キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

蕎麦屋のカツ丼

2015年10月31日 | Weblog
利休庵でカツ丼を食べる楽しみは危険との背中合わせである。
「揚げ物は命取り」と医者や周りの人から言われ、戒めてはいても時々ならいいだろうとの気持ちになり、週一度が、秋も深まると牡蠣フライを食べずには入られないから二度となる。

蕎麦屋で食べる丼物が美味いのは、回転がいいからなのだろうか、天麩羅蕎麦というのは人気のアイテムであるから、油は何時も適温を維持しており、海老の天麩羅なり、カツなりを受注と同時に適温でサクッと揚げられる準備が整っている。
かえしも何時も準備されているわけだから、鍋に切った玉葱を敷き、かえしを加え一煮立ちさせ、揚げたてのカツを放り込んで、卵で閉じれば出来上がりである。

立川談四楼「談志が死んだ」新潮文庫を購入した。
立川談志という噺家を好きではなかったが、本人が書いたものや、弟子が書いたものは読むようにしている。
好きでないものを読むことも無いのだが、世間が天才だとか不出生の落語家だとかとかまびすしいので実態はどんなものであるのかを知りたいという気持ちがある。

一番好きな落語家は、金原亭馬生のような気がする。
毎度同じことを書いているようだが、話す感じだとか、姿がいい。
生きている時に生の高座を聴いていないので、この感想はもっぱらテレビから得られたものなのだが、浅草か末広で高座を聴いて、帰りがけにそこいらの天麩羅屋か蕎麦屋で噺の余韻に浸りながら一杯やりたかったと思う。

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シチリアワイン

2015年10月30日 | Weblog
シシリアのワインの試飲をした。
かつてのワインは重くて飲み飽きがするものであったが、今回試飲した三社のワインは何れもエレガントで旨みを感じ、これなら飲み続けることが出来ると感じた。
しかし価格のほうは安くなく、金銭的な事情から飲み続けることが出来ないだろう。
やはり標高の高い火山灰土壌でミネラル分の多い酒質のワインが好ましいと感じた。

村松友視「老人の極意」を読んでいる。
社会科学系の人のものを読んでいたので、情緒に訴えるこういった文章がいいなあと感じるが、この人は理屈っぽいほうなのだ。
我が身を省みて、情緒に遊んでいる部分が多いので、実社会に対応する能力が足りないのかなあと思うことがある。
しかしながら、理屈で上手く行くことのほうが少ない。

「私、プロレスの見方です」の村松友視も75歳になるのだ。
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シングルモルトのち鰻重

2015年10月29日 | Weblog
昨日は夕方平塚の取引先のバーへ行き、8月末のイヴェントが雑誌に掲載されたので、届けるついでにボージョレ・ヌーボーの営業をしてきた。
アイラモルトのソーダ割と知多と勧められたシングルモルトを飲んだ。

「うな新」の予約がようやく出来たので、19:30に出かけた。
会津誉れの本醸造の燗を肝焼きと漬物を肴に4合呑み、上鰻重を食べた。
色が黒く醤油の風味が鮮やかなタレだが辛くなく、ここのスタイルを感じた。
肝吸いとお新香付きで1,900円は破格だ、それゆえ予約が中々取れない。
11月7日土曜日の13:00に空きが有るとのことで予約を入れた。

家に帰って日本シリーズを観たが、山田が3本ホームランを打っていた。
若い人の時代だなあとつくづく思った。
ヤクルトがやられっ放しだったが、これで溜飲を下げることが出来た。


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焼酎ブームはどこへ消えた

2015年10月28日 | Weblog
夜茅ヶ崎のおでん屋に行き営業をする。
おでんに合うワインというのは何だろう、軽い赤を勧めるソムリエもいるが、香りの無いある程度厚みのある白がいいような気がする。
たねがまちまちなので全体をカヴァーするワインが必要なのだ。

