Mr.コンティのRising JAPAN

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ACL 2010  日豪対決は2勝2敗 

2010-04-16 | Football Asia

3月30日 サンフレッチェ広島 1-0 アデレード・ユナイテッド

A-League 発足から丸5年が経ちオーストラリアのクラブチームのAFC Champions League への挑戦も4年目を迎えた。
合計5ゴールの応酬となった前節、 Adelaide Hindmarsh Stadium は日本勢にとって鬼門であると思われたが、A-League 勢にとっても日本の地は鬼門の様だ。 

2007年 Sydney FC ( 0-0 浦和 )
2008年 Melbourne Victory ( 0-2 ガンバ大阪 )
           Adelaide United ( 1-1 鹿島 , 0-3 ガンバ大阪 )
2009年 Newcastle Jets ( 1-1 名古屋 )
           Central Coast Mariners ( 1-2 川崎 )

A-League 勢はまだ日本で勝った事がなく3月23日に等々力で行われた試合でも Melbourne は川崎に 0-4 と大敗をしている。 A-League 勢が苦戦する最大の理由は大会出場条件にある。 リーグ戦が9月に開幕し3月下旬に行われる Grand Final でシーズンが終わる為、“前のシーズンの Regular Season の優勝チームと Grand Final の覇者” に出場権が与えられる、要するに優勝してほぼ1年後に ACL に臨むこととなるので優勝時とは大幅に変わったメンバ-で臨まねばならないのが現状だ。しかもJ-League のみならず韓国、中国勢と異なりシーズンが終わった直後に臨む大会なので更に主力選手が移籍してしまったり契約が更新できなかったり、11人揃うのかよ?と大会前に思われるチームもあった。
今大会は 2008-09 の A-League の Grand Finalist の Melbourne Victory と Adelaide United に出場権が与えられた。 Melbourne は終わったばかりの昨シーズンは Grand Final まで進んだが Adelaide は下位に沈んだ。 
しかし不思議なものでこの ACL では Adelaide の方が快進撃を見せている。前節はホームでサンフレッチェを破り ACL 3連勝。そして第4節広島のホームでというよりもこれまで A-League 勢が成し遂げられなかったアウェーで J-League のクラブを破る事が出来れば2年ぶりの Round 16 進出となるところであった。

Joe Mullnen Sanfrecce は疲労に直面している……
Adelaide United の AFC Champions League 専任の Joe Mullen コーチは試合前日 Sanfrecce は疲労に直面しているとのコメントを出した。 先週24日、アデレードでのアウェー戦の為に広島を出発した Adelaide 一行は試合翌日、広島に向かって戻ったのであるが、1週間で片道ほぼ24時間かけての行程を往復した事からかなりの疲労蓄積があると思われると。そして初戦をホームで行った United はその疲労が半分以下である事からチャンスは大いにありと見られているのか…
中心選手の Dodd は “ 我々は自信を持ってこの試合に臨む。アウェーで敗れた広島がこの敗戦を取り返すべく、パファーマンスを改善し勝利を掴もうと高い意識で臨んでくる事は解っている。難しい試合になるのは解っている。広島は先週でも大変素晴らしいチームだった。しかし我々もベスト16に進出出来る様に勝点3を奪いたい。”

Adelaide 主力選手3人はベンチスタートか?

前日のアデレードでは United の主力、 Marcos Flores, Travis Dodd そして Serginho van Dijik の3人がスタメン出場出来ないのではとの報道がなされていた。 “ Marco 、Sergio そして Travis の3選手は何とか明日の試合に出場しようと腐心している。 “我々は今日の練習後の様子を見なければならない。 いつもの練習を終え、これからどうするかについては案はある。”と語ったのは Aurelio Vidmar 監督だ。



