Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

アジアの女子サッカーは世界最高のレベル… Matildas にアジアの壁… ①

2011-10-24 | Football Asia
世界タイトルを勝ち取りその1ヶ月半後厳しい日程を乗り越えて来年の五輪出場を勝ち取ったなでしこ達の姿を今やテレビでは見ない日は無い。本当に正当な評価だと思う。今世界一のタイトルを保持している競技、団体はプロ野球と女子サッカーだけだからだ。しかし女子サッカーは“世界一”になる前となった後での格差は激し過ぎるとも思った。
今のなでしこ達の素晴らしいところは先人達の残した事そしてこれまでの積み重ねに敬意を払い続けている事だ。それはその時代を良く知る代表に長く身を置く澤穂希がいるからだ。彼女の存在が先人達の功績を後世に伝承していく事だろう。 これは男子サッカーではあまり見られない事ではないかな…しかし代表が強くなった今、サッカーという商品価値が一気に上がった幸せな時代なのだ….

9月5日、その日は商用でシドニーの見本市に参加していた日だった。閉幕時間である午後5時が近づいて来た時、携帯電話で中国で行われていたロンドン五輪の女子サッカーアジア地区最終予選の結果を検索する為にヤフーサイトにアクセスした。そしてなでしこがオーストラリア代表 Matildas を 1-0 で破った事が解った。
おもわず拳を握りしめた。 タイ、韓国を連破したあとのこの Matildas 戦が1つの山場と思っていた。昨年の AFC Women’s Cup で優勝を果たしワールドカップでベスト8に残った Matildas と同じくワールドカップに出場した北朝鮮との直接対決で勝点を幾つ稼げるかがこの11日間で5戦を行う過酷な日程を勝ち抜くひとつのポイントと思っていた。
だから Matildas 戦の勝利で大きく予選突破に近づいたと思ってほっとした。
見本市後に現地日本人の方が経営する日本食レストランに行った。そこで働く日本人女性達に試合結果を教えてあげた。
“日本勝ちました。これでロンドン五輪に大きく前進です。”
彼女達は本当に喜んでくれた。そして私は付け加えた。“日本女性は素晴らしい。世界一です。”
だけど気になった事も。現地の人達の間ではあまりこの五輪予選が話題になっていなかったらしく、いつ予選が始まってどこで詳しい試合経過が解るのかなかなか解らなかったらしい。 オーストラリア女子サッカー代表チームは現アジア王者、いや女王なのになぁ……

West Field Matildas defeated by world champions Japan Australia 0-1 Japan 5th Sep.

何年にも亘って特に近い関係を持っている日本は強くて友好的なライバルである。 彼女達との戦いは常に特別なものとなるであろうと言う事は解っている。日本は我々の限界をテストしようとするだろう。我々は日本のプレースタイルに大変な敬意を払っているがそういった敬意はお互いに持っている事だろう。 日本が世界タイトルを勝ち取った後にこの予選にどの様に焦点を定めているか見るのが非常に楽しみである。 世界一に酔ったままか、変わらずプレーするか。 大きな大会での過去の対戦成績は対等である。トップチームとの対戦は引分けか1点差の勝敗だ。明日の日本戦ではこれまでの歴史通りになる事を希望する。そして次の日本戦で結果が出ればこの五輪予選突破に大きく前進できる。

試合前日 Matildas の Tom Sermanni 監督はこう語っていた。 ワールドカップでは若い選手を起用。1次リーグではそれが功を奏したが準々決勝戦ではミスから失点を喫しスウェーデンに敗れ準決勝進出はならなかった。だから最も警戒する相手と思っていた。この Matildas 戦に勝てれば北朝鮮戦は引き分けても、最悪負けても予選突破の2位以内が充分に射程内に収まると思っていた。 しかし Matildas は初戦で北朝鮮に敗れている。この日本戦に対する意気込みはなでしこ達以上ではないかと危惧もした。