はんぺん、鯵団子、黒はんぺん、牛筋、玉子、大根、糸蒟蒻、蒟蒻、がんもどき、巾着、昆布をいただいたが、この日は先方のお勧めの灘の酒を日向燗でいただいた。
ワインの話を出すのは、通いこんで女将に馴染んでから出ないと上手くいかない。
ワインなど以ての外と云う鮨屋の親方の店にワインを入れるのに10年かかった。
親方が息子に店を譲ってようやくワインの取り扱いが出来たのだが、慌ててはいけない。
それまでの間に、じっくりとおでんのたねごとの味わいを舌に叩き込み、ワインとのマリアージュを連想しておくことだ。
この訓練はかなり役に立つ、実際に飲んでみないことには相性というものの実際は分らないが、想定した相性との差を研究することが大切である。

午前中スペインからメーカーがやってきた。
ラベルの変ったものを作っている有機ワインのサプライヤーだが、低価格レンジは葡萄を買って醸造したものを壜詰めしている。高級ワインレンジは、各地に契約畑を持ち、そこの栽培から醸造まで3人の醸造家で管理・製造している。

昼、駒でちらしをいただく、ワインの販売が好調で、この日も付け台前で食べている時に、うちの店に引き取りに出かけた。
一番上の職人さんと話をしたが、鮨に一番会うのはとの質問に酒と答えた。
前にいた銀座の鮨屋はワインを随分売ったらしく、大トロには赤ワインが良いですねと云っていたが、濃くのある白のほうが美味いかも知れないねと答えた。

伊勢佐木町の有隣堂まえの古本ワゴンセールを見てからBOに行く。
山内賢明「壱岐焼酎」長崎新聞新書 2007年を買い求める。
長崎新聞新書を買うのは初めてかもしれない、壱岐焼酎は名古屋の取引先がOEM で「海豚」という麦焼酎を壱岐のメーカーで作っている。
壱岐焼酎の歴史について書いてあると思うので、じっくりと読んでみたい。


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古い人の本ばかり読んでいる

2015年10月27日 | Weblog
昼に井桁鮨へ行きチラシを食べる、相変わらず美味い。

芳林堂で本を買う、井上ひさし「井上ひさしの読書眼鏡」中公文庫、尾崎士郎「小説四十六年」中公文庫の二冊。

近頃、井上ひさしを買い出したら、巡り合うことが多い。
尾崎士郎は、なんと云っても「人生劇場」である。
佐藤惣之助の作詞で古賀政男作曲、楠茂夫歌、戦後の村田英雄の歌もいい。

読んでいるのは、佐伯啓思「さらば、資本主義」であるが、これはハイセイコーへのオマージュのもじりだろうか?
アベノミクスについてようやく何をやっているのかが分った。

午前中会議、午後からも会議、夕方試飲。

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幻の味

2015年10月26日 | Weblog
坪内祐三「人声天語2」を読了した。
その最後の章、2015年6月号の「サヨウナラ本福寿司」を読んでぶったまげた、大阪らしい大阪寿司の本福寿司が店を閉じたのだ。

心斎橋大丸前にあり、大丸酒売り場で仕事が終わり、此処でバッテラなどを肴に酒を呑むのが楽しみで、大阪らしい風情を感じる最後の砦だったが、大阪らしくない今風の店に呑み込まれてしまったのだ。

同じ章に、銀座の「よし田」の閉店が出てくるが、同じように風情の良い蕎麦屋だったらしい。
というのは、数ヵ月前に初めて出かけたらシャッターに貼り紙があり閉まっていたのだ。
まさか閉店とは思わず、改築をするのだろうと高をくくっていたが、吉田健一が食べたコロッケ蕎麦がもう永遠に喰えなくなるのだ。


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秋の日の休日

2015年10月25日 | Weblog
平塚にワイン売り場の視察に行く、ワイン愛好家が酒にシフトしていると言われているが、季節感のあるひやおろしが酒売り場の前面に並んでいた。
ワインの容量に対応する四合瓶が2000円以下でほとんどの銘柄が買えるので、割安感がある。
ワンコインのワインでこのクラスの地酒に対応は不能だ、2,000円迄で充実したワインのヴァリエーションを揃える必要があり、ボルドーではテルモヴィニヒィカシオンでフルーティーなカベルネ系の画一的なスタイルが並ぶことになり、新たな産地の新たな品種の提供をするべきだ。

