五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

能とギリシャ神話とシェークスピア

2011年06月05日 | 第2章 五感と体感
人の感情は、時空を超えて普遍的です。

能は、演劇です。

観阿弥、世阿弥から始まった、人の感情を主体としたサイコドラマは、独特な形式で表現されていきます。

一見、動きの無いような動きなのですが、抑えられた舞いの中に秘められた動きに、想像を絶するエネルギーが籠められている、ということを謡いと仕舞いの稽古を始めて初めて知りました。

そんなわけで、学生の頃から、見ていたはずの能の記憶は、きれいさっぱり無くなってしまいました。

謡曲は、諸々の古典が素材となっており、物語に登場する人物の心情は、時空を超えた文学の素材を繋ぎ合わせ、比喩的表現から一層表現を深くしていきます。そのようなわけで謡曲は、古典を知る人であれば、その知性をくすぐりつつ感受性と併せて堪らない面白さを感じていくはずです。

人の感情を開けっ広げ&おおっぴらに表しているのはギリシャ神話の神々。
恨み辛み、喜怒哀楽に感情を罪の意識を織り交ぜながら激しく引き込んでいくのはシェークスピア。
そして、感情の曼荼羅を秘めながらも喜怒哀楽を比喩の中からぐいぐいと表現を表出していき「私とあなた」という関係性に焦点を合わせ、最終的には起承転結麗しいサイコドラマとなっているのが能だと、私は勝手に解釈しています。

生きてきた時代が違っても、住んでいる場所が違っても、信じる宗教が違っても、王様であろうが庶民であろうが、人の感情は、分け隔てなく平等です。

嬉しい時は嬉しいし、悲しい時は悲しいのです。

生まれる以前の長い歴史の中で育まれた「私」の考え方、捉え方、感情についての見合った表現方法が能の中にあると云えるようです。

云いたい事を云いたい人に云えられない辛さ。
ああ、これは、私のことだ、、、と投影しながら、静かに自己受容していくのも能の観方の一つかもしれません。

能は、いと面白し…

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