市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

ものいはぬ陶の器を鳴らすごと雨したたりぬ女体のなかへ

2008-06-26 13:33:43 | Weblog


 太秦由美子さんという歌人。



      雨降れば庭の夕顔夜もすがら陶器のごとく冷えて咲きゐむ

 

 夕顔の花、源氏物語のゆかりというわけではないけれど、大好きな花のひとつ。

 庭があったころ、この花をいっぱい育てて咲かせた。

 夕方ひらき、夜中三時ころまで咲いて、朝にはしぼむ。


 ほのかな品のいい香りがあって、あおじろい花弁は、ほんとうに陶器のようなふしぎな質感だった。


 夕顔のさびしさと美しさを詠いとる佳詠。


 太秦さんのように、さりげなく心を叙景に託す表現ができたら、と思う。






 
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