市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

さよならとささやくやうに散る蕊のふつりと匂ひてまた散り続く

2010-12-17 17:20:57 | Weblog



 ドラセナさんの開花が過ぎて。


 朝な夕なに、しぼんだ蕊が散り零れる。


 もう香りはしないな、と思っていたのに、なにかの刹那、呼び止められるように、鼻先を甘く、その香りがかすめる。ふりあおいでも、もう花はひとつもひらいていないのに。


 八つ手の花によく似た茎を、透きとおった蜜が雫になって伝わり流れる。舐めると藪椿の花の蜜によく似た甘さ。

 匂いは一瞬。あとは沈黙。


 さよならのあいさつかな? 

 ありがとう、とささやき返す。



 植物にこころはあるんだろうか。



 そんなありのまま。


 

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2 コメント

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Unknown (りーべ)
2010-12-19 14:31:17
ふっと、涙ぐみました。

わたしまで、さよなら・・・と。
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こころ (雪香)
2010-12-19 20:33:43
やさしい言葉ですね。

こころは日々さまざまにうつりゆき、目に見える風景も、こちらのあり方で、すがたや表情が変わりますよね?

いっしょにいる植物もまた……。

あわただしい年の瀬、どうぞお元気にお過ごしください。



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