市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

頬(ほ)に触れる大気よぎりて蜻蛉の君消えゆくか香りも残さず

2008-01-31 15:32:37 | Weblog


 こういう曇り日、風低い、しんと冷たい流れのなかで、

 自分だけに差し向かいに過ごしていると、いやおうなしに詩にひっぱられる。

 そう表現するしかない感覚。からだのなかから流れ出してしまうような、

 自分が違う世界にひきこまれてしまいそうな感覚。

 いろいろなヴィジョンがうまれる。つかまえようとする。


 これは、源氏物語の蜻蛉の巻からか。

 明日、また着物をまとう。あらたまった席なので、袋帯。源氏物語を意匠にした全通の金襴をながめていたら、その華麗さよりも、宇治十帖のしめやかなくだりが思い出された。

 おてんきのせいか。

 長着は、加賀友禅にしよう。

 あかるい浅緑地に寒牡丹の裾模様。

 さっき、仕付け糸を切った。

 あたらしい絹は、重い。


 似合うといいな……。



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2 コメント

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寒牡丹 (salamanca)
2008-01-31 23:51:18
雪香様
素敵な着物。仕付け糸を切ったばかりの着物に、袖を通すときのワクワクドキドキ感が伝わってきます。

う~~~~ん、雪香様には翡翠の帯止めなんか似合いそう。
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翡翠 (雪香)
2008-02-02 01:39:37
 
 翡翠の帯止め、すてきですね。

 それは、わたしの大好きないろです。

 ろうかん……琅玕という翡翠のかんざし、曾祖母からゆずりうけてだいじにしています。
 
 むかしむかしの翡翠細工。透度のたかい緑色に、こころひかれます。

 今日の友禅の着心地は、よかったですね。

 おてんきにも、周囲の方々のこころづかいにもめぐまれました。



 

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