キュヴェ タカ/cuvee taka 「椿庵酔哲湘南日記」

気儘な湘南暮し ー散歩に読書、映画、酒、そして時々釣り-

白ギス

2009年05月31日 | Weblog
昨日は東海大学大礒病院に母が入院しているので、いつものことではあるのですが、散歩がてら顔を見に行き、そのまま大礒まで歩き、そこでぐるっと回って焼けた旧吉田邸ロングビーチを通り帰ってきましたが、歩き過ぎで今朝足の痛いこと。年を取ったら何しろ無理はいけません、無理していいのは若いうちで、もうこの年になったら静かに衰えを受け入れなければいけません。

大礒界隈は以前から別荘を持つ金持ち文化人が多かったところで、風情のいい屋敷がいまだかなり残っており、散歩には打って付けのコースです。我が家の庭でドクダミ、蛍袋、露草が盛りですが、散歩途上の道端や他人のお屋敷も同様で、これらの花が盛っております。入梅も間近に迫っており、紫陽花がいよいよ咲き始めております。

道中大磯町の案内板に「大礒キス釣り大会 6月14日開催」の案内が出ておりました。二宮の浜が無くなり、二宮キス釣り大会が開催出来ませんので、大礒の大会に参加しようと思っていたのに、生憎その頃はイタリアだなあとがっかりいたしました。

釣りたてのキスを天婦羅にして、辛口の白ワインをぶっかき氷の桶で冷やし、初夏の宵を夏草の茂った庭を観ながら縁側で過ごす贅沢は、本当に遠くなってしまったようです。
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どくだみの白い花

2009年05月30日 | Weblog
昨日4日ぶりに家に帰ってきますと、庭の草がずいぶんと伸びておりまして、出かける前とは異なった花が主役になっておりました。昨日一番目に付いたのはどくだみの白い花で、個人的には花は好きですが全体の姿が好きではなく、強烈な匂いがさらに総合点を低くし、見かけると抜いてしまうほうの植物にカテゴライズしております。しかしながら、地下茎で栄養繁殖するため、抜いても抜いても絶えることなくどこからか現れ、インフルエンザと同じで絶滅させることを考えるより、共生の道を探っております。そのためか葉だけでは目立たなかったのに、庭全体にずいぶん多くの白い花が散らばっております。せっかく咲いた花ですから、いいもんだなあと愛でております。

名古屋では、集英社文庫「初恋温泉」吉田修一、冬幻舎新書「アダルトビデオ革命史」藤木TDCを買い求め、帰りの新幹線と早朝で読みきりましたが、吉田さんの小説世界は彼ならではの味わいがあり久し振りに堪能いたしました。藤木さんの本は初めてのアダルトビデオ史とのことです。そういえばピンク映画とか日活ロマンポルノについては書かれた本が多いのに、AVについては纏まった論考が無かったかもしれません。先日読んだプロレスのアングルの部分と、擬似本番のAVが重なり合い、既読感がありました。観てる方は騙されているともいえるんですが、アングル、擬似が判明したところでそれほど大きな失望を感じないのは、虚構の世界であることをどこか覚めた目で認識しながら、その成り行きを楽しんでいる部分があるのかもしれません。別の見方をすれば、日常に飽き飽きしているともいえます。

白い花が咲きその存在が明らかなうちに、可哀想ですがどくだみを抜かなければいけません。
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根曲がり竹

2009年05月29日 | Weblog
昨日長野から名古屋へやってきましたが、松本、塩尻、木曽福島、中津川など懐かしいところを通り、新緑と渓流の中を走り抜ける中央線特急あさまからの車窓の眺めは、うっとりするぐらい良かったですね。山間はやはり新緑の季節が一番ですね。こちらの人にお聞きしたら、秋の紅葉も良いがその後の冬を思うと気持ちが落ち込んでしまい、住んでいる者にとってもこの時期が一番とのことでした。

今年は山菜の出が早く二週間前にほとんどの山菜が盛期を迎へ、老生間抜けな由良の介であったようでした。それでも長野駅前の居酒屋で、根曲がり竹に邂逅し大いに楽しみました。炭で焼いた香ばしさと、素材からのナッツのような香りがとても印象的でした。味噌、塩、マヨネーズなどがお皿についてきましたが、何もつけずに素材の風味が楽しめたのは鮮度がよほど良かったからでしょう。

