衣装の断捨離はなかなか難しい。
やむを得ず甲府千葉の二重生活が始まり、どちらもなるべく風通しの良い、偏らない住まいにしたいので、季節柄、衣更を兼ねて仕分けを始めた。
現代は、たぶん良いことなんだろうけれど、年齢を重ねてもなかなか老いの自覚が持てない。20代からの服がたくさん残っており、古びていないからまだ着られる。
きっと昔より4キロくらいは太ったから、細すぎるボトムスなどは無理にせよ、大抵まだサイズも大丈夫。
可愛い花模様とか、フリルとか、ローウエストとか、いまさら少女趣味過ぎと思う洋服も処分できない。着ればそれなりに似合うと思う。
とはいえ世間は舞台ではないから、リアル社会では55歳にしてガーリッシュスタイルを普段に着られないと苦笑したり。年の離れた姉妹や娘がいたら、きっと着せ替え人形みたいに洋服を譲れるのに、などなど夢想する。
20歳の頃に街で見かけて買った人形がまだ一緒にいる。この子も36歳になるわけだ。ところでイマドキの子供は、お人形で遊ばないみたいだ。小さい頃から人形大好きな私には、不思議な世相。部屋に人形があると安心するので。
施設からまた母の写真が届いた。敬老の日のお祝いだそうだ。
嬉しそうな顔で、ほっとする。
母も人形好きな世代だ。ぬいぐるみには関心がなく、お人形ばかり。
私はぬいぐるみにも愛着がある。今もまだある。
洋服と同じように、昔からのおもちゃが捨てられない。懐かしい遊び相手だから。
油彩 青い薔薇 F8号
さまざま感謝。