五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

猪股邸公開日所感

2013年04月14日 | 第2章 五感と体感
世田谷区成城の猪股邸は世田谷区が管理運営しています。
年に二度、邸宅の一般公開と共にお茶会を催しています。
お茶会と同時に私の友人が花を活けています。

贅を尽くした猪股邸で花を活け、茶を点てることができることは、華道や茶道をしている方々にとってはただのボランティアの場所では無く、修業の場でもあり、しかも多くの人に喜んでいただける遣り甲斐のある機会を得る場所でもあります。

設えるまでの期間に時間を掛け、どんな軸を掛け、どんな花器を使い、どのような草木や花を活けるか・・・。
これらは一日で準備できるものではありません。庭を整え、水を打ち、客を招きます。
これを人をもてなす為の計らいと言います。

昨日と今日二日間の開催なのですが、新聞に大きく掲載されたため、午前中の段階で例年の3倍の人が訪れ、邸宅内はてんてこ舞い。しかも、建築物の見学に気を取られ、平気で活けた花にお尻を付けている人や茶室を見ながら電話で喋っている人や、自分のお茶を出してくださっているのに茶席でうろうろしている人等…。
普段見ることの無い光景を目の当たりにし、さすがに腹が立ち、花にお尻を向けている御婦人に「花にお尻がついていますよ。お気を付けなさいませ」と慇懃に声を掛けざる得ないあり様。

まるでお正月の初詣に露店が連なるお寺の参道のを歩いているような感覚が、静かな佇まいの邸宅に出現した感覚を覚えました。

凛としたストイックさの中に野草の儚さと大らかさを見る側に同時に湧き立たせる友人の花が私は好きです。

きっと今日も大賑わいの猪股邸であることでしょう。

お祭り気分の大衆の行動は止められません。
大変でしょうが、世田谷区民ボランティアの皆様の一層の努力を期待しています。

「与えられた贅沢な空間」を読み取る感性を磨き続けていきたいものです。

人の計らいを感じ取るには、人をもてなす経験を積まなくては感じ取る感性は身に付かないと思います。

死ぬ瞬間まで学び続けることを意識できる人生を過ごしたいものです。

鎌倉時代に鎌倉の人々が源氏物語を読み更けた事を知り、「品位」は簡単に身に付くものではなく「質実剛健」も一夜で築きあげられたアイデンティティでは無く、学習し続けることで自分のものとして分化してゆくものであることを考えていたばかりでしたので、私自身も昨日の猪股邸でよき学びをさせて頂きました。やっぱり吾妻鏡読まねば。。。

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