名古屋へ移動する前、名古屋駅で売店をのぞいていたら、その根曲がり竹、蕨、セリ、独活などの山菜が店の前の籠に並べられており、近在の山菜取りの人が商品を補充しておりました。その商売人でないような感じがとても良く、名古屋へ寄らずに直接家に帰れたならば、根曲がり竹を買い求め、七輪に炭を起こして、信濃の地酒と共に湘南の宵を楽しんでいたことでしょう。それが心残りですね。
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善光寺参り

2009年05月28日 | Weblog
今日は長野におりまして、これから名古屋へ向かいます。長野は善光寺のご開帳で大勢人が出ております。今回の信濃路への旅には、一昨日伊勢佐木町の有隣堂で買い求めた角川SSC新書「和食の達人が伝授する目利きと技」野崎洋光を持ってまいりましたが、山菜と蕎麦の中心地へ来ておりますゆえ、読むより喰ったほうが得策であり、酒も地酒のいいのがたんまりとあり、蕎麦掻を肴にしていたらたまりません。

しかし蕎麦屋はいいですな、毎日来ても飽きません。メニューの中でご法度は昨日の続きになりますが天麩羅蕎麦。山菜蕎麦や茸蕎麦なんて聞くからに身体に良さそうで、見るからに旨そうじゃないですか。昔、当地の蕎麦通に教えられた日本一の蕎麦粉は白馬近くにあるとのこと、国産蕎麦粉はどの様に打っても蕎麦の香りと風味が立ち旨いなあと感じます。先週居りました札幌の蕎麦屋も総じて旨いのは、道産の蕎麦粉を使っているのが最大の理由で、打ち方の巧拙に関係なく喰えましたねえ。

東京から長野は新幹線であっという間の一時間半でした。長野から名古屋は特急あさまでも三時間の長丁場、「和食の達人が伝授する目利きと技」をじっくりと読み込むには良い時間です。
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天麩羅談義

2009年05月27日 | Weblog
村松友視さんが久しぶりに長編小説「時のものがたり」を出されたので、懐具合が決して良い訳ではないのに、思わず購入してしまいました。吉祥寺から物語は始まり、横浜山下公園、韓国などへ場面が移り、今島根県が舞台となっていて天丼についてのパネルディスカッションが行なわれております。この後どの様な展開になって行くのか分かりませんが、もう終わりに近いのに延々と天麩羅の話が続いていて心配です。

海外からメーカーが来ると、神戸ビーフは大概の人が喜び食しますが、次に好まれる確率が高いのが天麩羅か鰻です。おおよそ脂っこくて味が濃いものは好まれるようです。その天麩羅ですが、多くのメーカーは日本古来の食い物と考えているようですが、きっとこれはポルトガルかスペインの宣教師辺りが日本に伝えたもので、日本のオリジナルじゃないと言いますと少し驚きます。Tempera調理をする Tenmpero調味料 Temporas斎時(肉食を禁じる) Templo寺院、この当りの言葉の中に語源がありそうだとこの物語の中では論議されております。

老生、揚げ物は自殺行為だと脅かされておるもので、ふだん鮨、刺身ばかり食しておりますが、突然天麩羅が食いたくなる事があり、そんな時は伊勢佐木長の虎屋へ飛び込みます。活きの良い小魚と鮮度の良い野菜がたねになり旨い天麩羅が供されるのですが、この時期ですと鰹、メジ鮪、烏賊などが刺身で出て来ますし、床伏の煮つけなんかも見せ付けるようにカウンターの大皿にてんこ盛りにしてあります。そうなるとそういったものを肴に一本つけてもらい、そうこうしているうちに二本が三本となり、良い気分となったところで海老、穴子、キス、メゴチ、烏賊など胡麻の香りが高いものが眼の前にあり、歯応えの良い蓮根、甘味のある玉葱、好きではないが色合いが良い獅子唐、大葉なんかが知らないうちに胃の腑に詰め込まれております。

刺身には酒が合いますが、天麩羅にはスペイン産のワインが合うのは、生まれがそっちの方だからかもしれません。
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鰹本番鮎始まる

