400年前に、九州かくれキリシタンの共同体には、助け合いの組織があったそうだ。
たとえば「サンタマリアの組」「ミゼリコルディアの組」
ミゼリコルディア……慈悲。
「慈悲の組」のなすべき所作をまとめた七つの教えの中に、色身、という言葉がありました。
しきしん。色の身。肉体のこと、と。
一時、椿さんに勧められて「徒然草」を読みふけった時期があり、そのなかの言葉を思い出す。
耐ウベクモアラヌ業に耐ウルハタダ色ヲ思フユヱナリ……
こころはいろいろ、からだもいろいろ。
奥深い単語と思いました。
色々さまざまに思い乱れる色身も、蒼白な月光のなかでは、半透明な天女に見えるかもしれない。
あるいは、サンタマリアか。