市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

身を包む潮聴くたび此処にある四肢確かめて海へ向かひぬ

2019-06-18 21:49:23 | Weblog


油彩 「Eos」


全体に荒削りだが、画面をまとめた。







伝統的なイコン、ことにリナシメント以降の聖母は、どの画家の作品でも、マント、トーガ、ひらたく言うと大きなうつくしい布を纏っている。それはおさなごを保護する母性の象徴であり、また華奢な肢体の聖母マリアに、ゆったりした地母神的豊かさを添える。

プリミティブな地母神は堂々とした裸体の持ち主だが、処女である無原罪のマリア像は殆どがほっそりしている。マリアの纏うひろやかで豪奢な絹が地母神の脂肪の代わりということか。

ともかく、長い裳裾や襞は、薔薇の花弁と等しく、聖母マリア像を飾る大切な必須アイテムなので、緻密に描きたいと思っている。

これはそのための習作でもあるが、具象を離れた私自身の心象風景になっている。

神に感謝。





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