キュヴェ タカ/cuvee taka 「高橋哲夫 湘南日誌」

湘南気儘な隠居暮し ー散歩に読書、映画、酒、そして時々釣り-

オリビエ、ワインセミナー講師となる

2007年05月31日 | Weblog
昨日は雨の中多くの方が試飲販売会にご来場頂きました。オリビエ・トリコンのセミナーも一般の方向けに簡潔にシャブリとシャルドネについて説明出来たのではないかと思います。生産者が説明に立つと説得力があり、日頃巷に流布している多くの誤った通説に惑わされる事なく正確な生の声を聞ける優位さがあります。

繰り返しになる事を恐れずに少し昨夜の話のポイントだけさせていただくと、収穫からプレスまでの時間の短縮を毎年課題としており、二時間以内にジュースにして管理するのが基本ですが、今年は更なる短縮を考えているそうです。醗酵の温度も15度から17度の間で時間を掛けて行なう事もオリビエの特色のひとつです。また二次醗酵の乳酸醗酵についても選抜された菌を使い短期間で行なわず、数ヶ月をかけてゆっくりと行なうようです。まあ何をどうやっても造り手の勝手なのですが、出来上がったワインが自分の目指すスタイルである事が肝要なわけです。そのオリビエのスタイルとはフルーティーであるがフルーツが多すぎず、アルコール、酸、旨味などの他の要素がバランスされたシャブリが理想のようです。

ドメーヌ・ドゥ・ヴォールー・ヴィエーニュ・ヴィーニュは、生産しているシャブリの中で一番良いとオリビエが言っているのですが、このワインは樽を使わず発酵熟成に一年間をかけ、澱との接触期間を長くする事により旨味成分をワインに取り込もうとの戦略で造っているワインです。畑も良く、樹齢も35年以上と古い事も味わいに複雑さをもたらしている要素です。納得のゆく年にのみ造り、5年蔵で寝かせてリリースしているので買った時が飲み頃です。パリのリッツとトゥール・ダルジャンが使っているんで、奴はこの話になるとバックドロップ状態、表現が古ければイナバウアー状態にそっくり返っております。確かに香りに熟成感があり、ミネラルと旨味成分が奥行きを感じさせ、酸が裏に控えめにさがったシャブリです。あまり奴の前で「美味い」とか「深みがある」とかいうとつけ上がって気分が悪いので、いつも何気ない顔をして飲んでおりますが、かなり面白いお勧めのシャブリです。

昔から行きつけの鳥伊勢で焼き鳥を食べさせましたが、一杯だけビールを飲んだ後はここの名物の茶碗酒を美味そうに飲んでおりました。薬缶で燗をした大関の樽酒を目の前の茶碗になみなみと注いでもらい、表面張力で盛り上がった酒を口をもってゆき啜るのがここのやり方ですが、奴は適応能力が抜群で小上がりに座りここでの作法どおり飲んでは食いでとても嬉しそうでした。この酒は紙の味がすると言っていたあたりにワインメーカーとしての怪しげな味覚能力を感じはいたしましたが、日本の食文化にどっぶりつかり、日本向けシャブリのスタイルを模索するところはたいしたものです。
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兼六園を歩き、乙女寿司で食らう

2007年05月30日 | Weblog
久し振りに横浜へ帰ってきたら雨、今日は当社の試飲販売会。いつも当社のYが企画実行すると必ず雨が降ります。過去二年間彼の企画の試飲会ディナーパーティー総て雨だったので、今日は天気予報を見る必要もなく傘を持ってまいりました。

昨日は金沢のお取引先の好意で兼六園を散策いたしました。好天に恵まれ新緑の庭園を楽しむ事がで来ました。こちらより季節は遅くミズキの白い花が咲き誇り、青紫の杜若が盛りでした。東屋で抹茶をいただき、成巽閣で人形を拝見し、鴬張りの廊下を踏み鳴らして楽しみました。オリビエの見解によるとこの鴬張りの廊下は外敵の侵入を教えてくれるが、女の寝室に忍び込む時にほかの者に知られて邪魔になる。対策としては相手と示し合わせ障子を開けておいてもらって、庭から一気にジャンプして部屋に飛び込むのが良いとの事。100キロの巨体が畳の上に落ちてきたら、そうとうな音がするのはいいにしろ、床が抜けて逢引どころでは無くなるような気がするのですがね。

