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広州が強すぎるのか J リーグが弱すぎるのか 柏レイソル1-4 広州恒大 25th Sep.

2013-10-02 | Football Asia


相手が強すぎるのか、こちらが弱すぎるのか….贔屓チームや自分自身が大敗を喫した時のいつも思う事だ。
だけど大概の場合がその両方だという事はすぐに理解してしまうのだけど….

9月18日。サウジアラビアのリヤドで柏レイソルは難敵 Al Shabab と2-2 で引き分け ACL 準決勝進出を決めた。
J-League としては2009年大会の名古屋グランパス以来の快挙。しかし反対に2007浦和レッズ、2008年ガンバ大阪とJ League 勢が連覇して以来4シーズンで3度韓国勢が優勝 ( 09浦項、10 城南一和、12 蔚山現代 )。 優勝を逃した2011年大会でも全北現代が決勝まで進出している。 アジアの盟主を自負する日本といてはいつまでもK-League 勢の後塵を拝したくないところだ。

しかし今シーズン、期待された浦和レッズを始め3チームが1次リーグの壁を破れなかった。 だから2年連続 ACL 出場を決めそして1次リーグを突破し準決勝に進んでくれた事は本当にありがたく思った。 韓国、中国そしてサウジアラビア勢を相手にしてもアウェーで負けていないという事が他の3チームとは違いなぁと思わせてくれる。 その柏が今シーズンの J-League では10位にいることが信じられないんだけど。

対戦相手は広州恒大。また広州かと思ったと同時に、はっきり言ってアジアの“銀河系軍団”をまた見られるとも思った。
中国超級からはまだACLのタイトルを取ったチームは無い。 東アジア勢では既に日本や韓国の勝ち取っているタイトルを何とか勝ち取りたいだろう。 昨シーズン、ここ柏で対戦した試合観戦後は率直に優勝するかと思ったけど準々決勝でサウジアラビアの Al Ittihad に敗れてしまい、2004年大会上海申花以来の準決勝進出はならなかった。
但し、意外に思ったのはACLでは中国超級勢はJリーグ勢よりも好成績を収めたシーズンが多かった。
2002-03 シーズンでは大連実徳が準決勝に、2004年には上海実徳、2005年には山東魯能泰山がそれぞれ準々決勝に。2005年には山東と深セン紅鑽がベスト4に進出した。 この時期Jリーグ勢は1次リーグを突破できなかった…..

9月25日。 朝から天気予報を気にする。台風20号が近づいているとかいないとかで雨が心配された。
競技場に向かう電車から何度も曇天を見上げた。 そして競技場に到着すると雨が降り出した。 柏スタジアムはピッチと観客席が近くて迫力のあるスタジアムだけど雨が降るとサポーターというよりも観客泣かせだ。 メインスタンドももっと屋根を広げてくれないかな?といつも思う。 ACLの準決勝戦なので奮発してSS席を購入したけど折角なのでと前方席にしたのだけどそこは全く屋根の掛かっていないところだった。 こりゃたまらんとばかりに後方の記者席のすぐ前のSS席に移動した。 そこには誰も人が来ないことを願いながら…..
すぐ近くには日本に在住する中国人達が多く座っていた。やはりここでも高いチケットは中国人が買うのか….と思った。すぐ隣りには日本に居る中国人が座っていた。 彼は英語が出来るので色々とサッカーの話をしていた(なんと東大に留学しているとの事。日本語は勉強中なので英語の方が話せると言っていた。 それも凄いけど。) すると赤いジャージーを着た選手達が4名やって来てすぐ近くに座った。留学生から彼らは控えの選手達で元代表GKの楊君がそのなかにいると教えてくれた。そして馮仁亮も。
楊君は昨年のACL柏戦ではゴールを守ったけど今は現国家代表の曾城がレギュラーだ。 この試合の控えGKは2007年から広州に在籍する31歳のベテラン李帥だった。 楊君は2007年 Asian Cup のウズベキスタン戦に出場したGKだったと後で知った。 本当はここでは無くてピッチに居たかっただろうなぁ~と思った。



また馮仁亮はロンドン五輪予選メンバー入りが確実視されていたけど年齢を約8か月誤魔化していた事がばれてメンバー入りところか2011年の Asian Cup メンバー入りもフイしてしまった。しかし2012年6月のベトナム戦ではメンバー入りを果たし2ゴールを決めた。( 試合は 3-0 で勝利 ) 。
選手達の周囲には次々と中国人観客が近づき一緒に写真を撮ったり、サインを貰ったりしていた。 
ミーハーな私も一緒に写真を撮ったりサインを貰ったりした。 そして色々通訳をしてくれた留学生にも御礼を言った。すると彼は通訳をしたおかげで彼らと話が出来たとも言ってくれた…….そして彼は“この4選手の給料を合わせると柏のこの試合の選手の給料より多いんじゃないですか。”とも言っていた。 やはりアジアでも勝ち抜くのは資金がそこまで必要か….. この試合には昨年 Real Madrid と親善試合をした時に見られたチアーガール達は帯同していなかったのも残念だった.....