Dodd は恥骨炎と長期に亘るアキレス腱の問題をかかえており、 Flores は先週の試合でふくらはぎを痛め、 van Dijik は筋肉痛で出発直前のアデレードでのトレーニングを休み広島に到着しても別メニューで調整中だ。さらに警告を受けている選手が8人もいる。 Robert Comthwaite, Iain Fyfe, Travis Dodd, Lucas Pantelis, Daniel Mullen, Adam Hughes, Nathew Leckie そして Nigel Boogard らが警告を受け、トップに立っているとはいえ広島戦で敗れ、出場停止選手を出すと次の浦項そして山東戦も必ず勝点を奪えると言うわけでは無くなって来る。
“われわれはただイエローカードを按じているばかりではない、その事に就いては話をしていない。”指揮官はこう話していた。そして初戦でCB ストヤノフを前節退場で欠く広島は3バックでなく4バックの布陣を敷くのでは…と思われていたらしい。

広島雪辱 ベスト16にわずかな望み…しかし…. 3月30日。

広島ビッグアーチで行われた第4節。 Vidmar 監督は結局前節、ホームでの広島戦と同じスタメンを並べた。もっとも注目した Cassio はこの試合もベンチスタートだった。 一方の広島は出場停止のストヤノフの代役に高柳が起用され、他は前節と同じスタメンだった。 Adelaide は前の週の試合と異なり相手の出方を見る様な立ち上がり。広島入りしたのは28日日曜日。時差は日本時間+1時間半。あまり影響のでる行程でもなかったと思う。そして最初に主導権を握ったのはホームのサンフレッチェ。25分には山崎の強烈なショットが Adelaide ゴールを襲うがここは GK Galekovic がセーブ。 その4分後再び山崎が放ったシュートは Galekovic を破ったがポストを直撃した。 33分今度は Adelaide のDodd が広島ゴール前でフリーでボールを受けるが足元にボールが収まりすぎてシュートが撃てない。それが前半 Adelaide が作った唯一のチャンスらしいチャンスであった。 
その後も44分に山岸が素晴らしいシュートを撃つがここも Galekovic がファインセーブでCKに逃れられた。やはりホームでの戦いは違うと思った。しかし得点が取れないまま前半は終わると思われた。 だがロスタイムに入りそのCKからネアーサイドに走り込んだ佐藤寿人が Adelaide ゴールに蹴り込み待望の先制ゴールと云うよりも前節奪えなかった対 Adelaide 戦の得点を挙げた。



後半に入り59分に Cassio が投入される。64分、 Lucas Pantelis が Marcos Flores のヒールパスを受けてクロスを入れるが誰も触れる事は出来なかった。 78分に Paul Reid, Barbiero Fabian らが投入される。84分には Cassio のクロスに Dodd がヘッドで狙うがクロスバーを越え、その直後の Van Dijik が放った好位置からのFKは西川の正面を突き、ロスタイムに入り再び Van Dijik が至近距離から放ったショットは大きく外れてしまい、同点に追い付くことなくタイムアップのホイッスルが鳴った。 

“我々が思い描いていたように早く前に進む事がただ出来なかっただけだったと思う。中盤でボールを奪っても常に相手の戻りよりもはやく次の一手が打てなかった。 前半は特に相手ゴール前への展開に生彩を欠いた。”
試合後 Vidmar 監督はこうコメントを残した。 同じ日行われた Group H の試合では浦項スティーラーズが山東魯能をアウェーで1-2 で降し勝点9で Adelaide と勝点で並んだ。( 得失点差でこの時点では Adelaide が首位を守っていた。)
そしてこの試合は Socceroos 監督の Pim Veerbek 氏が観戦に来ていた。お目当てはGK Galekovic ACLでのパフォーマンスを含め、彼の第2GKの座はほぼ確定的となったらしい。 2年前北京五輪を棒に振っただけに喜びはひとしおだろう…. そして若いFW Mather Lecike も将来の為にワールドカップに帯同させるかもしれないとの事。 また JEF 千葉でプレーする CB Mark Milligan のワールドカップメンバー入りが急速に現実化してきた。ギリシアの Kavala でプレーする Craig Moore がオザピッチで怪我をしてワールドカップは絶望的との事で、更に昨年9月の韓国戦でゴールを決めた Patrick Kisnorbo もアキレス腱の負傷から彼もワールドカップは絶望的らしく、Lucas Neil とCBを組む候補選手として J-League でプレーする Mark Milligan そしてエスパルスでプレーする 194cm の長身DF Eddie Bosnar に白羽の矢が立っているとの事であった。更に浦和 REDS 所属の Spiranovich……
今年のワールドカップの出場選手の所属クラブを国別リーグでまとめると案外 J-League は上位に入ってくるかもしれない…….. 約2週間後の4月13日に行われた

