五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

書の持つ力

2013年10月23日 | 悔いのない人生とは?
昨日は一日表装作業を行いました。
3年ほど前に亡くなられた知り合いの書道の先生の書です。
よれよれの厚紙から剥がし修復しながら裏打ちし直し、着せる裂を二週間ほどかけて思い巡らし、ようやく掛け軸のための作業に入りました。
来月に行う表導会の作品展に出品するため急ピッチでやらねばなりません。
とはいえ、正麩糊を使い全てを手作業で作る表装はそんなに早くできるものではなく作業工程に時間がかかります。

今手がけている某先生の書は「池養右軍鳶」

右軍とは書の神様と謳われている王義之=「右軍」
つまり、王義之に習い、王義之が好きな鳶を池に飼う、というこです。
簡単に言えば、尊敬する人の真似をし、それに習い自分を養うこと、といった解釈で良いと思うのですが。。。(?)

書の先生が、弟子の知人にこの書を贈ったということもあり、書の意味を知った時から、その書を見るにつれ、身体がぞわぞわしていました。
今回作業をしながらも、どうもその書が醸し出す強さに圧倒され、なるべく書に目を向けないよう作業を進めています。

書の持つ力に影響を受けながら表装作業をするのは、私にとっては本望ですし、とても嬉しいことです。
作者の筆に籠めた思いが伝わる体験できるのは、表装する者の特権であるかもしれません。

ふと、空海の書を表装したら、どんな気が伝わってくるのだろう…?と、思いました。

しなやかで自由自在な空海の書を手に取り表装したら、宇宙の中に放り投げられてしまうのではないかと、ぶるぶると身ぶるいする自分が居ります。叶わぬことですが一度味わってみたいものです。

自分と対峙するものから感受するものは、自分を養います。

「池養右軍鳶」に出合ってから、「養う」と云う言葉が好きになりました。
自分を自分がどこまで養えるか。
若く盛んな時期には見えてこなかった自分の養い方を考える時期になったとも云えるのかもしれません。

愉しきことなり。

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コメント
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