市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

人形を離さず五十路過ぎにしよあかねさす野に人妻となり

2021-10-12 22:03:00 | Weblog

 衣装の断捨離はなかなか難しい。
 やむを得ず甲府千葉の二重生活が始まり、どちらもなるべく風通しの良い、偏らない住まいにしたいので、季節柄、衣更を兼ねて仕分けを始めた。
 現代は、たぶん良いことなんだろうけれど、年齢を重ねてもなかなか老いの自覚が持てない。20代からの服がたくさん残っており、古びていないからまだ着られる。
 きっと昔より4キロくらいは太ったから、細すぎるボトムスなどは無理にせよ、大抵まだサイズも大丈夫。
 可愛い花模様とか、フリルとか、ローウエストとか、いまさら少女趣味過ぎと思う洋服も処分できない。着ればそれなりに似合うと思う。
 とはいえ世間は舞台ではないから、リアル社会では55歳にしてガーリッシュスタイルを普段に着られないと苦笑したり。年の離れた姉妹や娘がいたら、きっと着せ替え人形みたいに洋服を譲れるのに、などなど夢想する。
 20歳の頃に街で見かけて買った人形がまだ一緒にいる。この子も36歳になるわけだ。ところでイマドキの子供は、お人形で遊ばないみたいだ。小さい頃から人形大好きな私には、不思議な世相。部屋に人形があると安心するので。
 


 施設からまた母の写真が届いた。敬老の日のお祝いだそうだ。
 嬉しそうな顔で、ほっとする。
 母も人形好きな世代だ。ぬいぐるみには関心がなく、お人形ばかり。
 私はぬいぐるみにも愛着がある。今もまだある。
 洋服と同じように、昔からのおもちゃが捨てられない。懐かしい遊び相手だから。

 


 油彩  青い薔薇  F8号

  
 さまざま感謝。



 

 
 

 

 
 
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