準々決勝のLekhwia ( カタール ) 戦、ホームの First Leg では 4-2-3-1 の攻撃的フォーメーションでキックオフを迎えたが前半をスコアレスで折り返すと後半に黄博文、鄭智、榮昊を投入して 2-0 の勝利を納める。続くアウェーの 2nd Leg では郜林、馮瀟霆をベンチに置き榮昊、黄博文をスタメン起用して 4-3-3 の布陣で臨んだ。 前線で Concaを真ん中に置き、Muriqi, Elkesonをサイドにおき2列目に鄭智、趙旭日、黄博文の3選手をおいた。試合はアウェーながら前半に Conca, Elkeson そして Muriqui の連続ゴールで主導権を握り 4-1 の勝利を納めた。
広州スタメン、というよりも名将 Lippi 監督はこの試合どんな布陣で臨むのだろうと楽しみにしていた。

     


前の週の Lekhwia 戦のスタメンからCBの馮瀟霆が趙旭日に替わって起用された以外は同じスタメン。フォーメーションは
GK 曾城の前に 4-2-3-1 の布陣だった。 トップにはMuriqiが入り2列目には左に Elkeson, 真ん中にConca。右には郜林ではなく黄博文。9月13日の上海申花戦、そして Lekhwia 戦に続いてのスタメンだった。 ボランチに榮昊と鄭智。CBにはかつて大宮アルディージャでプレーした金英権と馮瀟霆。左SBに孫祥。右SBには張琳凡が起用された。 黄博文と馮瀟霆以外は7月の東アジア選手権メンバーだった。
4月13日の浦和レッズ戦では 4-3-2-1 のフォーメーションで Elkeson, 黄博文以外はその試合にスタメン出場をしており昨年のACL柏戦には鄭智、馮瀟霆、孫祥、趙旭日、Conca、Muriqiがスタメンだった。



1週間前にサウジアラビアで激戦を終えた柏レイソルは Al Shabab 戦のスタメンで累積警告で出場停止の大谷以外は全て同じスタメン。その大谷の替わりに茨田がスタメンに起用された。
Al Shbab 戦の4日後の22日に他の試合とは1日遅らせて第27節のセレッソ大阪戦をアウェーで行った。この試合に出場して中2日で広州戦にスタメンで臨んだ選手は Gk 菅野CB 鈴木、左SB橋本、ボランチ茨田、そして工藤、田中、ワグネルの7選手。 クレオは78分からの途中出場だった。 準決勝の広州戦に備えて柏もセレッソ戦を21日に行った方がよくは無かったか?
“勝った”あとの方が疲労は少ないからなぁ~(実際は引き分けだけど)と思った。

私が期待したのはなんと言っても Gabriel Cordova ことクレオ。 昨シーズンまで広州恒大に在籍し、ACLの柏戦では強烈な印象を私は持った。 しかし Knock Out Stage に入りパラグアイ代表の Lucass Barrios が加入したことにより ACL では出場機会を失い、外国人枠の問題もあり今シーズンから柏レイソルに期限付きで移籍してきた選手だ。古巣広州との対戦だけに燃えないわけが無いと期待をしていた。 念願のセルビア代表入りを果たしそうだけど残念ながら来年のワールドカップはちょっと…..
1次リーグ浦和レッズ戦ではワントップに起用されたパラグアイ代表の Lucas Barrios は給料未払い問題もあって Spartak Moscow に移籍してしまった。
昨年の柏での広州恒大戦に出場した選手でこの試合も出場したのは6選手。田中、工藤の2トップ。 2列目左にワグネル、栗澤がボランチ。近藤がCB。GK菅野がそれぞれ起用され、 Hanover96 に移籍した酒井弘樹が右SBだった。