この試合のなでしこは全員がワールドカップのレギュラーメンバー。一方の Matildasは前のタイ戦からスタメンを8人も替えて来た。しかし初戦の北朝鮮戦でスタメン起用された選手が8人。このなでしこ戦のスタメンがレギュラーメンバーであった。ワールドカップレギュラー選手を7人なでしこ戦に先発させた。ただGK はタイ戦で起用されワールドカップでレギュラーだった Anne Barbieri が起用されるかと思ったが北朝鮮戦同様に23歳 Lynda Williams が起用された。 Williams は175cm Barbieri は 166cm その違いだったのだろうか…. そして Sara Walsh も日本戦で今大会初スタメン起用された。
さすがにDFラインは③ Kim Carroll 175cm, ④ Polkinghorne 171cm ⑬ Slatyer 174cmと長身選手が揃う。更にベンチには⑫ Van Egmond 175cm , ⑮ Sally Shipard 176cm そして緊急召集された 180cm のDF ⑤ Gloria AllwayそしてFW ⑳ Michelle Heymann 180cm らが控える。
Denmark Fortuna Hjorring でプレーするVan Egmond はワールドカップではレギュラーだった選手。ワールドカップではDFで起用された ⑩Caitlin Foord は本来の攻撃的ポジションで起用された。本来 FW 選手である Uzunlar もワールドカップでは Foord 同様守備的ポジションで起用され、この2人の連係ミスからピンチや失点を招くシーンもあったがこの予選大会では Uzunlar もFWで起用されていた。

開始早々日本ゴールに迫るのはアメリカ Magic Jack でプレーする 156cm の⑪ Lisa De Vanne。右に左に動いて日本DFを撹乱しようとした。 De Vannna は2007年 ワールドカップ中国大会で4得点を挙げたストライカーだ。2006年アデレードで行われた Asian Cup ではこの Walsh と De Vannan にかなりやられた。 
しかし10分も過ぎるとなでしこ達のボール回しが上回る様になり永里らが決定的なシュートを放つが惜しくもクロスバーの左に外れる。 その後もなでしこのチャンスが続くが GK Williams がファインセーブを見せ得点には至らなかった。
後半に入りなでしこは⑩澤が比較的高い位置を取るようになり更に攻勢が続く。また美人選手⑮鮫島のサイド攻撃も顕著になって来た。そして62分、素晴らしいビルドアップから最後は⑨川澄が決めてなでしこが先制をした。前半の半ばからDF4人の前に MF 陣4人を並べ効果的なブロックを敷いていたがこのシーンはなでしこ達のボール回しが完全に上回った。
先制を許した Matildas ベンチは72分に DF Slatyer , ⑭ MF McCllum を下げて FW の⑩ Yesim Uzunlar ⑰ Kyah Simon を投入する。 Uzunlar はワールドカップではレギュラーでこの五輪予選も北朝鮮戦、タイ戦とスタメン起用されていたのだがなでしこ戦はベンチスタートだった。 Simon がピッチに入って来た時永里に抱きついて健闘を誓っていたけどこの2人は過去にどういう接点があったのかな…
Matildas は同点ゴールを狙って前線にロングボールを多く起用する様になるがなかなかシュートに持ち込めない。なでしこは71分に川澄に替って⑪安藤梢そして82分には⑪大野忍に替って⑱丸山香里奈といった前線の選手達が投入されたので Matildas の両サイドバックはなかなか上がれなくなった。丸山は五輪予選初登場。彼女のゴールが見たかったけど….
85分には 160cm の FW ⑨ Sarah Walsh に替って180cm の Heymann が投入され、最前線が4トップの形になるがなでしこDF陣もしっかりと対応し最後まで失点を許さなかった。

試合後 の記者会見でSemanni 監督はまず勝利を収めたなでしこに祝辞を送りこの様に述べた。
“我々は本当に日本に打ち負かされた。 日本はいかなる瞬時でも大変な自信と落ち着きを持ってプレーしていた。 我々はこの試合は予選の中でももっともタフな試合になると解っていた。そしてワールドカップ終了からどれだけ戻って来ているか常に考えながら大会に臨んでいた。 我々はよく準備と休息が出来て大会に臨んでいると感じていた。 それが分岐点になると思っていた。しかし今それが正しくない事が解った。今のキーポイントはまだ我々には2試合残されていると我々が思える事が出来るかどうかだ。 まだ五輪予選突破の可能性は残されている。可能性が残されている限り我々は前を向いて臨まねばならない。”