季節感も30年一日でボージョレヌーボーだけでは弱い。

BOで、伊藤整「女性に関する十二章」中公文庫 1974年初版 1991年14版、司馬遼太郎、ドナルドキーン「日本人と日本文化」中公新書 1972年初版 2012年49刷を買う。

北陸のバザーで河豚一夜干し、鰯へしこ、柚子餅を買う。

オネエサンの所で、餡パン、フルーツケーキを買う。
秋になるとこのフルーツケーキを焼くが、一本買うと家族で食べられるので良い。

さくら書店で、村松友視「老人の極意」河出書房新書、佐藤優・石川友裕「政治って何だ!?」ワニブックスPLUS新書を買う。

日本シリーズを観るが、運がソフトバンクに傾きすぎて詰まらなかった。
ザッピングで寅さんを観るが、寅が光男と飲んでる場面が良かった。
存在感があるねえ。

日曜日、朝から庭木の剪定をする。
先日、伊勢佐木町の「菊秀」で買った剪定鋏は使いやすいが、未だ手に馴染まない。
三時間切っていたら豆が出来た。道具と云うものは、しっくり来るまで時間が掛かるものである。

午後、大磯から平塚まで久しぶりに歩く。
道端で柚子を収穫し、農家で柿を買う、巴焼により今期初買う、オネエサンの所で、カレーパン、ベーコンパン、コロッケサンド、カツサンドを買う。

夜、パンとオムレツを肴に赤ワインを飲む、コニャックを持って居間に移動し日本シリーズを観るが、ソフトバンクに力がある上に流れがあり詰まらない。

映像の世紀をザッピングしながら観る。圧倒的な死体の山を観るだけで戦争の悲惨が伝わる。
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吉行淳之介のダンディズム

2015年10月23日 | Weblog
仙台にやってきた。
旧知の方を当社グループに紹介し、働いてもらっているが、本格的にワインを販売する意気込みで、その姿を見て実にうれしい。
真面目な方なので真剣にこの地にワインを売り込んでくれるだろう。

先日買った本を以下に記す。
宮脇俊三「日本探見二泊三日」角川文庫 平成6年
名文家の誉れ高い宮脇俊三の本は機会が無く買い求めてこなかったが、これから旅の生活を始めようととするものにとって読んでおくべき本である。

高島俊男「芭蕉のガールフレンド」文春文庫
超有名な「お言葉ですが・・・」の9冊目である。
よくも書くことが尽きないものである。
1を読んで面白いと思ったが、回を追っても質が下がらないところがさすがである。
年輪のなせる業か。

長部日出雄「二十世紀を見抜いた男 マックス・ヴェーバー物語」新潮文庫 平成16年
「津軽じょんがら節」のイメージが強く、マックス・ヴェーバーを書いた時には、その落差にくらっと来た記憶がある。
吉行淳之介に拠れば、長部は酒乱で質が悪いとの評、晩年酒が弱くなって変節したのだろうか。
だとすれば好ましい変節でアル。
 
矢島裕紀彦「ウイスキー粋人列伝」文春新書 2013年
この本は発売された時に手に取った記憶があるが、購入したか否か定かではない。
念のため押さえておいた。
リストを作成して置けば無駄が無いが、無駄こそ人生の醍醐味である。
それゆえ今後もリストを作るなどという愚行は犯さないだろう。

吉行淳之介「無作法紳士」集英社文庫 昭和61年
この年私、31歳であった。
独身生活を謳歌していたが、一度吉行淳之介から離れたことがあり、この本は初めてのように思われる。
吉行淳之介はよく読んだ。
最も影響を受けた人物かもしれない、だが吉行のようには女にもてなかった。