昼食はこれまたお取引先のご好意で「乙女寿司」でいただきました。金沢で今一番世評の高い寿司屋です。入り口はとても分かり難く、中に入ると古風なたたずまいのしっとりとしたお店です。五人という大人数で押しかけたため小上がりに陣取り、お店の方とは話が出来ませんでしたが、お若い男性二名と女性一名でやっておられ、女性が髪を纏め豆絞りの手ぬぐいをきりっとまいた姿はとてもいいものでした。地の魚を握っていただきましたが、マグロ、あら、烏賊、ゲソ、鳥貝、甘エビ、穴子など小ぶりの握りを九谷焼の銚子に菊姫をつけていただき、猪口も九谷でいただくという贅沢な時間を過しました。菊姫は濃厚な味わいで切れが良く、銘柄はお聞きしませんでしたが山廃純米ではないのかなあと類推します。オリビエも郷に入っては郷に従え、寿司刺身には清酒との方針の男ですので、いかにも美味そうに杯を傾け寿司を放り込んでおりました。

あ奴、近いうちにこの地へ戻ると言っておりましたので、金沢を気に入った事は間違いありません。お取引先のNさん本当にありがとうございました。
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ワインの熟成Ⅱ

2007年05月29日 | Weblog
昨夜はオリビエと金沢でワインディナーパーティー、奴は金沢の女性に囲まれてご満悦、和装で来ていただいたフードナビゲーターのしもおきさんありがとうございました。紅灯の巷にたぼを探しに行くこともなく日本の情緒を味わうことが出来、会場の片づけをしたあとバーでモヒートを一杯いただきとてもおとなしくホテルに戻りました。本人は『俺ももう46になり年だよ、若い頃のようにバカをやれなくなったよ』とのことですが、いえいえ年のわりにかなりバカだと思いますがね。

さて昨日の話の続きですが、その後、ボルドーの有名シャトーが作っている赤のテーブルワインをケース買いして同じことを試み続けたのですが、やはりケース中他より美味いのが数本存在するのです。このメーカーのワインは漏れでは無く良品なのですが、それでも液面は高低があります。当然低いものから飲んでゆきましたが、この場合は原則的に液面が低いもののほうが美味なワインが多かったです。しかしながら数ケース飲み続けてみると、液面が低い場合は滓が多い場合が多く、味わいの決定要素は液面ではなく滓の多さに関わることを突き止めました。滓が多いというのは瓶詰めしたときのワイン濃度が均一なら、液中酸素濃度が高くなる要素が大きい固体ほど熟成が早まり、結果として美味に感じたということでしょう。

ワインの飲み頃を判断するのはとても難しいことです。同じ誕生日でもこれだけ成長に差が有るわけですし、育った環境が悪ければ直ぐに駄目と言えるかというと、そうとも言い切れず、途中から持ち直して奥行きをもった厚みのある個性に成長してエリートより面白みが出てくる場合もあるのです。出自と成長環境により異なった配慮と対応が必要になってくるわけです。じゃあどうすりゃ良いんだというと、経験を積むこと、感受性を磨き小さなサインを見落とさない柔軟で繊細かつ注意深い感性と観察眼を持つこと、勘を磨くことなどの修業が効果があることは間違いありません。美しいものがわかることと、美味いものにありつけることは同じことなんです。
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ワインの熟成

