今秋、また椿さんの作品展示がある。
詳しくはホームページを御覧ください。
彼が、あまりに気丈で、弱音をはかないので、わたしはすっかり忘れている。
彼の手のこと。
苦しい骨折から、ひたすらリハビリにはげみ、ふたたびチェロを演奏できるまで回復した日々のこと。
わたしは、いったい彼から何を、どれほど教わったろうか。
音楽、絵画、文章、どれもいたらない。
今、どんなにかわたしが現実にさらされて痛んだとしても、チェリストにとって致命的ともいえるあの事故ほどではない。
でも、彼は愚痴ひとつこぼさず耐えて、復帰した。
わずか二年前のこと。
離れていても、こころから慕っている。
彼は、たぶん今夜も画布に挑むだろう。
画像は椿さんの過去の作品のひとつ。展示とは無関係です。