Mr.コンティのRising JAPAN

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アジアの女子サッカーは世界最高のレベル… Matildas にアジアの壁… ②

2011-10-24 | Football Asia
3試合を終えて Matildas は1勝2敗の4位。3連勝で首位を走るなでしことは6勝点、2位の北朝鮮とは5勝点の差がついている。更に中国が1勝2分で2勝点 Matildas を上回っていた。残りは2試合。次の中国との対戦はお互いに生き残りをかけたサバイバルマッチとなってしまった。
“五輪予選突破の為には残りの2試合はまさに勝利が必要とされる試合。選手達にとっては北朝鮮戦や日本戦と同じくらい難しいものとなる。物事がスムースに進んでいれば前向きにそして自信を持ってプレーできる。 いかに我々が困難な時に物事に対処するかと言う事がチームやスタッフにとって真のテストとなる。 次の2試合のキーは我々がいかに自分自身をコントロールするかである。通常、我々は大変立ち直りが早い選手団である。そしてこの信頼を完璧にする事が最後の2試合において我々のマニフェストとなるであろう。“Sermanni 監督は中国戦を前にこの様に語った。
サバイバルマッチのキックオフの約1時間半前に終わる日本対北朝鮮の試合では Matildas, 中国の両チーム関係者はひたすらなでしこの勝利を願っただろう。北朝鮮が勝点7のまま4試合を消化すれば中国はオーストラリア戦に勝てばその時点で中国が北朝鮮を上回る事が出来た。 オーストラリアが勝っても北朝鮮と勝点1差で3位に浮上する。
しかしながら北朝鮮の最終戦は格が落ちるタイ。タイには負ける事はまず考えられなかったので3試合を終えた時点で既に中国、オーストラリアに残されたチャンスは殆どなかったのかもしれない……

The Westfield Matildas defeated host team China   Australia 1-0 China 8th Sep.
サバイバルマッチに臨む両チーム。 Matildas は Garriok, Kellondo Knight GK Williams こそ名を連ねたが前のなでしこ戦からスタメンメンを7人も替え、 DF Polkinghorne Slayter , FW De Vanna, Walsh らはベンチスタートとなった。
一方ホスト国の名に掛けても最終戦まで“生き残りたい”中国は前の試合で 2-0 で大会初勝利を収めたタイ戦のスタメンからメンバーを3人替えた。タイ戦ではスタメンで起用された注目の美人選手韓端はベンチスタート。そしてタイ戦はベンチスタートで交代出場後ゴールを決めたエースストライカー徐媛はスタメン起用された。
これでの両国の直接対戦成績は中国の18勝8分5敗。試合は開始から地元中国が10,167人の観衆の後押しを受けて これまでの対戦戦績を示すかの様にMatildas ゴールに迫る。 6分馬君のクロスに徐媛が合わせるがショートはGK Williams の正面に。その直後には中盤からロングボールが左サイドを疾走する徐媛に送られそのままドルブルシュートに持ち込むがWilliams が再びブロック。 12分には古雅莎からのパスを受けた徐媛がまたも Matildas ゴールに迫るがここも Williams がブロック。 試合序盤は中国の攻撃を GK Williams そして DF Laura Alleway とKim Carroll が必死に跳ね返すシーンが続いた。
劣勢のMatildas は22分に左からのクロスを Simon がボレーで合わせるが僅かにボールを外れる。
その1分後またもロングボールが前線に送られフリーで徐媛が受けるが線審はオフサイドの判定。後でビデをみたらオフサイドではなかったらしい… 27分今度は左サイドを崩した Matildas が中に送るが Heymann がボレーシュートを外しチャンスを逃した。
その後も中国が攻勢にでるがゴールを割る事が出来ず前半は 0-0 で終えた。