前に直接対決を見たのは2006年アデレードで開催された AFC Women’s Cup だった。この時なでしこは Matildas に 0-1 で敗れたのだけど今回は 1-0 の勝利。しかも試合内容を圧倒していた。ワールドカップを優勝した事でプレーに自信が植え付けられたと言う印象をテレビで見て感じた。
日本同様ワールドカップ終了後から短いインターバルで五輪予選に臨んだ Matildas の最も懸念されたのが選手達のコンディションだった。なでしこ戦をテレビで見る限りその心配が的中したと言えただろう。運動量で圧倒的な差があった。まだ肌寒さの残る南半球からの遠征ではこの日の気温28度は厳しかったかもしれない。
Semanni 監督が“格下”のタイ戦ではメンバーを大幅に替える等“ターンオーバー制”を敷いたのも選手達のコンディションを考えてなのかもしれない。
試合日程も Matildas にとっては少し不運だった。初戦で北朝鮮、第三戦で日本と当面のライバルと調子の出にくい序盤であたり連敗した事で五輪予選突破に大きくブレーキが掛かってしまった。 
しかし取りこぼしのきかない短期集中開催でしっかりと勝点を重ねるなでしこは本当に凄い、さすがだと思った。
集中開催…1993年のドーハの悲劇。そして1996年マレーシアで行われたアトランタ五輪予選の歓喜を思い出した……



Australia 0  Japan 1 ( Kawasumi 62' )

Westfield Matildas : GK ⑱Lydia WILLIAMS ②Teigan ALLEN ⑬Thea SLATYER ( ⑩ Servet UZUNLAR 71’) ③Kim CARROLL ④Elise KELLOND-KNIGHT ⑯Caitlin FOORD ⑭Collette MCCALLUM (c) ( ⑰ Kyah SIMON 71’)
④Clare POLKINGHORNE ⑦Heather GARRIOCK ⑪Lisa DE VANNA ⑨Sarah WALSH ( ⑳ Michelle HEYMAN 83’)

日本 : GK ①.海堀あゆみ DF ② 近賀喬子、③岩清水梓、④熊谷紗希、⑮鮫島彩 MF ⑥阪口夢穂 , ⑧ 宮間あや ,
⑨ 川澄奈穂美 ( 71’⑦安藤梢 ) ⑩ 澤穂希、FW ⑪大野忍 ( 82’⑱丸山佳里奈 ) ⑰ 永里優季 



Westfield Matildas squad announced 18th August
なでしこ達が戴冠を受けた FIFA Womes’s World Cup から1カ月。約2週間後に迫ったロンドン五輪女子サッカーアジア地区予選のメンバー20人が発表された。
ワールドカップには怪我でメンバー入り出来なかった Sarah Walsh, Thea Slayter ( 共に Sydney FC ) の2選手が代表に復帰。そしてワールドカップメンバーに最後に漏れた Aviv Luik ( Brisbane Roar ) も五輪予選メンバーに入った。
ワールドカップメンバーの中では赤道ギニア戦に先発出場した Lauren Colthorpe が膝の怪我で、そしてスウェーデン戦でスタメン起用された Ellyse Perry , 赤道ギニア戦でスタメンだった Leena Khamis や Casey Dumount らが外れた。
“最終メンバーを決めるのは再び難しい決断であった。” Semanni 監督は胸中をまず吐露した。
“我々は多くの才能に満ちた選手達を抱えている。11日間で5試合を行う五輪予選にたった20名しか選出できないのでは選考過程で大変バランスを考慮する必要があった。柔軟性を持ってプレーするグループである事が大変短い期間で行う試合数のキーとなる。 Thea と Sarah の2人は共に特別な質をチームにもたらす。そして今チームはアジアの大きな大会に臨む彼女達の膨大な経験と知識が加えられた。 