広州キックオフで始まった試合の立ち上がり、32秒に鄭智がワグネルに、50秒には Muriqi が茨田にそれぞれ倒されファールを得るが柏の気迫を感じた。 4分には右サイドから中央にドリブルで持ち込んだ工藤が左サイドのワグネルに送り中に折り返すとクレオに当たりゴールラインを割る。 コントロールしてくれよ~と思ったけど線審の旗が上がってオフサイドと判定された。その直後に Mriqi からゴール前の Elkesson にスルーパスが入るがここはCB近藤が身体を張ってクリアー。8分には Elkessonが上がり Muriqi にボールが入るがここはワグネルがストップ。 何度か中盤から Mriqi や Elkesson に中盤からラストパスが送られるが柏 DF 陣が身体を張ってクリアーしていた。 
そして14分。FKを得た柏はワグネルがボールをセットする。 ゴール前に入れられたボールはクレオの頭をかすめるようにしてそのまま広州ゴールに飛び込んだ。 大喜びのクレオを見て “ クレオ!ナイスゴール!もう1ゴールで古巣に倍返しだ! ” と心の中で叫んだ。 



先制を許した広州ベンチはここでフォーメーションを変えてきた。外人3選手、 Mriqi, Conca, Elkessen を3トップに置き2列目に右から黄博文、鄭智、榮昊の3選手を置き 4-3-3 の布陣にし、柏の中盤にプレシャーを与えてきた。 22分には波状攻撃から最後は榮昊のシュート気味に蹴った弾道がミスキックとなりそれが前のフリーの Mriqi に繋がるがこの決定機は Mriqi のシュートはポストの内側を叩いてくれた。 後方に陣取るレイソルサポータータ達からは安堵の嘆息が聞こえた気がした。
これが前半に広州が見せた唯一の決定機であった。 以降は柏イレブンの出足が一歩早く、特に左サイドからの崩しが目に付いた。



21分には左サイドに寄った田中からのクロスを工藤がヘッドで落としたところをクレオが放ったショットは惜しくもゴール枠を外れた。
23分には右サイド工藤からのクロスをクレオがヘッドで狙うがGK曾城がキャッチ。 
37分には広州ベンチが黄博文に変わって郜林が早くも投入する。ずいぶん早くから選手を替えるなぁと思ったら25分頃に Conca の入れたフリーキックに飛び込んだ黄博文が GK菅野と競り合ったときに負傷したらしい。 これで柏の左サイド対策とするのかと思うが以降も柏の攻勢が続いた。 37分、左サイドからワグネルが入れたクロスが馮瀟霆がかぶり田中の前に落ちる。榮昊がマークに入る前に田中が押し込もうとするが GK 曾城の脚に当たりゴールラインは割れなかった。絶好の追加点のチャンスだった。



45分にもまたもワグネルが左サイドから入れたクロスにクレオが孫祥と競りながら放ったヘッドはわずかにクロスバーを越えた。

25分過ぎから柏の攻勢が続いたがその起点になるのはワグネルだった。 ワグネルは攻撃時だけでなく何度かバイタルエリアで相手ボールを奪いピンチを防いでいた。 
それにしてもアウェー側立見席はびっしりと赤いユニフォームで埋まっていた。そして柏の選手がCKを蹴るときは凄いブーイングだった。 




ハーフタイムの間、雨がすっかり上がったので前方の“元の席”に戻ることにした。周囲は結構赤の広州恒大のレプリカを着た中国人サポーターがいた。見事隣は若いカップルが座っていた。赤いレプリカを着ていたのですぐに中国人とわかったけど流暢な日本語を話していた。日本に来て2年。出身は広州だと言っていた。かつて中国には素晴らしい選手が揃っていて日本は勝てなかった事や広東の英雄、謝育新の事なんかを話したら“自分はその頃の事を知らないのでもっと教えてください。”と頼まれてしまった。
そして彼から“今日本は強くなりすぎて、中国は弱くなった。それが2国間の差になっている。”と言ってきた。そして私は“女子も深刻じゃないかな?かつては世界のトップを争っていたのに。”と付け加えた。 
そんな話をしていると先制ゴールの得点者はクレオでなくワグネルに公式記録は変更とのアナウンスが流れた。 よしクレオ、今度こそゴールを決めて倍返しだ。と心の中で思った。 

