歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

芭蕉と利休と「錆びた看板」

2006年11月19日 | 東京の風景
「錆びた看板」に惹かれています。これまで撮った写真を眺め、お湯割りを飲みつつ、いろいろ思いを巡らす、秋の夜更け・・・・・・。



赤く錆びた鉄板に残る消えてしまいそうな文字、人の世の哀れ、空しさ、寂しさ、悲しさ、儚さ・・・・・・。また、何だか「演歌」ですね。

どうも、晩秋の夜はそんな気分になります。人生も晩秋に差し掛かり、自然の摂理を感じる歳になりました。

都会の裏通りで見かける「錆びた看板」のある風景に、我が身をなぞらえ、時の流れを、しみじみと感じる今日この頃・・・・・・。




「錆びた看板」は都会の「わび・さび」ですね。「錆び」は「寂び」に繋がる言葉です。年月を経て変化していく有様に、寂しさと伴に「美しさ」を感じる。日本人の美意識ですね。

高価なものにではなく、粗末なもの中に美しさを感じ取る・・・・・・歳ですかね。
「錆びた看板」は、まさに「わび、さび」であり、風景の「山葵(シャレ)」です。

権力者の豪華絢爛、金ピカの成金趣味と対立する処に、「わび、さび」があると思います、反権力の匂いがします。利休、芭蕉、などの文人達が創りだした世界ですね。



戦後の高度成長期、バブルに踊った時期を過ぎて、これからは「経済中心」の「金儲け主義」から、質素で落ち着いて暮らす「わび・さび」の時代ですね。そんな事を最近、考えています。




豪華絢爛、金ピカの成金ビル「六本木ヒルズ」よりも、質素な谷中の「長屋」で落ち着いて暮らす事に、価値を見いだす時代でしょうね。



金を沢山儲けた人が「勝ち組」で、所得の少ない人は「負け組」と云われ、人格評価と所得額が、正比例するものと信じる風潮とは、オサラバしましょう。

以前、テレビを観ていて驚く場面に2回遭遇しました。時代を象徴する人の、時代象徴する発言でした。

ひとつは「あのホリエモン」です。
インタビューを受けていて、質問者にこんな事を云ったのです。

「東大出身者で、今、一番収入の多いいのは、誰か、知ってます?」

と「真顔」で聞いてきたのです。当然「それは俺だ」と云っているのですが。
やっぱり彼は「貧乏人の成り上がり者」だと思いました。そんなことを真顔で聞く「愚か者」いません。本当に可哀想だと思いました。


もう一人は、あの村上ファンドの「村上さん」です。彼が記者会見で、

「お金を儲けて、いけないのですか?」と記者に逆質問をしたのです。

彼ら二人は、何か勘違いをして育ってきたのでしょう。
「金儲け」は「いけない事」ではありません。

「金儲け」をした「人間」は社会的にも「尊敬されるべき」と、二人は思い込んでいます。自分達を「尊敬」しない「世の中」は「間違っている」と思い込んでいます。

世の中の人間すべてが、「金儲け」為に生きていると思い込んでいるのです。
金を儲けた人間を「尊敬」する社会は、人類史上、過去、一度も存在しませんでした。これからもないでしょうね。

結局、彼ら二人は「逮捕」されました。
しかし、「あの程度の粉飾決算」と「あの程度のインサイダー取引」で逮捕されるのであれば、他にも数百人の逮捕者がいてもおかしくありません。

当人達は、スピード違反で捕まった程度の意識でしかないでしょう。
「何故俺だけが!」そう思っている筈です。

政権与党は、彼らを新しい時代の「寵児」のように持ち上げ、検察は「犯罪者」として逮捕しました。

この国は、誰れの意志で動いているのでしょうかね・・・・・・・。


錆びた看板の話しがだいぶ逸れてきました。

兎に角です。これからは「わび・さび」の時代です。

「わび・さび」が地球を救う!?   
        
         それでは。おやすみ 

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3 コメント

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通りすがりの者ですが、 (nonbe)
2006-12-06 12:17:49
一番上の写真『とねや』と読める看板の建物はどこにあるのでしょうか?
あ、いきなり不躾な質問でごめんなさい。
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御礼 (Rico Yang)
2011-02-04 11:18:34
日本の会社に勤めている東京在住の中国人ですが、日本の「さび・わび」という美意識に凄く惹かれています。芭蕉と利休と「錆びた看板」の内容は素晴らしい。大変勉強になりました。有難うございます。
返信する
Re御礼 (cocoro1)
2011-02-04 19:45:41
恐縮です。m(__)m
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