今月末、母を隣市の施設にお願いする。
いろいろな家族があるだろうが、介護はやはり専門職に任せた方がいい。この数年、さほどの介護度ではない母と暮らして、それをしみじみ実感した。
余程仲の良い、絆の深い親子でも、相手の痛みを実際に共感することはできないから、互いに苛立ちや怒りが生まれる。
高齢になると、肉体以上に、精神的なキャパシティも狭くなりがちだ。
母の世話をし、徐々に衰えてゆくその言動を眺めながら、自分はどんな高齢者になりたいだろう、と考えた。
水彩、こころ。
紫式部は長寿を望まなかった。光源氏は60代に入る前に雲隠れしたようだ。おそらく彼女もまた40代で亡くなっている。
私は健康長寿でないなら、紫式部と同じことを願う。
みまかるその日まで、健やかに朗らかに、神のつくりたもうた世界を賛美しながら働き、描き、奏でたい。
全てに感謝。