Sara Walsh はこれまで代表出場歴64試合。 Thea Slayter は46試合。 共に27歳のベテラン選手。Walsh は代表通算29ゴールを上げており、7月のワールドカップに出場出来なかった事が非常に悔まれた。
平均年齢 21.9歳のワールドカップメンバーにWalsh, Slayter といった2006年Asian Cup の日本戦で好パフォーマンスを見せた彼女達が戻って来た事でなでしこも相当苦戦すると危惧をした…しかしその後 Matildas に災難が降りかかってきた。

Teigen Allen - Sydney FC - 17 - 9 (0), Laura Alleway - Brisbane Roar - 21 - 4 (0),
Melissa Barbieri - Melbourne Victory - 31 - 80 (0), Tameka Butt - Brisbane Roar - 19 - 23 (1),
Kim Carroll - Brisbane Roar - 23 - 44 (2), Lisa De Vanna - Brisbane Roar/magicJack - 26 - 71 (25),
Caitlin Foord - Sydney FC - 16 - 5 (1), Heather Garriock - Sydney FC/LdB Malmo - 28 - 125 (20),
Elise Kellond-Knight - Brisbane Roar - 20 - 25 (0), Samantha Kerr - Perth Glory - 17 - 18 (3),
Aivi Luik - Brisbane Roar - 25 - 12 (0), Collette McCallum - Perth Glory - 25 - 68 (11),
Clare Polkinghorne - Brisbane Roar - 22 - 49 (2), Sally Shipard - Canberra United - 25 - 5(4),
Kyah Simon - Sydney FC - 19 - 29 (7), Thea Slatyer - Uncontracted - 27 - 46 (2),
Servet Uzunlar - Sydney FC - 21 - 26 (1), Emily van Egmond - Canberra United - 17 - 8(1),
Sarah Walsh - Sydney FC - 27 - 62 (29), Lydia Williams - Canberra United - 23 - 26 (0)

Head Coach: Tom Sermanni, Assistant coach: Spencer Prior, GK coach: Paul Jones, Doctor: James Ilic
Physiotherapist: Kate Beerworth, Assistant physio: Lauren Cramer
Sam Kerr ruled out of 2012 London Olympic 29th August

初戦の北朝鮮戦を3日後に控えた28日。練習中に FW Samantha Kerry が膝を負傷し離脱を余儀なくされた。
Kerry は17歳ながらこれまで代表試合出場が18試合もあり3ゴールを決めており今年のワールドカップでもブラジル戦、ノルウェー戦そしてスウェーデン戦にスタメン出場したレギュラー選手だった。
“ Sam の怪我はごく普通の練習中に起きてしまった。残念だけどこういう事はスポーツでは起こりうることだった。 重要な事に Sam はこういう状況でも予想できる通り good spirits であった。 Sam は生き生きとしておりチーム内でも人気があった。そして彼女の存在がただ無くなっただけだという共鳴を創造できる選手だった。 我々全ての考えはこの瞬間も彼女と共にあることで、彼女がすぐに復帰する事を確信している。” 

Samantha Kerry の離脱により翌日 Michella Heyman が緊急招集された。
Canberra United の FW 選手 Heyman は昨年中国で開催された AFC Women’s Cup のバックアップメンバーであった。
“今大会で我々が求める柔軟性という点を考えれば Heyman は理想の選手だ。彼女がウィングや前線のポジションで見せるプレーはチームに何か異なったものを与えてくれる。 Michelle は今大会に必要となる素晴らしいペース、柔軟性そして器量を兼ね備えており、 Sam Kerr と同じ様な事をもたらしてくれるだろう。 我々は本日(8月29日)休息の必要な選手達と共に練習を休み、Heyman が合流する翌日の練習を見て初戦のメンバーを選考する。” 
この様に Semanni 監督は語った。 Heyman は昨年3月に行われた北朝鮮との試合で代表デビューを飾っている。