2009年05月26日 | Weblog
本日は朝から二日酔いでこの初夏の暑さにムカッとしたりしております。いけませんね、飲みすぎは。昨夕ごく親しいかたがお見えになり、ムルソー、マランジュ、トリコンのシャブリ、キュヴェ・タカを“宇多がわ”でいただきました。その方はお取引先の業者会の会長、私は副会長と永らくご一緒に勤めさせていただき、この春めでたく任を解かれ、長かった十数年を偲びかつ再生への区切りの宴でありましたので、その後野毛のRでここのところサントリーが力を入れている角のハイボールをいただき、最後にグローリーの田村くんのカクテルを一杯いただき、踏ん切りがついたところで帰路につきました。

“宇多がわ”では東北産の小鮎の塩焼きがムルソーに良く合い、75日命がのびました。千葉産の玉葱の丸煮もベーコンと煮込んであるためワインに良く合いました。キュヴェタカはボトルに詰められて、このラベルが貼られてから初めていただきましたが、果実が濃縮し未だ若々しく、ベッペの赤にもみられる梅酒の風味を微かに感じ、スタイルとしては今後数年間は若々しい果実とオークのバランスを楽しむワインで、2015年以降は熟成感と複雑さを楽しむワインに変わってゆくような気がいたします。

先週から千葉辺りで鰹が取れだし、そのサイズが随分と大きくなり、しかも価格が下がるという鰹好きの老生にとって好ましい環境になってまいりましたが、昨夜宇多がわでも平目、ヒラマサとともにお造りとして供されました。鰹の血の味わいを大蒜とともに軽い赤ワインで楽しむのも一興ですが、昨夜はオーソドックスに山形産の男山の燗でいただきました。

鰹の血の風味に加えて、鮎の瓜の風味が楽しめる良い季節になってまいりました。
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初夏の雷

2009年05月25日 | Weblog
湘南地方、昨夜はものすごい雷で、我が家の至近距離に幾つも放電したようです。子供の頃は、大木に雷が落ち幹が裂けたところを翌日見学に行ったりして、すごいもんだなあと感嘆したり、昼間海に落ちる雷を眺めて楽しんだものでしたが、最近はおどろおどろしい音響を楽しんでいるだけです。これは好奇心が減退している証拠で、気をつけなければいけません。一転、今朝の横浜は清々しい初夏の陽気で気分良く仕事が始められそうです。

札幌で案内したペスカイヤ、ブレッサン、ラジャーラのイタリアワイントリオが好評で、とて気を良くしておりますが、この三つ特に最初の二つについては、相当ワインを飲み込んで、あらゆるタイプのワインの美味さを感じ取れる人でないと素晴らしいとの評価をしていただけません。今回札幌でこれらのワインを試していただいたかたは、何れもワイン業界に長く、多くのワインを知っていらっしゃるプロフェッショナルで、ソロルーナ、スキオペッティーノを絶賛していただきました。

7月9日には、札幌グランドホテルに業務店の方を中心にご招待して試飲会を開催いたしますが、梅雨の無い札幌でペスカイヤ・ブレッサンの味わいが冴え渡るような気がいたし、北の都に一気に多くのファンを作る予感がしてなりません。
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東京百夜とクルーグマン

2009年05月24日 | Weblog
今日の湘南は朝から雨、それも強い雨が降っております。初夏の散策ができるかどうか、小降りにになるか一時的に上がってくれることを望みます。

さて、昨日に続き札幌話になりますが、今回初めて市内のジュンク堂を訪れる時間があり、店内を巡ってみました。今まで、札幌には大きな書店が無く、中規模の書店が割拠しておりましたが、このジュンク堂は決定的に品揃えが多く素晴らしい書店で、どのくらい大きい店舗かというと池袋店に匹敵するぐらいで、北の都にこれほどのものが出来た事を大いに喜びたいと思います。

お仕事中ゆえ細部にわたって見ることが出来ませんでしたが、ここの所探している、ちくま文庫「東京百話(人の巻)」種村季弘編を当たってみたところ、なんと天地人の三冊がそろって書棚にあり、すぐさま買い求めました。昨日今朝と読みふけっておりましたが、好きなものは直ぐに読み終わってしまうもので、職人の項の海老名香葉子「竿忠の家」山口瞳「さぶ」加太こうじ「斉藤銀造伝」など、古き東京でしか見受けられない人物に出会え、心に染み入りました。今となってはこういった人たちを書物の中でしか見受けられないのが残念です。