2007年05月28日 | Weblog
奈良で現在ワインショップをやっているK君は、20年前に私を初めてシャブリに連れて行ってくれました。当時縁有って、うちで購入したブルゴーニュ北部のシャトーの管理人を引き受けてくれていました。シャトーからシャブリの街までは30分程度だったのではないかと思います。彼はワインが大好きでしたから、たびたびシャブリを訪れては幾つかのドメーヌで試飲を重ねワイン鑑定家としての経験を積んで居たんだと思います。彼が推薦したシャブリは「ジャン・コレ」でセラーの見学と試飲をさせていただきました。当時私はワインを仕事で少しはじめたばかりで、ワイン試飲の経験も少なく、それまで培った食い物飲み物全般の味覚でワインを判断していたんだと思います。ですから一級であろうと特級であろうと味わいに感激は無く、K君の判断に従いジャンコレの輸入を開始したような気がいたします。

販売をしてみると思いのほかジャンコレは評判がよく、かなり高いにもかかわらず一定量が売れるようになりました。ロバート・パーカーさんの評価に負うところも多かったんだとは思います。オーナーのジル・コレと奥さんが横浜に来られて、今は無きマルシェ・ド・サブールで楽しく会食したこともありました。ジルが帆立のグリルを食べて悦に入っていたのを今でも思い出します。しかし、残念なことにある日突然日本の代理店は他の輸入元になったからもう出せないとの連絡があり、それ以後輸入は中止いたしました。仕入れた一級のヴァイヨン20ケースほどに漏れがあり、取引終了後も数年間倉庫でワインが忘れ去られました。90年代初めのころこれに気がつき、輸入販売責任者でしたので処理をし、5ケースほどはワインを買い取り自宅に送りました。確かヴィンテージは88年だったと思うのですが、1ケースを開けて先ず液面を見ると、いっぱいに入っているものから、肩口までしかないものまであります。これを液面の低い順に並べて、低いほうから毎日一本づつ飲んだわけです。酸化熟成は液面の低いものほど原則的には進んでいるはずです。実際そのように感じました。しかし、味わいはこれとそれほど関係なく、12本中この世のものとも思えない素晴らしく美味いものが2本、美味しく飲めないものが2本、並な物が8本という比率でした。これは5ケース全部飲んだ時の感じです。2ケース目からはこのパターンが大体類推出来、素晴らしく美味いのがあることが確信できるので、それを求めて一晩で数本のみ散らかしました。

今日はジルの知人でもありますご存知オリビエ・トリコンと金沢へ旅立ちます。これから羽田に出かけなければなりません、この話の続きはまた明日ということで、では行って参ります。
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キリギリスの苦悩

2007年05月27日 | Weblog
今朝の湘南は南陽気、潮騒と西湘バイバスを行く車のエンジン音が南風に乗って聞こえてまいります。目を庭に向けると、金木犀、姫紗羅、椎、梅、椿、檜、モチノキなどが盛大に新梢を伸ばしており、下草取りの道遥かにして参ったなあと溜息です。

昨年までは父がリハビリを兼ねて草取りをやってくれていたため、私は庭木の剪定のみで済んでいたのですが、その父も腰を痛めてそれどころでは無くなり、今年初めて草取りをやってみるとこれが大変な荒業、最初の内は五分ともたず足腰が痛くなり、多少慣れたいまでさえ十分が限度という体たらく。こういう仕事を30年以上の長きに渡り人任せにしていたため人類の基本動作に必要な筋肉が無くなっているとしか思えません。うさぎ跳びが膝を痛めると今では消えてしまい、巨人の星を気取る少年を見ることもなくなりましたが、あれに使っていた筋肉が草取りには一番必要なように感じます。

この苦行からいかに逃れるか、どうやったら草取りをやらずに過ごすかを日夜考え続けておりましたが、来年に向けての戦略が決まりました。「雑草でない草で庭を覆ってしまい、雑草が出てくる余地を無くしてしまう事」、選ばれた草が見た目が良く、出来れば食べられて、その上虫除けになれば最高です。そこで先週植えたモヒート用ペパーミントとペニーロイヤルミントに加え、昨日はスペアミントとスイートバジルを植えました。今年の夏、ソバ科とシソ科の戦士達が雑草と戦ってくれて勝利を収めれば、来年の春先からは楽ができるというわけです。夏の戦いを有利にするためには、ハーブティーやモヒート、バジルソースなんかを封印する必要があるかも知れません。さてこの夏の快楽をあきらめて将来の安楽を求めるべきなのかどうか、キリギリスの苦悩が始りそうです。
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帰りなん、いざ