第5節。 広島は山東に乗込み山東魯能との “サバイバルマッチ“に臨んだ。試合は壮絶な点の取り合いとなった。 先制を許した広島は27分、森崎、34分李忠成の連続ゴールで逆転をしたが85分ベンソンのゴールで同点に追い付かれる。そしてロスタイムに入った終了直前、再び李忠成がゴールを決め連勝を飾った。 だが浦項で行われた浦項対 Adelaide の試合は 0-0で引分け、広島、山東の2チームが1次リーグ敗退となった。 



Adelaide はこれで2年前に続いて連続で決勝トーナメント進出となった。

Victory 雪辱。 どちらかにチャンスは残されているのか…..

60分、ボールが小宮山の前に弾む。そして小宮山が触れたか、触れないかのタイミングで Robbie Kuruse が走り込み小宮山に接触して転倒した。イラン人の Saeid Mozaffani Zaden 主審はすかさずペナルティースポットを指す。 小宮山を始めフロンターレイレブンは納得できずに Mozaffani Zaden 主審に詰め寄るが判定は当然変わらない。  Replay を見ると少なくとも Kuruse が転倒したのはエリア内だが、ぶつかったのはエリアの外。しかも自分からぶつかっていったのだけど…..
試合後 Victory のErnie Merrick 監督はその決定に“私はペナルティーだったと思っている。”とのコメントを残した。

PKをセットするのは Kevin Muscat 。11日前の Grand Final のPK戦では失敗している。 しかしここは冷静にPKを沈めこれが決勝点となった。 



“前回のACLで我々は2勝1分7勝点しか挙げていない。しかし今回はまだチャンスは残されていると思う。A-League の Grand Final から10日が過ぎた。多くの選手達が今は次のステージに進む為に何をすべきかと言う事に集中している。我々は失うものは何も無い。ACLで勝ち進む事に集中している。トレーニングでは良いスピリットを見せていた。”試合前日 Victory の Ernie Merrick 監督はこう語った。

前節出場機会の無かった Kevin Muscat はスタメン起用の見通し。しかし MF の Leigh Broxham は累積警告で出場出来ない。 FW ではレンタル移籍中の Nik Mrdja の起用も予想されたがコスタリカ人FWの Marvin Argulo の起用が有力視された。そして Nick Ward がウィングバック、 Matthew Foschini のスタメン起用もそれぞれ予想された。そして実際にその通りのスタメンとなった。

前節アウェーでのフロンターレ戦から出場停止となった Broxham を含めて4人の選手が入れ替わった。 GK は All Whites の Glenn Moss に替ってシーズン途中からレギュラーポジションを奪った Mitchell Langerak , 予想通り Marvin Argulo, Matthew Foschini が起用され。そしてチームの重鎮 Kevin Muscat がスタメンに名を連ねた。 3月20日の Grand Final のスタメンから怪我の Archie Thompson と出場停止中の Broxham が抜けただけのほぼベスト布陣だった。
試合開始から Muscat のタフなプレーが目立つ。中には明らかにファールと取られるべきプレーもあったが元 Socceroos の激しいファイティングスピリッツにチームは鼓舞された。  “私は決してPKに対して特別な考えを持った事が無い。10日前の事から悪影響を受ける私では無い。あれは通常起こりうる事で今日は上手く決る事が出来た。我々は試合前お互いの目を見てお互い話合い、このチームのなせる事は無限だと言う事を確認し合った。…そしてGKの Mitch (Langerak )が素晴らしいセーブを見せた。”
Merrick 監督も“ Kevin の試合前にスピーチはファーストクラスだ。選手達は彼の話を聞いてステップアップし続ける。彼はPKを蹴るにふさわしくそしてそれを成功させた。完全なPKだった。ファーストクラスのPKだった。プレッシャーもあっただろう。しかし彼にとっては良かったと思う。”