Matildas Ready for opener
“大変難しいトーナメントになるだろう。多くのタフなチームがありタフな試合があり最後に残る事も出来る。選手達が最善を尽くし有用性を得たチームが五輪に残る事が出来るだろう。 北朝鮮はアジアではアジアの戦いの中では決勝に進出するか予選を突破するかのどちらかを達成すると言う突出した歴史を残している。彼女達は五輪の為にここに来ている。 明らかに彼女達の準備は何人かの選手達が出場停止処分を受けた事で頓挫もしただろうが、彼女達は立ち直りが早く、また立ち直りも早い国を木曜日(9月1日)の初戦で相手にする事は非常に難しい事だ。 昨年Asian Cup で、そして今年の国際試合で見た Matildas がここでも見られる事を願っている。 それは選手達あポジティブなサッカーをするチームで、本当に集中をしたチームで、勝つ試合をフィールド上で演じるチームで五輪の本当に行きたいと言う野心をもったチームだ。 “ Semanni 監督はこの様に語った。
そして GK Melissa Barbieri 主将は “ 技術的に Asian Cup で準決勝、決勝戦に進出した時と同じ試合数で出来ない任務では無い。 ” と予選に臨むにあたってこの様に語った。

Westfield Matildas suffer narrow defeat to DPR Korea Australia 0-1 DPR Korea 1st Sep.
9月1日。これまでこれほど注目された事がなかった女子サッカーの五輪予選が開幕した。 
日本の初戦、タイ戦のキックオフの笛が吹かれたのとほぼ同時に斉南五輪スポーツセンターで Matildas は強豪北朝鮮との一戦に臨んだ。 この予選会の日程も開催国である中国が組んだのだろうか? 候補である北朝鮮とオーストラリアを初戦で直接対決となった。思い出すのは1980年3月マレーシアで開催されたモスクワ五輪アジア地区予選。たった一つしかない出場権を競い本命が韓国、対抗に地元マレーシアと日本が予想されていた。しかし当時の力からして韓国が最有力だった。( モスクワ五輪サッカーもアジアから出場枠が3カ国あったが予選は地域に分けて行われた。) 
大会日程は地元であるマレーシアが組み、初戦で日韓が対戦する事に。当時この予選を中継するテレビ局はさっぱりなく深夜に韓国のラジオ局から流れて来る中継を必死に聴いていた。 日本は善戦するもPKで先制され更に2失点を喫し終了直前に木村和司のアシストから高原が決めて一矢を報いたものの 1-3 で敗れた。 そして地元マレーシアはその後何と韓国を 3-0 で粉砕し予選終盤に行われた日本対マレーシア戦では碓井のゴールで日本が先制し期待させられたが後半ジェームス=ウォンに同点ゴールを決められ上位2チームが残る決勝戦に日本は進めず、決勝戦ではまたもマレーシアが終了直前にジェームス=ウォンのゴールで韓国を破りモスクワ五輪出場権を獲得した。
しかしモスクワ五輪はマレーシアもアメリカ、西ドイツ、日本に同調しソ連軍のアフガン侵攻に抗議しボイコットをした…..
今では考えられない事ばかりだった…..

おそらく地元中国は北朝鮮とオーストラリアを直接対決させて星を潰しあって貰って何とか上位2位以内に滑り込み五輪出場権を獲得したかったのではないだろうか…そういう意味ではなでしこの初戦はタイ戦で良かったと思った。もし初戦でタイか中国以外が相手だったらどうなっていただろう……