2007年05月26日 | Weblog
昨日は奈良におりました。終日雨でしっとりとした古都も格別の風情、時間の重なりが織り成す魅力を余すところ無く感じてまいりました。今日の湘南は典型的な初夏の爽やかな朝、昼にはだいぶ温度が上がり夏の陽気になると思われます。湘南は明るいですね、平板さが明るさにも繋がっているのかも知れません。

先週はアナケナを連れて神戸大阪名古屋、先々週は札幌と旅が続いて余り読書が出来なかったですね。旅の途上の交通機関の中は読書に格好なのですが、旅先での親しい客先との会食でついつい酒量が増え睡眠が減る傾向が強く、瞼を閉じている事の方が多かったですね。旅に出るときは何時も一二冊本を鞄に放り込んでおくのですが、その選択はかなり厳しく、絶対に読むものに限られます。読みもしない重い荷物を持ち歩く愚は避けたいですからね。さて今回名古屋奈良へ持っていった本は、志水辰夫「帰りなん、いざ」です。先日ある女性から指摘されたのですが、「あなたは何かやりだすとずーとそればっかりだからね、ここのところのモヒートしかり、かつてのルアーフィッシングしかり、冬に河豚を食い始めたら何時も河豚、春に鯛を食い始めたら何時も鯛」まさにおっしゃられる通り、ここのところ本はずーっとシミタツです。

1990年4月2日に講談社から発売された初版本です。巻頭に著者の新宿高層ビルの前で撮った写真が載っています。広島の取引先のKさんにそっくりだなあと何時も思いながらページをめくります。アルコール業者として酒が出てくる場面で見てゆくと、ハードボイルドらしくワイルドターキーが最初から出てきて要所要所で登場し、ラストシーンの乾杯もこれです。今回登場する美女は名前を紀美子という上物なんですが、主人公がこの女性と食事をする場面では、ステーキを食いながらテーブルワインの赤を、中華では老白汾酒を飲んでおります。かつて中学時代の不良仲間で腐れ縁の男とは、スペイン料理店でハモンセラーノをつまみながらティオペペを、仕上げにカルロスプリメロを飲んでいます。バブルが終わろうとしていたこの時期、多彩な酒が出てきています。

お恥ずかしい話ですが、昨夜遅くから「冬の巡礼」を読んでおります。もちろん個人的な楽しみではなく、登場するアルコールの調査のためです。誰の本かって、だからお恥ずかしい話ですといってるじゃあないですか、それでもあえてお聞きになる、そいつぁ無粋ってもんですぜ。
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色街でシャブリ

2007年05月25日 | Weblog
来週は月曜日と火曜日オリヴィエと金沢に出かけてシャブリ・プルミエの販促活動を行ないますが、彼にとっては初めての裏日本(裏とか言っちゃいけない事に最近なったらしいですが、なんていったら良いんでしょうね)、何か記憶に残る事をしてあげたいと思うのですが、あ奴は何に感応するのかなあと考えております。

17歳の夏湘南の我が家からママチャリでヨイコラサエンヤコラサと山中湖諏訪湖塩尻峠白馬を通って糸魚川に出たときに見た日本海は輝いていました。思い起こせばあれが私の裏日本初体験でありました。毛布一枚を荷台に括りつけ、バス停橋の下神社の縁の下を塒に苦難の後にたどり着いたため、感激も大きく思わず日本海の海水を両手で掬い喝采いたしました。湘南の海を毎日眺めて育ったせいか、よその海にも大いなる親愛があります。大西洋地中海インド洋でも思わず海の水を掬い感激したものです。

