ハドソンの「緑の館」というイメージで描いている。映画化もされて、たしかオードリー・ヘップバーンが主人公のリーマを演じたが、あまりヒットしなかったようだ。
私は原作を中学生の頃?読んで、妖精のような不思議なリーマにたいそう憧れた。南米のリオラマ山脈をもじってリーマ、という名前になったと少女は語り手に告げる。その広大な山のどこかにリーマの故郷があるらしいが、母とともに赤ん坊の頃一族にはぐれ、その母も亡くなった彼女はひとりぼっちで、ふるさとがどこにあるのかわからない。
リーマと母を庇護した現地の養親も亡くなってからは、彼女は森に住み、小鳥や獣たちとだけ仲良く暮らして、人間たちとは接しない。リーマは現地人とは髪や肌の色が違い、不思議な、グレイがかった虹のような髪をしているという。肌も白くて、リーマはその独特の美しさと植物や動物たちと交信できる特殊な感受性ゆえに、人間世界にはなじまいのだった。。。
語り手はハドソンの分身である流浪の白人男性で、彼は当然ながらリーマに恋するが、この恋愛は上手くゆかない。彼は妖精一族にはなれないからだ。
そんな不思議なリーマの世界を、薔薇園風に描いてみたいと思う。
愛と感謝。