五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

心理学と神話の関係

2010年09月21日 | 第2章 五感と体感
ギリシャ神話を心理学的見地で読んでみると、登場する神様一人一人に、人の持つ感情そのものが顕わに表現されていることに気付かされます。

日本神話である古事記もそうです。「作為的なものである」という概念から大人になってから敬遠する節があったのですが、これもまた読んでみると、私達の日常に深く根差しているものの背景に大きく影響していることに気付きました。

日本で読まれている仏教の経典についても同じことが言えます。僧侶が読むお経を聞いているだけではさっぱり解りませんが、経典の解釈本や経典を素地にした本を読むと、自分の体に沁み入る考え方がしっかりとそこに書かれていることに安堵感を覚えます。

源氏物語や万葉集も同じことが言えます。読んでいるうちに、自分がその時代で生きているような錯覚を覚え、表現する文章や歌から情景が浮かび、人物の湧き出す感情までが体感として蘇ってくるのです。

土地に生きてきた人々から口から口へと伝えられた神話や昔話は、私たちのアイデンティティを形成する上での重要な要素となっていることを忘れてはならないのです。

生まれてから今日までの成育史に加え、自己が無意識に捉えているものの柱の存在は成育史の概念以上に深いものがあると思うのです。

祖先から受け継がれた深く長い歴史が積まれた遺伝子の存在は、私たちの生き延びる知恵も授けてくれているはずです。

神話を大切にしない民族は滅びる、という学説があるそうです。私もそう思います。

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