シャブリは内陸だからなあ、海を見せても反応しないだろうな。兼六園なんかも風情の分からないあ奴には駄目だろうしね。ほかに金沢と言ったら、泉鏡花しか思い出さないなあ、鏡花の挿絵を描いたのが鏑木清方、清方とくれば美人画、とくに玄人筋の芸者を描かせたら秀逸、色街かあ、金沢の色街といったら、ひがし、にし、主計の三茶屋街となりますよね。そこいら辺りで芸者をよんで、「おひとついかが」とか何とかいわれて冷えたシャブリを姐さんがグラスに注いでくれる、ぐーと飲み干し「きみもどうだい」とかいって、洗杯して姐さんに渡すと「お流れちょうだい」と姐さんもぐーと飲み干す。日頃飲まないワインに玄人の姐さんも頬がぽーと桜色。「ごへんぱい」と差し出すグラスに添えた袖口から見えるほんのり赤らんだ腕の艶っぽさ、注いで注がれているうちにだんだん調子が高くなってきて、仕舞には飲めや歌えの大散財。そうなればオリビエの奴も必ずや金沢が記憶に残るんだがなあ。
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ワイン業界の負け犬意識

2007年05月24日 | Weblog
昨日遠路埼玉からお客様がお見えになり、本当に久し振りに近所のイタリアン・レストラン“ラ・テンダ・ロッサ”で会食いたしました。従業員の方からお話を伺ったところ、最近お客様が飲まれるワインの単価が上がりコアのプライスゾーンが\5,000程度との事。つい二年前まで\3,000のワインのヴァリエーションを揃えており、随分飲ませていただいた事を思うと、かなりお客様の財布の紐もゆるりとしてきたようです。仕入れ価格もここへ来て上がってきたようなのですが、パスタやオリーブオイルの価格は既にだいぶ前から値上げされていたようで、ワイン業者の値上げが遅い事を不思議がっておりました。私は値上げをしたかったのですが中々できず随分苦労をしたのです。乾麺屋さんや油屋さんが属する食品業界の対応の早さに較べ、酒類業界の後進性を思い知らされました。

1ユーロ=¥165の時代に今までの価格でワインを販売する事は難しいのですが、旧価格をキープしなければいけないという感覚が我々にもバイヤーにも業界全体に蔓延していた事が値上げが遅れた原因のようです。旧価格をキープしなければいけないと言う感覚は負け犬の意識が我々にはびこっているのかも知れません。それほど長くワイン業界は不調だったとも言えます。景気が上向き、消費者の少し高くてもいいから今までより良いワインを飲みたいという要望を我々は正しく受け止めて、いま本当に飲みたいと思うワインを供給しているのかを正常な精神状態でもう一度考えてみる事が求められているのかもしれません。
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モヒート

2007年05月23日 | Weblog
先日ワイン輸入業者三社が揃って中華街で中華とワインの相性を確かめ、腹がくちくなった潮時で野毛のRに場所を移動して、カクテルをいただきました。モヒートというヘミングウェイが愛飲したカクテルをおしえていただいたのですが、ミントの香りが爽やかでこの夏をこの研究で過そうと決めたことは既にお話いたしました。多少研究成果が出てまいりましたので中間報告をしたいと思います。

モヒートはキューバのハバナ発祥と言われ、ラムベースのカクテル。ライム、ソーダ、シロップ、ミントが使われます。バリエーションは多く人さまざまである事が今回の研究でわかって来ました。初めて口にしたモヒートは、Rの塚田さんが作ってくれたもので、コリンズグラスにミントの葉がちりばめられた爽やかさが印象的なもので、これからやってくる鬱陶しい梅雨を乗り切るのに格好のカクテル、同夜梯子をしたグローリーの大倉山のチーフが作ってくれたものは、オールドファッションドグラスにミントをかなりバーテンダースプーンで練りこんだもので、色合いも少し濃く甘味があり味わい深いものでした。個人的にはかなり好みの味わいでした。