今朝テレヴィを観ておりますと、クルーグマンと与謝野さんが対談しているところをやっておりましたが、札幌からの帰りがけ横浜で東海道線への乗り換えに時間があったので、駅ビルの有隣堂に寄り、一冊買った本がクルーグマン、しかも外は雨。ゆっくり日本の経済政策の是非について検討してみることにいたします。
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ライラックの札幌

2009年05月23日 | Weblog
昨日は雨の札幌におりましたが、今日の湘南は一転して快晴、初夏の爽やかな日差しが朝から差し込んでおります。昨日は生憎の雨でしたが、20日21日とライラック祭りの札幌は清々しい陽気で、大通り公園のライラックは八分咲き、藤色の北国の花を楽しむことができました。歌や詩の世界ではリラの花と呼称することが多いように思いますが、哀愁を帯びたイメージが纏わりついているように見受けられます。

今回の札幌行は7月9日に行う予定の試飲会の下見と打ち合わせで、試飲会の会場となる札幌グランドホテルに宿を取り、会場の部屋とディナーパーティーの会場となる部屋の視察を行い、ワインと料理等についての打ち合わせをいたしました。

参加予定メーカーは、ぺスカイヤのベッペ、ブレッサンのフルビオ、シャトー・スオウのモニク、ドメーヌ・ド・ヴォローのオリビエ、ドメーヌ・ド・タリケのイチエ、ヴァルフォルモサのジョナサン、初来日はバローロのメーカー、カッシーナ・アデレイドのシモーネの7社7名です。

ディナーのワインはいまだ最終決定しておりませんが、ヴァルフォルモサ・ブリュット・ナチュレ、ぺスカイヤ・ソロルーナ、ドメーヌ・ド・タリケ・キャトル・セパージュ、ブレッサン・スキオペティーノ、シャトー・スオウ・キュヴェプレステージ2000赤、カッシーナ・アデレイド・バローロ2004、デザートワインがタリケ甘口、食後酒がタリケのアルマニャックとなりそうですが、タリケが三種類になってしまいそうなので、他のメーカーからクレームが出そうで、もう一ひねりした方が良さそうです。

いずれにしろ札幌のフレンチのレヴェルは高く、夏の北海道の食材をふんだんに使った料理はとても期待が持てます。優れた食材そのものの味わいとワインを少しのソースあるいは調味料でつなぐ事が要になりそうです。ちなみに老生7月は海栗と蝦夷鮑をいただきたいですなあ。料理長よろしくお願いいたします。
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2009年05月22日 | Weblog
先日名古屋で鱧をいただきましたが、関東人の老生にとって鱧は縁が薄いものであります。関西に較べて消費量が十分の一である事が示すように、魚屋で湯引きした鱧が出回るようになったのは最近のことで、まあ最近といいましても十年くらいは軽く経っているかもしれませんが、その多くは料理屋でいただく事がほとんどでした。梅雨明けの頃と秋に二度の旬があるとのことですが、聞きかじりゆえ実感はまったくございません。

何度か写真でその姿を観た事がありましたが、今回改めて観てみると、記憶どおり鋭い歯を持ち、夜行性の肉食の肴である事を知りました。漁獲量の一番多い県は長崎で、延縄で獲っているようです。続いて瀬戸内海に面した県での漁獲量が多く、四国中国関西で食される事が伺えます。

調理は面倒くさくて、腹から割いて頭と中骨を取り、小骨が多いため骨切りをして、湯通ししていわゆる落としにするまでが下拵えのようです。家では面倒くさくて出来ません。

しかしこの鱧に合う酒は何だろうとの興味を持っておりまして、未だに美味い鱧に当たったことが無く、冷たいだけで味があるんだか無いんだか心もとない印象しかありません。随いまして冷酒や焼酎のロックのような冷たい酒にはどうも不似合いでした。しかしながら燗酒に合わせて美味いかというと良い鱧に当たった事が無いせいかそのマリアージュを楽しんだ事が無く、京都の人が狂ったように求めるこの食材を、今年こそ最高の状態でいただいてみたいものだと思います。軽く燗をした伏見の酒がベストマッチなのでしょうか。

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