後半3分中国ベンチは古雅莎に替えて美人選手韓端を投入する。 



しかし後半開始から徐々にペースを握ったのは Matildas 。 1対1での体格差が徐々に表れ始め、また試合開始当時から続いた中国MF陣ビルドアップが構築できないと言う現象は解消せず、前線の徐媛、尤佳の2人の個人突破頼みは変わらなかった。53分には右サイドから Simon にパスが通るが角度の無いところからの Kyath Simon のシュートは GK張挹茹の正面に。
そして61分右CKを得た Matildas は波状攻撃を見せ MF Laura Allway が2度立て続けにシュートを放つが相手DFにあたり跳ね返されるも最後はそのリバウンドを Van Egmond が直接蹴り返したシュートが中国ゴールネットに突き刺さり後半優勢に試合を進めていた Matildas が先制ゴールを決めた。



中国ベンチは66分尤佳を下げて馬暁旭、74分には周菲菲を下げて屈珊珊を投入し攻撃の枚数を増やすそして韓端と馬暁旭をトップに張らせ4トップ状態で同点ゴールを狙う。 Matildas も先制後の64分 Simon に替って De Vanna を入れて前線の運動量を増やし、屈珊珊が投入されると FW Heymann を下げて DF Polkinghorn を投入する。
中国はロングボールを多用し前線にボールを集めるが攻撃のバリエーションが乏しく Matildas は最後まで自軍ゴールネットを揺らさせなかった。 
ボール支配率では中国が 53.1% と上回ったが相手ゴール前 30m 内に侵入した回数が中国の22回に対してオーストラリアは27回と上回っている。シュート数を見るともっと違いが顕著に表れ Matildas 15 に対して中国が 6。枠内シュートは Matildas が7本もあったのに中国は僅かに1本。ボールはキープしても相手陣内深い地域には侵入できずなかなかシュートに持ち込めなかったという事だろう。



“私はこうやってチームが立ちなおった事が大変嬉しい。 重要ないくつかの試合に敗れ大会をあとは帰国を待つのみとなった状況ではたやすく負けてしまう事は解っている。しかしこの試合で選手達がいかに集中していたかと言う事がわかり本当に嬉しい。15分を過ぎて我々の方が勝っており勝てるチームである事が解った。試合の立ち上がりの中国チームは大変危険であった。一旦我々が落ち着くと彼女達のオプションを削除する事が出来た。我々は大変タフなトーナメントになる事は解っていた。我々は惜敗を2試合喫した。もし我々が勝点9を挙げて3位で終えられればそれは良いトーナメントで有ったと言えるだろう。 まだレース上に残っている事がこのチームにとってハイライトになるであろう。“ Sermina 監督はこの様に述べた。

この試合の前に行われた日本対北朝鮮戦は 1-1 で引き分けた。 オウンゴールで先制したなでしこはそのままリードを保ち五輪予選突破決定目前で交替出場の金朝蘭のゴールで同点に追いつかれロンドン五輪出場決定はお預けとなってしまったが、この金朝蘭の同点ゴールは中国、オーストラリアの選手達により大きなショックを与えただろう。
その中で行われた試合。地元中国を相手に勝利を収めた Matildas が一縷の望みを残せる結果となった。
そしてなでしこの五輪出場が決まった。3日前にはなでしこの勝利を在留邦人女性達に言いふらし回った私だがこの日は目の前を歩く Aussie Girls や Ladies に御礼を言わねば…と思った。( 勿論何も言わなかったけど… )
それにしても中国サッカーはどうなってしまったのだろう…男子はとっくに弱体していつけど女子も……
この試合は NHK BS で中継されたそうだ。なんで最初に言ってくれなかったのだろう。タイマー録画をしたのに…。韓端を見たかったなぁ…..

