますので、日差しを浴びたベッドで大人しく「論語」を読んでおります。角川のやつは加地伸行さんが“中学生が読んで分かる”をコンセプトに書かれた本なので、私でも実に分かりやすく、へーえそうだったんだということばかりで、熱でぼーっとした頭でも楽しく読むことが出来ます。この角川のビギナーズクラッシックというシリーズは本当に有難いです。

そんなこんなで本日は病を得て睡眠と読書の一日になりそうで、残念です。

コメント

儒教復活なのか

2009年03月20日 | Weblog
せっかくの祭日というのに雨です。しかし春雨は穏やかにしっとりと地面を濡らしており、暖かさを感じます。

二宮尊徳が、薪を背負いながら読んでいる書物が「大学」であることを先日知りましたが、尊徳がそこまでして読もうとした書物を読んでみたく、昨日入手し読んでみました。

ここの所書店では「論語」が平台に並べられており、何かのきっかけでブームになっているのではないかと思いますが、せっかく簡単に手に入るので、岩波、徳間に続いて角川のものを入手いたし読み比べております。

昨日名古屋で中国人の社員と会食をし、「論語」を知っているかと聞いたら、まったく知らないとの事、毛沢東の時代に育ったため自国の古典は禁じられていたようです。ちょうど戦後民主主義が儒教的なものを嫌ったように。

コメント