そしてもう1人の立役者は GK の Langerak 。スーパーセーブを連発し、特に終了直前の決定機も防ぎ最後までゴールネットを揺らさなかった。


オーストラリアの地元紙によると、Kawasaki も勝利するには充分すぎるチャンスを創ったが60分のイラン人 Saeid Mozaffari Zabeh が Melbourne に疑惑のPKを与えた事で局面ががらりと変わった。“と報道した。
川崎は鄭大世が出場停止、そして中村憲剛、ジュニーニョが負傷で起用出来なかた事が痛かった。速さに弱い Victory のDFラインにとってジュニーニョの欠場は有難かったと思う。しかし、この日の Victory が本来の姿と気がつく人は少ないと思う。

同じ日に行われた Group E のもう一つのゲームは城南一和がアウェーで北京国安を破り Group リーグ突破を決めた。この結果 Victory, Frontale の両チームにも2位通過の可能性が出て来た。 
4月14日、等々力競技場で行われた第5節、川崎フロンターレ vs 城南一和の試合は川崎が 3-0 で快勝した。Victoryは北京国安をホームに迎えた試合をスコアレスドローで終えこの時点でグループリーグ敗退が決まってしまった。 北京国安には元 Soccoeroos の Ryan & Joel の Griffith 兄弟が所属する。 

J-League勢では広島が脱落し、鹿島、G大阪がグループリーグを突破し川崎は4月28日、北京に乗り込み2シーズン連続のグループリーグ突破を目指す。 A-League 勢では Adelaide がベスト16 入りを決めた。 今シーズン、 A-League の Adelaide United が再び J-League 勢と当たる事はあるのだろうか……



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2 コメント

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ACLなどなど (鍼灸)
2010-04-18 23:56:46
メルボルンでの川崎戦で象徴的なシーンを1つ。
前半にクルーゼがゴール前の角度のある所で、どフリーになりました。が、シュートは大きく外れました。
メルボルンの数少ない得点機でした。
あれを決められれば、ヨーロッパのトップリーグでもプレー出来るでしょう。
川崎戦の勝利は紛れもなく、GKのランゲラクのおかげです。
等々力でGKを務めたモスなら3点は取られていたかもしれません(等々力でもランゲラクが見たかった)。
そのランゲラクにボルシア・ドルトムントからオファーが来たそうです。
ただ、過去Aリーグで若手の星として期待されて渡欧した選手はほとんどものになっていません。
ビドシッチ、レイジャー、カーニー、ルカビチャ、ジテ、ホランド、ネイサン・バーンズ、デビッド・ウィリアムズ、さらにAリーグ経験はないけどトロイジ、スピラノビッチ。
ヨーロッパでベンチウォーマーでいるくらいならAリーグに戻ってくればいいのにという選手ばかりです。
つい最近オランダに渡ったオアーはジンクスを破れますかね。
あのベテラン大好きのピムが初招集していきなりスタメンで使うくらいですから(ピムは初招集した選手はまず試合で使いません。カンタロフスキーやフェデリチのように何試合も招集しておいて1試合も使わないケースもあります)、従来のオーストラリア人にはないテクニックがあります。キューウェル2世という評価も納得です。
個人的にはオアーもランゲラクもヨーロッパでベンチウォーマーになるくらいなら、Aリーグで試合経験を積んでほしいのですが。
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ワールドカップ (Mr コンティ)
2010-04-26 16:25:21
鍼灸様

いつもありがとうございます。そして回答遅れてすみません。
Langerak にブンデスリーがからオファーが届きましたか..しかしレギュラーがとれるでしょうか? Socceroos はワールドカップ終了後は次の Asian Cup に向けて選手が大きく入れ替わると思います。でもあまり総力が落ちるとバーレンの後塵を拝して1次リーグ落ちも考えられますね。
ACLの成功なくして A-League の発展なしとのコラムが地元紙にありました。 Adelaide がどこまで進出するかも楽しみですが、 A-League からどれだけ Asian Cup メンバーに選ばれるでしょうか.. 次に就任する監督次第かもしれませんね。
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