Australia 1 (Emily VAN EGMOND 62’) China 0
Westfield Matildas : Lydia WILLIAMS (gk), Servet UZUNLAR, Laura ALLEWAY, Kim CARROLL, Elise KELLOND-KNIGHT, Aivi LUIK, Emily VAN EGMOND, Teigen ALLEN, Heather GARRIOCK (c), Michelle HEYMAN (4. Clare POLKINGHORNE 75’), Kyah SIMON (11. Lisa DE VANNA 65’)

中国隊: GK ①張挹茹; DF③周高萍、⑤翁新芝、⑥袁帆④-李丹陽;MF ⑪古雅莎 (⑩韓端 ’48 ) ⑧馬君、⑯張娜
⑲周菲菲 ( ⑱屈珊珊 73’); FW ⑦尤佳 ( 馬暁旭) ⑨徐媛

Westfield Matildas ready for Korea
11日間の五輪最終予選も最終日を迎えた。既になでしこは予選突破を決めており。この時点で3位のオーストラリアまで可能性が残されていたとは言え2位の北朝鮮も最終戦はまず負ける事が考えられないタイ戦。 Matildas がロンドン五輪に出場する為には韓国戦の勝利だけでなく北朝鮮の選手達がまた大量にドーピングで引っかかってくれる事くらいしか可能性が残されていなかった。
“勝利は我々に3位の座を齎す。 この目標以外に我々は何も考えられない。この試合は北朝鮮戦や中国戦同様難しいものとなるだろう。 我々は中国戦に臨む前同様に前向きな姿勢を以ってこの任務に集中する事が大変重要である。”
Sermanni 監督は故障を抱える多くの選手が何とか最終戦でプレーできる事も望んだ。
“この大会では前のトーナメント(ワールドカップ)よりも選手達の故障に悩まされた。 Kyah Simon と Caitlin Foord は韓国戦はベンチ入り出来ないだろう。選手達は100%フィットしていないが Sarah Walsh, Sally Shipard らは起用出来る目処が立つだろう。 “
中国戦で途中交代した Kyah Simon はくるぶしを負傷しており韓国戦はベンチから外れるとの事であった。 
こうした状況下Matildas は韓国戦に臨む事となった。

Westfield Matildas come from behind to beat Korea Republic Australia 2-1 Korea Republic

初戦“格上”と思われた地元と 0-0 の引分けを演じた韓国であったが続く日本戦は一旦は追い付くも1-2で敗れ、第3戦の北朝鮮戦も5分に李賢英のゴールで先制するも3連続ゴールを喫し 2-3 で敗れ、第4戦の格下タイ戦では主力を休ませたがようやく 3-0 で勝利を収めた。既に予選突破の可能性は無くなっていたが最終戦のオーストラリア戦に勝てば3位が見えて来る。若い選手が多いので今後の為にも格上のオーストラリア相手に結果を出したいところだっただろう。
最終戦ではスタメン8人を入れ替え日本戦で起用されたスタメン7人を入れてレギュラーメンバーでスタメンを組んで来た。
一方の Matildas は怪我で離脱した Kyah Simon 以外全て中国戦でスタメン起用された選手達が連続して名を連ねた。
これまでの対戦成績は韓国の5勝5分2敗。これは意外な戦績だと思った…



韓国は INAC 神戸レオネッサでプレーする池笑燃のみならず2ゴールを挙げている李賢英も要注意選手。しかし先制ゴールは 27分MF権荷娜が決めた。 権は日本戦でも途中出場した選手。 Matildas は今大会先制ゴールを許した試合は敗れており
公式戦の逆転勝となるとワールドカップでの1次リーグ最終戦ノルウェー戦までさかのぼらねばならなかった。
しかもその試合は両チーム1次リーグ突破が掛かった試合であった。
しかし後半、 Sarah Walsh, Lisa De Vanna が投入されると一気に攻勢に転じる。 63分には FK を得ると Heather Garriock が Servet Uzunlar に流しそのまま Uzunlar が放った強烈なショットが GK Jun Min Kyung を襲う。 Jun Min Kyung は何とかその弾道を弾き出すがこぼれ球に詰めた De Vannna が押しこんで Matildas が同点とする。
勝利を狙う Matildas は69分に FW Tameka Butt をMF Teigen Allen に替って投入するとその7分後 Garriock のクロスを受けた Butt が逆転ゴールを決める。