吉行淳之介「快楽の秘薬」光文社文庫 昭和59年
この本を購入するのは確かにはじめてであるが、アンソロジーなので流し読みをしてみると既知の話しばかりのような気もする。
しかし、題名が素晴らしい。
吉行は性に関することを多く書いているが、欲情を促すようなものはない。

読書の秋というが、酒も美味いし旬の食い物も美味い。
山の紅葉も美しく、海の釣りものも多く、本に競合するものが多いところに問題があるなあ。

我がイナリヤト食文研のワインとビールはこちらからご覧になれます




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全体主義は上から押し付けられるだけじゃない

2015年10月22日 | Weblog
スッドウェストのワインを試飲した。
ワインを持ってきたのはブローカーであるが、日本に6年前から来てるとのことで、ラベルについては日本人好みを熟知していて、十数本のサンプルボトルの何れもタイプは異なるが好ましいものであった。
品質も良く考えられたもので、この若い商売人の才能が低くないことを物語っていた。

近頃有機ワインを積極的に試飲しているが、彼も有機を一本持っていた。
鮮烈な果実のアタックの後、シャープな果実味が口中を鮮やかに通り抜け、ドライな後味が印象的であった。
何かに似ているなと気になっていたが、一晩寝たらモリエールと同じ印象であることに気がついた。
このタイプのワイン日本人に向いているのだが、一般の方は先入見に囚われ中々飲んでいただけないので販売は困難を極めるが、そこを案内して行くのがワイン業者の使命なんだなあ。

モリエールもノーマに採用されてから一部の人に注目され出したが、自分の舌を信頼して評判や名前に関係なく良いものを飲めば良いのにと思う。
”隣を見るな、君の意見はどうなんだ?”

そうでなけりゃ、何時までたっても日本は全体主義の呪縛から解き放される事は無いだろう。
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2015年10月21日 | Weblog
酒の会では仙台の知人から送られた笹かまぼこを肴に飲んでみたが、元来酒の肴に作られたものだけあって酒の味を引き立てる。
しかし、ここのところ酒を色々と飲みすぎた所為か酒が美味くなかった。
店で用意してくれたものは、茹で落花生、隠元、オクラ、焼き茄子、蕪と京がんもの煮物、鯵のタタキ、松茸ご飯と吸い物、申し訳なかったがスーパーニッカのソーダ割りに替えた。
20歳の頃から馴染んでいるのでウイスキーが秋の夜に染み入る。

家に帰ってからの読書と早朝読書は、坪内祐三「人声天語2」を選んだ。
やっぱりこの人の物を読みたい気持ちが強かったのだ。
時には読みにくい本を読まなければならない時もあるが、読みたいものから読んでゆくのが読書量を増やす一番の方法である。
読書量が増えたところで何になるかといえば、ほとんど何にもならない。

朝チリからお客がみえた、午後にもアナケナが来たので、この日はチリの日であった。
先週はリオハから3社お客が見え、先々週はボルドーから3社見えたから、今週はもう1社チリから飛び入りがあるかもしれない。

昼、荒井屋で牛鍋定食を食べる。
伊勢佐木町を戻り、「菊秀」で剪定鋏を買う。
人形町「うぶけや」で買ったステンレス製の剪定鋏が壊れてしまい、修理に出している暇が無く、庭の木がぼさぼさになってしまっているので、ここで買い週末に備えることにした。

伊勢佐木町を関内のほうへ歩き、BOで金子光晴「マレー欄印紀行」中公文庫 2009年、藤本義一「をんな指師」集英社文庫 昭和53年を買う。

日曜日にも金子光晴を買って、大学時代の同級生を思い出したが、この本は若い頃読んで外国へ随分気軽に気ままに行くものだなと驚いた記憶がある。
改版されて文字が大きくなっていたので買い求めた。

藤本義一は、知人が「藤本義一賞」を立ち上げて大騒ぎしているので、気になって見かけると買っているが、古い本が多く文字が小さいので中々入手の決断がしにくい。
この本も1ページに20行あり、昔はこういったものが普通だと思って読んでいたのかと今昔の感に堪えない。

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