後半も柏の攻撃で始まった。 47分には栗澤が前線のクレオに送り戻したところを田中が放つがGK正面に。 
51分広州ベンチは早くも二人目の交替選手を送る。 馮瀟霆を下げて趙旭日を投入した。 これで榮昊が右SB張琳凡がCBにそれぞれ入った。投入直後に強烈なミドルを放った趙旭日は黄博文、鄭智らと共に2列目に入った。趙旭日は。長身ながらも縦へのスピードもある選手。彼の投入が広州を勢いづかせこれを境に形勢は一気に広州に傾いた。
そして58分、左サイドを上がった孫祥が中に入れる。戻った近藤が体を投げ出してクリアーするがそのこぼれ球が Mriqi の前に転がりそのまま撃たれたショットが柏ゴールに突き刺ささり同点にされてしまった。 同点にされた事よりもゴールを許したことがショックだった。そして広州サポーター達の大歓声がスタジアムに響いた。



そして同点にされた直後に柏ベンチは茨田を下げて谷口を投入した。 広州は右SB孫祥のオーバーラップも目立って来ていた。
何とか先に2点目が欲しい柏は66分CKを得る。 そのCKに中央から近藤がヘッドで右に送り更に鈴木がヘッドでゴールを狙う。観客席からでもよし!ゴール!と思ったが趙旭日がヘッドでクリアーしてしまった。 本当に惜しいチャンスだった。この直後にボールをつながれカウンターを食らいそうになるがその前に“ファール”でストップ。 だがそのリスタートから綱gれ最後はConcaにミドルシュートを決められ痛恨の逆転ゴールを許した。 Concaは後半はやや低いポジションに下がってボールを受けてボールをキープされていたがここではそのままシュートを撃たしてしまった。
この失点は柏イレブンに与える影響は計り知れないと思った。決定機を防がれた直後に許した失点であったから。



広州サポーター達からは“三比一!(3対1にしろ)”との歓声が上がる。 こちらは何とか追いついてくれないかな…と思うのだけど。
だが68分、ワグネルからボールを奪った郜林が前線に送ると Elkeson が完全にフリーで柏ゴールに迫る。あぁやられた本当に3対1だと思った瞬間、近藤がマークに入る前に放った Elkesonのシュートは大きく外れてくれた。まだ天に見捨てられていないとほっと安心する。 

71分クレオが中央から強烈なミドルを放つとGK曾城は逆に動きながら何とか手に当てて弾道を叩き落とすとそのままボールはゴールポストの左に転がった。 あぁもうこれでだめだ。今日は運がないと天を仰いだ。 趙旭日が投入されてから柏はゴール前のラストパスが繋がらず守勢に回ってもマークがずれて後手に回っていた。 クレオにもボールが出ず中盤に戻ったりするが広州DFのタイトなマークにあい自由に動けなくなっており79分に澤に替わってベンチに下げられてしまった。 そして田中がワントップに入った。

早く同点に追い付いてくれと願うも82分CKからキムチャンスと谷口の間にうまく入ったConcaに押し込まれてしまい試合をというよりも決勝進出を決定づけるゴールを決められてしまった。 



広州サポーター達の歓声ばかりが響いたが、しばらくすると柏サポーター達からも“恐れることなかれ~俺達が付いている~”と合唱が始まる。 せめて1点差で広州に乗り込んでくれ、そうすれば 2-0 で勝てばいいんだ。 2-0 ならそれが可能だと思った。だけど柏イレブンの動きにキレは無くなってきており、相手の突破をファールで止めざるを得ないシーンが目につき始めた。そして1対1でも体力差が表れるようになった。頼みのワグネルも後半は郜林や榮昊の上がりに押し込まれるような形になっていた。あぁこんな時レアンドロ=ドミンゲスが居たらなぁ~と思った。



広州ベンチは3点目が入る前の79分に孫祥を下げて趙鵬を投入し中盤に入れ榮昊を左SBに置き張琳凡を右SBに回し、守備固めに入っていた。その直後に追加点が入ったのだから名将 Lippi 監督の思い描く通りの展開となった。
試合はこのまま終わってくれなかった91分Muriqiにとどめを刺される4点目を決められこの時点で柏の決勝進出は事実上霧散してしまった……



試合終了後隣の中国人カップル2ショット写真を撮ってあげると非常に丁寧にお礼を言われた。彼女の方は恥ずかしかったのか日本語は話さなかった。

この試合の収穫は……雨にたたられなかった事と楊君との写真を撮ったことかな…..

そして帰途に就いた車中で誓った。 もう一度こんどこそ中国語を勉強しなおすぞ……









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