5月9日に札幌のセンチュリーロイヤルホテルのスカイレストランロンドでいただいたモヒートは、コリンズグラスにミントがちりばめられた爽やかスタイル、回転式の展望レストランから眺めた札幌の夜景とあいまって、北国の遅い春を楽しむのにうってつけの一杯でした。5月16日にはところを変えて大阪北新地のアスラン、辰巳バーテンダー作のモヒートは中庸を旨としたスタイル、夜の蝶が寄って来そうな風情を漂わせておりました。翌日5月17日は、御園座近くの街場のバーで一杯いただきましたが、ミントリキュールを使ったもので似て非なるもの大いなる絶望を感じ、名古屋定宿の名古屋観光ホテルのメインバー・マルコポーロで飲み直しをいたしました。木下さんが作ってくれたモヒートは、繊細で洗練されたもの、薄い黄緑色のミストにフレッシュライムを飾り、オールドファッションドグラスで供されます。直前の失望を一掃するのに最適なカクテルでした。長い研究の後がうかがわれる一品で、師匠譲りのレシピーとの事。私のグラスから盗み飲んだ同行者も大いに気に入りお替りを頼むと、一杯目とはスタイルを替え、ラムも多くミントが細かくちりばめられた味わいの濃いものでした。酒飲みの舌と心理を研究し尽くしたサーヴィスに大いに感激いたしました。個人的には一杯目の洗練繊細なスタイルはこのカクテルの一つの到達点と考えます。日本人にしか作れないモヒートと思います。

横浜へ帰って、グローリーの田村さんのモヒートをいただきましたが、クラッシュアイスを数回に分けて締めてゆくスタイルで、最初の一口ではミント、ライム、ラムの強い味わいが一つずつ感じられ、途中からはこれらの三要素がバランスされます。ほとんど氷が解けないので濃度は変わらず変化が味わえるスタイルです。

気候も蒸し暑くなってきました、モヒート研究にはうってつけの季節が到来です。急遽ミントを購入し庭で栽培を始めたことが、財布が軽くなる事を防ぐ対策として有効である事を望んでおります。
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タリケ本願

2007年05月22日 | Weblog
今日の横浜は爽やかな天気、絵に描いたような五月の快適さ。一年で一番良い季節を楽しんでおります。この調子が後三週間続き、ある日突然雨、次の日も雨、梅雨がやって来てしまったと諦めるわけです。今年は散歩の途中紫陽花が今どうなっているかを観察いたしました。梅雨になると注目されるのですが、5月の紫陽花を気に掛ける人は少ないでしょう。黄緑色の固い蕾がやや色付き、周りのほうは白い花弁を広げています。主役の座に向けて着々と準備怠りないところ見事です。

さてタリケの案内のため札幌を訪れた折、キャッチフレーズがとても大切との事でお取引先の友人が親切にもキャッチフレーズを決めてくれました。「タリケ本願」、どうせ私のところで一生懸命やっても碌なことが出来ないだろうから、いっそ人任せにしたほうが良い結果が得られるとの意、見事な洞察です。

昨年フレシネに対抗して作ったキャッチフレーズの「たいしたもんさ、ヴァルファルモサ」もほんの一部の人に定着し、見事な結果を残しました。ヴァルサルモサ・ブリュット・ナチュレがある小売店で月間100ケースの売上をしました。本当にたいしたもんです。驚いています。このぶんで行くと、このような小売店を10軒探し出せば、月間1,000ケースが売れ、年間では12,000ケースが販売できます。それにブリュット、セミセコ、ロゼが加わりハーフボトルが活躍すれば、この年末には20,000ケースも夢ではありません。毎年このペースで増えてゆけば5年後には
100,000ケースの大台です。

こういうのを「獲らぬ狸の皮算用」と言うのだそうですが、たまたま一軒で売れたからと言って浮かれてはいけません。浅知恵で販売努力なんてしてはもってのほか、ヴァルファルモサもあくまでもナチュレ=自然体で「他力本願」を貫く事が成功への近道と心得るべきです。
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