注目の初戦。北朝鮮のスタメンはDF 遊正煕 MF 李芝京、趙潤美、金淑京、FW 羅恩心 金明花ら6人のワールドカップメンバーをふくんでいた。ワールドカップ大会中にドーピングで陽性反応のあった Song Joung Sun, Sim Pok Jong らを含め13人のメンバーが入れ替わった。ベンチにはワールドカップで3試合出場した金恩珠はベンチスタートだった。 2010年AFC Women’s Cup の決勝戦のオーストラリア戦に出場した選手4人がスタメンに起用された。
一方の Matildas のスタメンは代表に復帰した Slatayer そしてワールドカップメンバーが8人が入っていた。 GK はワールドカップではレギュラーだった Barbieri ではなく Lynda Williams 。スタメンに起用されたワールドカップ経験者の中では怪我で交替出場が多かった Sally Shipardがいた。 レギュラークラスではVan Egmond そして代表復帰した Sarah Walsh がベンチスタートだった。そして Asian Cup の決勝戦に出場した選手7人がスタメン出場していた。
試合は開始早々 Ellis Kellond Knoght のシュートが僅かにクロスバーを越える等 Matildas が主導権を握るかに見えたが10分ワールドカップメンバーだった金淑京のゴールで北朝鮮が先制する。 
後半に入って 67分に Sarah Walsh , 74分に Kyah Simon そして78分に Michelle Heyman ら FW 選手が投入され、 Walsh がGK趙潤美と1対1になり出鼻をチップキックで浮かせてゴールを狙うが僅かにポストの右に外れ、 その後Simon が放った強烈なショットもGKの正面を突く等最後までゴールネットを揺らせず黒星スタートとなった。

   

“勝ち試合にはキーとなるチャンスがあるのだがこの試合の私達はそれを勝ち取れなかった。それが恐らく両チームとの差であっただろう。我々はタフで厳しい試合の続くこのトーナメントにやって来たのであるが、少しばかりがっかりさせられたパフォーマンスもあった。しかし考え方によっては我々は勝利に繋がるチャンスを多く造ったとも言える。それはまだ大会はこれからも試合は続くのだと示している。我々は次からの4試合に集中する代わりにこの試合の敗北に必要以上に失望したり集中を乱したりしてはならない。 ”
試合後 Semmani 監督はこの様に語った。 そして久々に Matildas に戻った Walsh, Slatayer そして緊急招集された Heyman らが強豪北朝鮮相手にある程度のパファーマンスを見せた事も Semmani 監督を喜ばせた。

Australia 0  DPR Korea 1 (Kim Su Gyong 10')

Westfield Matildas : GK ①Lydia WILLIAMS, ⑩Servet UZUNLAR ⑬Thea SLATYER ③Kim CARROLL ④ Elise KELLOND-KNIGHT ⑮Sally SHIPARD ⑭Collette MCCALLUM (C) ⑦Heather GARRIOCK
⑲Tameka BUTT ( ⑰Kyah SIMON 75') ④Clare POLKINGHORNE ( ⑳Michelle Heyman 79') ⑪Lisa DE VANNA ( ⑨Sarah WALSH 65')

北朝鮮: GK ① 趙潤美 DF③金南煕、⑤風善花、⑥尹松美、⑮遊正煕 MF ⑦李芝京、⑧趙潤美 ( 89’⑭黄圣美 )
⑨金淑京、FW ⑩金英愛 ( 59’⑲金恩花 ) 、⑪羅恩心、⑰金明花 

