五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

香りの記憶

2011年06月02日 | 第1章 意識と知覚


二、三日前に大切に使っていた胡椒が底付きました。

4年前にブラジル土産で頂いた白胡椒と黒胡椒の粒。
料理をするたびにその人との思い出を愉しんでいました。

日本に一時帰国し、赴任先のブラジルへ戻る途中、ニューヨークで亡くなった神父さんから頂いたものです。

あれから4年が経とうとしています。ヒロさん帰天後、彼と親しくお付き合いしていた方々との繋がりもでき、この世に居なくなってしまったことで湧き出してくる空虚感を持ちながらも、充実した日々を過ごしています。

一時帰国に持ち帰ったお土産を少しずつ皆に分けてくださり、胡椒の粒を馴れない手つきで小袋に詰める動作を想像するだけで、妙な愛おしさを感じさせる身近な存在でした。
兄という感じだったかな・・・

ヒロさんの訃報を受けた時、帰りの新幹線の待ち時間に新大阪でタコ焼きを買おうとお店に並んでいる最中でした。
この知らせと同時にタコ焼を買うために並んでい待っている私・・・というのもヒロさんらしいよ、と。。。思い、新幹線の中で黙々とタコ焼きを頂いたことが昨日のように思い出されるのです。ヒロさんとタコ焼きが今やセットとなっています。

香りは、様々な記憶を蘇らせます。

良くも悪くもです。

ヒロさんの胡椒は、物質的には無くなりましたが、お決まりの文句ではありますが血となり肉となり、私の中にも留まっているわけです。

そして、無くなった胡椒に代わる「お次の胡椒」は、パリのスーパーで買ったものです。胡椒の蓋を開けると、芳しい香辛料の香りが、香ってきました。

そうよね、本当は、こんな香りよね・・・

4年も経てば、香りも飛んじゃうんだなぁ~と、ケチッて使用していたことを少々悔みましたが、キッチンに一緒に立っていてくれたヒロさんに改めて感謝しています。飛んじゃった香りからしっかりとヒロさんとの記憶が蘇っていたのだから、それで良かったわけです。

今度からは、パリのマルシェの香りを蘇らせながら、キッチン仕事を愉しむことといたします(^^)

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コメント
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