逆転されてから韓国は同点ゴールを目指し 84分日本戦にスタメン出場し、INAC神戸でプレーする⑮ Kwon Eun Som, 88分に⑫ Lee Sea Eun を投入し Matildas ゴールを脅かすシーンも演じたが GK Williams , DF Kim Carroll を中心とした守りで最後まで失点を許さず2試合連続完封を達成。 3位以上の座を確保した。
同時にキックオフとなった北朝鮮 vs タイ戦は 5-0 で予想通り北朝鮮が圧勝。 なでしこに続いて北朝鮮が五輪切符を手に入れた…..
 
“今日は大変伯仲した難しい試合だった。私はこの試合の後半に逆転をした選手達の見せた気骨と奮闘を誇りに思う。最初の3試合で2試合も負けた事を考えてみれば容易に大会を投げ出してしまうことは単純に考えられる。この試合をひっくり返した事が選手達の気骨を示唆している。“
同時に Sermanni 監督はチームが怪我に悩まされながら力強く大会を終えられた事を誇りに思った。
“もし今大会の全てを見ていたのであれば我々が逆転勝を出来るとは考えられなかったはずだ。ワールドカップの最後の試合で我々はフィットして来た。2人の故障を抱えた、本来ならチームに合流できない選手達と共に大会に臨まねばならなかった。そして3人程の選手だけが故障を抱えていなかった。 我々の戦力は限られていた。私はいかにして選手達が奮い立ったかを誇りに思う。彼女達はピッチ上に何も残さなかった…



Australia 2 (Lisa De Vanna 63', Tameka Butt 76') Korea Republic 1 (Kwon Hah Nul 27')
Westfield Matildas : GK ⑱Lydia WILLIAMS ⑩Servet UZUNLAR ⑤Laura ALLEWAY ③Kim CARROLL ⑧Elise KELLOND-KNIGHT ⑥Aivi LUIK ⑫Emily VAN EGMOND ②Teigen ALLEN ( ⑲Tameka BUTT 68’) ⑦Heather GARRIOCK (c) ⑳Michelle HEYMAN ( ⑪Lisa DE VANNA 46’) ④Clare POLKINGHORNE ( ⑨Sarah WALSH 46’)

韓国:GK ①全 ; DF ③李垠美 ④沈篼姸 ⑤ 金度妍 ⑥柳志恩 MF ⑦田佳儿 ( ⑫ 李世恩 )  ⑧権荷娜 ( ⑮ 権恩松 ) ⑬李賢英 (⑲車妍喜71’) ⑭趙昭賢 FW ⑩池笑燃 ⑰柳英雅

4年前同様ワールドカップでは準々決勝に進出しながら五輪予選は突破出来なかった Matildas 。まだ AFC に加盟してから五輪予選の壁は破れていない。 
それだけアジアのレベルが高いと言う事だけど、五輪は全体の出場枠が12カ国なのでアジアからは2カ国しか進出出来ない。
ワールドカップの結果からもう1カ国増やしてほしいところだけど…. そうなると男子が減らされるか?
他国の事を心配している場合ではないが次のワールドカップ予選までの3年間、彼女達に選手強化の為に潤沢な予算は廻って来るのだろうか….
なでしこも来年のロンドン五輪後大きな世代交代を余儀なくされるかもしれない。その時に後任のなでしこ達が育っている事を祈る。今かつてない追い風、順風が吹き荒れているこの時期に…….

10月6日~16日またも11日間で5試合日程が組まれたとベトナム、ホーチミンで開催された AFC U-19 Women’s Championship で日本 U-19 は見事優勝を果たし来年ウズベキスタンで開催される FIFA U-20 Women’s World Cup 進出を決めた。そして2位となった北朝鮮。3位に入った中国もFIFA U-20 の出場権を勝ち取った。
オーストラリアは6カ国中5位に終わった。  
なでしこ予備軍も順調に育っているみたいだ。 男子は今度こそ U-20 通過してくれよ…




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