Westfield Matildas put five past Thailand Australia 5-1 Thailand 3rd Sep.
中1日おいてのタイ戦。 北朝鮮戦のスタメン8人を入れ替え途中出場だった Michelle Heyman, Kyah Simon をスタメンに起用。そしてGK には Melissa Barbieri , MF Van Egmond らワールドカップレギュラーメンバーがこの試合にはスタメンに起用された。
タイのスタメンは日本戦で怪我の為に20分でベンチに退いた DF Sritala Duangnapa そして FW Nisa Romen の2人を除く9選手が連続スタメン起用された。初戦の日本に敗れはしたがある程度はやれると自信を持ったのではないか? 
しかしながらこの試合は立ち上がりからフィジカルで圧倒的に勝る Matildas の猛攻で幕を開けた。
12分、 Heather Garriock が直接ねらったFKは僅かにクロスバーを越えたが13分に波状攻撃から Kyah Simon が先制ゴールを上げるとその2分後には Michelle Heyman がゴールを決める。
Heyman はこのゴールを以前チームメイトで本来ならこの日が誕生日であった7月20日にトレーニングの帰りに交通事故で亡くなった元Illawarra Stingrays のAshleigh Connorに捧げたとの事であった。
それはSimon とのパス交換でDF陣を置き去りにし最後はヘッドで押し込んだゴールであった。
更に34分、Garriock と Polkinghome が相手DFを引き付けフリーの Heyman がタイゴールに蹴りみリードを広げた。 そして前半終了間際には Simon が相手PA付近で粘ってボールをキープし Heyman に送ると今度は後方から走り込んだ Tameka Butt に戻し、Butt が放ったショットがタイゴールに突き刺さり 4-0 で前半を終えた。
後半に入り Matildas ベンチは Garriock に替えて Polkinghorne , Kellond Knight に替えて Sally Shipard と言ったワールドカップメンバーを投入した。
58分 van Egmond が30mのFKを直接叩きこみ 5-0 とした。その直後にDFの連係ミスから Dangda Taneekarn にゴールを奪われ 1点を還される。
タイベンチは61分に5失点の GK Sudtavee Kanyawee に替えて Pannipa Kamolrat を投入した。
その成果があったのかその後は両チームとも得点は生まれず 5-1 で Matildas が勝利を挙げた。



試合後のインタビューで Sermanni 監督はまず Heymann のパフォーマンスを称えた。
“Michelle はこの2年間で自信を得た。 彼女が2ゴールを挙げた事は素晴らしい事だ。質の高いストライカーのゴールだ。我々が5ゴールも決められた事が嬉しい。” 
61分にはワールドカップで Young Player of the Tournament を受賞した17歳の Catlin Foord も今大会初めて投入された。
そして日本戦に向けたコメントも。
“ゴール数を増やす事はこのトーナメントでは重要な事だ。今やアジアのチーム相手のゴールを決める事は容易ではない。またこの試合を前半で決められた事が良かったと思う。後半は何人かの選手を替えて次の日本戦に向けて休ます事も出来た。
しかしながら後半のパフォーマンスは多くの要望を残した。 タイは後半我々にプレッシャーを掛けて来たので我々はリズムを失った。 失点は基本的な守備のミスからだ。もし我々がトップチームを目指すならこの様な失点は避けねばならない。 次の試合は改めて90分間の試合に臨むスイッチを入れ直す必要のある大変重要な試合である。

オーストラリア戦を前になでしこは2連勝しており勝点で上回っていたが日本が3点差をつけたタイ相手に4点差をつけた Matildas 。この次の日豪戦は負けると得失点差で差をつけられる。最低でも引分けを…とこの時点で願っていた。



Australia 5 (Kyah SIMON 14', Michelle HEYMAN 16', 34', Tameka BUTT 45', Emily VAN EGMOND 58')
Thailand 1 ( Dangda Taneekarn 59’ )
Westfield Matildas : GK ①Melissa BARBIERI (c), ②Teigan ALLEN ⑩Servet UZUNLAR ⑥Laura ALLEWAY
⑧Elise KELLOND-KNIGHT ( ④Clare POLKINGHORNE 45') ⑲Tameka BUTT ⑫Emily VAN EGMOND
⑥Aivi LUIK ⑦Heather GARRIOCK ( ⑮Sally SHIPARD 45') ⑳Michelle HEYMAN ⑰Kyah SIMON
( ⑯ Caitlin FOORD 61')

Thailand : GK ①Sudtavee Kanyawee ( ⑱ Pannipa Kamolart 61’ ) DF ② Darut Changplook ③ Suphaon Kaeobaen ⑫ Kwanruethai Kunupatham ⑯ Saengchan Khwanrudi ( ⑤Kanjana Sung Ngoen 46’ )
MF ⑧ Junpen Seesraum ⑨ Warunee Phetwiset ⑩ Sunisa Srangthaisong ⑰ Anootsara Maijarern
⑳ Wilaiporn Boothduang FW ⑲ Dangda Taneekarn ( ⑪Nisa Romyen 64’ )


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